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2部 3章
決着
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「ほらほら!もっとちゃんと避けないと死んじゃうわよ!影紅光球!」
「きゃあ!」
魔女の放つ赤い光球が私に襲い掛かる。
私はそれを必死に避けるが、数が多く完全には避けきれない。
肩、脇腹、腕、足と徐々にダメージを受けていた。
「はぁ……はぁ……」
「そろそろ、限界のようね……影棘」
「きゃあ!!」
魔女の放った影の棘が私の太ももを貫いた。
私は痛みから、その場に膝をつく。
「……ひ、治癒魔法」
治癒の魔法ですぐにその傷を塞ぐが完全に治す余裕はない。
なんとか血は止まったが、痛みまでは消しきれていない……ほとんど応急処置だ。
「ふふ、いつまで耐えられるかしらね……影棘」
「あぐっ……」
今度は肩を影の棘が貫く……駄目だ……このままじゃ負ける。
でも、どうすれば……私の使える魔法で魔女を倒せる手立てはない……。
ううん……無くはないか……。
そう、まだ私はすべてを出してはいない……ごめん、ディータ、レナ使わないって約束したけどこのままじゃエリンシアが助けられない……約束破るよ。
「………光闇炎纏」
「また、体の強化かしら……もう飽きたわよソレ!死になさい……影紅光球」
魔女の言う通り、この魔法は体を強化するものだ……だけど、今までのとは違う。
私の体に負担がかかるからと禁止されていた光と闇の合成魔法である。
……これならっ!
「な、消えた!?」
私は迫りくる紅球を避け、魔女の側面へと高速で移動をし、バトーネを振りぬく。
「がっ!!」
魔女は私の動きを捉えきれず、バトーネの直撃を喰らい、壁に叩きつけられた。
「な、何いきなり!」
「はあああああ!!」
光と闇の合成魔法、この魔法であれば、今の災厄の魔女にだって負けたりなんかしない!
一気に決めるよ!
私は、バトーネを振るう。
相手に逃げる隙も、防ぐ隙も、攻撃を繰り出させる隙も与えない。
叩いて叩いて叩きまくる。
「ふざけるなぁっ!!」
魔女が魔力を辺りに噴出させ、私を弾こうとする。
その魔力風は今までよりもさらに強い……だけど。
「負けるかぁ!!」
光と闇の魔法で強化した私はそんなのに負けないよ!
私を弾こうと押し返してくる魔力風を、私は跳ねのける。
「なっ!?」
バトーネで叩いているだけでは埒が明かない……とはいえ、混沌消滅破は威力が高すぎて洞くつごと壊してしまう。
それなら、こういう場で使える光と闇の魔法を使うだけだ。
「光と闇よ!わが手で集いて刃となれ!!混沌刃破!!」
「舐めないで、影よ……邪の王の力よ!わが敵を打ち砕け!影紅夢幻刀!」
私の目の前に赤い刃が無数に出現し襲い掛かってくる。
それに対して私は、両手に出現させた闇と光の交じりあったエネルギーを刃に変え、振りぬいた。
私に襲い来る無数の刃を、私が放った一陣の閃光が斬り裂く……そして、そのまま災厄の魔女へと襲い掛かった。
「なっ、嘘!?……ぐっ!!」
魔女は持っていた杖に魔力を通わせ、私の一撃を受け止める。
だが、それでも私の一撃は止まらない。
受け止めた杖をも斬り裂き、とうとう、魔女へと届いたのだ。
「きゃあああああああああああああああああああああああああ!!」
魔女は私の一撃を受け、弾き飛ばされる。
そして、そのまま、洞くつの壁へと叩きつけられた。
斬り裂けなかったのは恐らく最後の最後で自分の身を魔力で護ったのだろう。
敵ながら凄い。
「はぁっ……はぁっ……くっ……」
私は肩で息をすると、体に力が入らず、その場に崩れた……。
おかしいな、前に光と闇の合成魔法を使った時はここまでじゃなかったんだけど……。
確かにあの合成魔法は魔力をかなり使う……使った後はごっそりと魔力を取られ疲れはしたのだけど……ここまでじゃなかった。
やっぱり、レナやディータの言う通り……かなり負担のかかるものらしい。
でも、私は使ったことに後悔はしていない……だって。
チラリと、先ほどの私の魔法で斬り裂いた杖を見る。
その杖はエリンシアを石に変えたというあの杖であった。
これで、エリンシアは元に戻るはずだ。
私は当初の目的であったエリンシアを助けるということを達成できた事に安堵する。
「くそっ……なぜ……なぜなのよ!!なんで私ばかりこんな目に合うの!!」
「……っ!」
嘘……あれを喰らってもまだ立ち上がるの?
