47 / 151
卒業試験〜1〜
しおりを挟む
午後になり、ミリアちゃんの卒業試験が始まった。
「さぁ、ミリア。今日の試験の内容を発表するぞ」
「はい!」
今は、外にある魔法修練場にやって来ている。一階と二階があり、王様や王妃様と僕たちは二階で見ている。そして、一階に、ウミとミリアちゃんが対面して立っている。
「遂に始まりますね。王様」
「そうだな。遂にこの生活も終わるのか」
ウミの家庭教師が終わったら僕たちは王都を出るのだ。
「はい。本当にお世話になりました」
「まだまだここに住んでて良いんだがな」
「そんな訳には行きませんよ。僕にも目的はあるんですから」
「ほう。初めて聞いたな」
「初めて言いましたからね。僕にはこの旅を終えて、立派な領主になるんです」
「そうか、それは良いな。私も、君が領主になってからが楽しみだ」
「王様も、変わらずに居てくださいね」
何歳も年の差があるのに、ここまで仲良くしてくれてる王様に、僕は感謝しか無い。
「ほら、始まりますよ」
「「はい」」
視線をウミの方に向けるとミリアちゃんとウミが剣と刀を構えて立っていた。
「この戦いは、剣と魔法何でもありだ。戦いはこの土の枠内のみ。それよりも外に行ってダメージを受けると、そのまま怪我になっちゃうから気を付けてね。その怪我はご主人が治してくれると思うけど、出来る限り枠内で戦ってね」
「はい!」
「それじゃ、ルル。お願いね」
「うん! 行くよー! 試合、開始!」
ルルの合図と共に、ウミとミリアちゃんが消えた。
両者ともに魔力で体を纏い、力を強化した。
「どりゃぁぁ!!」
「……ふっ!」
ミリアちゃんが剣を下から上に振り上げるが、それをウミが後ろに下がって避ける。そこからは、ウミの防戦一方だった。
下から振り上げ、横から薙ぎ払う。それを、後ろに下がりながら、刀で受け流していく。
「……攻撃してこないなら……これでどうだ!!」
ミリアちゃんは、ウミの行動に少し怒りを覚えていた。そして、魔法を使い出した。
ミリアちゃんが使ったのは風魔法と火魔法だ。
風魔法で竜巻を発生させ、そこに火魔法を追加する。すると、2メートルはある火の台風が、二つ発生しウミの左右を挟み込む。後ろは既に枠外になっている。
「早いですが。これで終わりです!!」
ミリアちゃんが剣を構えてウミに突っ込んで行く。
そこにいる誰もが、もう終わったと思ったその時、ウミが消えた。
「さぁ、ミリア。今日の試験の内容を発表するぞ」
「はい!」
今は、外にある魔法修練場にやって来ている。一階と二階があり、王様や王妃様と僕たちは二階で見ている。そして、一階に、ウミとミリアちゃんが対面して立っている。
「遂に始まりますね。王様」
「そうだな。遂にこの生活も終わるのか」
ウミの家庭教師が終わったら僕たちは王都を出るのだ。
「はい。本当にお世話になりました」
「まだまだここに住んでて良いんだがな」
「そんな訳には行きませんよ。僕にも目的はあるんですから」
「ほう。初めて聞いたな」
「初めて言いましたからね。僕にはこの旅を終えて、立派な領主になるんです」
「そうか、それは良いな。私も、君が領主になってからが楽しみだ」
「王様も、変わらずに居てくださいね」
何歳も年の差があるのに、ここまで仲良くしてくれてる王様に、僕は感謝しか無い。
「ほら、始まりますよ」
「「はい」」
視線をウミの方に向けるとミリアちゃんとウミが剣と刀を構えて立っていた。
「この戦いは、剣と魔法何でもありだ。戦いはこの土の枠内のみ。それよりも外に行ってダメージを受けると、そのまま怪我になっちゃうから気を付けてね。その怪我はご主人が治してくれると思うけど、出来る限り枠内で戦ってね」
「はい!」
「それじゃ、ルル。お願いね」
「うん! 行くよー! 試合、開始!」
ルルの合図と共に、ウミとミリアちゃんが消えた。
両者ともに魔力で体を纏い、力を強化した。
「どりゃぁぁ!!」
「……ふっ!」
ミリアちゃんが剣を下から上に振り上げるが、それをウミが後ろに下がって避ける。そこからは、ウミの防戦一方だった。
下から振り上げ、横から薙ぎ払う。それを、後ろに下がりながら、刀で受け流していく。
「……攻撃してこないなら……これでどうだ!!」
ミリアちゃんは、ウミの行動に少し怒りを覚えていた。そして、魔法を使い出した。
ミリアちゃんが使ったのは風魔法と火魔法だ。
風魔法で竜巻を発生させ、そこに火魔法を追加する。すると、2メートルはある火の台風が、二つ発生しウミの左右を挟み込む。後ろは既に枠外になっている。
「早いですが。これで終わりです!!」
ミリアちゃんが剣を構えてウミに突っ込んで行く。
そこにいる誰もが、もう終わったと思ったその時、ウミが消えた。
0
お気に入りに追加
240
あなたにおすすめの小説
愛していました。待っていました。でもさようなら。
彩柚月
ファンタジー
魔の森を挟んだ先の大きい街に出稼ぎに行った夫。待てども待てども帰らない夫を探しに妻は魔の森に脚を踏み入れた。
やっと辿り着いた先で見たあなたは、幸せそうでした。
【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?
みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。
ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる
色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く
うっかり『野良犬』を手懐けてしまった底辺男の逆転人生
野良 乃人
ファンタジー
辺境の田舎街に住むエリオは落ちこぼれの底辺冒険者。
普段から無能だの底辺だのと馬鹿にされ、薬草拾いと揶揄されている。
そんなエリオだが、ふとした事がきっかけで『野良犬』を手懐けてしまう。
そこから始まる底辺落ちこぼれエリオの成り上がりストーリー。
そしてこの世界に存在する宝玉がエリオに力を与えてくれる。
うっかり野良犬を手懐けた底辺男。冒険者という枠を超え乱世での逆転人生が始まります。
いずれは王となるのも夢ではないかも!?
◇世界観的に命の価値は軽いです◇
カクヨムでも同タイトルで掲載しています。
狼の子 ~教えてもらった常識はかなり古い!?~
一片
ファンタジー
バイト帰りに何かに引っ張られた俺は、次の瞬間突然山の中に放り出された。
しかも体をピクリとも動かせない様な瀕死の状態でだ。
流石に諦めかけていたのだけど、そんな俺を白い狼が救ってくれた。
その狼は天狼という神獣で、今俺がいるのは今までいた世界とは異なる世界だという。
右も左も分からないどころか、右も左も向けなかった俺は天狼さんに魔法で癒され、ついでに色々な知識を教えてもらう。
この世界の事、生き延び方、戦う術、そして魔法。
数年後、俺は天狼さんの庇護下から離れ新しい世界へと飛び出した。
元の世界に戻ることは無理かもしれない……でも両親に連絡くらいはしておきたい。
根拠は特にないけど、魔法がある世界なんだし……連絡くらいは出来るよね?
そんな些細な目標と、天狼さん以外の神獣様へとお使いを頼まれた俺はこの世界を東奔西走することになる。
色々な仲間に出会い、ダンジョンや遺跡を探索したり、何故か謎の組織の陰謀を防いだり……。
……これは、現代では失われた強大な魔法を使い、小さな目標とお使いの為に大陸をまたにかける小市民の冒険譚!
婚約破棄はいいですが、あなた学院に届け出てる仕事と違いませんか?
来住野つかさ
恋愛
侯爵令嬢オリヴィア・マルティネスの現在の状況を端的に表すならば、絶体絶命と言える。何故なら今は王立学院卒業式の記念パーティの真っ最中。華々しいこの催しの中で、婚約者のシェルドン第三王子殿下に婚約破棄と断罪を言い渡されているからだ。
パン屋で働く苦学生・平民のミナを隣において、シェルドン殿下と側近候補達に断罪される段になって、オリヴィアは先手を打つ。「ミナさん、あなた学院に提出している『就業許可申請書』に書いた勤務内容に偽りがありますわよね?」――
よくある婚約破棄ものです。R15は保険です。あからさまな表現はないはずです。
※この作品は『カクヨム』『小説家になろう』にも掲載しています。
女神の白刃
玉椿 沢
ファンタジー
どこかの世界の、いつかの時代。
その世界の戦争は、ある遺跡群から出現した剣により、大きく姿を変えた。
女の身体を鞘とする剣は、魔力を収束、発振する兵器。
剣は瞬く間に戦を大戦へ進歩させた。数々の大戦を経た世界は、権威を西の皇帝が、権力を東の大帝が握る世になり、終息した。
大戦より数年後、まだ治まったとはいえない世界で、未だ剣士は剣を求め、奪い合っていた。
魔物が出ようと、町も村も知った事かと剣を求める愚かな世界で、赤茶けた大地を畑や町に、煤けた顔を笑顔に変えたいという脳天気な一団が現れる。
*表紙絵は五月七日ヤマネコさん(@yamanekolynx_2)の作品です*
幼馴染みの2人は魔王と勇者〜2人に挟まれて寝た俺は2人の守護者となる〜
海月 結城
ファンタジー
ストーカーが幼馴染みをナイフで殺そうとした所を庇って死んだ俺は、気が付くと異世界に転生していた。だが、目の前に見えるのは生い茂った木々、そして、赤ん坊の鳴き声が3つ。
そんな俺たちが捨てられていたのが孤児院だった。子供は俺たち3人だけ。そんな俺たちが5歳になった時、2人の片目の中に変な紋章が浮かび上がった。1人は悪の化身魔王。もう1人はそれを打ち倒す勇者だった。だけど、2人はそんなことに興味ない。
しかし、世界は2人のことを放って置かない。勇者と魔王が復活した。まだ生まれたばかりと言う事でそれぞれの組織の思惑で2人を手駒にしようと2人に襲いかかる。
けれども俺は知っている。2人の力は強力だ。一度2人が喧嘩した事があったのだが、約半径3kmのクレーターが幾つも出来た事を。俺は、2人が戦わない様に2人を守護するのだ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる