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6章
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「もう、面倒くさいなぁ~、とっとと死んじゃってよ」
「カモメの口でそういうこと言わないで欲しいわね!」
『魔』に体を奪われたカモメとディータが闇の魔法を撃ちあっている。
闇の魔法と闇の魔法のぶつかり合いに近くにいたドラゴンたちは恐怖に震えていた。
それも当然であるドラゴンたちがこの戦いに巻き込まれればたちまちその存在を消滅させてしまうだろう。
すでに、Sランク、SSランクの魔物と同列に扱われるドラゴンたちが介入できるレベルでは無くなっていた。それもそのはずである、今戦っているのは紛れもなく『女神』であり、そして、その相手は『世界』を殺そうとする『魔』という存在なのである。
だが、その傍らに二人の人間が武器を構えて、様子を見ていた。
ドラゴンすら介入できないこの戦いに二人は隙を見つければカモメ(魔)の動きを封じる為、攻撃を繰り出す。その姿にドラゴンたちは驚愕する、自分たちがついていけない戦いに人間の少年少女が、ついて行っているのだから。
「な、なんなんだよあいつ等……本当に人間なのか?」
「いや、それよりも、あの黒い髪の女……あれは……」
「うむ、千年前の戦いで魔王を追い返した……闇の女神じゃ」
避難をしているドラゴンたちの中には千年前の戦いに参加したものもいるらしい、もう年を取り戦うことが出来ないようではあったが、それでも千年前の戦いを覚えているようだった。
「もうっ、あったまきた!闇魔滅砲!!」
「闇魔滅砲!その程度の魔法じゃ、私は倒せないわよ?……というか、貴方、さっきから闇の魔法しか使わないわね?……どういうこと?」
「っ!!……べ、別にっ、あなた達ならこれで十分なだけだよ!」
「ふぅん、使えないのね?普通の魔法も合成魔法も……」
「う、うるさいっ!闇魔滅砲!」
「闇よ……」
ディータが静かに呟くと、ディータに襲い掛かる闇の魔法がディータの周りに現れた黒い魔力に吸収されるかのように消えさった。
「私は闇を統べる女神……闇の魔法では私に傷を付けることは出来ないわ……正直、闇の魔法の中に何か別の魔法を合成されるんじゃないかと怖かったけど……それが出来ないのなら相殺する意味はないわね」
「う……」
「貴方、本物カモメより弱いわね……カモメは闇の魔法ばかりに頼ったりはしなかったわよ?」
「う、うるさっ……なっ、なにこれ!?」
ディータに食って掛かろうとしたカモメ(魔)の身体が光り出す。
「くっ……そんな……まさか、コレ!?」
光が増すにつれてカモメ(魔)は苦しみ始めた。
そして、カモメ(魔)動きが止まる。
「何?一体どうしたの?」
「わかりませんわ……カモメさんの中で何かあったのでは?」
「もしかして、カモメが気を発動させたとか?」
「うむ、そのようじゃぞ?」
「ラガナ」
翼を広げ、空から降りてきたラガナが着地と共にそう言う。
「今しがたの光にはカモメ本来の魔力を感じたのじゃ……そして、気の波動もじゃな」
「なら、カモメが魔を抑え込み始めたの!?」
「うむ、今はきっと中で戦っておるのじゃろう」
「頑張って、カモメ!」
動かなくなったカモメにディータ達は必死に応援の声を掛ける、自分たちの声がカモメに届くと信じて。
「どいつもこいつもうざったい!アンタもとっとと諦めて体を私に渡しなさいよ!」
「お断りだよ……それに、もうあなたの好きにはさせないよ!」
力強い言葉と共に、カモメは白と黒、いや、光と闇の力が混ざり合ったような魔力を周りに溢れ出させる。
「な、何……その力……」
「ふっふーん、気の力を発動させることに成功したんだ♪」
「そ、そんなこと言ってるんじゃないわよ!今、貴方が纏っている魔力の話よ!」
「あ、これ?気が使えるようになったのと同時に女神の魔力も解放で来たんだよね……でも、闇の魔力と別々に使うの面倒だったから――――――合成してみた」