あれは正真正銘、私の全力の一撃だったのに……。
「……がふっ……ちょ、なによこれ……」
私がどうしようと思っていると、立ち上がった災厄の魔女が血を口から出し、その場に崩れ落ちる。
「限界…?どういうことよ邪王……はあ、まだ扱いきれていない……ちっ……解ったわよ」
恐らく、魔女の中にいる邪王と話しているのだろう……話を聞く限り、向こうも限界のようだ。
「カモメとか呼ばれていたわね……アンタ……次は絶対に殺すわ」
「お断りするよ……私は絶対に貴方に負けたりしないよ……災厄の魔女」
「とことん、ムカツクお嬢ちゃんね……まあいいわ……今回は引いてあげる……次は殺す」
そう言うと、魔女は時空魔法を使い、その場から消えた。
正直、このまま戦っていたら負けていたかもしれない……それほどまでに今回はギリギリであった。
私と同じ合成魔法を使い、私と同じような体験をしている災厄の魔女……何か少しでも違ったら私もあの魔女のようになっていたのかもしれない……そういう意味ではあの魔女はもう一人の私なのかも……。
私はそんなことを考えながら意識を闇の中へと落としていった。
「きゃあ!」
魔女の放つ赤い光球が私に襲い掛かる。
私はそれを必死に避けるが、数が多く完全には避けきれない。
肩、脇腹、腕、足と徐々にダメージを受けていた。
「はぁ……はぁ……」
「そろそろ、限界のようね……影棘」
「きゃあ!!」
魔女の放った影の棘が私の太ももを貫いた。
私は痛みから、その場に膝をつく。
「……ひ、治癒魔法」
治癒の魔法ですぐにその傷を塞ぐが完全に治す余裕はない。
なんとか血は止まったが、痛みまでは消しきれていない……ほとんど応急処置だ。
「ふふ、いつまで耐えられるかしらね……影棘」
「あぐっ……」
今度は肩を影の棘が貫く……駄目だ……このままじゃ負ける。
でも、どうすれば……私の使える魔法で魔女を倒せる手立てはない……。
ううん……無くはないか……。
そう、まだ私はすべてを出してはいない……ごめん、ディータ、レナ使わないって約束したけどこのままじゃエリンシアが助けられない……約束破るよ。
「………光闇炎纏」
「また、体の強化かしら……もう飽きたわよソレ!死になさい……影紅光球」
魔女の言う通り、この魔法は体を強化するものだ……だけど、今までのとは違う。
私の体に負担がかかるからと禁止されていた光と闇の合成魔法である。
……これならっ!
「な、消えた!?」
私は迫りくる紅球を避け、魔女の側面へと高速で移動をし、バトーネを振りぬく。
「がっ!!」
魔女は私の動きを捉えきれず、バトーネの直撃を喰らい、壁に叩きつけられた。
「な、何いきなり!」
「はあああああ!!」
光と闇の合成魔法、この魔法であれば、今の災厄の魔女にだって負けたりなんかしない!
一気に決めるよ!
