42 / 51
37話 ヒカル、酷い目に合う2
しおりを挟む
ヒカルは青ざめていた。目の前には、スポンジを手にしてどうやって使うかわからない状態の母がいる。ヒカルは家庭科の先生ではない。家事も義母アカリがやっているのを見よう見まねで覚えたのだ。ヒカルもウィル神族の貴族の姫だった。最初は、戸惑ったがアカリに聞いて自分でやってみて、出来るようになった。本当に独学である。後は、高校の家庭科の授業で勉強した。そのヒカルが音を上げていた。
(ヒカリお母さんには料理のセンスがない! 強いて言うなら料理の理解力のなさにセンスがある!)
壊滅的な料理の腕前に壊滅的な家事の理解力のなさにヒカルは悲鳴を上げたかった。スポンジに洗剤をつけて洗うのも水浸しにして、ヒカルが雑巾で床を拭いたのだ。計量スプーンや計量カップを説明しても全くわからないのだ。ヒカリは、高校からシルフィード国に留学していたのだ。ヒカリが家庭科の単位をどう取得したのか全く理解できない。
ヒカルは恐る恐る聞く。
「お母さん、家庭科の授業ってどうしてたの?」
ヒカリはうーんと思い出すように考え込む。ヒカリの忘れていた記憶が蘇る。
「うーん。先生にもう調理の授業に来なくていいからレポートとミシンとか編み物を提出したらいいと言われたわ。思い出したけど、私作る物が皆焦げてね」
ヒカルはがっくりする。それはヒカリのあまりに酷い料理のセンスのなさに、家庭科の先生が音を上げたのだ。家庭科の専門の先生が諦めたのだ、ヒカルにはヒカリに料理を教えられないと早々に判断した。
(この理解力のなさでどうやって仕事をしているのよ!)
ヒカルは、実の母が良くわからなくなった。
「お母さん、もういいよ。後は私が片付けて夕飯作るから仕事してきて……」
ヒカルはヒカリに料理を教えることを止めた。
一方リチャードも頭を抱えていた。アレックスは、派手なウィル王の影に隠れてはいたが、その見た目も頭の回転の早さも剣の腕も政治的手腕もある。なのに着替えひとつにやる気がない。リチャードが着替え方を教えるが、たらたらとしている。ボタンの外し方や付け方もおぼつかない。いや、はっきり言うとやる気がないのだ。アレックスは、要領も頭の良さもピカイチだ。つまりは、覚える気がないのだ。
リチャードは頭が痛かった。そして最終的に諦めた。
「アレックス様、もういいです。後は侍従を通いでお願いしましょう。私がヒカリ様を説得します」
リチャードもアレックスに服の着替え方を教えるのを止めた。
リチャードは、このいい加減なアレックスを見てアレックスがヒカルの実の父親であることを理解したのである。
ヒカリとアレックスは下を俯いていた。そして向かい側にヒカルとリチャードがダイニングテーブルを挟んで椅子に座っている。テーブルには、ヒカルが作り直したミートソーススパゲッティとサラダが人数分並んでいる。
「すごーい! ヒカルって家事に料理に手馴れていて、本当にお料理上手ね!」
嬉しそうにヒカリが、ヒカルに話しかけるがヒカルは疲れ果てて沈黙している。そして、アレックスもリチャードにちらちらと視線を投げるが、リチャードの方は怒って黙り込んでいた。
「ヒカリ様、使用人がこちらに通いで来ることをお許し願います」
リチャードが何度目かのお願いをするが、ヒカリは首を横に振る。疲れ果てたヒカルが、ちらりとヒカリを冷ややかに見る。ヒカリはぎょっとする。今までこんな風にヒカルに見られたことはなかった。
「自分だって使用人に料理させて食べてきたんでしょ? その壊滅的な料理の腕はどうにもならないわ。私が作るからリチャードさんのお願いを聞いて。それとも自分で調理したい?」
リチャードは話が全くわからないが、アレックスは、ああと頷いた。過去にヒカリの素敵な料理の腕を振舞われたらしい。
「あれは酷いからな……」
