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2部 2章
レンの武器改造
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「それで、どんな風に改造いたしましたの?」
カモメさん達が魔法の訓練をしている場所から離れたところにワタクシとレンさんが武器の練習をするためにおりました。
ローラさんはカモメさん達の近くで壁に寄りかかりながらあくびをしております。余り、訓練に興味がないようですわ。
なんでも、レンさんがこの間手に入れた武器、銃とクロスボウを改造したらしく、その威力を見てほしいと言ってきたのでワタクシはレンさんに付き合うことにしました。
一体どんな改造をしてきたのでしょう……というより、武器を改造できるなんて意外と器用なんですのね。
「そうだな、あの的を使って試してみようと思う。率直な感想を頼む」
「ええ、いいですわよ」
レンさんはまず銃の方を取り出すと、訓練場の的に向かって構えました。
レンさんがトリガーを引き、銃の撃鉄がおりると乾いた爆発音がして、弾が発射されました。
今の一連の様子を見たところ特に変わったところはないようですけれど、一体何を改造したのでしょう?
ワタクシがそう思って、撃たれた的の方を見ると、的に何かがくっついておりました。
「あら?あれは何ですの?」
「トリモチだ」
………………。
「あれを使えば敵の行動を抑え込むことが出来る。そうすることで安全に敵を爆破できるということだ」
そう言うとレンさんはスタスタと的に歩み寄り、悠然と爆弾を的の足元に取り付け戻ってまいりました…………そして。
「完璧だ」
そう言って、手に持っていたボタンをポチリと押すと的の足元に仕掛けた爆弾が爆発しました。
「なんですの……あれ……?」
「うむ、説明をしよう。銃の弾に細工をした。敵と接触をした瞬間トリモチが飛び出す仕掛けになっている。ああ、あの小さな弾の中にトリモチを詰め込むのは苦労したが物を圧縮する魔導具を使った為、解決できた。これで自爆をせずに安心して爆破出来るというわけだ……ん、どうしたエリンシア?」
「遠距離武器の意味が無くなっているじゃありませんの!!!」
ワタクシのハリセンが唸る……よもや、カモメさん用に用意したこのハリセン、レンさん専用になりかけておりますわよ……。
元々、爆弾しか戦い方のないレンさんのサブ武器として遠距離武器を用意したはずですのになんでこうなるんですの……。
「む……すまない」
「はあ……まあ、いいですわ。弾の中にトリモチ以外の物を詰めれるようにすれば色々使えそうですし」
「なるほど、了解した。網やロープなども入れられるか試してみよう」
「攻撃用ですわよ!!普通に爆弾や魔法を詰めなさいませ!」
「り、了解した」
ワタクシは大きくため息を吐く……この方、ちょ~~~~~~~~っとズレておりますわね……。
今更ですけれど………。
「それで、クロスボウの方はどう改造いたしましたの?」
正直、さっきの銃でもう、いい予感がしないワタクシですが一応、レンさんが真剣に考えて改造したものですし見ないわけにはいかないですわ。
「うむ、こちらはこんな感じだ」
クロスボウは銃の時と違って、見るからに改造されておりました。
と、言ってもクロスボウ自体が改造されているのではなく放たれる矢の方ですけれど………そういう意味では銃と変わらないですわね。あちらも弾を改造しておりましたし。
一番変わっている……というより、おかしいのはクロスボウの矢の矢じりの部分でしょうか……普通のクロスボウ、昨日レンさんが持っていた矢じりの部分は先のとがった小さな鉄がついているだけという感じでした。
ですが、今の矢じりの部分はまるで普通の弓の矢じりくらいの大きさがありますわ。
そして、その形はまるでドリルのように螺旋状になっており、そして先端は鋭くとがっております。
それだけではありません、本来であれば矢じり以外は木で出来ているはずですのに、矢そのものが金属で出来ております。
「クロスボウの方は随分と変わっておりますわね……主に矢がですけれど……一体、何をするんですの?」
さすがにこれでトリモチが飛び出すなんてことはありませんわよね………ありませんわよね?
「うむ、こちらは自信作だ」
そう言うと、レンさんは爆破した隣の的に向かってクロスボウを構えました。
そして、トリガーを引くといきなり爆発音がいたします。
「え!?」
爆発がしたのは的ではなく、レンさんのクロスボウでした……もしかして、暴発!?
