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6章
カモメの心の力?
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「全然駄目なのじゃ!!」
竜達の住処の一角、広場になっている場所にラガナの声が響く。
カモメの気の開放の練習をしているのだ。
「むぅ……感情を表に出すって言ってもよく分からないよ……普段から表に出してると思うんだけどなぁ」
「確かに、カモメは普段から感情を隠してるとは思えないわよね」
「どちらかと言うと自分の心に素直な感じがしますわね」
「うん、猪突猛進だしね」
「みんな……ヒドイ……」
好き好きに思ったことを言う仲間たち。
だが、彼らの言う通り、コハクの時のように怒りの感情を普段から押さえていたりすることはカモメには無い。どちらかと言うとすぐ怒るほうである。とはいえ、元々が優しいので理不尽な怒りを向けることはないのだが……。
「だとすれば、カモメの根源ともいえる心の力は普段出している物ではないのかもしれぬのじゃ」
「普段出してない心の力……?」
「うむ、我ら竜は感情とは言わず『心の力』というのじゃ、その者の本質とも言えるものじゃな」
「本質ね……少なくとも『気高さ』ではないわね」
「『清楚』や『可憐』でもないと思いますわ」
「『お淑やか』でもないと思うよ」
酷いわれようである……しかも、どれも心の力とは言えない物ばかりであった。
「ひどいよぅ……」
「あはは、ごめんごめん。でもカモメなら『勇気』とかじゃないかな?」
「後は『根性』とか?」
「『純粋』とかかもしれませんわよ?」
今度は真面に答える三人であるが……。
「……なんか、どれも女の子らしくなくない?」
「だって、カモメ……」
「女の子らしくありませんもの」
「がーーーーん」
まさかの仲間からの精神攻撃に膝を床に着けるカモメ。
そんなカモメを見ながらラガナはやれやれと溜息を吐くのだった。
「じゃが、それらがカモメの『心の力』であるのならとっくに発動はしていても良いものなのじゃがな…」
「でしょうね」
頭を掻きながらそう言うラガナに、カモメ以外の三人が頷く。
確かに、それらであればすでに発動していそうなものである、それらの感情を一切カモメは隠していない。それとも、隠さない以外に何か発動に必要なものがあるのか……もしくはまだそれでもすべてを出し切っていないのか……。
「まだ、すべて出し切ってないとか?」
「いや、それならば片鱗くらいは見える筈じゃ……気が発動しないのはカモメに才能がないのか、それともまったく別の心の力なのかじゃな……」
どうやら、そうではないらしい。
「となると、普段カモメが見せない感情がカモメの心の力という事かしら?」
「そう言う事になりますわね」
「普段カモメが見せないとなると……『憎しみ』とか『嫉妬』とかかな?」
確かにそう言った感情を表に出すことはあまりない。
「でもそれだと、『魔』の力の方が反応しちゃいそうだよ……」
そう、カモメの言う通り、もしそれが心の力だとすれば気が発動する前にカモメが『魔』に飲み込まれるだろう。
「そうね、負の感情が気の発動のトリガーだったとすれば、『魔』を抑え込むことは出来ないでしょうね」
「うむ、その瞬間、カモメが『闇』とやらに堕ちるであろう」
「逆に言えば、それが無いカモメさんだからこそ、これまで『闇』に堕ちることは無かったのですわね」
そう、過去何度も、辛い目にあっているカモメであるが、これまでリーンのように『魔』に蝕まれなかったのはカモメのその心の純真さがあったからである。
「でも、それは……皆がいてくれたからだよ……もし、皆がいなかったら私は今頃、『魔』に堕ちていたのかもしれない……」
「なら、大丈夫ですわね!」
「……え?」
いや、もしいなかったら大丈夫では無いと言っているのに何が大丈夫なんだろうとカモメは首を傾げる。
そのカモメの様子を見て、クオン達が答えた。
「僕たちはここにいる、これまでも……これからもね」
「ワタクシ達がいればカモメさんは大丈夫なのでしょう?」
「なら、カモメが『魔』に堕ちることは一生ないわ」
「……みんな……うん……うん!」
カモメは見えない目に涙を溜めながら力ずよく、そして嬉しそうに頷いた。
「お主等……特訓中という事を忘れておらぬか?」
「……あ、ごめんごめん」
「まったく……まあ、良い。負の心の力ではないと仮定して、他にカモメがあまり出してない感情はなにがある?」
「そうねぇ……エリンシア、思い浮かばない?」
「うーん……あっ……ひとつありましたわ」
頭を捻って考えたエリンシアが拳を掌で叩きながら思いつく。
「おお、なんじゃ?」
「『愛』ですわね」
「え゛!?」
確かに、カモメは恋愛には疎い。
これまでクオンと共にずっと旅をしてきているのにこれと言った浮いた話を聞いたことがない。
もちろんクオンが奥手と言うのもあるがカモメも負けじ劣らずの超奥手なのだ。
「ほう、それは可能性があるかもしれんのう」
「ちょっ、ちょっと!」
「ですわよね、では、クオンさんとカモメさんにはラブラブしてもらいましょうですわ!」
「ラブラブって、エリンシア!?」
エリンシアの提案にカモメは右往左往する。
普段から、恋愛に疎いカモメである、だからと言って、クオンに気が無いわけではない。
いや、むしろの出会った頃からほぼひとめぼれとも言ってもいいくらい気にしている。
長く旅をする間、一緒にいることに慣れてしまい、そう言った感情を表に出さなくなってしまっていたが、間違いなくカモメはクオンに気が合った……そして、それは誰もが知っている……いや、見てれば誰もが解る。カモメは良くも悪くも正直なのである。
そして、それはクオンも同じである、カモメのように真っ直ぐな正直さではないが、奥手のクオンもまたカモメを好いているのは明らかであった。
「さあ、カモメさん!クオンさん!これからおデートでもしていらしてはどうかしらですわ!」
「デートって……わっ、わっ」
顔を真っ赤にして慌てるカモメ。
しかし、そんな和やかなムードをぶち壊すほど、冷たく恐ろし声がその場を支配する。
「カモメと根暗坊主がデート……ですってぇ?」
その言葉が広場に響くと、エリンシアもさしものラガナも身体を強張らせた。
もちろん、その言葉を発したのはディータである。
カモメが生まれた時から一緒にいるディータはカモメを子供のように妹のように溺愛している。
そのカモメが男にとられると思うと、まるで娘を嫁にやりたくない父親のように態度を一変させるのだ。
「あんな、根暗坊主。私のかわいいカモメに相応しくないわよ……そうでしょう?……ねぇ?」
「う、え……ああ~、そ、そんなこと言われてますわよ?クオンさん?」
ディータに間近にせままれ、まるでどこかのチンピラのような目つきで睨まれると、エリンシアも眼を逸らし、それから逃げる為にクオンに話を振る……が。
「クオンさん?」
言葉をかけてもクオンは反応しない、最初はクオンもディータにビビってしまっているのかと思ったが、ディータがクオンを目の敵にしているのは昔からである……それはディータもカモメがクオンを好いているの事をしっているからであるのだが、それを知ってか知らずかクオンもディータに負けじと反発するのが常であった。
だというのに、根暗坊主やカモメに相応しくないといういつもであれば反論するであろう言葉にクオンが一言も反応しないのである。一体どうしたのだろう?そう思い、ラガナが近くに寄ってみると……。
「こやつ……顔を真っ赤にしながら気絶しておるぞ?」
「はい?……もしかして、カモメさんとのデートを妄想してオーバーヒートしましたの?」
「一体どんな妄想をしたらそうなるのじゃ……」
その言葉に、カモメはがさらに顔を赤くすると……。
「このむっつりすけべがああああああああ!!爆発炎弾!!!」
(あいぼおおおおおおおお!!!)
ディータのフレイムエクリスにより、クオンは気絶したまま近くの大岩に叩きつけられめり込むのであった。そして、広場にはクレイジュの悲痛の叫びが虚しく木霊するのであった。
竜達の住処の一角、広場になっている場所にラガナの声が響く。
カモメの気の開放の練習をしているのだ。
「むぅ……感情を表に出すって言ってもよく分からないよ……普段から表に出してると思うんだけどなぁ」
「確かに、カモメは普段から感情を隠してるとは思えないわよね」
「どちらかと言うと自分の心に素直な感じがしますわね」
「うん、猪突猛進だしね」
「みんな……ヒドイ……」
好き好きに思ったことを言う仲間たち。
だが、彼らの言う通り、コハクの時のように怒りの感情を普段から押さえていたりすることはカモメには無い。どちらかと言うとすぐ怒るほうである。とはいえ、元々が優しいので理不尽な怒りを向けることはないのだが……。
「だとすれば、カモメの根源ともいえる心の力は普段出している物ではないのかもしれぬのじゃ」
「普段出してない心の力……?」
「うむ、我ら竜は感情とは言わず『心の力』というのじゃ、その者の本質とも言えるものじゃな」
「本質ね……少なくとも『気高さ』ではないわね」
「『清楚』や『可憐』でもないと思いますわ」
「『お淑やか』でもないと思うよ」
酷いわれようである……しかも、どれも心の力とは言えない物ばかりであった。
「ひどいよぅ……」
「あはは、ごめんごめん。でもカモメなら『勇気』とかじゃないかな?」
「後は『根性』とか?」
「『純粋』とかかもしれませんわよ?」
今度は真面に答える三人であるが……。
「……なんか、どれも女の子らしくなくない?」
「だって、カモメ……」
「女の子らしくありませんもの」
「がーーーーん」
まさかの仲間からの精神攻撃に膝を床に着けるカモメ。
そんなカモメを見ながらラガナはやれやれと溜息を吐くのだった。
「じゃが、それらがカモメの『心の力』であるのならとっくに発動はしていても良いものなのじゃがな…」
「でしょうね」
頭を掻きながらそう言うラガナに、カモメ以外の三人が頷く。
確かに、それらであればすでに発動していそうなものである、それらの感情を一切カモメは隠していない。それとも、隠さない以外に何か発動に必要なものがあるのか……もしくはまだそれでもすべてを出し切っていないのか……。
「まだ、すべて出し切ってないとか?」
「いや、それならば片鱗くらいは見える筈じゃ……気が発動しないのはカモメに才能がないのか、それともまったく別の心の力なのかじゃな……」
どうやら、そうではないらしい。
「となると、普段カモメが見せない感情がカモメの心の力という事かしら?」
「そう言う事になりますわね」
「普段カモメが見せないとなると……『憎しみ』とか『嫉妬』とかかな?」
確かにそう言った感情を表に出すことはあまりない。
「でもそれだと、『魔』の力の方が反応しちゃいそうだよ……」
そう、カモメの言う通り、もしそれが心の力だとすれば気が発動する前にカモメが『魔』に飲み込まれるだろう。
「そうね、負の感情が気の発動のトリガーだったとすれば、『魔』を抑え込むことは出来ないでしょうね」
「うむ、その瞬間、カモメが『闇』とやらに堕ちるであろう」
「逆に言えば、それが無いカモメさんだからこそ、これまで『闇』に堕ちることは無かったのですわね」
そう、過去何度も、辛い目にあっているカモメであるが、これまでリーンのように『魔』に蝕まれなかったのはカモメのその心の純真さがあったからである。
「でも、それは……皆がいてくれたからだよ……もし、皆がいなかったら私は今頃、『魔』に堕ちていたのかもしれない……」
「なら、大丈夫ですわね!」
「……え?」
いや、もしいなかったら大丈夫では無いと言っているのに何が大丈夫なんだろうとカモメは首を傾げる。
そのカモメの様子を見て、クオン達が答えた。
「僕たちはここにいる、これまでも……これからもね」
「ワタクシ達がいればカモメさんは大丈夫なのでしょう?」
「なら、カモメが『魔』に堕ちることは一生ないわ」
「……みんな……うん……うん!」
カモメは見えない目に涙を溜めながら力ずよく、そして嬉しそうに頷いた。
「お主等……特訓中という事を忘れておらぬか?」
「……あ、ごめんごめん」
「まったく……まあ、良い。負の心の力ではないと仮定して、他にカモメがあまり出してない感情はなにがある?」
「そうねぇ……エリンシア、思い浮かばない?」
「うーん……あっ……ひとつありましたわ」
頭を捻って考えたエリンシアが拳を掌で叩きながら思いつく。
「おお、なんじゃ?」
「『愛』ですわね」
「え゛!?」
確かに、カモメは恋愛には疎い。
これまでクオンと共にずっと旅をしてきているのにこれと言った浮いた話を聞いたことがない。
もちろんクオンが奥手と言うのもあるがカモメも負けじ劣らずの超奥手なのだ。
「ほう、それは可能性があるかもしれんのう」
「ちょっ、ちょっと!」
「ですわよね、では、クオンさんとカモメさんにはラブラブしてもらいましょうですわ!」
「ラブラブって、エリンシア!?」
エリンシアの提案にカモメは右往左往する。
普段から、恋愛に疎いカモメである、だからと言って、クオンに気が無いわけではない。
いや、むしろの出会った頃からほぼひとめぼれとも言ってもいいくらい気にしている。
長く旅をする間、一緒にいることに慣れてしまい、そう言った感情を表に出さなくなってしまっていたが、間違いなくカモメはクオンに気が合った……そして、それは誰もが知っている……いや、見てれば誰もが解る。カモメは良くも悪くも正直なのである。
そして、それはクオンも同じである、カモメのように真っ直ぐな正直さではないが、奥手のクオンもまたカモメを好いているのは明らかであった。
「さあ、カモメさん!クオンさん!これからおデートでもしていらしてはどうかしらですわ!」
「デートって……わっ、わっ」
顔を真っ赤にして慌てるカモメ。
しかし、そんな和やかなムードをぶち壊すほど、冷たく恐ろし声がその場を支配する。
「カモメと根暗坊主がデート……ですってぇ?」
その言葉が広場に響くと、エリンシアもさしものラガナも身体を強張らせた。
もちろん、その言葉を発したのはディータである。
カモメが生まれた時から一緒にいるディータはカモメを子供のように妹のように溺愛している。
そのカモメが男にとられると思うと、まるで娘を嫁にやりたくない父親のように態度を一変させるのだ。
「あんな、根暗坊主。私のかわいいカモメに相応しくないわよ……そうでしょう?……ねぇ?」
「う、え……ああ~、そ、そんなこと言われてますわよ?クオンさん?」
ディータに間近にせままれ、まるでどこかのチンピラのような目つきで睨まれると、エリンシアも眼を逸らし、それから逃げる為にクオンに話を振る……が。
「クオンさん?」
言葉をかけてもクオンは反応しない、最初はクオンもディータにビビってしまっているのかと思ったが、ディータがクオンを目の敵にしているのは昔からである……それはディータもカモメがクオンを好いているの事をしっているからであるのだが、それを知ってか知らずかクオンもディータに負けじと反発するのが常であった。
だというのに、根暗坊主やカモメに相応しくないといういつもであれば反論するであろう言葉にクオンが一言も反応しないのである。一体どうしたのだろう?そう思い、ラガナが近くに寄ってみると……。
「こやつ……顔を真っ赤にしながら気絶しておるぞ?」
「はい?……もしかして、カモメさんとのデートを妄想してオーバーヒートしましたの?」
「一体どんな妄想をしたらそうなるのじゃ……」
その言葉に、カモメはがさらに顔を赤くすると……。
「このむっつりすけべがああああああああ!!爆発炎弾!!!」
(あいぼおおおおおおおお!!!)
ディータのフレイムエクリスにより、クオンは気絶したまま近くの大岩に叩きつけられめり込むのであった。そして、広場にはクレイジュの悲痛の叫びが虚しく木霊するのであった。
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