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解散
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エクレンとツバキにこれから戦う相手のことを伝えた。
「ねぇ、フォレスさん、本当に神と戦うんですか?」
「もちろんだよ、そして、魔王と勇者の輪廻を壊す。それが、僕たちの旅の終着点なんだから」
そこで、エクレンには一つの疑問が浮かんだ。
「すみません、フォレスさん、一つ質問良いですか?」
「なに?」
「神を倒すってことも、魔王と勇者の輪廻を壊すってことも分かりました。だけど、その後はどうするんですか? 魔王がいなくなった魔族はどうなるんですか? もし、魔王がいなくなった魔族が攻めてきたら、勇者が居ない人間たちはどう対処するんですか?」
もちろん、そのことを考えていない訳では無い。
だけど、今はその答えを見つけ出せてはいない。
「それは、まだ分からない」
「だったら、神を倒す意味がありますか?」
「あるよ。それに、神を倒して、魔王の力がその瞬間に無くなったとしても、上下関係が力で決まる魔族領でリュクスが魔王の力抜きでもほかの魔族に負ける未来が僕には想像できない。だから、大丈夫。もし、力でリュクスが負けたら僕が出るしね」
「そう、ですか」
まぁ、エクレンは心配なのだろう。魔王でダメだったら僕が出るなんて言われても、僕の実力を知らないエクレンには、疑問が残るのは仕方がない。
「ほら、そろそろ行かないとみんなに怒られるよ」
「そ、そうですね。行きましょう」
みんなを先に行かせていたので、遅くなってしまってはいけない。速足でみんなの元に戻った。
一旦、エクレンとツバキと共に僕たちが泊っている宿に戻った。
「それで、お兄ちゃん。話って何ですか?」
「みんなを集めたのは他でもない、さっき、言い忘れていたことを言うためだ」
「言い忘れていたこと? なにそれ?」
「これから、僕たちは神と戦うんだけど、僕たちは弱すぎる。量産型の天使にすら手こずるほど弱い。だから、個人個人の力の底上げを行わないといけないと思うんだ」
そうしないと、僕たちは一瞬で量産型の天使に消し炭にされてしまう。
「力の底上げって、何したらしいの?」
カリーナの意見はごもっともで、そこが問題でもある。
僕とカリーナとノルメは独学で力を学んだ。そうすると、浅い表面部分の力を開花させても、それ以上深くまである力を自由自在に使えるようになるには、数十年~数百年かかる可能性もある。
だから、僕たち三人には師匠が必要である。
だが、その点、エクレンとツバキにはそれぞれ師匠が居るらしい。
「私たちは、その、天使とやらと戦ったこと無いですが、僕とツバキは大分深くまで自分の能力を理解しているので問題ないです」
「ツバキも、大丈夫」
ほんと、頼もしい二人が仲間になった。
その時、ノルメが大きな声をあげて立ち上がった。
「あ! そうだ、私居ます!」
「居るって何が?」
「師匠です。私に聖女のことを教えられる人が居るんです。ほら、遺跡の中で、杖を貰ったんです」
杖の話しで思い出した。そう言えば、《ボルケイノ》の遺跡の途中でノルメが昔の聖女から杖を貰ったと言っていた。
そのことかと聞くと、ノルメは勢い良く頷いた。
「だとすると、ノルメさんは《ボルケイノ》に戻るのですか?」
「はい。一度戻って、強くなって戻ってきます」
そういうノルメの瞳には、強い意志なる炎が燃え上がっていた。
「よし、分かった。エクレンとツバキには悪いけど、一度このパーティーは解散だ。そして、それぞれが強くなって集合しよう」
僕の提案にみんな目を合わせて頷いた。
「それじゃ、期間は一年だ。その間に、天使に襲われて死ぬんじゃないよ」
そして、僕たちは解散した。
強くなって、神を倒すために……。
「ねぇ、フォレスさん、本当に神と戦うんですか?」
「もちろんだよ、そして、魔王と勇者の輪廻を壊す。それが、僕たちの旅の終着点なんだから」
そこで、エクレンには一つの疑問が浮かんだ。
「すみません、フォレスさん、一つ質問良いですか?」
「なに?」
「神を倒すってことも、魔王と勇者の輪廻を壊すってことも分かりました。だけど、その後はどうするんですか? 魔王がいなくなった魔族はどうなるんですか? もし、魔王がいなくなった魔族が攻めてきたら、勇者が居ない人間たちはどう対処するんですか?」
もちろん、そのことを考えていない訳では無い。
だけど、今はその答えを見つけ出せてはいない。
「それは、まだ分からない」
「だったら、神を倒す意味がありますか?」
「あるよ。それに、神を倒して、魔王の力がその瞬間に無くなったとしても、上下関係が力で決まる魔族領でリュクスが魔王の力抜きでもほかの魔族に負ける未来が僕には想像できない。だから、大丈夫。もし、力でリュクスが負けたら僕が出るしね」
「そう、ですか」
まぁ、エクレンは心配なのだろう。魔王でダメだったら僕が出るなんて言われても、僕の実力を知らないエクレンには、疑問が残るのは仕方がない。
「ほら、そろそろ行かないとみんなに怒られるよ」
「そ、そうですね。行きましょう」
みんなを先に行かせていたので、遅くなってしまってはいけない。速足でみんなの元に戻った。
一旦、エクレンとツバキと共に僕たちが泊っている宿に戻った。
「それで、お兄ちゃん。話って何ですか?」
「みんなを集めたのは他でもない、さっき、言い忘れていたことを言うためだ」
「言い忘れていたこと? なにそれ?」
「これから、僕たちは神と戦うんだけど、僕たちは弱すぎる。量産型の天使にすら手こずるほど弱い。だから、個人個人の力の底上げを行わないといけないと思うんだ」
そうしないと、僕たちは一瞬で量産型の天使に消し炭にされてしまう。
「力の底上げって、何したらしいの?」
カリーナの意見はごもっともで、そこが問題でもある。
僕とカリーナとノルメは独学で力を学んだ。そうすると、浅い表面部分の力を開花させても、それ以上深くまである力を自由自在に使えるようになるには、数十年~数百年かかる可能性もある。
だから、僕たち三人には師匠が必要である。
だが、その点、エクレンとツバキにはそれぞれ師匠が居るらしい。
「私たちは、その、天使とやらと戦ったこと無いですが、僕とツバキは大分深くまで自分の能力を理解しているので問題ないです」
「ツバキも、大丈夫」
ほんと、頼もしい二人が仲間になった。
その時、ノルメが大きな声をあげて立ち上がった。
「あ! そうだ、私居ます!」
「居るって何が?」
「師匠です。私に聖女のことを教えられる人が居るんです。ほら、遺跡の中で、杖を貰ったんです」
杖の話しで思い出した。そう言えば、《ボルケイノ》の遺跡の途中でノルメが昔の聖女から杖を貰ったと言っていた。
そのことかと聞くと、ノルメは勢い良く頷いた。
「だとすると、ノルメさんは《ボルケイノ》に戻るのですか?」
「はい。一度戻って、強くなって戻ってきます」
そういうノルメの瞳には、強い意志なる炎が燃え上がっていた。
「よし、分かった。エクレンとツバキには悪いけど、一度このパーティーは解散だ。そして、それぞれが強くなって集合しよう」
僕の提案にみんな目を合わせて頷いた。
「それじゃ、期間は一年だ。その間に、天使に襲われて死ぬんじゃないよ」
そして、僕たちは解散した。
強くなって、神を倒すために……。
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