アレックスはがぽつりと呟くと同時に、ヒカリがアレックスを睨みつけた。
「余計なお世話よ!」
「だってお母さんの料理、酷いじゃない。それにうちは一家揃ってリチャードさんに護衛して貰っているのよ。お願いくらい聞いてあげたら?」
娘に駄目出しをされて、ヒカリはふてくされた。怒っていたリチャードは、アレックスのめんどくさがりな所とヒカリの子どもっぽい所がヒカルにどこか似ていて、二人はヒカルの親だと実感して噴き出しそうになったが、堪える。ヒカルがリチャードの今の気持ちを知ったら怒りまくるだろうと思ったら余計リチャードは、笑いが込み上げてきた。
「二人とも酷いじゃない!」
ヒカリは、席を立とうとするがヒカルに止められる。
「ご飯食べてよね。私がお母さんの汚したキッチンを片付けて、その残った労力で作ったのよ」
ヒカルは、かなりヒカリに手厳しく言い放つ。ヒカリはむっとして、言い返そうとするが口ごもる。アレックスは、ヒカルとヒカリの会話を聞いて、驚く。
「凄いな。これをヒカルが作ったのか! ヒカルの料理の腕は壊滅的だと思っていた」
ヒカリはアレックスの言葉にとうとう切れた。
「私に似てと付け加えたら? もう知らない!」
ヒカリはがたんと席を立ち、自室へと戻っていこうとする。
三人の会話が面白過ぎて、リチャードは堪え切れず噴き出す。
「はははは!」
リチャードの笑い声にヒカリは立ち止まる。
「リチャードさん、何がおかしいの?」
ヒカルの問いかけにリチャードが笑いを堪えながら言葉をつっかえながら話す。
「あまりに三人が面白過ぎて……。三人はやっぱり実の親子ですね」
リチャードの言葉にヒカリは、はっとする。ヒカルやアレックスが遠慮せず話してくれたのが始めてだからだ。それとリチャードの言葉が嬉しくて胸に響く。実の親子と言われたのが、本当に嬉しくて涙が出そうになるが、それを隠して席に着く。
「ヒカルが折角作ってくれたから食べるわ。でも私だって料理を勉強すれば上手になるわ!」
ヒカリは無駄な抵抗をするが、ヒカルとアレックスは同時に言い放った。
「無理!」
「無理だ!」
ヒカリは、むうっと頬を膨らます。その子どもっぽさは、とても20歳の子がいる41歳には思えなかった。
「二人揃って酷いじゃない!」
こんな風に家族みたいに会話出来て、ヒカリは嬉しくて仕方ない。なのでついヒカリは、リチャードに言ってしまった。
「リチャード、いいわよ。通いの使用人を雇うの。それでリチャードが仕事を出来るならね」
ふんと顔を背けるが、アレックスとヒカルがぶっと噴き出す。二人は、ヒカリがリチャードに実の親子と言われたのが嬉しくて、了承したのがわかっているが、あえて口に出さなかった。ヒカリは顔を真っ赤にさせていた。
(ヒカリお母さんには料理のセンスがない! 強いて言うなら料理の理解力のなさにセンスがある!)
壊滅的な料理の腕前に壊滅的な家事の理解力のなさにヒカルは悲鳴を上げたかった。スポンジに洗剤をつけて洗うのも水浸しにして、ヒカルが雑巾で床を拭いたのだ。計量スプーンや計量カップを説明しても全くわからないのだ。ヒカリは、高校からシルフィード国に留学していたのだ。ヒカリが家庭科の単位をどう取得したのか全く理解できない。
ヒカルは恐る恐る聞く。
「お母さん、家庭科の授業ってどうしてたの?」
ヒカリはうーんと思い出すように考え込む。ヒカリの忘れていた記憶が蘇る。
「うーん。先生にもう調理の授業に来なくていいからレポートとミシンとか編み物を提出したらいいと言われたわ。思い出したけど、私作る物が皆焦げてね」
ヒカルはがっくりする。それはヒカリのあまりに酷い料理のセンスのなさに、家庭科の先生が音を上げたのだ。家庭科の専門の先生が諦めたのだ、ヒカルにはヒカリに料理を教えられないと早々に判断した。
(この理解力のなさでどうやって仕事をしているのよ!)
ヒカルは、実の母が良くわからなくなった。
「お母さん、もういいよ。後は私が片付けて夕飯作るから仕事してきて……」
ヒカルはヒカリに料理を教えることを止めた。
一方リチャードも頭を抱えていた。アレックスは、派手なウィル王の影に隠れてはいたが、その見た目も頭の回転の早さも剣の腕も政治的手腕もある。なのに着替えひとつにやる気がない。リチャードが着替え方を教えるが、たらたらとしている。ボタンの外し方や付け方もおぼつかない。いや、はっきり言うとやる気がないのだ。アレックスは、要領も頭の良さもピカイチだ。つまりは、覚える気がないのだ。
リチャードは頭が痛かった。そして最終的に諦めた。
「アレックス様、もういいです。後は侍従を通いでお願いしましょう。私がヒカリ様を説得します」
リチャードもアレックスに服の着替え方を教えるのを止めた。
リチャードは、このいい加減なアレックスを見てアレックスがヒカルの実の父親であることを理解したのである。
ヒカリとアレックスは下を俯いていた。そして向かい側にヒカルとリチャードがダイニングテーブルを挟んで椅子に座っている。テーブルには、ヒカルが作り直したミートソーススパゲッティとサラダが人数分並んでいる。
「すごーい! ヒカルって家事に料理に手馴れていて、本当にお料理上手ね!」
嬉しそうにヒカリが、ヒカルに話しかけるがヒカルは疲れ果てて沈黙している。そして、アレックスもリチャードにちらちらと視線を投げるが、リチャードの方は怒って黙り込んでいた。
「ヒカリ様、使用人がこちらに通いで来ることをお許し願います」
リチャードが何度目かのお願いをするが、ヒカリは首を横に振る。疲れ果てたヒカルが、ちらりとヒカリを冷ややかに見る。ヒカリはぎょっとする。今までこんな風にヒカルに見られたことはなかった。
「自分だって使用人に料理させて食べてきたんでしょ? その壊滅的な料理の腕はどうにもならないわ。私が作るからリチャードさんのお願いを聞いて。それとも自分で調理したい?」
リチャードは話が全くわからないが、アレックスは、ああと頷いた。過去にヒカリの素敵な料理の腕を振舞われたらしい。
「あれは酷いからな……」
アレックスはがぽつりと呟くと同時に、ヒカリがアレックスを睨みつけた。
「余計なお世話よ!」
「だってお母さんの料理、酷いじゃない。それにうちは一家揃ってリチャードさんに護衛して貰っているのよ。お願いくらい聞いてあげたら?」
娘に駄目出しをされて、ヒカリはふてくされた。怒っていたリチャードは、アレックスのめんどくさがりな所とヒカリの子どもっぽい所がヒカルにどこか似ていて、二人はヒカルの親だと実感して噴き出しそうになったが、堪える。ヒカルがリチャードの今の気持ちを知ったら怒りまくるだろうと思ったら余計リチャードは、笑いが込み上げてきた。
「二人とも酷いじゃない!」
ヒカリは、席を立とうとするがヒカルに止められる。
「ご飯食べてよね。私がお母さんの汚したキッチンを片付けて、その残った労力で作ったのよ」
ヒカルは、かなりヒカリに手厳しく言い放つ。ヒカリはむっとして、言い返そうとするが口ごもる。アレックスは、ヒカルとヒカリの会話を聞いて、驚く。
「凄いな。これをヒカルが作ったのか! ヒカルの料理の腕は壊滅的だと思っていた」
ヒカリはアレックスの言葉にとうとう切れた。
「私に似てと付け加えたら? もう知らない!」
ヒカリはがたんと席を立ち、自室へと戻っていこうとする。
三人の会話が面白過ぎて、リチャードは堪え切れず噴き出す。
「はははは!」
リチャードの笑い声にヒカリは立ち止まる。
「リチャードさん、何がおかしいの?」
ヒカルの問いかけにリチャードが笑いを堪えながら言葉をつっかえながら話す。
「あまりに三人が面白過ぎて……。三人はやっぱり実の親子ですね」
リチャードの言葉にヒカリは、はっとする。ヒカルやアレックスが遠慮せず話してくれたのが始めてだからだ。それとリチャードの言葉が嬉しくて胸に響く。実の親子と言われたのが、本当に嬉しくて涙が出そうになるが、それを隠して席に着く。
「ヒカルが折角作ってくれたから食べるわ。でも私だって料理を勉強すれば上手になるわ!」
ヒカリは無駄な抵抗をするが、ヒカルとアレックスは同時に言い放った。
「無理!」
「無理だ!」
ヒカリは、むうっと頬を膨らます。その子どもっぽさは、とても20歳の子がいる41歳には思えなかった。
「二人揃って酷いじゃない!」
こんな風に家族みたいに会話出来て、ヒカリは嬉しくて仕方ない。なのでついヒカリは、リチャードに言ってしまった。
「リチャード、いいわよ。通いの使用人を雇うの。それでリチャードが仕事を出来るならね」
ふんと顔を背けるが、アレックスとヒカルがぶっと噴き出す。二人は、ヒカリがリチャードに実の親子と言われたのが嬉しくて、了承したのがわかっているが、あえて口に出さなかった。ヒカリは顔を真っ赤にさせていた。
0
お気に入りに追加
169
あなたにおすすめの小説
大嫌いな次期騎士団長に嫁いだら、激しすぎる初夜が待っていました
扇 レンナ
恋愛
旧題:宿敵だと思っていた男に溺愛されて、毎日のように求められているんですが!?
