上 下
35 / 63

ルークの過去ll

しおりを挟む
「我とたった一人で戦うか。いいだろう! 人間への恨み。まずはお前で晴らすとしよう!」

 ルークと邪神の戦闘が始まった。

 先に動いたのは邪神だった。邪神が即死魔術を放ってくる。それを魔術で軌道を変える。

「なんだ、その魔術の使い方は!」
「これか、強いやつに勝てないから、魔術を避けるすべを身につけたんだよ」

 ルビシャークは、強い敵と戦うことは幾度もあったが、全ての敵に負けてきた。そのため、何度も逃げた。だから、逃げる術は幾らでもある。

「ならば、これでどうだ!」

 邪神が剣を創り出して、上段から振りおろす。それを、簡単にいなす。

「そんなもんか、邪神」
「何者だお前は!? こんな簡単に俺の攻撃を避けるなど、有り得ん!!」

 本気を出したのか、邪神の動きはさっきよりも、数倍、数十倍に上がっている。

「俺の本気を見せてやる」

 ルビシャークは、邪神の動きについていけずに、片腕が持っていかれた。

「うがぁぁぁぁあ!!!」
「これで終わりだな。死ね、雑魚が!」

 ルビシャークは、死にかけだった。片腕を切られ、血が止まることを知らず、ドパドパと溢れ出てくる。

 邪神が剣を突き刺しにきた、その時だった。ルビシャークは、不思議なものを見ていた。それは、邪神の剣だった。

(なんだこれは? 邪神の動きが遅く見える)

 遂に、ルビシャークの本当のスキル。『絶体絶命』のスキルが発動した。

「お前の動きは、遅すぎる」

 ルビシャークは、邪神の剣先を自分の剣で弾く。

「なっ!? なぜ俺の本気のスピードについてこれる!?」
「そんなことは、知らん。お前が遅すぎるんだよ」

 そこからは、圧倒的だった。ルビシャークが邪神を圧倒し始めた。その強さは、邪神の数百倍の強さになっていた。

「お前、本当に、人間か?」
「当たり前だろう? 万年Aランクのただの冒険者だよ」

 そして、ルビシャークは、邪神に勝った。その時だった。

「これで、終わると思うなよ。こいつはただの依り代。俺の魂は死なない」

 そう言って、邪神の魂がルビシャークの体内に入っていった。

「う、? 何だこれ? 何も感じないぞ」
「なっ!? 何故だ!? あ、あぁ、飲み込まれる。うわぁぁぁぁぁぁぁぁああ!!」

 そして、ルビシャークは、邪神を取り込み、全ての力を吸収した。

 そして、その時のステータスがこれだ。
―――――
名前:ルビシャーク
年齢:32
性別:男
種族:人族
HP:森羅万象の頂点
MP:森羅万象の頂点
筋力:森羅万象の頂点
防御:森羅万象の頂点
俊敏:森羅万象の頂点
運:森羅万象の頂点

魔術適正
火・風・水・土・光・闇
時・空間・重力・ベクトル・粒子・付与・回復・創造

固有スキル
絶体絶命

スキル
全スキル使用可能
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

孕ませねばならん ~イケメン執事の監禁セックス~

あさとよる
恋愛
傷モノになれば、この婚約は無くなるはずだ。 最愛のお嬢様が嫁ぐのを阻止? 過保護イケメン執事の執着H♡

(完結)お姉様を選んだことを今更後悔しても遅いです!

青空一夏
恋愛
私はブロッサム・ビアス。ビアス候爵家の次女で、私の婚約者はフロイド・ターナー伯爵令息だった。結婚式を一ヶ月後に控え、私は仕上がってきたドレスをお父様達に見せていた。 すると、お母様達は思いがけない言葉を口にする。 「まぁ、素敵! そのドレスはお腹周りをカバーできて良いわね。コーデリアにぴったりよ」 「まだ、コーデリアのお腹は目立たないが、それなら大丈夫だろう」 なぜ、お姉様の名前がでてくるの? なんと、お姉様は私の婚約者の子供を妊娠していると言い出して、フロイドは私に婚約破棄をつきつけたのだった。 ※タグの追加や変更あるかもしれません。 ※因果応報的ざまぁのはず。 ※作者独自の世界のゆるふわ設定。 ※過去作のリメイク版です。過去作品は非公開にしました。 ※表紙は作者作成AIイラスト。ブロッサムのイメージイラストです。

婚約者の浮気相手が子を授かったので

澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
ファンヌはリヴァス王国王太子クラウスの婚約者である。 ある日、クラウスが想いを寄せている女性――アデラが子を授かったと言う。 アデラと一緒になりたいクラウスは、ファンヌに婚約解消を迫る。 ファンヌはそれを受け入れ、さっさと手続きを済ませてしまった。 自由になった彼女は学校へと戻り、大好きな薬草や茶葉の『研究』に没頭する予定だった。 しかし、師であるエルランドが学校を辞めて自国へ戻ると言い出す。 彼は自然豊かな国ベロテニア王国の出身であった。 ベロテニア王国は、薬草や茶葉の生育に力を入れているし、何よりも獣人の血を引く者も数多くいるという魅力的な国である。 まだまだエルランドと共に茶葉や薬草の『研究』を続けたいファンヌは、エルランドと共にベロテニア王国へと向かうのだが――。 ※表紙イラストはタイトルから「お絵描きばりぐっどくん」に作成してもらいました。 ※完結しました

【短編完結】地味眼鏡令嬢はとっても普通にざまぁする。

鏑木 うりこ
恋愛
 クリスティア・ノッカー!お前のようなブスは侯爵家に相応しくない!お前との婚約は破棄させてもらう!  茶色の長い髪をお下げに編んだ私、クリスティアは瓶底メガネをクイっと上げて了承致しました。  ええ、良いですよ。ただ、私の物は私の物。そこら辺はきちんとさせていただきますね?    (´・ω・`)普通……。 でも書いたから見てくれたらとても嬉しいです。次はもっと特徴だしたの書きたいです。

五年目の浮気、七年目の破局。その後のわたし。

あとさん♪
恋愛
大恋愛での結婚後、まるまる七年経った某日。 夫は愛人を連れて帰宅した。(その愛人は妊娠中) 笑顔で愛人をわたしに紹介する夫。 え。この人、こんな人だったの(愕然) やだやだ、気持ち悪い。離婚一択! ※全15話。完結保証。 ※『愚かな夫とそれを見限る妻』というコンセプトで書いた第四弾。 今回の夫婦は子無し。騎士爵(ほぼ平民)。 第一弾『妻の死を人伝てに聞きました。』 第二弾『そういうとこだぞ』 第三弾『妻の死で思い知らされました。』 それぞれ因果関係のない独立したお話です。合わせてお楽しみくださると一興かと。 ※この話は小説家になろうにも投稿しています。 ※2024.03.28 15話冒頭部分を加筆修正しました。

断る――――前にもそう言ったはずだ

鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」  結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。  周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。  けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。  他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。 (わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)  そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。  ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。  そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?

後妻を迎えた家の侯爵令嬢【完結済】

弓立歩
恋愛
 私はイリス=レイバン、侯爵令嬢で現在22歳よ。お父様と亡くなったお母様との間にはお兄様と私、二人の子供がいる。そんな生活の中、一か月前にお父様の再婚話を聞かされた。  もう私もいい年だし、婚約者も決まっている身。それぐらいならと思って、お兄様と二人で了承したのだけれど……。  やってきたのは、ケイト=エルマン子爵令嬢。御年16歳! 昔からプレイボーイと言われたお父様でも、流石にこれは…。 『家出した伯爵令嬢』で序盤と終盤に登場する令嬢を描いた外伝的作品です。本編には出ない人物で一部設定を使い回した話ですが、独立したお話です。 完結済み!

私が愛する王子様は、幼馴染を側妃に迎えるそうです

こことっと
恋愛
それは奇跡のような告白でした。 まさか王子様が、社交会から逃げ出した私を探しだし妃に選んでくれたのです。 幸せな結婚生活を迎え3年、私は幸せなのに不安から逃れられずにいました。 「子供が欲しいの」 「ごめんね。 もう少しだけ待って。 今は仕事が凄く楽しいんだ」 それから間もなく……彼は、彼の幼馴染を側妃に迎えると告げたのです。

処理中です...