28 / 39
お肉
しおりを挟む
カレンはものすごく魔力が多く、魔力に頼った戦いを沢山してきた。そのため、今の現状は悲惨なものだった。
「はぁ、はぁ。嘘。たった数百メートル走っただけで、こんなに疲れるものだっけ?」
カレンは、自分の魔力に依存しすぎていた。以前のカレンだったら、何千キロと全力で走っても、息切れ一つ起こさなかっただろう。それが、今ではみる影もない。地球にいた時と同じ体力に戻ってしまっていた。それでも、ワイバーンぐらいは簡単に倒せるけどね。
「先ずはこの体力をどうにかしないとね」
そこからのカレンの行動は凄まじかった。生きる為に、小屋の中で体力、筋力をつけるトレーニングを始めた。そして、家の周りにある木の実をあの本を頼りに食べられるものを見つけ、ヒューと一緒に食べていた。
「さぁ、ヒュー。今日のご飯は、林檎みたいな物を煮詰めた物だよ」
「キュー」
ヒューはそれを見ると、何処かに飛び立ってしまった。
「はぁ、もうここ一ヶ月はこれだけだからね。私ももうやだよ」
カレンはこの一ヶ月、トレーニングをしながら生活しており、その際の食事はこの小屋の近くにある、林檎みたいな物しか食べてこなかった。しかしも、この一ヶ月で魔物は一体も来なかったのだ。
「そろそろ、お肉食べたいし、魔物を倒して来ないと本格的に栄養失調で死んじゃうよ」
カレンは、小屋に貼ってある地図を見ながらどこに行くかを決めていた。
「この島は丸で、五角形の頂点の位置に何かがあるらしいから、まずは上の方に向かって行くか」
この島は円形の形をしている。小屋はそれの真ん中に位置しており、魔物は外側に行けば行くほど、強力になって行くようだ。
そして、カレンは探検の準備をして、上の方に向かった。
「ここが今までの生活圏だよね。この先が私にとって未知の領域なんだよね」
そしてカレンは、木に目印をつけながら上の方に向かって行く。
『グルァァァア』
魔物の声が聞こえた。
「この声は、なんだろう?」
カレンは好奇心か分からないが、声の聞こえる方に向かって行く。
「確か、ここら辺だったと思うけど」
そこでカレンが見たのは、全長二メートル級の魔物と魔物の、勢力圏争いだった。
それは、カレンが目で追うのにやっとの戦いだった。
「あんなの、私に勝てるかな?」
その後も、息を潜めながら、その戦いが終わるのをじっと待った。
その間にカレンは、目で追うのがやっとの戦いをきちんと見ることが出来ていた。
二時間後。
『キュルルルルルルルル!!』
鳥のような魔物が、狼のような魔物に勝利して、そのまま何処かに飛びだって行った。
「やっぱり、勝つのは難しそうだよね。って、あれ、持ち帰ろうかな」
あれとは、あの狼だ。ボロボロになっており、血もダラダラと出ていたので、急いで持ち帰れば、食べられそうだった。
「よし。持ち帰ろう」
カレンはそれを亜空間に入れて、小屋に帰った。帰ると、ヒューが待っていた。
「ヒュー。お待たせ。今日は豪華だよ!!」
「キュルル!!」
ヒューは嬉しそうにカレンの頭の上に乗っきた。カレンは、あの狼を解体するべく、亜空間から出した。
「今日は、こいつの肉を食べるよ!!」
カレンは解体を開始し、それが全部終わったのは、夜になる少し前の時だった。まぁ、太陽の光がほとんど遮られてるから、お腹の空き具合で判断してるんだけどね。
「ってか、狼の肉って何処が美味しいんだよ」
「キュル?」
「ヒューも分からないか」
カレンは、諦めた。
「何処だっていいか!」
いや、開き直った。そして、何処の部位か分からない肉を手の平サイズにヒューの分も合わせて五枚ほど切り分けた。余ったものは全部亜空間の中にぶっこんだ。
「焼き加減はこんなものでいいか。調味料は何処だ?」
その時、カレンは思い出した。
「ちょっと待って、もしかして亜空間の中に調味料入ってるんじゃない?」
亜空間に意識を集中して、見つけた。
「あ、あった!! この一ヶ月の苦労はどうしてくれる!?」
カレンは、自分が調味料を持っていることを完璧に忘れていた。だから、あんなにヘンテコなものしか食べてこなかったのだ。