*こちらは【明石 唯加】名義のアカウントで掲載していたものです。書籍化にあたり、こちらに転載しております。また、こちらのアカウントに転載することに関しては担当編集さまから許可をいただいておりますので、問題ありません。
――
ウィテカー王国の西の辺境を守る二つの伯爵家、コナハン家とフォレスター家は長年に渡りいがみ合ってきた。
そんな現状に焦りを抱いた王家は、二つの伯爵家に和解を求め、王命での結婚を命じる。
その結果、フォレスター伯爵家の長女メアリーはコナハン伯爵家に嫁入りすることが決まった。
結婚相手はコナハン家の長男シリル。クールに見える外見と辺境騎士団の次期団長という肩書きから女性人気がとても高い男性。
が、メアリーはそんなシリルが実は大嫌い。
彼はクールなのではなく、大層傲慢なだけ。それを知っているからだ。
しかし、王命には逆らえない。そのため、メアリーは渋々シリルの元に嫁ぐことに。
どうせ愛し愛されるような素敵な関係にはなれるわけがない。
そう考えるメアリーを他所に、シリルは初夜からメアリーを強く求めてくる。
――もしかして、これは嫌がらせ?
メアリーはシリルの態度をそう受け取り、頑なに彼を拒絶しようとするが――……。
「誰がお前に嫌がらせなんかするかよ」
どうやら、彼には全く別の思惑があるらしく……?
*WEB版表紙イラストはみどりのバクさまに有償にて描いていただいたものです。転載等は禁止です。
悪役令嬢は王太子の妻~毎日溺愛と狂愛の狭間で~
一ノ瀬 彩音
恋愛
悪役令嬢は王太子の妻になると毎日溺愛と狂愛を捧げられ、
快楽漬けの日々を過ごすことになる!
そしてその快感が忘れられなくなった彼女は自ら夫を求めるようになり……!?
