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召喚

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「この世界にお前は要らない」

 理不尽だ。
―――――
 時は、遡り。現世。

「あぁ、寝みぃ」

 俺は、夜神明人、高校二年生。クラスでは友達はいない。それには理由がある。

「明人くんおはよう!」

 今、俺に挨拶してきたのが、クラスの……いや、学校のマドンナ『庄子りりか』だ。このクラスの大半の男子はこの人に恋をしている。俺が、クラスで1人なのは、りりかが俺に話しかけるから、それの嫉妬だろうな。クラスメイトからの目線が怖い!

「おはよう。庄子さん」
「ちょっと! いつも、りりかって呼んでって言ってるよね」
「えっ! いや……それは」

 そう! これが、このクラスの男子からはぶられてる理由だ。

「りりか。明人くんが困ってるよ」

 そう言って、助け舟を出してくれたのが、りりかの幼馴染の『今藤蘭』だ。いつもいつも助かります。

「う~。わかったよ。明人くん! 次、絶対に名前で呼ばせてみせるからね!」
「いつもごめんね。後、頑張ってね」

 そう言って、2人は去って行った。俺は、鈍感じゃないから、わかるが。あれは、俺のこと好きだよな。まぁ、俺はなんとも思ってないし、告られてるわけでもないから、なんだかなぁって感じなんだよな。

「おい! お前、りりかの優しさに甘えてるだけじゃダメだぞ!」
「なんのこと?」

 こいつは、クラスの中心人物の『七色光輝』だ。あれだな、正義は我にあり! って感じのやばいやつだよ。えっ! 説明が雑だって? 大丈夫だよ、これからわかってくるから。

「そんなこともわかんないのかよ、だから、友達もいないんだよ」

 こう言ったのは、『天導翔』だ。言葉の使い方の通りヤンキーだ。

「そんなのどうでもいいだろう、チャイムなるぞ」

 そう言われ、悔しそうな顔をしながらあいつらは、去って行った。そして、チャイムが鳴った。その瞬間、床が発行した。

「な、なにこれ!」(珍○景!)

 そんなことを考えてる場合じゃないぞ! これって、魔法陣だよな。これって、勇者召喚なのかな? そんなことを考えていたら、光が強くなった!








 あれから、少し浮遊感を感じていたが、それは、すぐになくなった。

「......ん、ここどこだ?」

誰かがそう言葉を放った瞬間、

「ようこそ、勇者様! レンダルト王国へ」

 そんな事を言い放ったのは、白いローブの魔術師の様な爺さんだった。
 今、俺たちは魔法陣の上に座っている状態だ。

「あの、これは、どういった状況ですか?」

 そう言ったのは、やはり七色光輝だった。

「その説明も含めて、我について来てくれ。王に報告しますから」

 まだ、混乱が抜けてないのか、みんなどこか上の空でついてった。

「ここが、謁見の間だ、入れ」

 ドアが開かれ、そこにいたのは、いかにも王様だと、わかる服装で、いかにもな椅子に座っていた。

「ようこそ、勇者様。我はクーリング・レンダルトだ。そして、そなたたちには、この世界の住民になって欲しいのだ」

 俺はそこで、大きな衝動を受けた。魔王を倒せとか、邪神を倒せとか、言われなくてまさかの住民になって欲しいと、言われたからだ。

「えっ? この世界の住民ですか? 魔王を倒せとかじゃなく?」

 そう言ったのは、 安道蓮だ。こいつは、隠れオタクだから、もちろんラノベを読んでいたから、びっくりしてるようだ。

「そうじゃ、魔王は、初代勇者様が完璧に消し去ったのでな、もう脅威はないのだ。そして、その討伐した日がちょうど半年後でな、この世界全体でお祭りをするんじゃ、それに、そなたたちには出て欲しいのじゃ。もちろんそれまでの生活もこの王城の部屋も使って良いし、金も、必要なだけ用意しよう。冒険者になるのもいいだろう。だが、悪さをしたやつはどんな理由があろうと、指名手配されるから注意してくれよ」
「ちょっと待ってください。俺たちは、元いた世界に帰れるんですか?」
「もちろんじゃ。だが、返すためには沢山の魔力が必要でな。それを貯めるのに1年はかかる。もし、その1年を過ぎてもこちらの世界にいたいなら、歓迎しよう。そして、元の世界に帰りたいものは、あちらに返す事を約束しよう」

 俺はそこで気になった事を聞いてみた。

「ちょっといいですか?」
「なんだ?」
「帰った時って、あちらの世界では、どのくらいの時が経っているのですか?」
「すまんな、それはわからないのだ。だが、100年前に召喚した勇者様もそなたらと同じ様な服装をしておったぞ。実物もあるしな」
「そうですか。ありがとうございます」

 どうやら、時は進んでいない様だな。地球にいた時に集団失踪事件は、起きてなかったからね。

「ほかに質問はあるか? ......無いようだな。では、勇者様には、一旦個室に移動してもらいます。それと、メイドも一人一人につけよう。では、またこの後の食事会で」

 そっからは、一人一人与えられた個室で過ごしていた。そして、メイドが来た。

「今日から、よろしくお願いします。勇者様!」
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