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side〜ルーク〜 ギルド

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 マリーがルークの鍛冶屋に転がり込んできて次の日になった。

「よ、マリー、おはよう」
「ん、おは、よう」
「朝ごはん食べるか?」
「ん、食べる」
「おう、そこで待っとけ。すぐできるからな」

 ルークが朝ごはんを作っている間、マリーは落ち着かない様子だった。

(ここ、静かで暮らしやすそう。ん? 嘘!? あれって、アーティファクトじゃ!? あれも、あっちにあるのも、すごい。ルークさんってすごいな。かっこいいし、パパがいれば、あんな感じなのかな?)

 無口なマリー、心の中は騒がしいようだ。

「マリー、出来たぞ」
「ん、あり、がと。パパ」
「ぱ、パパ?」
「だめ?」

 うるうる、上目遣い、幼い。この三点バーストには、弱かったルーク。

「しょうがねぇな。いいぞ、パパで」

 ルークがそう言うと、マリーは、パァーッと笑顔になった。そして、朝ご飯をルークとマリーで一緒に食べ、これからのことをどうするか話し始めた。

「さてマリー、これからどうする?」
「?」

 何のことを話しているのか分かっていないようで、こてんと首をかしげた。

「あー、あれだ。俺は、鍛冶をやってるが、これで稼いでるわけじゃないんだ。一応冒険者で稼いでるんだよ。それで、マリーはどうする? マリーには魔術があるから、できると思うけど」

 そこでマリーは、少し考えているようで、顔を伏せている。それから、顔を上げ、

「私、なりたい」
「お、そうか。なら、今すぐ行くか?」
「ん」

 マリーの了承を得たので、朝ご飯を食べ終えギルドに向かった。

「パパの家、道、分かりづらい」
「そうか。ならこれ持ってろ」

 渡したのは、カルに渡したのと同じコンパスだ。

「こんな、簡単に、アーティファクトくれるんだ。やっぱり、パパはすごい」
「褒めてくれて、ありがとな」

 そのまま、ルークとマリーはギルドについた。

「ここがギルドだ、覚えとけよ」
「ん」

 ギルドに入ると、まだ朝が早いのか、あまり人が居なかった。

「ここが、王都のギルドか、綺麗だし大きいな」

 王都のギルドは、元居た街よりも一回り程大きいようだ。中に入り、受付嬢の前に行く。

「冒険者登録をしたいんだが、いいか?」
「はい。それで、どちらを?」
「この子だ」
「大丈夫ですか?」
「安心してくれ、実力は俺が保証する。ほれ」

 ルークが、ギルドカードを受付嬢に渡す。

「!? そ、そうでしたか。わかりました。彼女の冒険者登録をします。では、この紙に必要事項の記入をお願いします」

 流石受付嬢、びっくりしてからの立て直しが早い。

「マリー、書けるか?」
「書けない。パパ、お願い」
「おう」

 マリーの代筆をして、これから、ランク決め試験を行うことになった。

「ランク決めですが、ギルドマスターと戦ってもらい、そこでランクが決まります。よろしいですか?」
「大丈夫だ。いいよな?」
「問題、ない」

 俺たちは、ギルドの裏にある訓練場まで来た。

「私が、王都でギルドマスターをしている。シャルティアという。よろしく頼む。早速だが、試験を始めようか」

 こうしていきなり始まったランク決め試験。
 最初に動いたのは、マリーだ。というより、シャルティアは全く動いていない。マリーは、無詠唱で、風魔法の初級魔法「ウィンドボール」を展開した。それを簡単に避けたシャルティア。間髪入れずに、マリーは四大属性の火、風、水、土の初級魔法を展開して、シャルティアに放った。これには、びっくりしたようで、感嘆の息を吐いた。しかし、簡単に避けられシャルティアに距離を詰められる。そして、背後に回られ首筋に手をおかれた。

「これで、試験は終了だね」
「強い」
「伊達にギルドマスターはやってないよ。君は、Dランクからね」

 こうして、マリーのランクが決まり、ギルドカードも完成した。

「あの、私は王都ギルド職員のシャルベールといいます。これから、お願いします」
「おう。俺はルークで、この子がマリーだ」
「ん。よろ、しく」

 シャルベールさんは、黒髪で短髪。顔は整っていて、美人がよく似合う言葉だ。そして、浴衣がよく似合いそうな体形をしている。
 こうして、マリーの冒険者登録が終了した。
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