※この物語はフィクションです。
R18作品ですので性描写など苦手なお方や未成年のお方はご遠慮下さい。
美貌の騎士団長は逃げ出した妻を甘い執愛で絡め取る
束原ミヤコ
恋愛
旧題:夫の邪魔になりたくないと家から逃げたら連れ戻されてひたすら愛されるようになりました
ラティス・オルゲンシュタットは、王国の七番目の姫である。
幻獣種の血が流れている幻獣人である、王国騎士団団長シアン・ウェルゼリアに、王を守った褒章として十五で嫁ぎ、三年。
シアンは隣国との戦争に出かけてしまい、嫁いでから話すこともなければ初夜もまだだった。
そんなある日、シアンの恋人という女性があらわれる。
ラティスが邪魔で、シアンは家に戻らない。シアンはずっとその女性の家にいるらしい。
そう告げられて、ラティスは家を出ることにした。
邪魔なのなら、いなくなろうと思った。
そんなラティスを追いかけ捕まえて、シアンは家に連れ戻す。
そして、二度と逃げないようにと、監禁して調教をはじめた。
無知な姫を全力で可愛がる差別種半人外の騎士団長の話。
かつて私を愛した夫はもういない 偽装結婚のお飾り妻なので溺愛からは逃げ出したい
おうぎまちこ(あきたこまち)
恋愛
※また後日、後日談を掲載予定。
一代で財を築き上げた青年実業家の青年レオパルト。彼は社交性に富み、女性たちの憧れの的だった。
上流階級の出身であるダイアナは、かつて、そんな彼から情熱的に求められ、身分差を乗り越えて結婚することになった。
幸せになると信じたはずの結婚だったが、新婚数日で、レオパルトの不実が発覚する。
どうして良いのか分からなくなったダイアナは、レオパルトを避けるようになり、家庭内別居のような状態が数年続いていた。
夫から求められず、苦痛な毎日を過ごしていたダイアナ。宗教にすがりたくなった彼女は、ある時、神父を呼び寄せたのだが、それを勘違いしたレオパルトが激高する。辛くなったダイアナは家を出ることにして――。
明るく社交的な夫を持った、大人しい妻。
どうして彼は二年間、妻を求めなかったのか――?
勘違いですれ違っていた夫婦の誤解が解けて仲直りをした後、苦難を乗り越え、再度愛し合うようになるまでの物語。
※本編全23話の完結済の作品。アルファポリス様では、読みやすいように1話を3〜4分割にして投稿中。
※ムーンライト様にて、11/10~12/1に本編連載していた完結作品になります。現在、ムーンライト様では本編の雰囲気とは違い明るい後日談を投稿中です。
※R18に※。作者の他作品よりも本編はおとなしめ。
※ムーンライト33作品目にして、初めて、日間総合1位、週間総合1位をとることができた作品になります。
Flower
碧
恋愛
普通の女子高生の宮井麻希子。
出版社に勤める麻希子の従兄の宇野智雪。
5月のある日、麻希子の何も変哲のない日常が新しい出会いで少しずつ変わり始める。なんの変哲もない日常が、実は鮮やかな花のような日々だと気がついた麻希子の一時の物語。
表題の花はその日の誕生日の花となっております。一応重複をしないため、一般的でない物も色違い等も含まれております。文内には、その花の花言葉が必ず含まれております。それほどキツイ描写はないのですが、性的なものを匂わせる部分はありますのでR指定をかけております。
【完結】【R18】この国で一番美しい母が、地味で平凡な私の処女をこの国で最も美しい男に奪わせようとしているらしい
魯恒凛
恋愛
富と権力を併せ持つ、国一番の美人であるマダムジョスティーヌからサロンへの招待状を受け取ったテオン。過ぎたる美貌のせいで出世を阻まれてきた彼の後ろ盾を申し出たマダムの条件は『九十九日以内に娘の処女を奪うこと』という不可解なもの。
純潔が重要視されないこの国では珍しい処女のクロエ。策略を巡らせ心と体を絆そうとするテオンだったが、純朴な彼女に徐々に惹かれてしまい……
自分に自信がない自称不細工な女の子が稀代のモテ男に溺愛されるお話です。
※R18は予告なしに入ります。
※ムーライトノベルズですでに完結済みです。
慰み者の姫は新皇帝に溺愛される
苺野 あん
恋愛
小国の王女フォセットは、貢物として帝国の皇帝に差し出された。
皇帝は齢六十の老人で、十八歳になったばかりのフォセットは慰み者として弄ばれるはずだった。
ところが呼ばれた寝室にいたのは若き新皇帝で、フォセットは花嫁として迎えられることになる。
早速、二人の初夜が始まった。
英雄王と鳥籠の中の姫君
坂合奏
恋愛
無慈悲で残酷なまでの英雄王と
今日私は結婚する
グランドール王国の姫であるリーリエは、幼い頃に大量の奴隷を母親サーシャと共に逃がした罪から、王宮で虐待を受けていた。
とある日、アダブランカ王国を圧政から救った英雄王であるクノリス王からリーリエを嫁によこさなければ、戦争を仕掛けるという手紙がグランドール王国の王宮に届き、リーリエはアダブランカ王国に嫁入りすることになった。
しかし、クノリスはグランドール王国でリーリエ達が逃がした奴隷の一人で……
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる