4 / 147
世間は忙しい
しおりを挟む
二人に魔王と勇者である事を話すと、こんな風に返した。
「「それがどうしたの?」」
と。
「俺は魔王とか興味無いよ。これからもカリーナを弄って遊んで、フォレスに叱られる生活を送っていくんだ」
「私も、倒さないといけない魔王がここにいる。宣戦布告もして来たからね。絶対に一泡吹かせてやるんだ!! そして、フォレスに甘やかされて生きていくんだ!!」
「2人とも……」
僕はつい嬉しくなり少し涙が出て来た。だって、地球出身の僕からしたら、勇者と魔王は敵対して絶対に戦わなければいけない存在だと、そう思っていたからだ。
「それでも、何処かのお偉いさんとか魔族とかが魔王と勇者のリュクスとカリーナを仲間にしようとするだろうけど、僕が守るよ!!」
「よろしく頼むよ」
「ありがとう!!」
僕が守るのだ。そうしないと、お偉いさんとか魔族が2人に殺されてしまうかもしれない。そう、守るのだ。2人からお偉いさん達を。
「よーし。それじゃあ! 今日は更に豪華な食事にするぞ!!」
「楽しみにしてるよ。院長」
「私たち遊んでくるから、頑張ってね院長」
その部屋には気合を入れて拳と拳をぶつけて痛がっている院長と僕が残った。
「院長。僕も手伝いますよ」
「お、おう。ありがとう」
「大丈夫ですか?」
「あぁ、少し痛いが大丈夫だ」
「そ、そうですか」
僕たちの5歳の誕生日と魔王と勇者に選ばれた2人を祝うパーティが開かれた。
「ほら、いっぱい食べろよ。この俺とフォレスが作った料理だ。不味いわけが無いからな!!」
「ってか、なんで、同じ誕生日のフォレスまで手伝ってるの?」
「あぁ、まぁ、良いじゃないか。な?」
確かに、リュクスの言う通りだ。けれど、院長だけの料理よりも、僕も一緒に作ったほうが見た目が良いのだ。折角の誕生日、見た目が良い方が断然いい。
「……美味い」
「う~ん!! 美味しい!!」
リュクスは器用にナイフとフォーク、スプーンを使って味わうように食材を噛みしめて食べている。一方カリーナは両手に骨付き肉を掴みかぶりついている。
これはいつもの光景なのでもう慣れている。けど、カリーナの口元についたタレなどは僕が拭っている。
「父親になった気分だ」
「えへへ~。ありがとう!!」
カリーナはお礼をいうと直ぐに両手の骨付き肉にかぶりついた。
僕たちの誕生日パーティが終わり数日が経過した。
その頃、魔界と人界の両界では慌ただしい日々を過ごしていた。
先代の魔王と勇者は両者相討ちと言う事で決着が付き9年の月日が経過していた。そして、今年で10年目になった日に空から光が降り注いだ。
その光は再び魔王と勇者の戦いが始まる混乱の幕開けであった。
「勇者を!! 勇者を探せ!! 勇者はまだ幼い!! 今から訓練を施せば魔王を倒す事が出来る!! 勇者の右目には勇者の紋章が浮かんでいる!! 早急に探し出すんだ!!」
人界では勇者を探し出し魔王を打ち倒すべく国王直々に指揮をしていた。
「魔王を!! 魔王様を探せ!! 人界を侵略し!! 我らの強さを人界を侵略し証明するのだ!! 魔王様の左目には魔王の紋章が浮かんでいる!! 見つけた者には褒美を出そう!! 早急に見つけ出すのだ!!!」
魔界では魔王様を探し出し人界を侵略するために全ての魔物や魔族で探し出すように指揮をとっている。
いかに早く見つけだすかでこの先の、人界と魔界の未来が変わるのだ。
その頃、当の魔王と勇者はと言うと、
「見てみて!! 剣!! 剣出来たよ!!!」
「見ろ。槍を作ったぞ」
「へーん。私の剣の方が強いもん!!」
「えい」
「ひっ!?」
魔力で剣と槍を作って遊んでいた。リュクスが槍の先で油断しているカリーナの脇腹を突き、カリーナを怒らせ遊んでいる。
「ほらほら、こっちだよ~」
「待て~!!」
「2人とも!! 何やってるの!?!?」
「「フォレスだ!! 逃げろ~!!」」
「こら!! 待て~!!!」
魔王と勇者の誕生で世間は忙しいのに、当の本人達はそんな事全く知らずにいつも通り遊んで過ごしていた。
「「それがどうしたの?」」
と。
「俺は魔王とか興味無いよ。これからもカリーナを弄って遊んで、フォレスに叱られる生活を送っていくんだ」
「私も、倒さないといけない魔王がここにいる。宣戦布告もして来たからね。絶対に一泡吹かせてやるんだ!! そして、フォレスに甘やかされて生きていくんだ!!」
「2人とも……」
僕はつい嬉しくなり少し涙が出て来た。だって、地球出身の僕からしたら、勇者と魔王は敵対して絶対に戦わなければいけない存在だと、そう思っていたからだ。
「それでも、何処かのお偉いさんとか魔族とかが魔王と勇者のリュクスとカリーナを仲間にしようとするだろうけど、僕が守るよ!!」
「よろしく頼むよ」
「ありがとう!!」
僕が守るのだ。そうしないと、お偉いさんとか魔族が2人に殺されてしまうかもしれない。そう、守るのだ。2人からお偉いさん達を。
「よーし。それじゃあ! 今日は更に豪華な食事にするぞ!!」
「楽しみにしてるよ。院長」
「私たち遊んでくるから、頑張ってね院長」
その部屋には気合を入れて拳と拳をぶつけて痛がっている院長と僕が残った。
「院長。僕も手伝いますよ」
「お、おう。ありがとう」
「大丈夫ですか?」
「あぁ、少し痛いが大丈夫だ」
「そ、そうですか」
僕たちの5歳の誕生日と魔王と勇者に選ばれた2人を祝うパーティが開かれた。
「ほら、いっぱい食べろよ。この俺とフォレスが作った料理だ。不味いわけが無いからな!!」
「ってか、なんで、同じ誕生日のフォレスまで手伝ってるの?」
「あぁ、まぁ、良いじゃないか。な?」
確かに、リュクスの言う通りだ。けれど、院長だけの料理よりも、僕も一緒に作ったほうが見た目が良いのだ。折角の誕生日、見た目が良い方が断然いい。
「……美味い」
「う~ん!! 美味しい!!」
リュクスは器用にナイフとフォーク、スプーンを使って味わうように食材を噛みしめて食べている。一方カリーナは両手に骨付き肉を掴みかぶりついている。
これはいつもの光景なのでもう慣れている。けど、カリーナの口元についたタレなどは僕が拭っている。
「父親になった気分だ」
「えへへ~。ありがとう!!」
カリーナはお礼をいうと直ぐに両手の骨付き肉にかぶりついた。
僕たちの誕生日パーティが終わり数日が経過した。
その頃、魔界と人界の両界では慌ただしい日々を過ごしていた。
先代の魔王と勇者は両者相討ちと言う事で決着が付き9年の月日が経過していた。そして、今年で10年目になった日に空から光が降り注いだ。
その光は再び魔王と勇者の戦いが始まる混乱の幕開けであった。
「勇者を!! 勇者を探せ!! 勇者はまだ幼い!! 今から訓練を施せば魔王を倒す事が出来る!! 勇者の右目には勇者の紋章が浮かんでいる!! 早急に探し出すんだ!!」
人界では勇者を探し出し魔王を打ち倒すべく国王直々に指揮をしていた。
「魔王を!! 魔王様を探せ!! 人界を侵略し!! 我らの強さを人界を侵略し証明するのだ!! 魔王様の左目には魔王の紋章が浮かんでいる!! 見つけた者には褒美を出そう!! 早急に見つけ出すのだ!!!」
魔界では魔王様を探し出し人界を侵略するために全ての魔物や魔族で探し出すように指揮をとっている。
いかに早く見つけだすかでこの先の、人界と魔界の未来が変わるのだ。
その頃、当の魔王と勇者はと言うと、
「見てみて!! 剣!! 剣出来たよ!!!」
「見ろ。槍を作ったぞ」
「へーん。私の剣の方が強いもん!!」
「えい」
「ひっ!?」
魔力で剣と槍を作って遊んでいた。リュクスが槍の先で油断しているカリーナの脇腹を突き、カリーナを怒らせ遊んでいる。
「ほらほら、こっちだよ~」
「待て~!!」
「2人とも!! 何やってるの!?!?」
「「フォレスだ!! 逃げろ~!!」」
「こら!! 待て~!!!」
魔王と勇者の誕生で世間は忙しいのに、当の本人達はそんな事全く知らずにいつも通り遊んで過ごしていた。
0
お気に入りに追加
81
あなたにおすすめの小説
世界最強の勇者は伯爵家の三男に転生し、落ちこぼれと疎まれるが、無自覚に無双する
平山和人
ファンタジー
世界最強の勇者と称えられる勇者アベルは、新たな人生を歩むべく今の人生を捨て、伯爵家の三男に転生する。
しかしアベルは忌み子と疎まれており、優秀な双子の兄たちと比べられ、学校や屋敷の人たちからは落ちこぼれと蔑まれる散々な日々を送っていた。
だが、彼らは知らなかったアベルが最強の勇者であり、自分たちとは遥かにレベルが違うから真の実力がわからないことに。
そんなことも知らずにアベルは自覚なく最強の力を振るい、世界中を驚かせるのであった。
異世界転生したらよくわからない騎士の家に生まれたので、とりあえず死なないように気をつけていたら無双してしまった件。
星の国のマジシャン
ファンタジー
引きこもりニート、40歳の俺が、皇帝に騎士として支える分家の貴族に転生。
そして魔法剣術学校の剣術科に通うことなるが、そこには波瀾万丈な物語が生まれる程の過酷な「必須科目」の数々が。
本家VS分家の「決闘」や、卒業と命を懸け必死で戦い抜く「魔物サバイバル」、さらには40年の弱男人生で味わったことのない甘酸っぱい青春群像劇やモテ期も…。
この世界を動かす、最大の敵にご注目ください!
転生したら神だった。どうすんの?
埼玉ポテチ
ファンタジー
転生した先は何と神様、しかも他の神にお前は神じゃ無いと天界から追放されてしまった。僕はこれからどうすれば良いの?
人間界に落とされた神が天界に戻るのかはたまた、地上でスローライフを送るのか?ちょっと変わった異世界ファンタジーです。
フリーター転生。公爵家に転生したけど継承権が低い件。精霊の加護(チート)を得たので、努力と知識と根性で公爵家当主へと成り上がる
SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
400倍の魔力ってマジ!?魔力が多すぎて範囲攻撃魔法だけとか縛りでしょ
25歳子供部屋在住。彼女なし=年齢のフリーター・バンドマンはある日理不尽にも、バンドリーダでボーカルからクビを宣告され、反論を述べる間もなくガッチャ切りされそんな失意のか、理不尽に言い渡された残業中に急死してしまう。
目が覚めると俺は広大な領地を有するノーフォーク公爵家の長男の息子ユーサー・フォン・ハワードに転生していた。
ユーサーは一度目の人生の漠然とした目標であった『有名になりたい』他人から好かれ、知られる何者かになりたかった。と言う目標を再認識し、二度目の生を悔いの無いように、全力で生きる事を誓うのであった。
しかし、俺が公爵になるためには父の兄弟である次男、三男の息子。つまり従妹達と争う事になってしまい。
ユーサーは富国強兵を掲げ、先ずは小さな事から始めるのであった。
そんな主人公のゆったり成長期!!
転生貴族のハーレムチート生活 【400万ポイント突破】
ゼクト
ファンタジー
ファンタジー大賞に応募中です。 ぜひ投票お願いします
ある日、神崎優斗は川でおぼれているおばあちゃんを助けようとして川の中にある岩にあたりおばあちゃんは助けられたが死んでしまったそれをたまたま地球を見ていた創造神が転生をさせてくれることになりいろいろな神の加護をもらい今貴族の子として転生するのであった
【不定期になると思います まだはじめたばかりなのでアドバイスなどどんどんコメントしてください。ノベルバ、小説家になろう、カクヨムにも同じ作品を投稿しているので、気が向いたら、そちらもお願いします。
累計400万ポイント突破しました。
応援ありがとうございます。】
ツイッター始めました→ゼクト @VEUu26CiB0OpjtL
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
病弱が転生 ~やっぱり体力は無いけれど知識だけは豊富です~
於田縫紀
ファンタジー
ここは魔法がある世界。ただし各人がそれぞれ遺伝で受け継いだ魔法や日常生活に使える魔法を持っている。商家の次男に生まれた俺が受け継いだのは鑑定魔法、商売で使うにはいいが今一つさえない魔法だ。
しかし流行風邪で寝込んだ俺は前世の記憶を思い出す。病弱で病院からほとんど出る事無く日々を送っていた頃の記憶と、動けないかわりにネットや読書で知識を詰め込んだ知識を。
そしてある日、白い花を見て鑑定した事で、俺は前世の知識を使ってお金を稼げそうな事に気付いた。ならば今のぱっとしない暮らしをもっと豊かにしよう。俺は親友のシンハ君と挑戦を開始した。
対人戦闘ほぼ無し、知識チート系学園ものです。
うっかり『野良犬』を手懐けてしまった底辺男の逆転人生
野良 乃人
ファンタジー
辺境の田舎街に住むエリオは落ちこぼれの底辺冒険者。
普段から無能だの底辺だのと馬鹿にされ、薬草拾いと揶揄されている。
そんなエリオだが、ふとした事がきっかけで『野良犬』を手懐けてしまう。
そこから始まる底辺落ちこぼれエリオの成り上がりストーリー。
そしてこの世界に存在する宝玉がエリオに力を与えてくれる。
うっかり野良犬を手懐けた底辺男。冒険者という枠を超え乱世での逆転人生が始まります。
いずれは王となるのも夢ではないかも!?
◇世界観的に命の価値は軽いです◇
カクヨムでも同タイトルで掲載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる