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一章
12話
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トレーニングという言葉に興味をそそられる俺は、とてもこのトレーニングブックを試したい衝動に駆られる。見た感じはコレクションブックと一緒なので中にいる魔物を召喚することが出来ると思うのだ。そして、トレーニングブックという名前・・・これはもしや?
俺は心の中でフォレストゴリラよ出ろ!と念じると、再びトレーニングブックが光り出す。
トレーニングブックから光球が飛びだし、地面に近づくと一瞬眩しく輝き、そこにフォレストゴリラが現れた・
「なっ、復活しただと!?」
「待った!大丈夫だ!」
レイラが驚き、剣の柄に手を掛けたが、それを俺が制止する。フォレストゴリラがこちらを見て佇んでいる。先ほど戦っていた時と違い綺麗な目をしている。戦闘時は赤い瞳だったのだが、今普通に黒い瞳をしている。戦闘時になると赤い瞳になるのだろうか?
「どうやら俺の能力らしい」
「魔獣を召喚する能力だと?」
魔獣を召喚する、つまり手配魔獣の元凶が俺なのではと思ったのかレイラは今度は俺の方を向いて剣に手を掛ける・・・違うと否定するか・・・レイラと戦うか・・・むむむ、迷う!というか戦ってから誤解を解いても遅くないんじゃなかろうか!!いや、きっと遅くない!そうしよう!!!!!
「遅いわ!!・・・ったく、誤解だというなら説明をしろ」
しまったぁあああああ!また声に出てたあああああ!!!!!!
せっかくのレイラと戦うチャンスが・・・がっくり。
「いいから説明をし・ろっぉおおお!!」
地面に膝から崩れ落ち項垂れていると、レイラが胸ぐらをつかんで俺の頭をシェイクする。やめろぉおお、脳みそがバターになっちまうぅううう!
レイラシェイクのダメージで頭がフラフラになりながら俺はトレーニングブックの説明をした。
「つまりコイツを使役し鍛錬の相手に作り替えたというのか?」
その言い方だとなんか俺ってヤバイ奴な感じに聞こえるが間違ってはいない。だが、外聞がよろしくないので否定しておこう。
「俺の愛の拳で愛に目覚めた魔獣が改心し、俺と友情を語らう為に俺の下に来てくれたんだ」
「ああ、殴り殺し生き返らせて従僕させたのだろう。解っている」
ぜんっっぜん!解ってねぇええええええ!!!愛なの!友情なの!拳は会話なんだよぉおおお!!!!
俺が何度訴えてもレイラの認識は覆らない。終いには「恐ろしい能力だな」などと言われてしまった。
恐ろしくないもん・・・男と男の友情なんだい・・・熱血なんだい。・・・そういえばこのフォレストゴリラは雄なんだろうか?・・・まあいいか。確認する気にはならなかった。
理解力のない頭がくるくるぱーのレイラに愛を説くのは諦め、フォレストゴリラをトレーニングブックに戻すと、俺たちはアイクル村へと足を向ける。アイクル村に着いた頃には朝日が昇っていた。手で太陽を隠しながら戻ると兵士の人が出迎えてくれる。
「レイラ様、ソースケ様お戻りなられましたか。直に手配魔獣が現れる時間となります。ご準備を」
「いや、手配魔獣は討伐済みだ。死体も処理したので問題ない」
「す、すでに討伐済みですか!?さすが、騎士団長・・・村の者も喜ぶでしょう」
「倒したのそっちの阿呆のソースケだ」
誰が阿呆だ!・・・あれ?そういや名前を呼ばれるのは初めてな気がする・・・大体貴様とか阿呆とか言われてたしなぁ・・・まあ、いいけど。
俺がむくれていると、兵士が俺に敬礼をし礼を述べてきた。なんというかむずかゆい。
そんな俺を放っておいてレイラは村の奥へと進んでいく。そうか、村長へ報告するのか。しかし、この村の警備はどうするんだ?正直、あの魔獣をたおして終わりというわけにはいかない気がするが・・・それに、作物が全て潰され畑まで無くなってしまっては、暮らしていけないんじゃないだろうか?
そんなことを思いながらレイラの後についていくと、予想通りレイラは村長の家の中へと入っていった。
「おおぉ!あの魔獣を退治していただいたのですか!ありがとうございます!これで、村の者も安心して暮らせますじゃ・・・・・・」
魔物が退治されたと聞いて村長は一度明るい顔になり喜ぶ。だが、言葉を続けるうちに顔色は曇っていった。やっぱそうだよなー。つっても、どうしようもないだろうしな。
「その・・・騎士団長様」
「我々はこれで城に帰る」
「そ、そうですか・・・」
村長は恐らく村の復興に手を貸してもらえないかと期待したのだろう。だが、レイラはそんな村長に冷たく言い放った。確かに、他にも被害にあっている村や町があるのだ。この村の為だけに人員を割いたり出来ないのかもしれない。だとしたら、仕方ないけど・・・。
「なあ、レイラ。」
「なんだ?」
「俺ここに残って村の復興手伝おうか?ほら、俺が力持ちなのは知ってるだろ?それにまた魔獣が現れるかもしれないしさ。強い魔獣と戦えるなら俺は本望・・・」
と、そこまで俺が言うとレイラはいきなり剣を抜き放ち俺の喉元に剣先を突き付けた。戦うのは本望だが・・・・なぜだ?
「貴様、アメリア様を侮辱するのか?」
「は?なんで今のがアメリアを侮辱したことになるんだよ」
「き、騎士団長様、落ち着いてください。ソースケ殿も申し訳ない。私が無理を言ったばっかりに」
いや、村長は悪くないだろ?それに俺だって悪くないはずだ・・・ん?アメリアを侮辱した・・・もしかして?
「失礼した。村長我々は城に帰る。この阿呆もな」
「は、はい」
「だが、元よりこの村を守っていた兵士たちはそのまま置いていく」
「は?・・・どういうことで?」
「ここに来ていた兵士たちはこの村の出身の者や農家で育った者たちだ。アメリア様はもとより、魔獣の討伐の後、兵たちに復興の手伝いを命令していた」
おいおい、それじゃ俺は剣を突き付けられただけ損だったのか?っていうかさっきのって・・・そう思ってレイラの方を見ると、してやったりという顔でほくそ笑んでいた。つまり、さっきの怒ったのは演技で元からアメリアの命令で村の復興の準備は進めていたって事か!
「それに、当面の税は免除。後、今年は城から食料の援助を行う」
「あ、ありがとうございます!なんと・・・お礼を申し上げれば・・・子供たちを飢えさせずにすむとは」
「復興の後、以前と同じようにいや以前以上の麦の生産を期待しているぞ」
「はい!必ずや!!!」
そう言うと、レイラはその場を後にし、村長の家からカッコよく出ていく。そして・・・
「おかしのおねーちゃーん!おかしちょうだいー!!」
「おかしよこせー!」
「ポケットをひっくりかえせー!」
格好よく家を出た瞬間、子供というモンスターに襲われ身ぐるみ(とっておきのおやつ)を奪われていった。
俺は心の中でフォレストゴリラよ出ろ!と念じると、再びトレーニングブックが光り出す。
トレーニングブックから光球が飛びだし、地面に近づくと一瞬眩しく輝き、そこにフォレストゴリラが現れた・
「なっ、復活しただと!?」
「待った!大丈夫だ!」
レイラが驚き、剣の柄に手を掛けたが、それを俺が制止する。フォレストゴリラがこちらを見て佇んでいる。先ほど戦っていた時と違い綺麗な目をしている。戦闘時は赤い瞳だったのだが、今普通に黒い瞳をしている。戦闘時になると赤い瞳になるのだろうか?
「どうやら俺の能力らしい」
「魔獣を召喚する能力だと?」
魔獣を召喚する、つまり手配魔獣の元凶が俺なのではと思ったのかレイラは今度は俺の方を向いて剣に手を掛ける・・・違うと否定するか・・・レイラと戦うか・・・むむむ、迷う!というか戦ってから誤解を解いても遅くないんじゃなかろうか!!いや、きっと遅くない!そうしよう!!!!!
「遅いわ!!・・・ったく、誤解だというなら説明をしろ」
しまったぁあああああ!また声に出てたあああああ!!!!!!
せっかくのレイラと戦うチャンスが・・・がっくり。
「いいから説明をし・ろっぉおおお!!」
地面に膝から崩れ落ち項垂れていると、レイラが胸ぐらをつかんで俺の頭をシェイクする。やめろぉおお、脳みそがバターになっちまうぅううう!
レイラシェイクのダメージで頭がフラフラになりながら俺はトレーニングブックの説明をした。
「つまりコイツを使役し鍛錬の相手に作り替えたというのか?」
その言い方だとなんか俺ってヤバイ奴な感じに聞こえるが間違ってはいない。だが、外聞がよろしくないので否定しておこう。
「俺の愛の拳で愛に目覚めた魔獣が改心し、俺と友情を語らう為に俺の下に来てくれたんだ」
「ああ、殴り殺し生き返らせて従僕させたのだろう。解っている」
ぜんっっぜん!解ってねぇええええええ!!!愛なの!友情なの!拳は会話なんだよぉおおお!!!!
俺が何度訴えてもレイラの認識は覆らない。終いには「恐ろしい能力だな」などと言われてしまった。
恐ろしくないもん・・・男と男の友情なんだい・・・熱血なんだい。・・・そういえばこのフォレストゴリラは雄なんだろうか?・・・まあいいか。確認する気にはならなかった。
理解力のない頭がくるくるぱーのレイラに愛を説くのは諦め、フォレストゴリラをトレーニングブックに戻すと、俺たちはアイクル村へと足を向ける。アイクル村に着いた頃には朝日が昇っていた。手で太陽を隠しながら戻ると兵士の人が出迎えてくれる。
「レイラ様、ソースケ様お戻りなられましたか。直に手配魔獣が現れる時間となります。ご準備を」
「いや、手配魔獣は討伐済みだ。死体も処理したので問題ない」
「す、すでに討伐済みですか!?さすが、騎士団長・・・村の者も喜ぶでしょう」
「倒したのそっちの阿呆のソースケだ」
誰が阿呆だ!・・・あれ?そういや名前を呼ばれるのは初めてな気がする・・・大体貴様とか阿呆とか言われてたしなぁ・・・まあ、いいけど。
俺がむくれていると、兵士が俺に敬礼をし礼を述べてきた。なんというかむずかゆい。
そんな俺を放っておいてレイラは村の奥へと進んでいく。そうか、村長へ報告するのか。しかし、この村の警備はどうするんだ?正直、あの魔獣をたおして終わりというわけにはいかない気がするが・・・それに、作物が全て潰され畑まで無くなってしまっては、暮らしていけないんじゃないだろうか?
そんなことを思いながらレイラの後についていくと、予想通りレイラは村長の家の中へと入っていった。
「おおぉ!あの魔獣を退治していただいたのですか!ありがとうございます!これで、村の者も安心して暮らせますじゃ・・・・・・」
魔物が退治されたと聞いて村長は一度明るい顔になり喜ぶ。だが、言葉を続けるうちに顔色は曇っていった。やっぱそうだよなー。つっても、どうしようもないだろうしな。
「その・・・騎士団長様」
「我々はこれで城に帰る」
「そ、そうですか・・・」
村長は恐らく村の復興に手を貸してもらえないかと期待したのだろう。だが、レイラはそんな村長に冷たく言い放った。確かに、他にも被害にあっている村や町があるのだ。この村の為だけに人員を割いたり出来ないのかもしれない。だとしたら、仕方ないけど・・・。
「なあ、レイラ。」
「なんだ?」
「俺ここに残って村の復興手伝おうか?ほら、俺が力持ちなのは知ってるだろ?それにまた魔獣が現れるかもしれないしさ。強い魔獣と戦えるなら俺は本望・・・」
と、そこまで俺が言うとレイラはいきなり剣を抜き放ち俺の喉元に剣先を突き付けた。戦うのは本望だが・・・・なぜだ?
「貴様、アメリア様を侮辱するのか?」
「は?なんで今のがアメリアを侮辱したことになるんだよ」
「き、騎士団長様、落ち着いてください。ソースケ殿も申し訳ない。私が無理を言ったばっかりに」
いや、村長は悪くないだろ?それに俺だって悪くないはずだ・・・ん?アメリアを侮辱した・・・もしかして?
「失礼した。村長我々は城に帰る。この阿呆もな」
「は、はい」
「だが、元よりこの村を守っていた兵士たちはそのまま置いていく」
「は?・・・どういうことで?」
「ここに来ていた兵士たちはこの村の出身の者や農家で育った者たちだ。アメリア様はもとより、魔獣の討伐の後、兵たちに復興の手伝いを命令していた」
おいおい、それじゃ俺は剣を突き付けられただけ損だったのか?っていうかさっきのって・・・そう思ってレイラの方を見ると、してやったりという顔でほくそ笑んでいた。つまり、さっきの怒ったのは演技で元からアメリアの命令で村の復興の準備は進めていたって事か!
「それに、当面の税は免除。後、今年は城から食料の援助を行う」
「あ、ありがとうございます!なんと・・・お礼を申し上げれば・・・子供たちを飢えさせずにすむとは」
「復興の後、以前と同じようにいや以前以上の麦の生産を期待しているぞ」
「はい!必ずや!!!」
そう言うと、レイラはその場を後にし、村長の家からカッコよく出ていく。そして・・・
「おかしのおねーちゃーん!おかしちょうだいー!!」
「おかしよこせー!」
「ポケットをひっくりかえせー!」
格好よく家を出た瞬間、子供というモンスターに襲われ身ぐるみ(とっておきのおやつ)を奪われていった。
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