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お菓子好きの魔法使いは不良騎士に恋をする
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彼がそれまでお菓子なんて手にしたことは見た事はなかった。嬉しそうにスペンサー王国の王都のメインストリートの今流行の最先端の菓子店に立ち、チョコやキャンディーを買い込んでいる。誰か好きな少女の為に買っているのだろうかと、通りの少女たちは彼を眺めていた。王立魔法院の魔法使いアンジェは、買い物の帰りに彼を見かけて、足を止める。アンジェの同僚で親友の少女アイヴィーの幼馴染である近衛騎士の青年リアムはアンジェの顔見知りである。
「リアム? 何をしているの?」
アンジェは、ストロベリーブロンドのふわふわの髪に菫色の瞳の可愛らしい少女だ。王立魔法院の魔法使いでその所属を示す初級魔法使いのしるし、赤いマントを肩にかけている。リアムはアンジェが後ろから声を掛けたので、驚愕すると同時に顔を赤らめた。
「アンジェ? な、何でここに! い、いや俺は……」
お菓子を背中に隠してしどろもどろになる。それを見て、アンジェはくすりと笑う。
「わかってるわよ、そのお菓子アイヴィーに買ってあげるんでしょ?」
全く彼の妹分に対する愛情はわかりやすくて、わかってないのは本人であるアイヴィーだけだ。
そこへ一人の少女がアンジェを向こう側の通りから見つけて、走ってきた。長い銀色の髪を青いリボンでツインテールに結わえている。印象的なのは紫水晶のような神秘的な円らな両方の瞳。紫の瞳を彩るかのような淡い桜色の小さな唇が小さな顔立ちに収まっている。その年頃の少女たちより少し小さめな華奢な身体つき。神秘的な愛くるしい美少女だ。リボンと同じ青のワンピースを身に着けて、肩にアンジェと同じ王立魔法院の初級魔法使いのしるしの赤いマントをかけている。その青のリボンがぴょこぴょこと揺れている。
「あっ! アンジェ! 見つけたぁ!」
えいっとアンジェに飛び跳ねながら、後ろから抱き着く。アンジェの前にいるリアムの姿は隠れていて、彼女には見えていないのだ。
「アイヴィー?」
自分に抱き着いた少女、アイヴィーにアンジェは驚く。
「アンジェ!」
と無邪気に手を上げて、笑うアイヴィーはリアムの姿を認めて固まる。
「げっ、リアム! また仕事さぼってるの?」
アイヴィーはその愛くるしい顔をしかめて、リアムを睨みつける。
「アイヴィー?」
アンジェがきょとんとしていると、アイヴィーは、腰に手を当ててリアムを睨み続ける。
「まーたー、違う女の子と夜を過ごしてたでしょう? 昨の夜、私にリアムの居所を尋ねてきた女の子がたくさんいたんだから! いい加減私に迷惑かけるの止めてよ! この不良騎士!」
アイヴィーはその可愛らしい頬をむぅーっと膨らませて怒っている。リアムは、怒っているアイヴィーにその王子然とした金色の短髪に新緑の切れ長の双眸の端正な顔でにかっと笑い、アイヴィーの頭をぐしゃぐしゃと撫でたのだ。
「悪いな! 迷惑かけて。アイヴィーは俺の妹分だから皆、アイヴィーが俺の居所知っていると思うんだよなあ~」
その王子様を連想させる見た目とは裏腹なガキ大将のような性格に人懐っこい態度。彼が、天然の女たらしである所以だ。
「もう! リアムの馬鹿! 私の頭ぐしゃぐしゃにしないで!」
アイヴィーはさっきまでの怒っていたのを忘れて、リアムに言い返す。二人のやり取りに慣れた様子で、アンジェは二人を眺めていた。
「あ、俺そろそろ仕事に戻らないと」
アイヴィーをおちょくっていたリアムは、じゃあなとアイヴィーの手にチョコを握らせる。
「うっ! 賄賂ね! 騙されないわよ!」
そう言いながらアイヴィーはリアムがくれた高級チョコレートをぽんと口に頬りこんだ。アイヴィーの頬が緩んだ。
「美味しー! リアムって女ったらしだけど、お菓子の趣味は私と合うのよね!」
アイヴィーは、嬉しそうにチョコを頬張る。
アイヴィーとリアムは幼馴染だ。リアムは5歳の時に唯一の家族だった母を亡くし、母親の親友であるアイヴィーの母親が縁でアイヴィーの家に引き取られた。そこからリアムが15歳、アイヴィーが12歳まで兄妹同然に育てられた。二人が別れたのは、リアムが実の父親であるシドニー伯爵に引き取られたからだ。
リアムは、王都の白い石畳が敷かれた通りを歩く。リアムは近衛騎士団の制服に身を包んでその王子然とした端正な見た目が少女たちの目を引く。その視線に慣れた様子で王城までの道のりを急ぐ。
彼の記憶にあるのは、ガキ大将な自分に茶色のテディベアを抱えて、必死に走ってついてくる彼の3つ下の幼馴染。自分だけに見せる泣き虫で、その紫の二つの宝石のような瞳が涙で潤んで彼をじっと凝視する仕草が可愛らしかった。 アイヴィーは、小さな頃からお菓子が大好きだった。だが、両親にお菓子は一日に一回と決められていたのだ。
昔、まだリアムが15歳の時、12歳のアイヴィーの誕生日にお菓子の山を降らせた。可愛くラッピングした袋からチョコやキャンティーの山を降らせた。その瞬間、アイヴィーは、その大人びた紫の双眸を子どもらしく輝かせて、ぴょんぴょん飛び跳ねた。
「うわあ! お菓子! お菓子!」
それがリアムとアイヴィーが幼馴染らしく過ごせた最後の日だった。その次の日、リアムに実の父親であるシドニー伯爵家からの迎えが来たのだ。見事な馬車がアイヴィーとリアムとアイヴィーの両親が住むテラスハウスの前に止まった。
アイヴィーは茶色のテディベアを抱き締めて、リアムの袖を引く。リアムは、いつもならアイヴィーに新緑を連想させる瞳を向けて、微笑んでくれるのにその日は違った。顔がこわばっていて、アイヴィーの手を跳ね付けたのだ。
「リアム?」
不安に駆られたアイヴィーがリアムの顔を覗き込むとリアムは不安に新緑の瞳を滲ませていた。
「……ちくしょう、病気の母さんを見捨てた癖に、自分の息子が亡くなって、愛人の息子の俺をスペアにしようってか……」
その瞳から雫のような涙が溢れては落ちる。
「リアム? 泣いているの?」
アイヴィーの二つに結わかれたツインテールの銀色の髪が揺れる。アイヴィーの紫の双眸は兄と慕う少年、リアムが初めてアイヴィーの前で見せた涙に不安げな色が滲む。そっとリアムのその端正な顔を下から覗き込んだ。リアムの新緑の瞳とアイヴィーの幼い紫の瞳の視線が重なる。心配そうなアイヴィーの紫の双眸を見て、リアムははっと我に返り、アイヴィーに微笑む。
「何でもない、大丈夫だ」
ぽんとリアムの大きな手がアイヴィーの頭に乗せられる。ぴょこんと銀色の髪を揺らしてアイヴィーは小首を傾げる。二人が話をできたのはここまでで、アイヴィーの両親が二人がいる居間に凄まじい勢いで駆け込んできた。
「リアム! お前の実の父親であるシドニー伯爵家から迎えが来た! お前を跡取りとして迎えたいそうだ!」
アイヴィーの父親が駆け込んできて、口を開いた。リアムは、首を横に振る。
「俺はいかない……」
その新緑の瞳が暗い感情に彩られる。アイヴィーは、じっとリアムの瞳を見つめたままだ。アイヴィーの父親はリアムを怒鳴りつける。
「リアム、行きなさい!」
「どうして、おじさんまでそんなことを言うんだよ!」
怒鳴り合うアイヴィーの父親とリアム。アイヴィーの父親は項垂れて、告白する。
「すまない……。うちの商店にシドニー伯爵家から圧力がかかって、売り上げが落ちているんだ。出来ればリアム、お前を置いてやりたい。だが、私たちが生活出来なくなるんだ……」
リアムを守ろうと水面下で努力してきたが、追い詰められたアイヴィーの父はリアムをシドニー伯爵家に渡そうと決意した。
「分かった……。俺はシドニー伯爵家へ行くよ。大事なおじさんとおばさんとアイヴィーの為だもんな」
ふっとリアムが笑う。
アイヴィーは二人のやり取りをずっと聞いていた。自分の父親がリアムを売ったのだ。自分たち家族を守るために。アイヴィーはリアムの袖を引く。
「……ん? 何だ?」
リアムは優しくアイヴィーに微笑んだ。その微笑みが悲しそうに見えたのはアイヴィーだけだったのか。
「リアム! 行くことないよ! 私この前ね、王立魔法院から魔法の数値がすごく高いから魔法使いにならないかって誘われたの! 魔法院に行けばお金がもらえるし……」
アイヴィーが言いかけるとアイヴィーの父親が、アイヴィーの手を引っ張る。
「アイヴィー! 魔法使いになんてならなくていい! 女性が魔法使いという職業につくなんて信じられない! お前はこのパーカー商店の娘として養子を迎えて跡取りを作るために結婚すればいい!」
時代遅れの頭の固い父親は、自分の商店を守る為だけに家族であるリアムを伯爵家に売り渡したのだ。
「俺、伯爵家に行くよ。ごめんな、アイヴィー」
ふわりとアイヴィーの頭を撫でると、居間からリアムは出て行った。
それが幼いアイヴィーがリアムを見た最後だった。
二人が再会したのはリアムが20歳でアイヴィーが17歳になった時だった。リアムは騎士養成学校を出て近衛騎士になり、アイヴィーは実家を出て王立魔法院の魔法使いとなっていた。二人は、騎士団と魔法院の合同の訓練で一緒になったのだ。それから一年経つが、二人はまた兄妹のような幼馴染のような関係を続けている。
アイヴィーははあとため息をひとつ、吐く。いつもリアムにおちょくられて、昔から大好きなお菓子を謝る代わりに口に放り込まれたり、ぽんと手に握らせらたりするのだ。彼にとって自分は永遠に妹分なのだ。
5年ぶりに再会した彼は、王子様のような見た目に磨きがかかり、剣を握らせれば凄まじいスピードで相手を倒す。だが、彼は変わらず人懐っこいガキ大将のような性格で悪戯を思いついたような笑みでアイヴィーを見るのだ。そんなリアムの周囲には、同じ貴族の少女たちが花に集まる蝶々のように寄ってきては、ゲームの如く遊んで離れていく。
「リアムの馬鹿……。私はリアムの妹じゃないのに……」
ぽつりとアイヴィーは本音を漏らす。アイヴィーは、小さな頃からリアムが好きだった。優しい面倒見の良いお兄ちゃんとしてから、段々と歳を重ねるごとに気持ちが変わっていった。気付けば異性として好きになっていた。
だけど。
アイヴィーは、自分の父親がリアムを伯爵家に売ったという過去から動けない。
自分は彼を売ったお金で生活していたのだ。そんな汚い過去の記憶から彼に好きと告白できなかった。自分は妹として、永遠に彼の傍に居られたらいいと思う自分がいる。
思い出すのは彼と過ごした最後の自分の誕生日。可愛らしいお菓子がたくさん降ってきた。あの楽しい瞬間。二人でチョコを拾って、もぐもぐと食べたのだ。甘いチョコとキャンディーとクッキー。まるで甘い恋みたいな。
(あの頃に戻れたらいいのに……)
いつもガキ大将として王都を駆けずり回っていた15歳のリアムの後を茶色のテディベアを抱えて追いかけていたあの12歳の頃に。夢を見る、儚い夢を。
そんなある日、アイヴィーは上司のイーサンから厄介なことを頼まれたのだ。
「媚薬?」
「すまない、実はスペンサー王家の王家筋からの依頼なんだ。アイヴィーは前にお小遣い稼ぎに媚薬を作っていたよな」
穏やかなのほほんとした上司だが、実は食えない性格であるイーサンに弱みを握られていた。
媚薬を作ったのは実家の反対を押し切って魔法使いになりたての昔の話だ。その頃は生活が苦しかったのだ。今は、もうやっていない。愛くるしいその顔をアイヴィーは曇らせる。
「あれ? 嫌なら頼まないよ。魔法院にばらすだけだ」
にっこりと微笑まれて、アイヴィーは頷かざるを得ない。
「全く! あの悪魔!」
アイヴィーは、ぷんすかと怒りながら魔法院の廊下を歩いていた。イーサンはアイヴィーの親友のアンジェの師匠で恋人だ。アンジェには穏やかで優しく振舞うが、その他の人間には容赦なく振舞っていた。アイヴィーは、一度アンジェにその裏の顔をばらしたのだ。親友が心配でやったことだが、それからイーサンのアイヴィーへの風当たりは強い。
アイヴィーは、ばんと王立魔法院の自分の研究室を開ける。大きな鍋を用意して、媚薬の材料を揃える。揃えた材料をぐつぐつ煮立ったお湯に注ぎ込み、最後に魔法の粉を入れた。
「よし! 後は瓶に入れるだけ……」
アイヴィーは煮詰めた媚薬を瓶に移そうとしていた時だった。ばーんとアイヴィーの研究室の扉が開かれた。その音にびっくりしたアイヴィーは媚薬を落とした。
「よっ! アイヴィー!」
アイヴィーのご機嫌取りにやってきたリアムが手を上げる。その瞬間、アイヴィーの落とした媚薬から出た液体の煙を二人は吸い込む。
「けほっけほっ……」
アイヴィーは咳き込む。
「おい、大丈夫か?」
呑気なリアムにアイヴィーは切れた。
「馬鹿! 今吸い込んだのは媚薬よ! 何でこんな時に……」
リアムにその紫の円らな双眸を向けて、怒鳴り散らす。しかし、媚薬が身体に効いてきて、アイヴィーは倒れ込んだ。リアムは、倒れ込んだアイヴィーを助けようとして、アイヴィーに手を差し伸べた。その時アイヴィーの身体が急激におかしくなる。身体が熱いのだ、身体の芯が疼いて仕方がない。胸を押さえて、アイヴィーは耐えた。媚薬の瓶を持っていたアイヴィーの方が媚薬の煙を吸い込んだ量が多かったのだ。
「アイヴィー?」
リアムがアイヴィーに触れる。その手が触れた瞬間、お互いの身体が熱くなる。もっとリアムに触れて欲しいとアイヴィーは心が乱れる。息するのすら苦しそうに呼吸しているアイヴィーにリアムは声を掛けた。
「おい、大丈夫か?」
アイヴィーはぱっと起き上がると、リアムに掴まれた腕を跳ねのける。
「触らないで!」
リアムから逃げるようにアイヴィーは顔を背ける。こんな風にアイヴィーに拒絶されたのは初めてで、リアムは戸惑う。
「おい、アイヴィー。心配してやったのに……」
リアムは、むっとした感情をわかりやすく表情に出す。アイヴィーは辛そうに胸を抑えて、声を絞り出す。
「違うの、リアム。私、イーサン先生に頼まれて媚薬を作っていたの。その液体を落として、吸い込んだの……。早く帰って……そうじゃないと私……おかしくなりそうなの!」
媚薬を作っていた自分は馬鹿だとアイヴィーは泣きたくなった。男性に触れられたくて仕方なくて、それが好きな異性であるリアムが傍に居るのだ。身体が火照り、震える。ぎゅっとアイヴィーは媚薬の衝動に堪えるように胸の上で手を握る。
「お前、一人で媚薬の効果が切れるのを待つのか?」
アイヴィーは紫の円らな瞳を潤ませて、こくこくと頷く。
「何だ……。なら俺とすればいいだろ?」
リアムが艶めいた笑みを浮かべるが、アイヴィーには見えなかった。
「リアム?」
アイヴィーは無自覚に甘い声でリアムを呼ぶ。リアムもアイヴィーよりは少なかったが、媚薬を吸い込んでいたのだ。その甘い声に耐えていた衝動が襲う。ぐいっとアイヴィーを抱き寄せて、強引に唇を重ねる。最初は重ねるだけの口づけだったが、アイヴィーが呼吸をしようと口を開いた瞬間、リアムの舌が入ってきた。媚薬のせいでどろどろに溶けそうなアイヴィーの身体と心はそれに反応する。アイヴィーの歯列を舐めて、口腔に舌が侵入してくる。初めての感覚にアイヴィーは、頭がぼーっとする。顎を掴まれて、舌を搦められて、吸われる。ちゅくちゅくと淫らな音が二人にだけ聞こえる。甘い悦楽がアイヴィーを襲う。下腹部が熱く疼く。互いの唾液が溶け合って、分からなくなる。舌を吸われて、貪られるような口づけが続けられる。
ワンピースの上から胸の膨らみを指で上下に擦られる。アイヴィーの白い肌が上気してくる。唇が離れて、唾液がつーっと互いの唇に繋がって、壊れた。リアムは執拗にアイヴィーの胸の先を指で擦る。アイヴィーが甘い快感を逃すように左右に首を振る。
「やああん!」
アイヴィーが甘く喘いだ。思考はもう決壊寸前だ。媚薬が効いて、身体の奥はとろとろに溶けそうだ。ワンピースを上から脱がされる。アイヴィーは、コルセットとペディコートとドロワースの姿になる。コルセットを外された。アイヴィーは、リアムに抱き上げられて、研究室の簡易のベッドに降ろされる。ベディコートを脱がされて、ベッドの下に放り投げられる。リアムは、アイヴィーの思ったより大きな胸の先を両方の指で摘まみ、その先の膨らみを指でくりくりと強弱をつけて押す。
「んっんっ……」
アイヴィーは、甘ったるい声を上げて、左右に首を振る。首筋を舌が這わせられて、吸われる。
「やああ……。リアム……」
幼馴染の少女の女を感じさせる喘ぎ声にリアムは興奮してくる。胸の先の桜色の膨らみを口で含むと舌で這わせて、吸う。快感が足の先まで走り、アイヴィーはリアムに縋りつく。
「あっあっ……。リアム……」
もう片方の胸を指で愛撫される。身体の奥が疼いて、下腹部からとろりと何かが湧いてくる。
止めて欲しいのに、媚薬で犯された身体はもっともっととねだる。
ドロワーズをするりと抜かれて、リアムは貪るように口づけをしながら、アイヴィーの秘所に指を這わせる。そこは胸への愛撫と媚薬が効いて蜜で塗れていた。リアムは、唇を離すと長い指で花弁の間を行き来させる。アイヴィーは、あまりの愉悦に水晶のような涙を零す。リアムは花弁の中の花芽を探し当てると指で圧し潰した。凄まじく甘い快感と絶頂がアイヴィーの身体を襲う。
「やああーー!!」
アイヴィーは、叫ぶ。
「達したんだな……」
くすりとリアムが仄暗く笑うと、着ていた近衛騎士の制服を脱いでいく。服を脱ぐ音がして、
アイヴィーの頬が染まる。
リアムは服を脱ぐとアイヴィーに圧し掛かり、リアム自身をアイヴィーの秘所に当てる。まだ男性を知らない隘路は狭くて、奥へ奥へ進めるがまだ半分も入りきらない。ぐっとリアムは蜜口へと己自身を貫く。アイヴィーはあまりの痛さに悲鳴を上げるが、もう一方で媚薬が効いているので気持ちいいのだ。
リアムは、腰を奥へと引いては進める。その動きを繰り返す内にアイヴィーは快感を拾えるようになってきたらしい。愛くるしい顔が羞恥に染まる。リアムは、動きを大胆にする。最奥を突き上げて、引き抜いては入れる。頬を染めたアイヴィーは、感じたのか首を振る。
「気持ちいいのか? アイヴィー」
そうリアムが問いかけると、アイヴィーはかっと白い肌を染めた。あまりにわかりやすい反応にリアムは苦笑する。ぐっとアイヴィーの腰を揺すり、最奥まで穿つ。アイヴィーは、愉悦を感じて涙を流す。破瓜の痛みは、媚薬によって軽減されていた。アイヴィーは、甘い嬌声を上げて、リアムを楽しませる。抽挿を繰り返す内にアイビーがリアムを引き締めた。その気持ち良さに持っていかれそうになり、リアムは汗をアイヴィーの胸に零す。
「あっあっ……」
アイヴィーは、リアムの首に両腕を回して縋りつく。アイヴィーの胸がリアムの逞しい胸に当たる。最奥まで腰を進めて、リアムは熱をアイヴィーの中へ吐き出した。アイヴィーはあまりの激しさにリアムの腕の中で眠りにつく。その可愛らしい顔は目を瞑り更に幼い印象を与える。
「アイヴィー」
リアムは、眠る幼馴染の少女の名を愛し気に呼ぶと、啄むような口づけを落とした。
明るい朝の陽射しが研究室の窓から入り、アイヴィーは目を覚ます。目を擦ると、目の前に逞しい男性の身体がある。ぎょっとしてアイヴィーは起き上がろうとしたが、動けない。がしっと男性の腕がアイヴィーを抱え込んでいた。視線をやると、目の前の男性はリアムだった。アイヴィーは昨夜のことを思い出して、かあっと頬を赤く染めた。ずっと好きだったリアムと男女の仲になれたのだ。嬉しいと素直に思う。
だが、アイヴィーは不器用だった。ばんばんとリアムの身体を叩くと、乱暴に起こし始めた。
「リアム! ほら! 起きなさいよ!」
何ともない風を装い、アイヴィーはリアムを起こす。寝起きの悪いリアムは、何度かアイヴィーに身体を揺すられて、ふわーと欠伸をする。
「……」
ぐいっとアイヴィーの身体を引き寄せて、アイヴィーの小さな赤い唇に自分の唇を重ねた。
「~~!!」
どんどんとアイヴィーはリアムの胸を叩くが、びくともしない。
女性に慣れたリアムは、妹分の自分まで同じ風に扱うのかとアイヴィーの頭に血が上った。
ぱん!とリアムの頬をアイヴィーが引っ叩く。
「てえ~」
頬をリアムが押さえると、アイヴィーはきっとリアムを睨みつけた。
「一晩寝たからって彼氏面しないで! 大体何で妹分の私にまで手を出すの節操のない! リアム、絶交よ! 暫く口も利きたくない!」
凄まじいアイヴィーの剣幕にリアムは、何かを言い募ろうとするが、アイヴィーの剣幕に黙り込んで出ていく。
リアムの背中が見えなくなって、アイヴィーはその紫の双眸から水晶のような涙を零して泣いた。
本当は口づけされて嬉しかったのだ。
だけど。
自分は彼の恋愛ゲームの相手の少女にはなりたくない。
彼の特別になりたかったのだ。
「リアムの馬鹿! 馬鹿!」
アイヴィーは、紫の宝石のような瞳を濡らして、一人で泣き続けた。
あれから数週間が過ぎて、媚薬は納品されなかった。アンジェが、泣いているアイヴィーから理由を聞いて、イーサンを叱り倒したのだ。アンジェに睨まれたイーサンは、アイヴィーに謝り倒した。
アイヴィーは静かな研究室で一人佇む。暇な時にアイヴィーのご機嫌取りにやってきては、お菓子を置いて帰るリアムの存在がアイヴィーにとって必要だったかと思い知らされる。アイヴィーは、紫の双眸を潤ませてぼろぼろと泣き出す。
「リアム、リアム!」
リアムの名を呼んでアイヴィーは叫ぶ。
「何だよ……」
後ろからリアムの声がしてアイヴィーは、振り返る。
頬が赤い。殴られた痕のようなものがある。
「リアム?」
アイヴィーは泣いていたのを悟られたくなくて、誤魔化すように目を擦る。
「ちくしょう……。くそ親父、俺が伯爵家を継がないと言ったら殴りやがった」
アイヴィーは話が見えなくて、きょとんと首を傾げる。リアムは、自分の頭をがしがしとかいて、王子然とした顔立ちに相反した立ち振る舞いをする。
「あー、そのなんだ、婚約破棄したんだ……」
「婚約破棄? リアム婚約者いたの?」
あまりのショックにアイヴィーは、絶交を言い渡したことを忘れて話しかける。
「そうだよ。俺は……」
リアムは、黙り込むとアイヴィーの頭の上にふわりとラッピングされた袋からお菓子を降らせた。可愛らしいラッピングされたチョコレートにキャンディーにクッキー。まるで12歳のアイヴィーの誕生日のよう。
「うわ……。お菓子の山!」
アイヴィーはふわりと愛くるしく微笑んで、ぴょんぴょんと飛び跳ねる。そこへぽとりと何かが落ちた。アイヴィーはその落ちたものを拾おうとして驚愕した。
「これ……」
ダイヤモンドのついた可愛らしい指輪だ。ダイヤモンドは、アイヴィーの誕生石だ。
「ん……」
リアムが、アイヴィーの指に指輪をはめる。
「リアム?」
アイヴィーが怪訝そうに眉を顰めるとリアムがアイヴィーを抱き締めて、啄むような口づけを
落とした。
「予約させてくれ」
「へっ?」
ようやくリアムの言いたいことがわかり、アイヴィーは顔を真っ赤に染め上げた。
「ずっと……お前が小さい頃から好きだったんだ……。他の女と付き合っていたのは、お前を忘れようとしてたからだ」
「リ、リアム?」
「なのに、あの日女の顔をしたお前を見て、手を出しちまった……」
羞恥から頬を紅潮させたアイヴィーは、絶句する。恥ずかしくて、顔を逸らそうとするが、がっしりと顎を掴まれたままだ。
「答えは?」
アイヴィーは伏せていた紫の双眸を上げて、リアムの頬に唇を寄せる。
その拍子に銀色の長い二つに結わかれた髪が揺れる。
「私も好き……。リアムのこと、ずっと好きだったの……」
愛くるしく、アイヴィーはリアムに微笑む。
「アイヴィー」
リアムは、アイヴィーをやっと手に入れたと安堵し、抱き締める。
アイヴィーはその腕の中でにやりと悪戯を思いついた子どものように笑い、リアムの耳に囁く。
「……チョコレートと同じ位大好き!」
リアムは、アイヴィーの囁きに絶句し、叫ぶ。
「俺は、お菓子かっ!」
「リアム? 何をしているの?」
アンジェは、ストロベリーブロンドのふわふわの髪に菫色の瞳の可愛らしい少女だ。王立魔法院の魔法使いでその所属を示す初級魔法使いのしるし、赤いマントを肩にかけている。リアムはアンジェが後ろから声を掛けたので、驚愕すると同時に顔を赤らめた。
「アンジェ? な、何でここに! い、いや俺は……」
お菓子を背中に隠してしどろもどろになる。それを見て、アンジェはくすりと笑う。
「わかってるわよ、そのお菓子アイヴィーに買ってあげるんでしょ?」
全く彼の妹分に対する愛情はわかりやすくて、わかってないのは本人であるアイヴィーだけだ。
そこへ一人の少女がアンジェを向こう側の通りから見つけて、走ってきた。長い銀色の髪を青いリボンでツインテールに結わえている。印象的なのは紫水晶のような神秘的な円らな両方の瞳。紫の瞳を彩るかのような淡い桜色の小さな唇が小さな顔立ちに収まっている。その年頃の少女たちより少し小さめな華奢な身体つき。神秘的な愛くるしい美少女だ。リボンと同じ青のワンピースを身に着けて、肩にアンジェと同じ王立魔法院の初級魔法使いのしるしの赤いマントをかけている。その青のリボンがぴょこぴょこと揺れている。
「あっ! アンジェ! 見つけたぁ!」
えいっとアンジェに飛び跳ねながら、後ろから抱き着く。アンジェの前にいるリアムの姿は隠れていて、彼女には見えていないのだ。
「アイヴィー?」
自分に抱き着いた少女、アイヴィーにアンジェは驚く。
「アンジェ!」
と無邪気に手を上げて、笑うアイヴィーはリアムの姿を認めて固まる。
「げっ、リアム! また仕事さぼってるの?」
アイヴィーはその愛くるしい顔をしかめて、リアムを睨みつける。
「アイヴィー?」
アンジェがきょとんとしていると、アイヴィーは、腰に手を当ててリアムを睨み続ける。
「まーたー、違う女の子と夜を過ごしてたでしょう? 昨の夜、私にリアムの居所を尋ねてきた女の子がたくさんいたんだから! いい加減私に迷惑かけるの止めてよ! この不良騎士!」
アイヴィーはその可愛らしい頬をむぅーっと膨らませて怒っている。リアムは、怒っているアイヴィーにその王子然とした金色の短髪に新緑の切れ長の双眸の端正な顔でにかっと笑い、アイヴィーの頭をぐしゃぐしゃと撫でたのだ。
「悪いな! 迷惑かけて。アイヴィーは俺の妹分だから皆、アイヴィーが俺の居所知っていると思うんだよなあ~」
その王子様を連想させる見た目とは裏腹なガキ大将のような性格に人懐っこい態度。彼が、天然の女たらしである所以だ。
「もう! リアムの馬鹿! 私の頭ぐしゃぐしゃにしないで!」
アイヴィーはさっきまでの怒っていたのを忘れて、リアムに言い返す。二人のやり取りに慣れた様子で、アンジェは二人を眺めていた。
「あ、俺そろそろ仕事に戻らないと」
アイヴィーをおちょくっていたリアムは、じゃあなとアイヴィーの手にチョコを握らせる。
「うっ! 賄賂ね! 騙されないわよ!」
そう言いながらアイヴィーはリアムがくれた高級チョコレートをぽんと口に頬りこんだ。アイヴィーの頬が緩んだ。
「美味しー! リアムって女ったらしだけど、お菓子の趣味は私と合うのよね!」
アイヴィーは、嬉しそうにチョコを頬張る。
アイヴィーとリアムは幼馴染だ。リアムは5歳の時に唯一の家族だった母を亡くし、母親の親友であるアイヴィーの母親が縁でアイヴィーの家に引き取られた。そこからリアムが15歳、アイヴィーが12歳まで兄妹同然に育てられた。二人が別れたのは、リアムが実の父親であるシドニー伯爵に引き取られたからだ。
リアムは、王都の白い石畳が敷かれた通りを歩く。リアムは近衛騎士団の制服に身を包んでその王子然とした端正な見た目が少女たちの目を引く。その視線に慣れた様子で王城までの道のりを急ぐ。
彼の記憶にあるのは、ガキ大将な自分に茶色のテディベアを抱えて、必死に走ってついてくる彼の3つ下の幼馴染。自分だけに見せる泣き虫で、その紫の二つの宝石のような瞳が涙で潤んで彼をじっと凝視する仕草が可愛らしかった。 アイヴィーは、小さな頃からお菓子が大好きだった。だが、両親にお菓子は一日に一回と決められていたのだ。
昔、まだリアムが15歳の時、12歳のアイヴィーの誕生日にお菓子の山を降らせた。可愛くラッピングした袋からチョコやキャンティーの山を降らせた。その瞬間、アイヴィーは、その大人びた紫の双眸を子どもらしく輝かせて、ぴょんぴょん飛び跳ねた。
「うわあ! お菓子! お菓子!」
それがリアムとアイヴィーが幼馴染らしく過ごせた最後の日だった。その次の日、リアムに実の父親であるシドニー伯爵家からの迎えが来たのだ。見事な馬車がアイヴィーとリアムとアイヴィーの両親が住むテラスハウスの前に止まった。
アイヴィーは茶色のテディベアを抱き締めて、リアムの袖を引く。リアムは、いつもならアイヴィーに新緑を連想させる瞳を向けて、微笑んでくれるのにその日は違った。顔がこわばっていて、アイヴィーの手を跳ね付けたのだ。
「リアム?」
不安に駆られたアイヴィーがリアムの顔を覗き込むとリアムは不安に新緑の瞳を滲ませていた。
「……ちくしょう、病気の母さんを見捨てた癖に、自分の息子が亡くなって、愛人の息子の俺をスペアにしようってか……」
その瞳から雫のような涙が溢れては落ちる。
「リアム? 泣いているの?」
アイヴィーの二つに結わかれたツインテールの銀色の髪が揺れる。アイヴィーの紫の双眸は兄と慕う少年、リアムが初めてアイヴィーの前で見せた涙に不安げな色が滲む。そっとリアムのその端正な顔を下から覗き込んだ。リアムの新緑の瞳とアイヴィーの幼い紫の瞳の視線が重なる。心配そうなアイヴィーの紫の双眸を見て、リアムははっと我に返り、アイヴィーに微笑む。
