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ガラテア2
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タラッサ村から離れた空き地に、ルーファスはぶわりと舞い降りた。
レイたち三人が背中から降りたのを確認すると、ルーファスは人型に変身した。
「今日はとにかく村で聞き込みだな。実際に湖へ向かうのは明日だ。タラッサ村はドラゴニアの僻地の村だから、おそらく宿は無いだろう。村の近くにキャンプを張る可能性が高いな」
ライの言葉に、銀の不死鳥メンバー全員が頷いた。
タラッサ村はナイアド湖から徒歩三十分ほどにある森に囲まれた村だ。小さな田畑を耕すだけでなく、森の恵みを採集したり、狩りをしたり、ナイアド湖にも近いため湖での漁も盛んだ。
ライはタラッサ村に到着すると、近くにいた村人に村長の家の場所を訊き、真っ直ぐに村長宅を目指した。
ライが村長宅の木戸をドンドンと叩くと、手伝いの者らしき村人が出て来た。
「すみません、セルバの街の冒険者ギルドで依頼を受けた者ですが……」
「……少々お待ちください」
レイたちは村長宅の応接室に通された。
タラッサ村の村長は、白髪頭の小柄なお爺さんだった。
「ようこそいらっしゃいました。まさか、こんなに早く来てくださるとは、ありがたいことです」
「ええ、竜関係は最優先事項ですから。下手をすれば、被害が大きくなりますし。ナイアド湖について、何があったか説明していただけますか?」
村長は顔を青ざめつつも説明してくれた。
「二週間ほど前から、湖の周りに濃い霧が立ち込めるようになりました。霧の中に入ると、いくら歩いても湖にはたどり着けず、いつの間にか森の入り口まで戻っているのです。我々は湖で漁をしますので、半月ほど、船を出せずに困っているのです」
「その間、他に何か変わったことは無かったですか?」
「湖の近くの森がやけに静かになっているとは聞きました。それと、ここ一日二日は、水竜の鳴き声も聞こえるようになりました」
「……水竜の鳴き声?」
ルーファスが訝しげに呟いた。光竜としても何か引っかかる所があるのだろう。
「あと、宿についてなんだが……」
「申し訳ない、村には宿屋が無くて……その代わり、村の外れの広場を自由に使っていただいて構わないです」
「ああ、ありがたい。調査が終わるまで、お世話になります」
レイたちは村長宅を出ると、村外れの広場に行き、テントを二つ立てた。男性陣用のものと、女性陣用のものだ。
ライとレヴィが森に焚き木を探しに行き、レイとルーファスが夕飯の支度をしていると、村の子供たちが興味深そうに声をかけてきた。
「お姉ちゃんたち何やってるの?」
「ここでキャンプの準備をしているんだよ。湖の調査をするから、しばらくここでお世話になるの」
「そうなの? そういえば、お父さんが、湖に霧がいっぱい出てて、漁に出れないって言ってた!」
「湖は霧がすごいし、知らない人もいるから、危ないから遊びに行っちゃダメだって!」
「知らない人? 詳しく教えてくれるかな?」
ルーファスがにこりと笑顔で子供に話しかけた。
女の子は顔を真っ赤にしてもじもじし、少し年上の男の子の後ろに隠れてしまった。
「父ちゃんが、ここら辺で見たことない男の人見たって。湖の近くをうろうろしてたんだって!」
男の子の方が答えてくれた。
「お父さんに、お話し聞けるかな?」
「たぶん、そろそろ家に帰ってくると思う」
「レイ、僕が話を聞いて来るから、キャンプの準備を頼める?」
「大丈夫です。行ってらっしゃい!」
ルーファスが子供たちを引き連れて村の中へ入って行くと、ライたちが戻って来た。
「あれ? ルーファスはどうした?」
「村の人が、湖の近くで見知らぬ人を見かけたということで、情報収集に行きました」
「そっか。夕飯でも食いながら、後で聞くか。こっちでもさっき、村の爺さんから似たようなことを聞いたんだ」
焚き火を囲んで夕食をとりながら、情報共有することになった。
今夜は豆とトマトのスープと、出がけに空色の戦斧亭で分けてもらった野うさぎの燻製肉とパンだ。軽く焚き火で炙って、熱々のうちに齧り付くのだ。
「湖の近くに、ここら辺では見かけない男たちがいたらしい。剣や魔術師の杖を持っていたから、はじめは冒険者かと思ったそうなんだけど、それにしてはちょっと様子がおかしかったらしい。五人ほどいたそうだよ」
食事がひと段落すると、ルーファスが早速、村人から聞いてきたことを話しだした。
「村の爺さんも同じこと言ってたな。爺さんの方は、見知らぬ男は二人で、水竜について訊かれたと言っていたな」
ライもうんうんと頷いている。
「その男たちを湖で見かけるようになってから、霧が出るようになったらしい」
「ものすごく怪しいですね」
ルーファスの言葉に、むむむとレイは顔を顰めた。
「お爺さんの話では、ここ半年は湖周辺がピリピリとしていたそうです。今まで生きてきて、こういうことは無かったそうです」
「ピリピリ?」
レヴィの情報に、レイとルーファスは目をぱちくりさせた。
「そうです。湖周辺の動物がなぜだか随分と少なくなっていて、見つけても、かなり警戒心が強くてすぐ逃げられてしまうそうです」
「ああ、それも言ってたな。おそらく、ここら辺の主であるガラテアがピリピリしてるんだろう。高位の魔物の巣周辺では時々あることだ」
ライがレヴィの言葉を継いで、追加で解説してくれた。
「そういえば、村の男も、ここ数ヶ月は森での狩りが難しくて、湖での漁に頼っていたと言っていたね……竜がピリピリするようなこと……怪我をしたか、病気か、子供が産まれたか、縄張りを荒らす者がいるのか……」
「まあ、そこら辺は明日、湖に着いてから確認だな」
ライが膝を打って、本日の情報共有は終了した。
***
女性陣用のテントの中に入ると、琥珀が元のライオンサイズの大きさに戻って寝そべった。
レイも空間収納からバサバサと毛布を何枚も出して、自分と隣に寝そべる琥珀に掛けだした。結界を張って緩和はしているのだが、森の朝晩は異様に冷え込むのだ。
大きな体をゆっくり上下に揺らして呼吸する琥珀は、ほかほかと暖かい。レイがその背中を撫でると、ゴロゴロと幸せそうな声がした。
(あったかい……琥珀も冬毛になってきたのかも……)
移動の疲れと、夕食後の満腹感から、瞼を閉じた瞬間にレイはすとんと眠りに落ちた。
***
そこは暗い暗い闇の底だった。
「ここは……? ゔっ……わぁっ!!」
レイが周囲を見回そうとすると、じゃりりと鎖が擦れるような金属音がし、つーんと鉄錆と墨のような匂いが立ち込める。
一歩踏み出そうとすれば、何かに足を取られ、レイはその場にばしゃんっ! と躓いた。
いつの間にか、手足に赤黒く錆びた鎖が巻き付いており、底の浅い冷たい水の中にいるようだ。
(体が重い……動けない……)
鎖は非常に重く、レイをこの場所に縛り付けているようだった。
「ゔっ……ゔぅっ……」
(……誰か、いる???)
レイが声をした方を振り向くと、赤黒い霧の先には、髪の長い女性のシルエットがあった。
彼女は膝をついて蹲り、細い肩を揺らして啜り泣いているようだった。
レイがその時感じたのは身を切るような悲しみだった。自分の半身を奪われたかのような深い喪失感、言葉では言い表せないほどの悲しみ、果ての無い嘆き……
(……何か、とても大切なものを奪われたの……?)
レイはなぜだかズキズキと切なく痛む胸をギュッと抑えた。
「……許せない、許せない、絶対に許さない……」
低く、それから呪うような掠れた声が女性からぽつりと溢れた。
女性が蹲っている周りの水が、ボコリと一つ、沸騰するように泡を立てた。
その沸騰は、沸点を突破したようにボコボコと音を立てて次々と沸き起こり、女性を中心にして同心円状にすさまじい速さで広がっていった。
(っ!? このままじゃ、まずい!)
激しい沸騰と赤黒い湯気の熱気がレイの所まで迫って来ている。だが、巻き付いた鎖が逃してくれない。
***
「グルル……」
「…………琥珀……? 痛くすぐったいです……」
琥珀が心配そうな顔をして、ザリザリとレイの顔を舐めていた。
レイは気づくと、びっしょりと寝汗をかいていた。少し息も上がっているようだ。
『レイ、うなされてた。苦しそうだった』
「……心配してくれたの?」
「グルル」
レイが手を差し出すと、琥珀はそこへぐりぐりと大きな頭を擦りつけた。
『不思議な夢、見る。特別なこと。ライに相談する』
「……でも、ただの夢だよ?」
『特別な夢、本当のこともある。相談して、損ない』
「……そっかぁ……琥珀がそこまで言うなら……」
レイは早くもぐったりとしている身体を起こすと、のろのろと朝の準備を始めた。
レイたち三人が背中から降りたのを確認すると、ルーファスは人型に変身した。
「今日はとにかく村で聞き込みだな。実際に湖へ向かうのは明日だ。タラッサ村はドラゴニアの僻地の村だから、おそらく宿は無いだろう。村の近くにキャンプを張る可能性が高いな」
ライの言葉に、銀の不死鳥メンバー全員が頷いた。
タラッサ村はナイアド湖から徒歩三十分ほどにある森に囲まれた村だ。小さな田畑を耕すだけでなく、森の恵みを採集したり、狩りをしたり、ナイアド湖にも近いため湖での漁も盛んだ。
ライはタラッサ村に到着すると、近くにいた村人に村長の家の場所を訊き、真っ直ぐに村長宅を目指した。
ライが村長宅の木戸をドンドンと叩くと、手伝いの者らしき村人が出て来た。
「すみません、セルバの街の冒険者ギルドで依頼を受けた者ですが……」
「……少々お待ちください」
レイたちは村長宅の応接室に通された。
タラッサ村の村長は、白髪頭の小柄なお爺さんだった。
「ようこそいらっしゃいました。まさか、こんなに早く来てくださるとは、ありがたいことです」
「ええ、竜関係は最優先事項ですから。下手をすれば、被害が大きくなりますし。ナイアド湖について、何があったか説明していただけますか?」
村長は顔を青ざめつつも説明してくれた。
「二週間ほど前から、湖の周りに濃い霧が立ち込めるようになりました。霧の中に入ると、いくら歩いても湖にはたどり着けず、いつの間にか森の入り口まで戻っているのです。我々は湖で漁をしますので、半月ほど、船を出せずに困っているのです」
「その間、他に何か変わったことは無かったですか?」
「湖の近くの森がやけに静かになっているとは聞きました。それと、ここ一日二日は、水竜の鳴き声も聞こえるようになりました」
「……水竜の鳴き声?」
ルーファスが訝しげに呟いた。光竜としても何か引っかかる所があるのだろう。
「あと、宿についてなんだが……」
「申し訳ない、村には宿屋が無くて……その代わり、村の外れの広場を自由に使っていただいて構わないです」
「ああ、ありがたい。調査が終わるまで、お世話になります」
レイたちは村長宅を出ると、村外れの広場に行き、テントを二つ立てた。男性陣用のものと、女性陣用のものだ。
ライとレヴィが森に焚き木を探しに行き、レイとルーファスが夕飯の支度をしていると、村の子供たちが興味深そうに声をかけてきた。
「お姉ちゃんたち何やってるの?」
「ここでキャンプの準備をしているんだよ。湖の調査をするから、しばらくここでお世話になるの」
「そうなの? そういえば、お父さんが、湖に霧がいっぱい出てて、漁に出れないって言ってた!」
「湖は霧がすごいし、知らない人もいるから、危ないから遊びに行っちゃダメだって!」
「知らない人? 詳しく教えてくれるかな?」
ルーファスがにこりと笑顔で子供に話しかけた。
女の子は顔を真っ赤にしてもじもじし、少し年上の男の子の後ろに隠れてしまった。
「父ちゃんが、ここら辺で見たことない男の人見たって。湖の近くをうろうろしてたんだって!」
男の子の方が答えてくれた。
「お父さんに、お話し聞けるかな?」
「たぶん、そろそろ家に帰ってくると思う」
「レイ、僕が話を聞いて来るから、キャンプの準備を頼める?」
「大丈夫です。行ってらっしゃい!」
ルーファスが子供たちを引き連れて村の中へ入って行くと、ライたちが戻って来た。
「あれ? ルーファスはどうした?」
「村の人が、湖の近くで見知らぬ人を見かけたということで、情報収集に行きました」
「そっか。夕飯でも食いながら、後で聞くか。こっちでもさっき、村の爺さんから似たようなことを聞いたんだ」
焚き火を囲んで夕食をとりながら、情報共有することになった。
今夜は豆とトマトのスープと、出がけに空色の戦斧亭で分けてもらった野うさぎの燻製肉とパンだ。軽く焚き火で炙って、熱々のうちに齧り付くのだ。
「湖の近くに、ここら辺では見かけない男たちがいたらしい。剣や魔術師の杖を持っていたから、はじめは冒険者かと思ったそうなんだけど、それにしてはちょっと様子がおかしかったらしい。五人ほどいたそうだよ」
食事がひと段落すると、ルーファスが早速、村人から聞いてきたことを話しだした。
「村の爺さんも同じこと言ってたな。爺さんの方は、見知らぬ男は二人で、水竜について訊かれたと言っていたな」
ライもうんうんと頷いている。
「その男たちを湖で見かけるようになってから、霧が出るようになったらしい」
「ものすごく怪しいですね」
ルーファスの言葉に、むむむとレイは顔を顰めた。
「お爺さんの話では、ここ半年は湖周辺がピリピリとしていたそうです。今まで生きてきて、こういうことは無かったそうです」
「ピリピリ?」
レヴィの情報に、レイとルーファスは目をぱちくりさせた。
「そうです。湖周辺の動物がなぜだか随分と少なくなっていて、見つけても、かなり警戒心が強くてすぐ逃げられてしまうそうです」
「ああ、それも言ってたな。おそらく、ここら辺の主であるガラテアがピリピリしてるんだろう。高位の魔物の巣周辺では時々あることだ」
ライがレヴィの言葉を継いで、追加で解説してくれた。
「そういえば、村の男も、ここ数ヶ月は森での狩りが難しくて、湖での漁に頼っていたと言っていたね……竜がピリピリするようなこと……怪我をしたか、病気か、子供が産まれたか、縄張りを荒らす者がいるのか……」
「まあ、そこら辺は明日、湖に着いてから確認だな」
ライが膝を打って、本日の情報共有は終了した。
***
女性陣用のテントの中に入ると、琥珀が元のライオンサイズの大きさに戻って寝そべった。
レイも空間収納からバサバサと毛布を何枚も出して、自分と隣に寝そべる琥珀に掛けだした。結界を張って緩和はしているのだが、森の朝晩は異様に冷え込むのだ。
大きな体をゆっくり上下に揺らして呼吸する琥珀は、ほかほかと暖かい。レイがその背中を撫でると、ゴロゴロと幸せそうな声がした。
(あったかい……琥珀も冬毛になってきたのかも……)
移動の疲れと、夕食後の満腹感から、瞼を閉じた瞬間にレイはすとんと眠りに落ちた。
***
そこは暗い暗い闇の底だった。
「ここは……? ゔっ……わぁっ!!」
レイが周囲を見回そうとすると、じゃりりと鎖が擦れるような金属音がし、つーんと鉄錆と墨のような匂いが立ち込める。
一歩踏み出そうとすれば、何かに足を取られ、レイはその場にばしゃんっ! と躓いた。
いつの間にか、手足に赤黒く錆びた鎖が巻き付いており、底の浅い冷たい水の中にいるようだ。
(体が重い……動けない……)
鎖は非常に重く、レイをこの場所に縛り付けているようだった。
「ゔっ……ゔぅっ……」
(……誰か、いる???)
レイが声をした方を振り向くと、赤黒い霧の先には、髪の長い女性のシルエットがあった。
彼女は膝をついて蹲り、細い肩を揺らして啜り泣いているようだった。
レイがその時感じたのは身を切るような悲しみだった。自分の半身を奪われたかのような深い喪失感、言葉では言い表せないほどの悲しみ、果ての無い嘆き……
(……何か、とても大切なものを奪われたの……?)
レイはなぜだかズキズキと切なく痛む胸をギュッと抑えた。
「……許せない、許せない、絶対に許さない……」
低く、それから呪うような掠れた声が女性からぽつりと溢れた。
女性が蹲っている周りの水が、ボコリと一つ、沸騰するように泡を立てた。
その沸騰は、沸点を突破したようにボコボコと音を立てて次々と沸き起こり、女性を中心にして同心円状にすさまじい速さで広がっていった。
(っ!? このままじゃ、まずい!)
激しい沸騰と赤黒い湯気の熱気がレイの所まで迫って来ている。だが、巻き付いた鎖が逃してくれない。
***
「グルル……」
「…………琥珀……? 痛くすぐったいです……」
琥珀が心配そうな顔をして、ザリザリとレイの顔を舐めていた。
レイは気づくと、びっしょりと寝汗をかいていた。少し息も上がっているようだ。
『レイ、うなされてた。苦しそうだった』
「……心配してくれたの?」
「グルル」
レイが手を差し出すと、琥珀はそこへぐりぐりと大きな頭を擦りつけた。
『不思議な夢、見る。特別なこと。ライに相談する』
「……でも、ただの夢だよ?」
『特別な夢、本当のこともある。相談して、損ない』
「……そっかぁ……琥珀がそこまで言うなら……」
レイは早くもぐったりとしている身体を起こすと、のろのろと朝の準備を始めた。
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