「合成してみたって……そんな簡単に……嘘でしょ?」
「嘘じゃないよ、それに結構簡単だったよ?」
「ば、化け物……」
「ヒドイなぁ……でも、貴方も化け物みたいなものじゃん……化け物を倒すにはちょうどいいかもね♪」
「ひっ」
今まで、恐怖と言う感情を見せたことのない『魔』がカモメに対し恐怖を抱く。
それも仕方がないだろう、リーンに憑りついた『魔』とは違い、カモメの中にある『魔』はカモメと共に生まれたものである。それも、本来の『魔』からアスカを経由して受け継いでいるのだ……その純度は四分の一になっているだろう。
その為、この『魔』はカモメの身体から逃げることは出来ない……つまり、カモメからはどうあがいても逃げられないのだ……だというのに、目の前にいるカモメは今や自分では倒せないと確信できるほどの魔力を放っていた。
「せ、世界は殺さなくちゃいけない!だから、邪魔をしないで!」
「なんで?……裏切られたくないから?」
「う……」
「裏切られるのは怖いよね、大事な人を無くすのは怖いよね……私も怖い」
「だ、だから……」
「全員殺す?世界すらも?そうすれば……自分ひとりになればだれにも裏切られず、失わずに済むから?」
「あ……う……」
「でも、誰もいない世界なんて私は嫌だよ、苦しくても悲しくても、大事な皆と一緒にいたい」
「それで、裏切られたら……?」
「その時はその時だよ♪」
笑顔でそう言うカモメに『魔』は膝から崩れ落ち溜息を吐く。
「もういいわ……どうせ、今の貴方には勝てない……なら、潔く消えてあげる……でもね、人間すべてがあなたみたいに強い心を持ってたりしないわ……ううん、貴方だって本当にそうなった時に今と同じことを言えるとは限らない……ふふふ、貴方が絶望する姿……楽しみにしてる」
そう言うと、『魔』はまるで砂のように崩れ落ちた。
そして、カモメの意識は外の世界へと浮上するのだった。
外の世界ではカモメの身体が輝きを収め始めていた。
そして、久しぶりに開けた、その瞼の先には自分の事を心配してくれている仲間の姿が映るのであった。
「カモメの口でそういうこと言わないで欲しいわね!」
『魔』に体を奪われたカモメとディータが闇の魔法を撃ちあっている。
闇の魔法と闇の魔法のぶつかり合いに近くにいたドラゴンたちは恐怖に震えていた。
それも当然であるドラゴンたちがこの戦いに巻き込まれればたちまちその存在を消滅させてしまうだろう。
すでに、Sランク、SSランクの魔物と同列に扱われるドラゴンたちが介入できるレベルでは無くなっていた。それもそのはずである、今戦っているのは紛れもなく『女神』であり、そして、その相手は『世界』を殺そうとする『魔』という存在なのである。
だが、その傍らに二人の人間が武器を構えて、様子を見ていた。
ドラゴンすら介入できないこの戦いに二人は隙を見つければカモメ(魔)の動きを封じる為、攻撃を繰り出す。その姿にドラゴンたちは驚愕する、自分たちがついていけない戦いに人間の少年少女が、ついて行っているのだから。
「な、なんなんだよあいつ等……本当に人間なのか?」
「いや、それよりも、あの黒い髪の女……あれは……」
「うむ、千年前の戦いで魔王を追い返した……闇の女神じゃ」
避難をしているドラゴンたちの中には千年前の戦いに参加したものもいるらしい、もう年を取り戦うことが出来ないようではあったが、それでも千年前の戦いを覚えているようだった。
「もうっ、あったまきた!闇魔滅砲!!」
「闇魔滅砲!その程度の魔法じゃ、私は倒せないわよ?……というか、貴方、さっきから闇の魔法しか使わないわね?……どういうこと?」
「っ!!……べ、別にっ、あなた達ならこれで十分なだけだよ!」
「ふぅん、使えないのね?普通の魔法も合成魔法も……」
「う、うるさいっ!闇魔滅砲!」
「闇よ……」
ディータが静かに呟くと、ディータに襲い掛かる闇の魔法がディータの周りに現れた黒い魔力に吸収されるかのように消えさった。
「私は闇を統べる女神……闇の魔法では私に傷を付けることは出来ないわ……正直、闇の魔法の中に何か別の魔法を合成されるんじゃないかと怖かったけど……それが出来ないのなら相殺する意味はないわね」
「う……」
「貴方、本物カモメより弱いわね……カモメは闇の魔法ばかりに頼ったりはしなかったわよ?」
「う、うるさっ……なっ、なにこれ!?」
ディータに食って掛かろうとしたカモメ(魔)の身体が光り出す。
「くっ……そんな……まさか、コレ!?」
光が増すにつれてカモメ(魔)は苦しみ始めた。
そして、カモメ(魔)動きが止まる。
「何?一体どうしたの?」
「わかりませんわ……カモメさんの中で何かあったのでは?」
「もしかして、カモメが気を発動させたとか?」
「うむ、そのようじゃぞ?」
「ラガナ」
翼を広げ、空から降りてきたラガナが着地と共にそう言う。
「今しがたの光にはカモメ本来の魔力を感じたのじゃ……そして、気の波動もじゃな」
「なら、カモメが魔を抑え込み始めたの!?」
「うむ、今はきっと中で戦っておるのじゃろう」
「頑張って、カモメ!」
動かなくなったカモメにディータ達は必死に応援の声を掛ける、自分たちの声がカモメに届くと信じて。
「どいつもこいつもうざったい!アンタもとっとと諦めて体を私に渡しなさいよ!」
「お断りだよ……それに、もうあなたの好きにはさせないよ!」
力強い言葉と共に、カモメは白と黒、いや、光と闇の力が混ざり合ったような魔力を周りに溢れ出させる。
「な、何……その力……」
「ふっふーん、気の力を発動させることに成功したんだ♪」
「そ、そんなこと言ってるんじゃないわよ!今、貴方が纏っている魔力の話よ!」
「あ、これ?気が使えるようになったのと同時に女神の魔力も解放で来たんだよね……でも、闇の魔力と別々に使うの面倒だったから――――――合成してみた」
「合成してみたって……そんな簡単に……嘘でしょ?」
「嘘じゃないよ、それに結構簡単だったよ?」
「ば、化け物……」
「ヒドイなぁ……でも、貴方も化け物みたいなものじゃん……化け物を倒すにはちょうどいいかもね♪」
「ひっ」
今まで、恐怖と言う感情を見せたことのない『魔』がカモメに対し恐怖を抱く。
それも仕方がないだろう、リーンに憑りついた『魔』とは違い、カモメの中にある『魔』はカモメと共に生まれたものである。それも、本来の『魔』からアスカを経由して受け継いでいるのだ……その純度は四分の一になっているだろう。
その為、この『魔』はカモメの身体から逃げることは出来ない……つまり、カモメからはどうあがいても逃げられないのだ……だというのに、目の前にいるカモメは今や自分では倒せないと確信できるほどの魔力を放っていた。
「せ、世界は殺さなくちゃいけない!だから、邪魔をしないで!」
「なんで?……裏切られたくないから?」
「う……」
「裏切られるのは怖いよね、大事な人を無くすのは怖いよね……私も怖い」
「だ、だから……」
「全員殺す?世界すらも?そうすれば……自分ひとりになればだれにも裏切られず、失わずに済むから?」
「あ……う……」
「でも、誰もいない世界なんて私は嫌だよ、苦しくても悲しくても、大事な皆と一緒にいたい」
「それで、裏切られたら……?」
「その時はその時だよ♪」
笑顔でそう言うカモメに『魔』は膝から崩れ落ち溜息を吐く。
「もういいわ……どうせ、今の貴方には勝てない……なら、潔く消えてあげる……でもね、人間すべてがあなたみたいに強い心を持ってたりしないわ……ううん、貴方だって本当にそうなった時に今と同じことを言えるとは限らない……ふふふ、貴方が絶望する姿……楽しみにしてる」
そう言うと、『魔』はまるで砂のように崩れ落ちた。
そして、カモメの意識は外の世界へと浮上するのだった。
外の世界ではカモメの身体が輝きを収め始めていた。
そして、久しぶりに開けた、その瞼の先には自分の事を心配してくれている仲間の姿が映るのであった。
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