「塩胡椒を振りかけて、はぁー。いい匂い!!」
「キュ、キュルルル!」
ヒューはよだれをダラダラと垂らしている。
「あと少し待ってね」
そして、
「出来た!!」
ついに、念願の肉を食べることが出来た。
「あぁ、美味しかった!!」
ヒューもご機嫌のようだ。
「まだまだ、お肉はあるから、これからも頑張るぞ!!」
「キュル!!」
そして、カレンとヒューは翌朝を迎えた。
そして、身体に違和感を覚えた。
「なんでだろう? 身体が軽い?」
カレンは、自分の身体が、今までよりも使いやすくなっている事に気付いた。そして、カレンは一つの仮説に行き着いた。
「もしかして、栄養の偏りが無くなってきたからな?」
栄養の偏りは、身体に大きな影響を与える。太ったり、免疫力が下がったり。しかし、タンパク質を摂取することができた。それによって、身体が元に戻ったのだと感じていた。本当は、カレンの思っているものとは全く違かったりする。
そして、その後も、生活圏を広げていったカレンは、ある事に気づいた。
「はぁ、はぁ。嘘。たった数百メートル走っただけで、こんなに疲れるものだっけ?」
カレンは、自分の魔力に依存しすぎていた。以前のカレンだったら、何千キロと全力で走っても、息切れ一つ起こさなかっただろう。それが、今ではみる影もない。地球にいた時と同じ体力に戻ってしまっていた。それでも、ワイバーンぐらいは簡単に倒せるけどね。
「先ずはこの体力をどうにかしないとね」
そこからのカレンの行動は凄まじかった。生きる為に、小屋の中で体力、筋力をつけるトレーニングを始めた。そして、家の周りにある木の実をあの本を頼りに食べられるものを見つけ、ヒューと一緒に食べていた。
「さぁ、ヒュー。今日のご飯は、林檎みたいな物を煮詰めた物だよ」
「キュー」
ヒューはそれを見ると、何処かに飛び立ってしまった。
「はぁ、もうここ一ヶ月はこれだけだからね。私ももうやだよ」
カレンはこの一ヶ月、トレーニングをしながら生活しており、その際の食事はこの小屋の近くにある、林檎みたいな物しか食べてこなかった。しかしも、この一ヶ月で魔物は一体も来なかったのだ。
「そろそろ、お肉食べたいし、魔物を倒して来ないと本格的に栄養失調で死んじゃうよ」
カレンは、小屋に貼ってある地図を見ながらどこに行くかを決めていた。
「この島は丸で、五角形の頂点の位置に何かがあるらしいから、まずは上の方に向かって行くか」
この島は円形の形をしている。小屋はそれの真ん中に位置しており、魔物は外側に行けば行くほど、強力になって行くようだ。
そして、カレンは探検の準備をして、上の方に向かった。
「ここが今までの生活圏だよね。この先が私にとって未知の領域なんだよね」
そしてカレンは、木に目印をつけながら上の方に向かって行く。
『グルァァァア』
魔物の声が聞こえた。
「この声は、なんだろう?」
カレンは好奇心か分からないが、声の聞こえる方に向かって行く。
「確か、ここら辺だったと思うけど」
そこでカレンが見たのは、全長二メートル級の魔物と魔物の、勢力圏争いだった。
それは、カレンが目で追うのにやっとの戦いだった。
「あんなの、私に勝てるかな?」
その後も、息を潜めながら、その戦いが終わるのをじっと待った。
その間にカレンは、目で追うのがやっとの戦いをきちんと見ることが出来ていた。
二時間後。
『キュルルルルルルルル!!』
鳥のような魔物が、狼のような魔物に勝利して、そのまま何処かに飛びだって行った。
「やっぱり、勝つのは難しそうだよね。って、あれ、持ち帰ろうかな」
あれとは、あの狼だ。ボロボロになっており、血もダラダラと出ていたので、急いで持ち帰れば、食べられそうだった。
「よし。持ち帰ろう」
カレンはそれを亜空間に入れて、小屋に帰った。帰ると、ヒューが待っていた。
「ヒュー。お待たせ。今日は豪華だよ!!」
「キュルル!!」
ヒューは嬉しそうにカレンの頭の上に乗っきた。カレンは、あの狼を解体するべく、亜空間から出した。
「今日は、こいつの肉を食べるよ!!」
カレンは解体を開始し、それが全部終わったのは、夜になる少し前の時だった。まぁ、太陽の光がほとんど遮られてるから、お腹の空き具合で判断してるんだけどね。
「ってか、狼の肉って何処が美味しいんだよ」
「キュル?」
「ヒューも分からないか」
カレンは、諦めた。
「何処だっていいか!」
いや、開き直った。そして、何処の部位か分からない肉を手の平サイズにヒューの分も合わせて五枚ほど切り分けた。余ったものは全部亜空間の中にぶっこんだ。
「焼き加減はこんなものでいいか。調味料は何処だ?」
その時、カレンは思い出した。
「ちょっと待って、もしかして亜空間の中に調味料入ってるんじゃない?」
亜空間に意識を集中して、見つけた。
「あ、あった!! この一ヶ月の苦労はどうしてくれる!?」
カレンは、自分が調味料を持っていることを完璧に忘れていた。だから、あんなにヘンテコなものしか食べてこなかったのだ。
「塩胡椒を振りかけて、はぁー。いい匂い!!」
「キュ、キュルルル!」
ヒューはよだれをダラダラと垂らしている。
「あと少し待ってね」
そして、
「出来た!!」
ついに、念願の肉を食べることが出来た。
「あぁ、美味しかった!!」
ヒューもご機嫌のようだ。
「まだまだ、お肉はあるから、これからも頑張るぞ!!」
「キュル!!」
そして、カレンとヒューは翌朝を迎えた。
そして、身体に違和感を覚えた。
「なんでだろう? 身体が軽い?」
カレンは、自分の身体が、今までよりも使いやすくなっている事に気付いた。そして、カレンは一つの仮説に行き着いた。
「もしかして、栄養の偏りが無くなってきたからな?」
栄養の偏りは、身体に大きな影響を与える。太ったり、免疫力が下がったり。しかし、タンパク質を摂取することができた。それによって、身体が元に戻ったのだと感じていた。本当は、カレンの思っているものとは全く違かったりする。
そして、その後も、生活圏を広げていったカレンは、ある事に気づいた。
0
お気に入りに追加
72
あなたにおすすめの小説
乙女ゲームの悪役令嬢だったので、悪役になる覚悟ですが、王子様の溺愛が世界を破滅させてしまいそうです
葵川真衣
恋愛
公爵令嬢シャロンは王宮で婚約者の王子と過ごしていて、突如前世の記憶を思い出してしまう。
前世プレイしていた乙女ゲームの令嬢に転生している。しかも悪役だ。
初恋相手の婚約者には今後、無惨に婚約破棄される。
ショックで突っ伏したシャロンだが、ハッピーエンドを目指して国外追放され、平穏に暮らそうと決心。
他ルートなら暗殺される。世界滅亡の危機もある。国外追放は生きている……!
武闘派悪役令嬢シャロンは日々励む!
しかしゲームに登場しない人物が現れたり、いろいろ様子がおかしい……!?
シャロンは世界を救い、ゲームのハッピーエンドを無事迎えることができるのか……!?
将来に備えがんばる悪役令嬢と、そんな令嬢を溺愛する腹黒王子の甘々ラブコメディ。
☆本編完結しました。ありがとうございました。番外編等、追加予定です。
【完結】婚約破棄だと殿下が仰いますが、私が次期皇太子妃です。そこのところお間違いなきよう!
つくも茄子
恋愛
カロリーナは『皇太子妃』になると定められた少女であった。
そのため、日夜、辛く悲しい過酷な教育を施され、ついには『完璧な姫君』と謳われるまでになった。
ところが、ある日、婚約者であるヨーゼフ殿下に婚約破棄を宣言されてします。
ヨーゼフ殿下の傍らには綿菓子のような愛らしい少女と、背後に控える側近達。
彼らはカロリーナがヨーゼフ殿下が寵愛する少女を故意に虐めたとまで宣う。這いつくばって謝罪しろとまで言い放つ始末だ。
会場にいる帝国人は困惑を隠せずにおり、側近達の婚約者は慌てたように各家に報告に向かう。
どうやら、彼らは勘違いをしているよう。
カロリーナは、勘違いが過ぎるヨーゼフ殿下達に言う。
「ヨーゼフ殿下、貴男は皇帝にはなれません」
意味が分からず騒ぎ立てるヨーゼフ殿下達に、カロリーナは、複雑な皇位継承権の説明をすることになる。
帝国の子供でも知っている事実を、何故、成人間近の者達の説明をしなければならないのかと、辟易するカロリーナであった。
彼らは、御国許で説明を受けていないのかしら?
「小説家になろう」「カクヨム」「ノベルバ」にも投稿しています。
私はガチファンなので!!
itoma
恋愛
商人から成り上がったシュレフタ子爵家の次女、モニカには推しがいる。それは皇室騎士団の団長、ラドミール・クリスト。無口でクールなイケメンだった。
前世で日本の男性アイドルを推していたモニカは、異世界に転生してからも推しから日々の活力を貰っていた。
ある日、モニカは意図せず推しに認知されてしまう。
ガチファンとして一定の距離を保ちたいのに、何故かグイグイ来るラドミール。
なんだかんだ一緒に過ごすうちに彼のプライベートや意外な一面を知ることになり、モニカは彼にどんどん惹かれていった。
……もちろん、ファンとして。
ガチファンだからと一線を引く子爵令嬢と、その一線を超えたい騎士団長のお話。
こんなとき何て言う?
遠野エン
エッセイ・ノンフィクション
ユーモアは人間関係の潤滑油。会話を盛り上げるための「面白い答え方」を紹介。友人との会話や職場でのやり取りを一層楽しくするヒントをお届けします。
異世界ゆるり紀行 ~子育てしながら冒険者します~
水無月 静琉
ファンタジー
神様のミスによって命を落とし、転生した茅野巧。様々なスキルを授かり異世界に送られると、そこは魔物が蠢く危険な森の中だった。タクミはその森で双子と思しき幼い男女の子供を発見し、アレン、エレナと名づけて保護する。格闘術で魔物を楽々倒す二人に驚きながらも、街に辿り着いたタクミは生計を立てるために冒険者ギルドに登録。アレンとエレナの成長を見守りながらの、のんびり冒険者生活がスタート!
***この度アルファポリス様から書籍化しました! 詳しくは近況ボードにて!
【完結】飛行機で事故に遭ったら仙人達が存在する異世界に飛んだので、自分も仙人になろうと思います ー何事もやってみなくちゃわからないー
光城 朱純
ファンタジー
空から落ちてる最中の私を助けてくれたのは、超美形の男の人。
誰もいない草原で、私を拾ってくれたのは破壊力抜群のイケメン男子。
私の目の前に現れたのは、サラ艶髪の美しい王子顔。
えぇ?! 私、仙人になれるの?!
異世界に飛んできたはずなのに、何やれば良いかわかんないし、案内する神様も出てこないし。
それなら、仙人になりまーす。
だって、その方が楽しそうじゃない?
辛いことだって、楽しいことが待ってると思えば、何だって乗り越えられるよ。
ケセラセラだ。
私を救ってくれた仙人様は、何だか色々抱えてそうだけど。
まぁ、何とかなるよ。
貴方のこと、忘れたりしないから
一緒に、生きていこう。
表紙はAIによる作成です。
とあるヒロインと悪役令嬢の顛末〜悪役令嬢side
ぷっちょ
ファンタジー
5歳で前世の記憶を取り戻した『悪役令嬢』は、素直に破滅いたしません!
自分と、周囲の女の子たちを、守りきってみせます!
~•~•~•~•~•~•~•~•~•~•~
拙作『とあるヒロインと悪役令嬢の顛末』の、悪役令嬢視点です。
皆さまに、少しでも楽しんで頂ければ幸いです^_^
ソーダの魔法〜ヘタレな溺愛初彼氏は炭酸飲んだら人格変わってドSになっちゃうやつでした〜
緒形 海
BL
真野深月(まの・みつき)20歳、最近自分がゲイであることを自覚し始めた大学生。
ある日のバイト帰り、深月は居酒屋ホールスタッフ仲間・篠原蒼太(しのはら・そうた)から突然の愛の告白を受けてしまう。
デカい図体に似合わず気弱で優しすぎるヘタレ気味な蒼太。はっきり言ってあまり好みのタイプではなく……考えた末、深月はお試しとして1週間の期間限定で交際okの返事をすることに。
ただ、実は…蒼太にはある秘密があった。
彼は炭酸の飲み物がめちゃくちゃ苦手で、一口でも飲んでしまうと人格がチェンジしてしまうという謎体質の持ち主だったのである…。
受け⚪︎真野 深月 まの みつき MM
攻め⚫︎篠原 蒼太 しのはら そうた SS
人格豹変もの&ソフトSMチックな話が書きたくて生まれた作品です。
R18指定。過激描写のシーンがあるエピソードには▽マークが入ります。背後にご注意くださいませ。
いろんな炭酸が出てくる予定…です。
ヘタレでドSでヤンデレ気味な溺愛攻めに愛されるといういろいろてんこもりのよくばりセット☺︎ハピエン保証♡
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる