鈴蘭の魔女の代替り

拝詩ルルー

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魅惑の精霊1

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「師匠! ただいまーっ!!」
「ただいま戻りました」
「レイ、レヴィ、おかえり!」

 レイたちはユグドラに帰郷していた。
 冒険者ランクがCランクに上がったので、報告に来ているのだ。

 久々の再会に、ウィルフレッドはぐりぐりと、レイの頭を撫でた。もちろん、髪型を崩されたくないレイにべしっと両手で払い除けられる。

「ご無沙汰しております」
「お、ルーファスも来てたのか。ゆっくりしてってくれ」

 レイたちはユグドラの樹、下層階の小さい方の応接室に通された。上質な革張りのソファにゆったりと腰を落ち着ける。

「師匠、私もレヴィも、Cランク冒険者になりました!」

 開口一番、レイは朗らかに報告した。

「おお、良くやった! 順調そうだな。無事で元気そうだし、本当に良かった」

 ウィルフレッドが、人好きのするヘーゼルの瞳を緩めて、穏やかに微笑んだ。

「わあ! ユグドラの精も喜んでいるみたいです!」

 緑色の光が明滅し、レイの周りを飛び回っている。飛び方も、ブンブンといつもよりも激しい。

 そのユグドラの精を見るなり、ウィルフレッドが顔を顰めた。

「……レイ、そいつは喜んでるんじゃないぞ……はぁ、ユグドラにいる管理者を全員呼ぶぞ。緊急会議だ」

 ウィルフレッドは通信用の魔道具を空間収納から取り出すと、その青くて平べったい魔道具で、他の管理者に連絡を取り始めた。


***


「ご指名、ですか?」

 レイはきょとんと目をまん丸に見開いて、首を傾げた。

「そうだ。しかも、ユグドラの精からな」

 ウィルフレッドが、苦々しい表情で頷いた。

 ここはユグドラの樹、中層階の会議室だ。立派な木製の大円卓をぐるりと囲むように、管理者たちが座っている。

 今回の会議の参加者は、現在ユグドラにいる管理者たち——ウィルフレッド、エイドリアン、メルヴィン、モーガン、エルネスト、アイザック、レイと聖剣のレヴィ、それから話の流れで同席することになってしまったルーファスだ。

 さらに今回は特別にユグドラの精も参加していて、レイの側にふわふわと浮かんでいる。

「白の領域を超えた先、バルゼビス国のウィーングラスト領に盗賊団が出るんだが、ドワーフ酒がよく狙われるんだ。それで、レイの力を借りたい」
「……盗賊団、ですか。でも私、人と戦うような訓練は受けてませんよ?」
「そうなんだが、ユグドラの精からの指名だからな……」

 ウィルフレッドは不服そうにユグドラの精をじとりと見つめた。彼としても、Cランク冒険者になったとはいえ、まだまだ修行中のレイに、そんな危ない仕事をさせたくないのだ。

 緑色の小さな光の玉は、ウィルフレッドの睨むような視線もどこ吹く風だ。レイをご指名なので、彼女の周りをくるくると飛び回っている。

「それに管理者は、プレイヤーの自由を止める権利は無いんですよね? 大丈夫なんですか?」

 レイはむむぅ、と難しい顔をして質問した。

(……それがたとえ、プレイヤーが犯す犯罪行為だとしても……)

 プレイヤーには自由に生きる権利がある。たとえ、プレイヤーの自由意志の結果として犯罪を犯したとしても、管理者が彼らを裁いたりすることはない。プレイヤーを裁くのは、同じプレイヤーの仕事だからだ。

「……それについては問題ない。管理者も生き物だ。自衛は認められてる。もちろん、ユグドラで生産されている物についてもだ。…………何より、うちの酒に手を出したことを、絶対に後悔させてやる!!!」

 ドワーフ酒の生産者、モーガンが怒りに燃えていた。ガタンッと席を立ち、今にも円卓に乗り上げる勢いだ。
 隣に座っている兄のメルヴィンが慌てて「落ち着け、会議中だ!」と、弟を宥めて取り押さえようとしている。

「生産者の想いを踏み躙り、客の喜びを奪うコソ泥共は万死に値する!!」とエキサイトするモーガンを見かねて、さすがにエイドリアンが羽交締めで取り押さえた。

 非常に大柄で筋肉質なエイドリアンが、ジタバタと暴れる子供よりも小さなドワーフのモーガンを抱える姿は、何だかちょっぴり滑稽だった。

 モーガンがひとしきり暴れて肩で息を切っていると、ウィルフレッドが話を戻すように説明を始めた。

「ウィーングラストに、魅惑の精霊の力を悪用した盗賊団が出るんだ。魅惑の精霊が魅了魔術で通りがかった商人や旅人なんかを魅了して、金目の物を貢がせているらしい。何度か討伐隊も編成されたようなんだが、毎回、魅了魔術で無力化されて、逆に、金目の物だけじゃなく、討伐隊の装備まで貢がさせてしまったらしいぞ……魅惑の精霊は絶世の美貌らしい。手配書の人相書きも相当な美形みたいで、張り出した瞬間に争奪戦だそうだ。刷っても刷っても盗まれる人気ぶりらしいぞ」

 ウィルフレッドがどこから入手したのか、手配書をひらりと大円卓の上に出すと、回し読みできるように、隣の席のエルネストに渡した。

「こいつが魅惑の精霊だ。回して見てみてくれ」
「へぇ……噂に違わない美形だね」
「どれどれ。ああ、これじゃあ魅了魔術にかかっちまってもしょうがないな」
「……こいつが、うちの酒を……」

 エルネストは手配書を一瞥した後に、ドワーフ兄弟に回した。モーガンは怒りで顔を真っ赤にして、わなわなと小刻みに震えている。

「えっ!?」

 レイはメルヴィンから手配書を受け取ると、一瞬、呆気に取られた後、眉根を寄せてじーっと手配書の人相書きを見つめた——人相書きの部分には、ただの丸が描かれているだけだった。

 レイは目に魔力を込めて再度見直してみたが、特に何か浮き上がるでもなく、やっぱり何の変哲もない丸が描かれているだけだった。

(……これのどこが美形? ただ円が描かれているだけでは?? ……そもそも、顔ってどこ???)

 レイが手配書を手にして、難しい顔でうんうんと唸っていると、

「うわっ! 確かに、すっごいかっこいいね……レイ、そんなに見つめたらダメだよ!!」

 アイザックは、レイが早くも魅惑の精霊に魅入られたのかと思い、手配書をひったくった。

「……この人相書きって、そもそもどこが顔なんですか? ただ丸が描かれてるだけですよね?」
「「「「「「「はっ!?」」」」」」」

 レイの素朴な疑問に、管理者たちとルーファスは驚愕の表情で、レイを見つめた。

「レイ、この人相書き、どう見えてるの?」
「ただの丸です」

 レイの回答に、アイザックが「よしっ!」と小さくガッツポーズを決めた。

「レヴィはこの手配書見てどう思う?」
「ええ、非常に見目麗しい玉型の精霊ですね」
「……非常に見目麗しい……丸???」

 レイは遠い目をした。もはや理解の範疇を超えていた。

「……ということは、レイには魅惑の精霊の魅了魔術が効かないんだな?」

 ウィルフレッドは額の前で手を組み、難しい顔でそう言うと、チラリとユグドラの精に視線を送った。

 ユグドラの精は「イエス!」と言いたげに、くるりと大きく円を描いて飛んだ。

「魅了魔術の効果は、術者の容姿にかなり左右されるからな……だが、これほどの美貌なのに、顔も分からないレベルだ。魅了魔術にはほぼかからないだろう」

 ウィルフレッドが、我が弟子ながら残念な奴と言いたげな目でレイを見つめた。

「むぅ。しょうがないじゃないですか! どんな顔してるかどころか、ただの丸にしか見えないんですから!」

 レイが頬を膨らましてむくれた。

「レイはそのままでいいよ~! 玉型の精霊の顔なんて、分からなくても何も問題ないから!」

 アイザックが上機嫌で、ちゃっかりレイの頭を撫でた。

「魅了魔術が効かないなら、討伐部隊にレイは必須だな。あとは、魅了魔術が効きにくい奴をメンバーに加えるか……レヴィは、魅了魔術は大丈夫なのか?」
「ええ、そういう魔術は生き物を対象にしてますからね。今までの戦闘で、その手の魔術にかかったことはないです」
「なら、レヴィもメンバー入りだな。他に、魅了魔術が効かないか、効きづらいやつはいるか?」

 ウィルフレッドは、会議室内を見まわした。
 エイドリアンとアイザックが手を挙げている。

「……やっぱりSランク魔物ぐらいにならないと、こいつの魅了魔術には対抗できなそうか……」

 ウィルフレッドは回覧して戻ってきた手配書をピンッと指先で弾いた。

「あと、防御壁部隊で大丈夫そうなのは、蝙蝠系魔物のベンと、もぐら系魔物のモーリスぐらいだな。どっちも元の種族があまり視覚に頼らない魔物だ。ベンは超音波で把握することができるし、モーリスは地中からの攻撃が可能だ」

 エイドリアンがきりりと報告した。今日は防御壁部隊の藍色の制服をきちりと着込んでいて、非常に凛々しい。

「魅惑の精霊を直接見ないで済みそうなタイプか……それもアリだな。でも、防御壁部隊から三人も抜けて大丈夫か?」

 ウィルフレッドは思案顔だ。ドワーフ酒を掠め盗ろうとする賊を捕まえるのも大事だが、ユグドラ自体の防衛も大事だ。
 防御壁部隊は、ランクの高い魔物が所属している分、少数精鋭で運営されている。人数が欠けるのは、他の隊員の負担が増えるため、あまり好ましくない。

「期間限定であれば、問題ない。これだけ高ランクの者を投入するんだ。さっさとケリをつけよう」

 エイドリアンは力強く頷いた。

「黒竜の方からは、人員は出さないのか?」

 メルヴィンが軽く挙手をして、確認した。

(黒竜???)

 レイは新しい単語に首を傾げた。

「面倒なことに、バレット商会から買い付けた後の商人たちを襲っているらしい」
「そこら辺はきちんと相手を見極めてるんだな……買い付けた商人たちも、バレット商会に変な借りを作りたくないって所か」

 エイドリアンは渋い顔でガシガシと黒い短髪を掻いた。

「貴重な積み荷が狙われるのは良くあることだし、ドワーフ酒を守るためだけに商隊兵を動かすわけにはいかないだろう、って」

 ウィルフレッドが肩をすくめて、やれやれといった表情で話した。おそらく既に交渉済みで、断られたのだろう。

「……本人から言われたのか?」
「いや。最近、黒竜の代理で来てる商人からだ」

 モーガンが目を丸くして尋ねると、ウィルフレッドは肩をすくめて首を横に振った。

「……レイがきょとんとしてるな。黒竜はドワーフ酒をユグドラから仕入れてる商人だ。前にも話しただろう? ドラゴニアの王都に本拠地のあるバレット商会の商会長なんだ」
「二百年前の防衛戦で一緒に戦ったっていう……?」
「そうだ」

 メルヴィンが説明してくれた。

「バレット商会は、竜の第二席、影竜王ニール・バレットが運営している商会だよ。彼は二百年ぐらい前には『黒の暴虐』って呼び名がつくほどの暴れ竜で、いくつもの国や街を滅ぼしてたんだ……今はかなり落ち着いてるみたいだけど……ただ、今でも下手に商会に手出しした奴らはみんな消されてるんだよね。だから、絶対に、かの方から睨まれるようなことはしちゃダメだよ!」

 ルーファスが少し顔を青ざめさせて補足してくれた。

「……そうなると、追加で戦力をお願いするのは難しそうですね。そういえば、ルーファスはどうしますか? 私たちがこの仕事をしている間、教会のお仕事に戻りますか?」

「確かに、それはありがたいけど……」

 ルーファスは、淡い黄色の目を伏せて考え込んだ。
 光の大司教の仕事が溜まっているため、一度、教会に戻れることはありがたいのだが、今回は盗賊団の討伐だ。戦える人手が必要だろうとルーファスが考え込んでいると……

「今回はユグドラから戦力を出すよ。ルーファスはフェリクスの依頼で、冒険者としてのレイの面倒を見てくれてるんだろう? 今回はユグドラの仕事だから、しばらく元の仕事に戻ってくれて大丈夫だ」

 ウィルフレッドから助け舟が出た。

「……そうですか。レイ、それなら君に加護を付けておくよ。僕が離れてても守れるように」
「!?」
「レイは目を離すと、すぐにトラブルに巻き込まれそうだしね」

 ルーファスは困った子を見るような、慈愛に満ちた目でレイを見つめた。

 ウィルフレッドも激しく同意しているのか、うんうんと大きく頷いている。

「そんなに私、危なっかしいですか!?」

 レイが目を丸くしてびっくりしていると、管理者たちはうんうんと頷いた。——この場にレイの味方はいなかった。


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