「何でもない、大丈夫だ」
ぽんとリアムの大きな手がアイヴィーの頭に乗せられる。ぴょこんと銀色の髪を揺らしてアイヴィーは小首を傾げる。二人が話をできたのはここまでで、アイヴィーの両親が二人がいる居間に凄まじい勢いで駆け込んできた。
「リアム! お前の実の父親であるシドニー伯爵家から迎えが来た! お前を跡取りとして迎えたいそうだ!」
アイヴィーの父親が駆け込んできて、口を開いた。リアムは、首を横に振る。
「俺はいかない……」
その新緑の瞳が暗い感情に彩られる。アイヴィーは、じっとリアムの瞳を見つめたままだ。アイヴィーの父親はリアムを怒鳴りつける。
「リアム、行きなさい!」
「どうして、おじさんまでそんなことを言うんだよ!」
怒鳴り合うアイヴィーの父親とリアム。アイヴィーの父親は項垂れて、告白する。
「すまない……。うちの商店にシドニー伯爵家から圧力がかかって、売り上げが落ちているんだ。出来ればリアム、お前を置いてやりたい。だが、私たちが生活出来なくなるんだ……」
リアムを守ろうと水面下で努力してきたが、追い詰められたアイヴィーの父はリアムをシドニー伯爵家に渡そうと決意した。
「分かった……。俺はシドニー伯爵家へ行くよ。大事なおじさんとおばさんとアイヴィーの為だもんな」
ふっとリアムが笑う。
アイヴィーは二人のやり取りをずっと聞いていた。自分の父親がリアムを売ったのだ。自分たち家族を守るために。アイヴィーはリアムの袖を引く。
「……ん? 何だ?」
リアムは優しくアイヴィーに微笑んだ。その微笑みが悲しそうに見えたのはアイヴィーだけだったのか。
「リアム! 行くことないよ! 私この前ね、王立魔法院から魔法の数値がすごく高いから魔法使いにならないかって誘われたの! 魔法院に行けばお金がもらえるし……」
アイヴィーが言いかけるとアイヴィーの父親が、アイヴィーの手を引っ張る。
「アイヴィー! 魔法使いになんてならなくていい! 女性が魔法使いという職業につくなんて信じられない! お前はこのパーカー商店の娘として養子を迎えて跡取りを作るために結婚すればいい!」
時代遅れの頭の固い父親は、自分の商店を守る為だけに家族であるリアムを伯爵家に売り渡したのだ。
「俺、伯爵家に行くよ。ごめんな、アイヴィー」
ふわりとアイヴィーの頭を撫でると、居間からリアムは出て行った。
それが幼いアイヴィーがリアムを見た最後だった。
二人が再会したのはリアムが20歳でアイヴィーが17歳になった時だった。リアムは騎士養成学校を出て近衛騎士になり、アイヴィーは実家を出て王立魔法院の魔法使いとなっていた。二人は、騎士団と魔法院の合同の訓練で一緒になったのだ。それから一年経つが、二人はまた兄妹のような幼馴染のような関係を続けている。
アイヴィーははあとため息をひとつ、吐く。いつもリアムにおちょくられて、昔から大好きなお菓子を謝る代わりに口に放り込まれたり、ぽんと手に握らせらたりするのだ。彼にとって自分は永遠に妹分なのだ。
5年ぶりに再会した彼は、王子様のような見た目に磨きがかかり、剣を握らせれば凄まじいスピードで相手を倒す。だが、彼は変わらず人懐っこいガキ大将のような性格で悪戯を思いついたような笑みでアイヴィーを見るのだ。そんなリアムの周囲には、同じ貴族の少女たちが花に集まる蝶々のように寄ってきては、ゲームの如く遊んで離れていく。
「リアムの馬鹿……。私はリアムの妹じゃないのに……」
ぽつりとアイヴィーは本音を漏らす。アイヴィーは、小さな頃からリアムが好きだった。優しい面倒見の良いお兄ちゃんとしてから、段々と歳を重ねるごとに気持ちが変わっていった。気付けば異性として好きになっていた。
だけど。
アイヴィーは、自分の父親がリアムを伯爵家に売ったという過去から動けない。
自分は彼を売ったお金で生活していたのだ。そんな汚い過去の記憶から彼に好きと告白できなかった。自分は妹として、永遠に彼の傍に居られたらいいと思う自分がいる。
思い出すのは彼と過ごした最後の自分の誕生日。可愛らしいお菓子がたくさん降ってきた。あの楽しい瞬間。二人でチョコを拾って、もぐもぐと食べたのだ。甘いチョコとキャンディーとクッキー。まるで甘い恋みたいな。
(あの頃に戻れたらいいのに……)
いつもガキ大将として王都を駆けずり回っていた15歳のリアムの後を茶色のテディベアを抱えて追いかけていたあの12歳の頃に。夢を見る、儚い夢を。
そんなある日、アイヴィーは上司のイーサンから厄介なことを頼まれたのだ。
「媚薬?」
「すまない、実はスペンサー王家の王家筋からの依頼なんだ。アイヴィーは前にお小遣い稼ぎに媚薬を作っていたよな」
穏やかなのほほんとした上司だが、実は食えない性格であるイーサンに弱みを握られていた。
媚薬を作ったのは実家の反対を押し切って魔法使いになりたての昔の話だ。その頃は生活が苦しかったのだ。今は、もうやっていない。愛くるしいその顔をアイヴィーは曇らせる。
「あれ? 嫌なら頼まないよ。魔法院にばらすだけだ」
にっこりと微笑まれて、アイヴィーは頷かざるを得ない。
「全く! あの悪魔!」
アイヴィーは、ぷんすかと怒りながら魔法院の廊下を歩いていた。イーサンはアイヴィーの親友のアンジェの師匠で恋人だ。アンジェには穏やかで優しく振舞うが、その他の人間には容赦なく振舞っていた。アイヴィーは、一度アンジェにその裏の顔をばらしたのだ。親友が心配でやったことだが、それからイーサンのアイヴィーへの風当たりは強い。
アイヴィーは、ばんと王立魔法院の自分の研究室を開ける。大きな鍋を用意して、媚薬の材料を揃える。揃えた材料をぐつぐつ煮立ったお湯に注ぎ込み、最後に魔法の粉を入れた。
「よし! 後は瓶に入れるだけ……」
アイヴィーは煮詰めた媚薬を瓶に移そうとしていた時だった。ばーんとアイヴィーの研究室の扉が開かれた。その音にびっくりしたアイヴィーは媚薬を落とした。
「よっ! アイヴィー!」
アイヴィーのご機嫌取りにやってきたリアムが手を上げる。その瞬間、アイヴィーの落とした媚薬から出た液体の煙を二人は吸い込む。
「けほっけほっ……」
アイヴィーは咳き込む。
「おい、大丈夫か?」
呑気なリアムにアイヴィーは切れた。
「馬鹿! 今吸い込んだのは媚薬よ! 何でこんな時に……」
リアムにその紫の円らな双眸を向けて、怒鳴り散らす。しかし、媚薬が身体に効いてきて、アイヴィーは倒れ込んだ。リアムは、倒れ込んだアイヴィーを助けようとして、アイヴィーに手を差し伸べた。その時アイヴィーの身体が急激におかしくなる。身体が熱いのだ、身体の芯が疼いて仕方がない。胸を押さえて、アイヴィーは耐えた。媚薬の瓶を持っていたアイヴィーの方が媚薬の煙を吸い込んだ量が多かったのだ。
「アイヴィー?」
リアムがアイヴィーに触れる。その手が触れた瞬間、お互いの身体が熱くなる。もっとリアムに触れて欲しいとアイヴィーは心が乱れる。息するのすら苦しそうに呼吸しているアイヴィーにリアムは声を掛けた。
「おい、大丈夫か?」
アイヴィーはぱっと起き上がると、リアムに掴まれた腕を跳ねのける。
「触らないで!」
リアムから逃げるようにアイヴィーは顔を背ける。こんな風にアイヴィーに拒絶されたのは初めてで、リアムは戸惑う。
「おい、アイヴィー。心配してやったのに……」
リアムは、むっとした感情をわかりやすく表情に出す。アイヴィーは辛そうに胸を抑えて、声を絞り出す。
「違うの、リアム。私、イーサン先生に頼まれて媚薬を作っていたの。その液体を落として、吸い込んだの……。早く帰って……そうじゃないと私……おかしくなりそうなの!」
媚薬を作っていた自分は馬鹿だとアイヴィーは泣きたくなった。男性に触れられたくて仕方なくて、それが好きな異性であるリアムが傍に居るのだ。身体が火照り、震える。ぎゅっとアイヴィーは媚薬の衝動に堪えるように胸の上で手を握る。
「お前、一人で媚薬の効果が切れるのを待つのか?」
アイヴィーは紫の円らな瞳を潤ませて、こくこくと頷く。
「何だ……。なら俺とすればいいだろ?」
リアムが艶めいた笑みを浮かべるが、アイヴィーには見えなかった。
「リアム?」
アイヴィーは無自覚に甘い声でリアムを呼ぶ。リアムもアイヴィーよりは少なかったが、媚薬を吸い込んでいたのだ。その甘い声に耐えていた衝動が襲う。ぐいっとアイヴィーを抱き寄せて、強引に唇を重ねる。最初は重ねるだけの口づけだったが、アイヴィーが呼吸をしようと口を開いた瞬間、リアムの舌が入ってきた。媚薬のせいでどろどろに溶けそうなアイヴィーの身体と心はそれに反応する。アイヴィーの歯列を舐めて、口腔に舌が侵入してくる。初めての感覚にアイヴィーは、頭がぼーっとする。顎を掴まれて、舌を搦められて、吸われる。ちゅくちゅくと淫らな音が二人にだけ聞こえる。甘い悦楽がアイヴィーを襲う。下腹部が熱く疼く。互いの唾液が溶け合って、分からなくなる。舌を吸われて、貪られるような口づけが続けられる。
ワンピースの上から胸の膨らみを指で上下に擦られる。アイヴィーの白い肌が上気してくる。唇が離れて、唾液がつーっと互いの唇に繋がって、壊れた。リアムは執拗にアイヴィーの胸の先を指で擦る。アイヴィーが甘い快感を逃すように左右に首を振る。
「やああん!」
アイヴィーが甘く喘いだ。思考はもう決壊寸前だ。媚薬が効いて、身体の奥はとろとろに溶けそうだ。ワンピースを上から脱がされる。アイヴィーは、コルセットとペディコートとドロワースの姿になる。コルセットを外された。アイヴィーは、リアムに抱き上げられて、研究室の簡易のベッドに降ろされる。ベディコートを脱がされて、ベッドの下に放り投げられる。リアムは、アイヴィーの思ったより大きな胸の先を両方の指で摘まみ、その先の膨らみを指でくりくりと強弱をつけて押す。
「んっんっ……」
アイヴィーは、甘ったるい声を上げて、左右に首を振る。首筋を舌が這わせられて、吸われる。
「やああ……。リアム……」
幼馴染の少女の女を感じさせる喘ぎ声にリアムは興奮してくる。胸の先の桜色の膨らみを口で含むと舌で這わせて、吸う。快感が足の先まで走り、アイヴィーはリアムに縋りつく。
「あっあっ……。リアム……」
もう片方の胸を指で愛撫される。身体の奥が疼いて、下腹部からとろりと何かが湧いてくる。
止めて欲しいのに、媚薬で犯された身体はもっともっととねだる。
ドロワーズをするりと抜かれて、リアムは貪るように口づけをしながら、アイヴィーの秘所に指を這わせる。そこは胸への愛撫と媚薬が効いて蜜で塗れていた。リアムは、唇を離すと長い指で花弁の間を行き来させる。アイヴィーは、あまりの愉悦に水晶のような涙を零す。リアムは花弁の中の花芽を探し当てると指で圧し潰した。凄まじく甘い快感と絶頂がアイヴィーの身体を襲う。
「やああーー!!」
アイヴィーは、叫ぶ。
「達したんだな……」
くすりとリアムが仄暗く笑うと、着ていた近衛騎士の制服を脱いでいく。服を脱ぐ音がして、
アイヴィーの頬が染まる。
リアムは服を脱ぐとアイヴィーに圧し掛かり、リアム自身をアイヴィーの秘所に当てる。まだ男性を知らない隘路は狭くて、奥へ奥へ進めるがまだ半分も入りきらない。ぐっとリアムは蜜口へと己自身を貫く。アイヴィーはあまりの痛さに悲鳴を上げるが、もう一方で媚薬が効いているので気持ちいいのだ。
リアムは、腰を奥へと引いては進める。その動きを繰り返す内にアイヴィーは快感を拾えるようになってきたらしい。愛くるしい顔が羞恥に染まる。リアムは、動きを大胆にする。最奥を突き上げて、引き抜いては入れる。頬を染めたアイヴィーは、感じたのか首を振る。
「気持ちいいのか? アイヴィー」
そうリアムが問いかけると、アイヴィーはかっと白い肌を染めた。あまりにわかりやすい反応にリアムは苦笑する。ぐっとアイヴィーの腰を揺すり、最奥まで穿つ。アイヴィーは、愉悦を感じて涙を流す。破瓜の痛みは、媚薬によって軽減されていた。アイヴィーは、甘い嬌声を上げて、リアムを楽しませる。抽挿を繰り返す内にアイビーがリアムを引き締めた。その気持ち良さに持っていかれそうになり、リアムは汗をアイヴィーの胸に零す。
「あっあっ……」
アイヴィーは、リアムの首に両腕を回して縋りつく。アイヴィーの胸がリアムの逞しい胸に当たる。最奥まで腰を進めて、リアムは熱をアイヴィーの中へ吐き出した。アイヴィーはあまりの激しさにリアムの腕の中で眠りにつく。その可愛らしい顔は目を瞑り更に幼い印象を与える。
「アイヴィー」
リアムは、眠る幼馴染の少女の名を愛し気に呼ぶと、啄むような口づけを落とした。
明るい朝の陽射しが研究室の窓から入り、アイヴィーは目を覚ます。目を擦ると、目の前に逞しい男性の身体がある。ぎょっとしてアイヴィーは起き上がろうとしたが、動けない。がしっと男性の腕がアイヴィーを抱え込んでいた。視線をやると、目の前の男性はリアムだった。アイヴィーは昨夜のことを思い出して、かあっと頬を赤く染めた。ずっと好きだったリアムと男女の仲になれたのだ。嬉しいと素直に思う。
だが、アイヴィーは不器用だった。ばんばんとリアムの身体を叩くと、乱暴に起こし始めた。
「リアム! ほら! 起きなさいよ!」
何ともない風を装い、アイヴィーはリアムを起こす。寝起きの悪いリアムは、何度かアイヴィーに身体を揺すられて、ふわーと欠伸をする。
「……」
ぐいっとアイヴィーの身体を引き寄せて、アイヴィーの小さな赤い唇に自分の唇を重ねた。
「~~!!」
どんどんとアイヴィーはリアムの胸を叩くが、びくともしない。
女性に慣れたリアムは、妹分の自分まで同じ風に扱うのかとアイヴィーの頭に血が上った。
ぱん!とリアムの頬をアイヴィーが引っ叩く。
「てえ~」
頬をリアムが押さえると、アイヴィーはきっとリアムを睨みつけた。
「一晩寝たからって彼氏面しないで! 大体何で妹分の私にまで手を出すの節操のない! リアム、絶交よ! 暫く口も利きたくない!」
凄まじいアイヴィーの剣幕にリアムは、何かを言い募ろうとするが、アイヴィーの剣幕に黙り込んで出ていく。
リアムの背中が見えなくなって、アイヴィーはその紫の双眸から水晶のような涙を零して泣いた。
本当は口づけされて嬉しかったのだ。
だけど。
自分は彼の恋愛ゲームの相手の少女にはなりたくない。
彼の特別になりたかったのだ。
「リアムの馬鹿! 馬鹿!」
アイヴィーは、紫の宝石のような瞳を濡らして、一人で泣き続けた。
あれから数週間が過ぎて、媚薬は納品されなかった。アンジェが、泣いているアイヴィーから理由を聞いて、イーサンを叱り倒したのだ。アンジェに睨まれたイーサンは、アイヴィーに謝り倒した。
アイヴィーは静かな研究室で一人佇む。暇な時にアイヴィーのご機嫌取りにやってきては、お菓子を置いて帰るリアムの存在がアイヴィーにとって必要だったかと思い知らされる。アイヴィーは、紫の双眸を潤ませてぼろぼろと泣き出す。
「リアム、リアム!」
リアムの名を呼んでアイヴィーは叫ぶ。
「何だよ……」
後ろからリアムの声がしてアイヴィーは、振り返る。
頬が赤い。殴られた痕のようなものがある。
「リアム?」
アイヴィーは泣いていたのを悟られたくなくて、誤魔化すように目を擦る。
「ちくしょう……。くそ親父、俺が伯爵家を継がないと言ったら殴りやがった」
アイヴィーは話が見えなくて、きょとんと首を傾げる。リアムは、自分の頭をがしがしとかいて、王子然とした顔立ちに相反した立ち振る舞いをする。
「あー、そのなんだ、婚約破棄したんだ……」
「婚約破棄? リアム婚約者いたの?」
あまりのショックにアイヴィーは、絶交を言い渡したことを忘れて話しかける。
「そうだよ。俺は……」
リアムは、黙り込むとアイヴィーの頭の上にふわりとラッピングされた袋からお菓子を降らせた。可愛らしいラッピングされたチョコレートにキャンディーにクッキー。まるで12歳のアイヴィーの誕生日のよう。
「うわ……。お菓子の山!」
アイヴィーはふわりと愛くるしく微笑んで、ぴょんぴょんと飛び跳ねる。そこへぽとりと何かが落ちた。アイヴィーはその落ちたものを拾おうとして驚愕した。
「これ……」
ダイヤモンドのついた可愛らしい指輪だ。ダイヤモンドは、アイヴィーの誕生石だ。
「ん……」
リアムが、アイヴィーの指に指輪をはめる。
「リアム?」
アイヴィーが怪訝そうに眉を顰めるとリアムがアイヴィーを抱き締めて、啄むような口づけを
落とした。
「予約させてくれ」
「へっ?」
ようやくリアムの言いたいことがわかり、アイヴィーは顔を真っ赤に染め上げた。
「ずっと……お前が小さい頃から好きだったんだ……。他の女と付き合っていたのは、お前を忘れようとしてたからだ」
「リ、リアム?」
「なのに、あの日女の顔をしたお前を見て、手を出しちまった……」
羞恥から頬を紅潮させたアイヴィーは、絶句する。恥ずかしくて、顔を逸らそうとするが、がっしりと顎を掴まれたままだ。
「答えは?」
アイヴィーは伏せていた紫の双眸を上げて、リアムの頬に唇を寄せる。
その拍子に銀色の長い二つに結わかれた髪が揺れる。
「私も好き……。リアムのこと、ずっと好きだったの……」
愛くるしく、アイヴィーはリアムに微笑む。
「アイヴィー」
リアムは、アイヴィーをやっと手に入れたと安堵し、抱き締める。
アイヴィーはその腕の中でにやりと悪戯を思いついた子どものように笑い、リアムの耳に囁く。
「……チョコレートと同じ位大好き!」
リアムは、アイヴィーの囁きに絶句し、叫ぶ。
「俺は、お菓子かっ!」
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掲示板は、公共の物です。少なくとも読まれる方を配慮しましょう。
創作は、リアルではない想像の産物です。区別を付けて頂けると嬉しいです。