私は、バトーネを振るう。
相手に逃げる隙も、防ぐ隙も、攻撃を繰り出させる隙も与えない。
叩いて叩いて叩きまくる。
「ふざけるなぁっ!!」
魔女が魔力を辺りに噴出させ、私を弾こうとする。
その魔力風は今までよりもさらに強い……だけど。
「負けるかぁ!!」
光と闇の魔法で強化した私はそんなのに負けないよ!
私を弾こうと押し返してくる魔力風を、私は跳ねのける。
「なっ!?」
バトーネで叩いているだけでは埒が明かない……とはいえ、混沌消滅破は威力が高すぎて洞くつごと壊してしまう。
それなら、こういう場で使える光と闇の魔法を使うだけだ。
「光と闇よ!わが手で集いて刃となれ!!混沌刃破!!」
「舐めないで、影よ……邪の王の力よ!わが敵を打ち砕け!影紅夢幻刀!」
私の目の前に赤い刃が無数に出現し襲い掛かってくる。
それに対して私は、両手に出現させた闇と光の交じりあったエネルギーを刃に変え、振りぬいた。
私に襲い来る無数の刃を、私が放った一陣の閃光が斬り裂く……そして、そのまま災厄の魔女へと襲い掛かった。
「なっ、嘘!?……ぐっ!!」
魔女は持っていた杖に魔力を通わせ、私の一撃を受け止める。
だが、それでも私の一撃は止まらない。
受け止めた杖をも斬り裂き、とうとう、魔女へと届いたのだ。
「きゃあああああああああああああああああああああああああ!!」
魔女は私の一撃を受け、弾き飛ばされる。
そして、そのまま、洞くつの壁へと叩きつけられた。
斬り裂けなかったのは恐らく最後の最後で自分の身を魔力で護ったのだろう。
敵ながら凄い。
「はぁっ……はぁっ……くっ……」
私は肩で息をすると、体に力が入らず、その場に崩れた……。
おかしいな、前に光と闇の合成魔法を使った時はここまでじゃなかったんだけど……。
確かにあの合成魔法は魔力をかなり使う……使った後はごっそりと魔力を取られ疲れはしたのだけど……ここまでじゃなかった。
やっぱり、レナやディータの言う通り……かなり負担のかかるものらしい。
でも、私は使ったことに後悔はしていない……だって。
チラリと、先ほどの私の魔法で斬り裂いた杖を見る。
その杖はエリンシアを石に変えたというあの杖であった。
これで、エリンシアは元に戻るはずだ。
私は当初の目的であったエリンシアを助けるということを達成できた事に安堵する。
「くそっ……なぜ……なぜなのよ!!なんで私ばかりこんな目に合うの!!」
「……っ!」
嘘……あれを喰らってもまだ立ち上がるの?
あれは正真正銘、私の全力の一撃だったのに……。
「……がふっ……ちょ、なによこれ……」
私がどうしようと思っていると、立ち上がった災厄の魔女が血を口から出し、その場に崩れ落ちる。
「限界…?どういうことよ邪王……はあ、まだ扱いきれていない……ちっ……解ったわよ」
恐らく、魔女の中にいる邪王と話しているのだろう……話を聞く限り、向こうも限界のようだ。
「カモメとか呼ばれていたわね……アンタ……次は絶対に殺すわ」
「お断りするよ……私は絶対に貴方に負けたりしないよ……災厄の魔女」
「とことん、ムカツクお嬢ちゃんね……まあいいわ……今回は引いてあげる……次は殺す」
そう言うと、魔女は時空魔法を使い、その場から消えた。
正直、このまま戦っていたら負けていたかもしれない……それほどまでに今回はギリギリであった。
私と同じ合成魔法を使い、私と同じような体験をしている災厄の魔女……何か少しでも違ったら私もあの魔女のようになっていたのかもしれない……そういう意味ではあの魔女はもう一人の私なのかも……。
私はそんなことを考えながら意識を闇の中へと落としていった。
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