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一章
4話
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「それで、その手配魔獣っていうのはどこにいるんだ!」
1秒でも早く戦いたい俺は、まるで子供がお母さんにせっつくかの如く可愛らしい表情でアメリアに尋ねる。
「凶悪そうな面でアメリア様に近づくな!!」
俺の可愛らしいしぐさが解らないレイラは酷いことを言いながら、俺とアメリアの間に割って入った。
「そんなに戦いたいのかしら?」
アメリアはため息をつきながら当たり前のことを聞いてくる。当然戦いたいに決まっている。人生とは戦いなのだ、人は戦いの為に生き、戦いの為に死ぬ。そして、戦いの中に喜びを得て、戦いの中で友情を育み、戦いの中で愛を知るのだ。
「そんな人生、嫌過ぎない?」
何を馬鹿な・・・、俺の世界ではこれが常識、誰もがそう思っている。世界共通の人生観だぞ。・・・腐妹以外。
「絶対嘘ね」
「アメリア様に嘘を吐くなど叩き切るぞ!」
またしても心を読むとは、さすがカルティアの王・・・凄いスキルだ。後、レイラはかかってこい!いえ、かかってきてください!!
「だから、言葉に出てるわよ!!」
「やはり斬っていいですか!アメリア様!」
再び嘆息しながら「駄目よ」とレイラを止めるアメリア。俺は一向に構わないんだけどな。とはいえ、いまはそれより手配魔獣とやらのことだ。
「そんなことより、早く手配魔獣っていうのを教えてくれ!俺は今すぐにでも戦いにいきたいんだ!」
手配魔獣・・・手配されるということはそれだけ凶暴という事だろう。今から腕が鳴る・・・その魔獣と一晩中戦ってみたいぜ。
「あら、先に他の者に紹介がしたかったのだけれど・・・我慢できそうにないわね」
「目が血走っていますよあの者!」
何を言う、遠足前の子供のように目を輝かせているだけだ。血走っているなんてそんな訳がないだろう。とはいえ、アメリアの他の配下も気にはなるが(強さが)それよりも、今は手配魔獣だ。これから毎日のように戦うであろう敵を俺は早く見てみたい。一体どんな魔獣なのだろう。
「それじゃ、一番近いところに行ってもらおうかしら?」
「はっ!仰せのままに!」
解っているじゃないかアメリア!俺はすぐにでも戦い!近い場所ウェルカム!さあ、レッツバトルだ!!
「それじゃ、レイラ。アイクル村にソースケと共に向かってくれる?」
「わ、私もですか!?」
「当然でしょ?ソースケはこの世界のこと知らないんだもの。村の場所に案内してあげなさい」
はっ・・・確かに村の名前を聞いても場所が解らん。地図があれば行けるかもしれんが、迷う可能性もあるしな。案内してもらえるのはありがたい。
「で、ですが、私が行くならこの者はいらないのでは?」
「あなたは監視よ。戦うのはソースケ一人に任せなさい。それとも私の命令を聞いてくれないのかしら?」
「アメリア様の命令ならばどんなことでも聞きますとも!なるほど、この凶悪面の悪魔をアイクル村で始末すればいいのですね!了解です!」
「監視よ!か・ん・し!!」
なるほど、上手くすればレイラというデザートが付いてくるのか・・・ワクワクしてきた!
「ワクワクしない!レイラも勝手にソースケを始末しちゃ駄目よ!」
「ぐぬ・・・承知しました」
そんなに俺のことが嫌いなのか、レイラは心底悔しそうである。解るぞレイラ・・・俺もお前という強敵と戦えないのは心底悔しい・・・お互い、戦いを愛する者として俺はお前に共感する。涙ほろり。
「一緒にするな!変態め!!!」
おっと、また声に出ていたか。では早速、そのアイクル村というところに向かおうか!
「待ちなさい、魔物を倒せばいいというものではないのよ」
「どういうことだ?」
「村の被害状況をちゃんと聞いてくること」
村の被害状況?そういえば、手配魔獣だったか。つまりは手配されるようなことを既にしているということだ。それが村に被害をだしたということか。
「アイクル村は我が国で一番の小麦生産を誇る村よ。被害が甚大なら今年の民の飢えにも繋がるわ。必ず確認すること」
「アメリア様?すでに兵が・・・」
「レイラはちゃんとソースケが任務を全う出来るか確認すること」
「あ・・・はっ、承知しました」
なるほど、これは俺の試験でもあるのか?むぅ・・・戦うこと以外興味が無いんだが・・・とはいえ、今後かなりお世話になるし・・・強い敵と戦えるというこの条件のいい場所を失いたくはない。ならば、仕方ないか。
「解った、確認してこよう」
「それと、道中で魔物を倒しながら、今の自分の状態も確認しておきなさい」
確かに、スキルなどがなくなっているだけだと思うが、ステータス欄にはスキルの項目もある。レベルまであるのだから、敵を倒せばレベルが上がるかもしれない。レベルが上がれば強くなるのかどうかも確認しておきたいな。
「そうだな、そうさせてもらう」
「妙に素直だな・・・何か企んでるのか?」
いや、アメリアの言う事がもっともだっただけなんだが・・・。どうやったらレイラと戦えるか企んでやろうか・・・。
「企まなくていいわよ・・・まったく」
残念、またも口に出していたようだ。それにしても、どんな魔獣なのか。俺の魂を喜ばせてくれる相手だといいな。願わくば、死線をさまようような激しい戦いを希望したい。
「死んでもらっては困るのだけれど・・・」
「アメリア様を困らせるとは!貴様斬り捨てるぞ!」
「・・・・・・はあ」
もう、突っ込むのも疲れたと言わんばかりに額に手をやりながらため息を吐くアメリア。彼女の憂いた顔に燃える様な赤い髪が数本垂れかかると、絵画のような美しさを放つ。・・・いかんいかん、見惚れてしまった。
「それじゃ、さっそく行かせてもらうぞ」
「ええ、行ってらっしゃい」
「いってきます!アメリア様!」
俺は、レイラと共に謁見の間を出て、そしてこのエスポワール大陸へと足を踏み出した。
1秒でも早く戦いたい俺は、まるで子供がお母さんにせっつくかの如く可愛らしい表情でアメリアに尋ねる。
「凶悪そうな面でアメリア様に近づくな!!」
俺の可愛らしいしぐさが解らないレイラは酷いことを言いながら、俺とアメリアの間に割って入った。
「そんなに戦いたいのかしら?」
アメリアはため息をつきながら当たり前のことを聞いてくる。当然戦いたいに決まっている。人生とは戦いなのだ、人は戦いの為に生き、戦いの為に死ぬ。そして、戦いの中に喜びを得て、戦いの中で友情を育み、戦いの中で愛を知るのだ。
「そんな人生、嫌過ぎない?」
何を馬鹿な・・・、俺の世界ではこれが常識、誰もがそう思っている。世界共通の人生観だぞ。・・・腐妹以外。
「絶対嘘ね」
「アメリア様に嘘を吐くなど叩き切るぞ!」
またしても心を読むとは、さすがカルティアの王・・・凄いスキルだ。後、レイラはかかってこい!いえ、かかってきてください!!
「だから、言葉に出てるわよ!!」
「やはり斬っていいですか!アメリア様!」
再び嘆息しながら「駄目よ」とレイラを止めるアメリア。俺は一向に構わないんだけどな。とはいえ、いまはそれより手配魔獣とやらのことだ。
「そんなことより、早く手配魔獣っていうのを教えてくれ!俺は今すぐにでも戦いにいきたいんだ!」
手配魔獣・・・手配されるということはそれだけ凶暴という事だろう。今から腕が鳴る・・・その魔獣と一晩中戦ってみたいぜ。
「あら、先に他の者に紹介がしたかったのだけれど・・・我慢できそうにないわね」
「目が血走っていますよあの者!」
何を言う、遠足前の子供のように目を輝かせているだけだ。血走っているなんてそんな訳がないだろう。とはいえ、アメリアの他の配下も気にはなるが(強さが)それよりも、今は手配魔獣だ。これから毎日のように戦うであろう敵を俺は早く見てみたい。一体どんな魔獣なのだろう。
「それじゃ、一番近いところに行ってもらおうかしら?」
「はっ!仰せのままに!」
解っているじゃないかアメリア!俺はすぐにでも戦い!近い場所ウェルカム!さあ、レッツバトルだ!!
「それじゃ、レイラ。アイクル村にソースケと共に向かってくれる?」
「わ、私もですか!?」
「当然でしょ?ソースケはこの世界のこと知らないんだもの。村の場所に案内してあげなさい」
はっ・・・確かに村の名前を聞いても場所が解らん。地図があれば行けるかもしれんが、迷う可能性もあるしな。案内してもらえるのはありがたい。
「で、ですが、私が行くならこの者はいらないのでは?」
「あなたは監視よ。戦うのはソースケ一人に任せなさい。それとも私の命令を聞いてくれないのかしら?」
「アメリア様の命令ならばどんなことでも聞きますとも!なるほど、この凶悪面の悪魔をアイクル村で始末すればいいのですね!了解です!」
「監視よ!か・ん・し!!」
なるほど、上手くすればレイラというデザートが付いてくるのか・・・ワクワクしてきた!
「ワクワクしない!レイラも勝手にソースケを始末しちゃ駄目よ!」
「ぐぬ・・・承知しました」
そんなに俺のことが嫌いなのか、レイラは心底悔しそうである。解るぞレイラ・・・俺もお前という強敵と戦えないのは心底悔しい・・・お互い、戦いを愛する者として俺はお前に共感する。涙ほろり。
「一緒にするな!変態め!!!」
おっと、また声に出ていたか。では早速、そのアイクル村というところに向かおうか!
「待ちなさい、魔物を倒せばいいというものではないのよ」
「どういうことだ?」
「村の被害状況をちゃんと聞いてくること」
村の被害状況?そういえば、手配魔獣だったか。つまりは手配されるようなことを既にしているということだ。それが村に被害をだしたということか。
「アイクル村は我が国で一番の小麦生産を誇る村よ。被害が甚大なら今年の民の飢えにも繋がるわ。必ず確認すること」
「アメリア様?すでに兵が・・・」
「レイラはちゃんとソースケが任務を全う出来るか確認すること」
「あ・・・はっ、承知しました」
なるほど、これは俺の試験でもあるのか?むぅ・・・戦うこと以外興味が無いんだが・・・とはいえ、今後かなりお世話になるし・・・強い敵と戦えるというこの条件のいい場所を失いたくはない。ならば、仕方ないか。
「解った、確認してこよう」
「それと、道中で魔物を倒しながら、今の自分の状態も確認しておきなさい」
確かに、スキルなどがなくなっているだけだと思うが、ステータス欄にはスキルの項目もある。レベルまであるのだから、敵を倒せばレベルが上がるかもしれない。レベルが上がれば強くなるのかどうかも確認しておきたいな。
「そうだな、そうさせてもらう」
「妙に素直だな・・・何か企んでるのか?」
いや、アメリアの言う事がもっともだっただけなんだが・・・。どうやったらレイラと戦えるか企んでやろうか・・・。
「企まなくていいわよ・・・まったく」
残念、またも口に出していたようだ。それにしても、どんな魔獣なのか。俺の魂を喜ばせてくれる相手だといいな。願わくば、死線をさまようような激しい戦いを希望したい。
「死んでもらっては困るのだけれど・・・」
「アメリア様を困らせるとは!貴様斬り捨てるぞ!」
「・・・・・・はあ」
もう、突っ込むのも疲れたと言わんばかりに額に手をやりながらため息を吐くアメリア。彼女の憂いた顔に燃える様な赤い髪が数本垂れかかると、絵画のような美しさを放つ。・・・いかんいかん、見惚れてしまった。
「それじゃ、さっそく行かせてもらうぞ」
「ええ、行ってらっしゃい」
「いってきます!アメリア様!」
俺は、レイラと共に謁見の間を出て、そしてこのエスポワール大陸へと足を踏み出した。
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