そう思ったワタクシはレンさんのもとに駆け寄ります。
「だ、大丈夫ですの?」
「問題ない、完璧だ」
そう言って、レンさんは的の方を指さしました。
ワタクシはレンさんの指さした的を見てみますと、的には大きな穴が空いておりました。
「な、何が起こりましたの?」
「説明しよう。まず、弓の弦の部分に爆薬を仕掛けた」
「……はい?」
「そうすることにより、矢の加速度、そして威力を上げることに成功した……ただ、それだけでは芸がない。俺はその爆薬を調整することで矢に回転力をもつけることに成功した」
えっと、つまり、爆発の反動で矢を通常より早くして、なおかつ回転をつけることで貫通力を産んだということでしょうか……ああ、それで矢じりがドリルみたいになっておりましたのね……回転することでさらに貫通力を出すために……。
「無論それだけではない。矢じりの部分にも爆薬を仕掛けた。敵に当たると小規模の爆発が起こり、肉を粉砕する。そして邪魔な肉が無くなった部分へ貫通力を増した矢が突き刺さると言う訳だ」
………エグいですわよ。
「もちろん、矢が爆発に耐えられなければ意味がない。その為、矢を特別固い金属で作成した」
………力を入れるところ間違っておりません?
力説しているレンさんを見てワタクシは正直呆れてしまいましたわ……ですが、その威力は大したものですわね。カモメさんの魔水風圧弾並みの貫通力がありそうですわ。
お腹の部分に風穴を空けた的と、その後ろにある訓練場の壁(穴あき)を見てワタクシはそう思いました。これならばかなりの戦力になるのではと思ったのですけれど………おいこらですわ。
「レンさん……クロスボウの弦……」
「ああ、爆発に耐えられる素材ではないからなこの弓は一回限りのとっておきだ……なに、弦は張りかえればまた使える」
つまり、戦闘中は一回しか使えないってことじゃないですかですわ!
ああんもうっ、レンさんの作るものにまともなものはございませんの!?
威力は凄いですけれど、一回こっきりでは本当にとっておきではありませんかっ!
はあ………トリモチの飛び出す銃に一発だけのクロスボウ……レンさんに普通の戦い方を期待するのは間違っているのでしょうか……。
ワタクシは頭を抱えました。
「ふむ、もう少し爆薬の量を増やしても大丈夫そうだな……そうだ、トリモチも爆薬を中に入れられたりしないだろうか……いや、そもそも爆薬だけを入れて……駄目か、撃鉄で誤爆するかもしれん……ブツブツ」
はあ、レンさんから爆薬は離れそうにありませんわね……まあ、自爆をすぐにしようとしなくなるだけ良いと思いましょうですわ……はあ。
カモメさん達が魔法の訓練をしている場所から離れたところにワタクシとレンさんが武器の練習をするためにおりました。
ローラさんはカモメさん達の近くで壁に寄りかかりながらあくびをしております。余り、訓練に興味がないようですわ。
なんでも、レンさんがこの間手に入れた武器、銃とクロスボウを改造したらしく、その威力を見てほしいと言ってきたのでワタクシはレンさんに付き合うことにしました。
一体どんな改造をしてきたのでしょう……というより、武器を改造できるなんて意外と器用なんですのね。
「そうだな、あの的を使って試してみようと思う。率直な感想を頼む」
「ええ、いいですわよ」
レンさんはまず銃の方を取り出すと、訓練場の的に向かって構えました。
レンさんがトリガーを引き、銃の撃鉄がおりると乾いた爆発音がして、弾が発射されました。
今の一連の様子を見たところ特に変わったところはないようですけれど、一体何を改造したのでしょう?
ワタクシがそう思って、撃たれた的の方を見ると、的に何かがくっついておりました。
「あら?あれは何ですの?」
「トリモチだ」
………………。
「あれを使えば敵の行動を抑え込むことが出来る。そうすることで安全に敵を爆破できるということだ」
そう言うとレンさんはスタスタと的に歩み寄り、悠然と爆弾を的の足元に取り付け戻ってまいりました…………そして。
「完璧だ」
そう言って、手に持っていたボタンをポチリと押すと的の足元に仕掛けた爆弾が爆発しました。
「なんですの……あれ……?」
「うむ、説明をしよう。銃の弾に細工をした。敵と接触をした瞬間トリモチが飛び出す仕掛けになっている。ああ、あの小さな弾の中にトリモチを詰め込むのは苦労したが物を圧縮する魔導具を使った為、解決できた。これで自爆をせずに安心して爆破出来るというわけだ……ん、どうしたエリンシア?」
「遠距離武器の意味が無くなっているじゃありませんの!!!」
ワタクシのハリセンが唸る……よもや、カモメさん用に用意したこのハリセン、レンさん専用になりかけておりますわよ……。
元々、爆弾しか戦い方のないレンさんのサブ武器として遠距離武器を用意したはずですのになんでこうなるんですの……。
「む……すまない」
「はあ……まあ、いいですわ。弾の中にトリモチ以外の物を詰めれるようにすれば色々使えそうですし」
「なるほど、了解した。網やロープなども入れられるか試してみよう」
「攻撃用ですわよ!!普通に爆弾や魔法を詰めなさいませ!」
「り、了解した」
ワタクシは大きくため息を吐く……この方、ちょ~~~~~~~~っとズレておりますわね……。
今更ですけれど………。
「それで、クロスボウの方はどう改造いたしましたの?」
正直、さっきの銃でもう、いい予感がしないワタクシですが一応、レンさんが真剣に考えて改造したものですし見ないわけにはいかないですわ。
「うむ、こちらはこんな感じだ」
クロスボウは銃の時と違って、見るからに改造されておりました。
と、言ってもクロスボウ自体が改造されているのではなく放たれる矢の方ですけれど………そういう意味では銃と変わらないですわね。あちらも弾を改造しておりましたし。
一番変わっている……というより、おかしいのはクロスボウの矢の矢じりの部分でしょうか……普通のクロスボウ、昨日レンさんが持っていた矢じりの部分は先のとがった小さな鉄がついているだけという感じでした。
ですが、今の矢じりの部分はまるで普通の弓の矢じりくらいの大きさがありますわ。
そして、その形はまるでドリルのように螺旋状になっており、そして先端は鋭くとがっております。
それだけではありません、本来であれば矢じり以外は木で出来ているはずですのに、矢そのものが金属で出来ております。
「クロスボウの方は随分と変わっておりますわね……主に矢がですけれど……一体、何をするんですの?」
さすがにこれでトリモチが飛び出すなんてことはありませんわよね………ありませんわよね?
「うむ、こちらは自信作だ」
そう言うと、レンさんは爆破した隣の的に向かってクロスボウを構えました。
そして、トリガーを引くといきなり爆発音がいたします。
「え!?」
爆発がしたのは的ではなく、レンさんのクロスボウでした……もしかして、暴発!?
そう思ったワタクシはレンさんのもとに駆け寄ります。
「だ、大丈夫ですの?」
「問題ない、完璧だ」
そう言って、レンさんは的の方を指さしました。
ワタクシはレンさんの指さした的を見てみますと、的には大きな穴が空いておりました。
「な、何が起こりましたの?」
「説明しよう。まず、弓の弦の部分に爆薬を仕掛けた」
「……はい?」
「そうすることにより、矢の加速度、そして威力を上げることに成功した……ただ、それだけでは芸がない。俺はその爆薬を調整することで矢に回転力をもつけることに成功した」
えっと、つまり、爆発の反動で矢を通常より早くして、なおかつ回転をつけることで貫通力を産んだということでしょうか……ああ、それで矢じりがドリルみたいになっておりましたのね……回転することでさらに貫通力を出すために……。
「無論それだけではない。矢じりの部分にも爆薬を仕掛けた。敵に当たると小規模の爆発が起こり、肉を粉砕する。そして邪魔な肉が無くなった部分へ貫通力を増した矢が突き刺さると言う訳だ」
………エグいですわよ。
「もちろん、矢が爆発に耐えられなければ意味がない。その為、矢を特別固い金属で作成した」
………力を入れるところ間違っておりません?
力説しているレンさんを見てワタクシは正直呆れてしまいましたわ……ですが、その威力は大したものですわね。カモメさんの魔水風圧弾並みの貫通力がありそうですわ。
お腹の部分に風穴を空けた的と、その後ろにある訓練場の壁(穴あき)を見てワタクシはそう思いました。これならばかなりの戦力になるのではと思ったのですけれど………おいこらですわ。
「レンさん……クロスボウの弦……」
「ああ、爆発に耐えられる素材ではないからなこの弓は一回限りのとっておきだ……なに、弦は張りかえればまた使える」
つまり、戦闘中は一回しか使えないってことじゃないですかですわ!
ああんもうっ、レンさんの作るものにまともなものはございませんの!?
威力は凄いですけれど、一回こっきりでは本当にとっておきではありませんかっ!
はあ………トリモチの飛び出す銃に一発だけのクロスボウ……レンさんに普通の戦い方を期待するのは間違っているのでしょうか……。
ワタクシは頭を抱えました。
「ふむ、もう少し爆薬の量を増やしても大丈夫そうだな……そうだ、トリモチも爆薬を中に入れられたりしないだろうか……いや、そもそも爆薬だけを入れて……駄目か、撃鉄で誤爆するかもしれん……ブツブツ」
はあ、レンさんから爆薬は離れそうにありませんわね……まあ、自爆をすぐにしようとしなくなるだけ良いと思いましょうですわ……はあ。
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