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最悪な受付

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 俺とりりかは杖が売っていそうなお店を探していた。

「こうして、明人くんの隣を歩いてるとデートみたいだね」
「......」
「ねぇ、何か言ってよ」
「えっと、うん、まぁ、そうだね」
「もー、なんで歯切れ悪いかな? 私のこと嫌い?」
「いや、嫌いじゃないぞ」
「じゃあ、好き?」
「ん~?」
「なるほど。悩んでるってことはそうゆうことなのね」

 りりかは、一人何故か嬉しそうにしていた。俺は、さっきのお店で貰った剣について考えていた。

(一体なんでこの剣は俺なんかを選んだんだろうな? あと二本あったから、後二人は選ばれんだろうな)

 などなどを考えていたため、りりかの問いをほとんど聞いていなかった。

「あ、あそこ杖屋じゃないか?」
「本当だ。あそこ行ってみよう!」

 俺たちは、杖のマークが描かれている看板のある店に入った。

「こんにちわー」
「いらっしゃいませー!!」

 受付にいたのは可愛い女の子、じゃないな、男の子だった。

「今日はなんの用で?」
「この人の杖が欲しくてな」
「ほほー。ふむふむ。なるほど、なるほど。ちょっと待っててくださいね」

 男の子は、りりかを足先から頭まで舐め回すように見た後、後ろに下がって行った。

「りりか、大丈夫か?」
「え、何が?」
「いや、初対面の男に身体見られて」
「え!? 今の人女の子じゃなかったの!?」
「あいつ、見た目は女みたいだけど、中身は猿じゃないか」
「お待たせしましたー!!」

 そう言って、変態男が持ってきたのはただの木の棒にしか見えない杖だった。

「これとかどうですか? お嬢さん」
「ん~。ダメね。行こう明人くん」
「ちょっ、ちょっと待ってくださいよ、お客さん!」
「何かしら?」

 あろうことか、その変態男はりりかの手を取ってこう言った。

「お嬢さんは、美しい。戦いなんてお嬢さんには似合わない。そこのもやし男なんて捨てて、俺と一緒に余生を過ごさないか?」

 変態男のその言葉にりりかは、キレ気味に言った。

「戦いなんて似合わない? 明人くんがもやし? 余生を一緒に過ごす? キモいんですけど、まじで。私は明人くんと一緒に居るために生きてんの、あんたみたいな気持ち悪い男なんて一緒に居たくないんですけど。それに、明人くんはあんたより、十倍かっこいいし、頼もしいんだよ。あんたよりもね。それに、余生って意味知ってて言ってんの? 私は、その言葉を使われるほど、老いぼれてないんだよ!!!!」

 りりかは、最後の言葉を言ったと同時に変態男にビンタを食らわした。

「さ、行きましょう」
「は、はい」

 俺たちは、その男を放置してほかの杖のお店に向かったのだ。
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