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5章
エリザベス=グラシアール
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グランルーン王国の西側に店を構えるグラシアール商会本店。
クオンはその本店の中にある一室へと案内されていた。
前を歩く女性、以前、子供の頃に出会ったグラシアールの従業員マーニャはその部屋の前に止るとノックをし、中にいるであろう人物へと話しかけた。
「失礼いたします、クオン様をお連れしました」
「入りなさい」
中から凛とした女性の声が聞こえる。
マーニャは扉を開けると中に入るのではなく、クオンを中に入るよう誘導する。
「失礼します」
クオンは部屋に入り軽くお辞儀をする。
部屋の中を見ると、ウェーブのかかった長い金髪とこちらを観察するような鋭い眼光の青い瞳を持った女性がこちらを見ていた。
この状況に、軽いデジャヴを感じるクオン。
(最初にあったエリンシアとそっくりだ)
そう、自分の依頼を受けてもらうために冒険者を見定めようとしていたエリンシアとそっくりなのだ。
間違いなくエリンシアの母親だろう。
「いきなり招いてしまい申し訳ありません、エリザベス=グランシアールと申します」
「いえ、クオン=ドースティンです」
「知っておりますわ、うちの娘がお世話になっております」
「い、いえ、エリンシアには僕らの方こそいつも頼ってばかりで・・・」
まるで平時の会話が始まっているが、今、この国には闇の魔女とその仲間が襲撃をかけている。
市民は逃げ惑い、兵士たちはその対応にかられて街は大騒ぎだというのに、このグラシアール商会はいたって平穏であった。
「えっと・・・」
「あら、申し訳ありませんわ、ゆっくりとお話ししている場合ではありませんわね・・・それで、私共は何をすればいいかしら?」
「・・・・・え?」
いきなり指示を仰がれ間抜けな声を上げてしまうクオン。
確かに、出来るならば街の人を冒険者ギルドに誘導してもらいたいと思っていたが、何か用があったから呼ばれたと思っていたので面を喰らってしまう。
「えっと・・・」
「あら、ワタクシ共に協力できることはありませんの?今回の騒動はライハンルト騎士団長たちから頼まれたものだと睨んでおりましたのに・・・外れでしたでしょうか?」
さすがエリンシアの母親だ、すべてお見通しと言った感じである。
「いえ、その通りです。出来るのであればグラシアールの方には市民を冒険者ギルドに誘導してもらいたいのですが・・・」
「解りましたわ、そこで王子様たちが待っていらっしゃいますのね」
「えっと・・・はい、そうです」
本当にお見通しである。
「マーニャ、聞いていたわね?」
「はい、従業員に街の方を冒険者ギルドに誘導するよう指示を出します」
「お願い」
かしこまりましたと、お辞儀をするとマーニャは部屋を出ていった。
その様子を見ていたクオンが再び、エリザベスへと視線を移すと、エリザベスはクオンをじっと見つめている。
「え、えっと、何か?」
「おほほ、エリンシアいいお友達を持ったみたいですわね」
「え?」
「貴方にも、カモメさんにもグランルーンの人間はとてもひどい事をしましたわ・・・それなのに、こうやってワタクシ共を助けに来てくれている」
確かに、魔女と追われ、しばらくは真面な生活も出来なかった。
だが、それはゴリアテ大臣が仕組んだことでグランルーンの人全員を恨んだりは僕もカモメもしていない。
「いえ、街の人は関係ありませんから」
「おほほ、普通はそうは思えないものですわよ、あなた達に濡れ衣を着せておいてのほほんと生活をし、信じていた大臣に裏切られたワタクシ共をいい気味だと思いませんの?」
「カモメなら『思うわけないじゃん』って言うでしょうね」
そう、カモメはきっとそう言う。
あの子は追われている時も大臣に文句を言ってはいたが、追ってきている兵士たちに恨み言を言うことも無かったし、追って生きている兵士を魔法で吹っ飛ばしたりはしていたが、死ぬような事はしなかった。
それは別に慈悲の心だとか正義の心があるからというわけではないだろう・・・吹っ飛ばしてるし。
単純に恨んでもいなく殺す気も無かっただけである。
そう、カモメは単純なのだ。
だから、指名手配にした大臣はともかくそれに騙されている街の人や兵士たちを恨んだりなんてしていない。
「貴方は、恨んでいませんの?」
「いません」
クオンは一言、そう言った。
もし、カモメと出会っていなければ、出会ったのがカモメのような子でなければ、自分たちを信じない街の人達を恨んでいたかもしれない。自分は悪くないのになぜひどい目にあわせるのか、なぜあんなうそつきの言う事を信じるのか・・・と、だが。
「不思議なことに恨んだりしていないんですよ」
そう、本当に恨んではいなかった。
追われる生活の中でもカモメは素直な笑顔を無くさなかった。
もちろん、辛いことや悲しいこともいっぱいあったが、それでも前向きに生きる彼女を見ていると、誰かを恨むのが馬鹿らしくなったのだ。それよりも、もしかしたらどこかに自分たちを信じてくれる人間がいるかもしれない、いなかったら地の果てまででも逃げてやる、そう思えるくらいにクオンの心に憎悪の感情がなかったのだ。
「あの子といると逃亡生活も悪くないんじゃないかなと思ってしまうんです」
「あらあら、惚気られてしまいましたわね」
「あ、すみません」
クオンは顔を赤くして俯く。
だが、確かにそれはクオンの本心であった、もちろん、そもそも濡れ衣を着せた大臣は出会ったらただでは置かないと思ったりもしている、あくまで何も知らない人たちに、この世界に恨みはないよということである。
「それで・・・エリザベスさんも僕らに何か頼みたいことがあるのではないですか?」
「おほほ・・・お見通しでしか?さすがエリンシアのお友達ですわね」
ここに来たのがカモメだったら何もおかしいとは思わなかっただろう、だが、この騒動の中、わざわざお店の奥に通して、二人きりで話すなど異常である。
もちろん、僕らの企てを看破したからこそなのだろうが、それにしたってこの場所で話す意味は無い。
いや、計画を外で話して兵士たちにバレしまう可能性を考えるとこの場所は助かるのだが、それだけではない気がする。それこそ、使用人にこっそり会うだけでもいいのだから。
「お察しの通り、ワタクシからあなた方に頼みたいことがあるのですわ」
「頼み?」
「ええ、頼みと言うのはワタクシの夫の事ですの」
エリザベスさんの夫と言うと、エリンシアのお父さんの事だ。
「息子から聞いているかもしれませんが、息子を逃がすために我が夫アレクセイは兵士に捕らえられてしまいましたわ」
「では、頼みというのは旦那さんの救出ですか?」
兵士に捕らえられたという事は城にいるのだろうか、だとしたらカモメやエリンシア達が助け出してくれると思うけど・・・城事、破壊したりしないよね?・・・多分。
「いえ、救出ではありませんわ・・・」
「え?」
「夫を・・・アレクセイを・・・殺してほしんですの」
「・・・・・・・・・」
思いもかけない言葉にクオンは言葉を失った。
クオンはその本店の中にある一室へと案内されていた。
前を歩く女性、以前、子供の頃に出会ったグラシアールの従業員マーニャはその部屋の前に止るとノックをし、中にいるであろう人物へと話しかけた。
「失礼いたします、クオン様をお連れしました」
「入りなさい」
中から凛とした女性の声が聞こえる。
マーニャは扉を開けると中に入るのではなく、クオンを中に入るよう誘導する。
「失礼します」
クオンは部屋に入り軽くお辞儀をする。
部屋の中を見ると、ウェーブのかかった長い金髪とこちらを観察するような鋭い眼光の青い瞳を持った女性がこちらを見ていた。
この状況に、軽いデジャヴを感じるクオン。
(最初にあったエリンシアとそっくりだ)
そう、自分の依頼を受けてもらうために冒険者を見定めようとしていたエリンシアとそっくりなのだ。
間違いなくエリンシアの母親だろう。
「いきなり招いてしまい申し訳ありません、エリザベス=グランシアールと申します」
「いえ、クオン=ドースティンです」
「知っておりますわ、うちの娘がお世話になっております」
「い、いえ、エリンシアには僕らの方こそいつも頼ってばかりで・・・」
まるで平時の会話が始まっているが、今、この国には闇の魔女とその仲間が襲撃をかけている。
市民は逃げ惑い、兵士たちはその対応にかられて街は大騒ぎだというのに、このグラシアール商会はいたって平穏であった。
「えっと・・・」
「あら、申し訳ありませんわ、ゆっくりとお話ししている場合ではありませんわね・・・それで、私共は何をすればいいかしら?」
「・・・・・え?」
いきなり指示を仰がれ間抜けな声を上げてしまうクオン。
確かに、出来るならば街の人を冒険者ギルドに誘導してもらいたいと思っていたが、何か用があったから呼ばれたと思っていたので面を喰らってしまう。
「えっと・・・」
「あら、ワタクシ共に協力できることはありませんの?今回の騒動はライハンルト騎士団長たちから頼まれたものだと睨んでおりましたのに・・・外れでしたでしょうか?」
さすがエリンシアの母親だ、すべてお見通しと言った感じである。
「いえ、その通りです。出来るのであればグラシアールの方には市民を冒険者ギルドに誘導してもらいたいのですが・・・」
「解りましたわ、そこで王子様たちが待っていらっしゃいますのね」
「えっと・・・はい、そうです」
本当にお見通しである。
「マーニャ、聞いていたわね?」
「はい、従業員に街の方を冒険者ギルドに誘導するよう指示を出します」
「お願い」
かしこまりましたと、お辞儀をするとマーニャは部屋を出ていった。
その様子を見ていたクオンが再び、エリザベスへと視線を移すと、エリザベスはクオンをじっと見つめている。
「え、えっと、何か?」
「おほほ、エリンシアいいお友達を持ったみたいですわね」
「え?」
「貴方にも、カモメさんにもグランルーンの人間はとてもひどい事をしましたわ・・・それなのに、こうやってワタクシ共を助けに来てくれている」
確かに、魔女と追われ、しばらくは真面な生活も出来なかった。
だが、それはゴリアテ大臣が仕組んだことでグランルーンの人全員を恨んだりは僕もカモメもしていない。
「いえ、街の人は関係ありませんから」
「おほほ、普通はそうは思えないものですわよ、あなた達に濡れ衣を着せておいてのほほんと生活をし、信じていた大臣に裏切られたワタクシ共をいい気味だと思いませんの?」
「カモメなら『思うわけないじゃん』って言うでしょうね」
そう、カモメはきっとそう言う。
あの子は追われている時も大臣に文句を言ってはいたが、追ってきている兵士たちに恨み言を言うことも無かったし、追って生きている兵士を魔法で吹っ飛ばしたりはしていたが、死ぬような事はしなかった。
それは別に慈悲の心だとか正義の心があるからというわけではないだろう・・・吹っ飛ばしてるし。
単純に恨んでもいなく殺す気も無かっただけである。
そう、カモメは単純なのだ。
だから、指名手配にした大臣はともかくそれに騙されている街の人や兵士たちを恨んだりなんてしていない。
「貴方は、恨んでいませんの?」
「いません」
クオンは一言、そう言った。
もし、カモメと出会っていなければ、出会ったのがカモメのような子でなければ、自分たちを信じない街の人達を恨んでいたかもしれない。自分は悪くないのになぜひどい目にあわせるのか、なぜあんなうそつきの言う事を信じるのか・・・と、だが。
「不思議なことに恨んだりしていないんですよ」
そう、本当に恨んではいなかった。
追われる生活の中でもカモメは素直な笑顔を無くさなかった。
もちろん、辛いことや悲しいこともいっぱいあったが、それでも前向きに生きる彼女を見ていると、誰かを恨むのが馬鹿らしくなったのだ。それよりも、もしかしたらどこかに自分たちを信じてくれる人間がいるかもしれない、いなかったら地の果てまででも逃げてやる、そう思えるくらいにクオンの心に憎悪の感情がなかったのだ。
「あの子といると逃亡生活も悪くないんじゃないかなと思ってしまうんです」
「あらあら、惚気られてしまいましたわね」
「あ、すみません」
クオンは顔を赤くして俯く。
だが、確かにそれはクオンの本心であった、もちろん、そもそも濡れ衣を着せた大臣は出会ったらただでは置かないと思ったりもしている、あくまで何も知らない人たちに、この世界に恨みはないよということである。
「それで・・・エリザベスさんも僕らに何か頼みたいことがあるのではないですか?」
「おほほ・・・お見通しでしか?さすがエリンシアのお友達ですわね」
ここに来たのがカモメだったら何もおかしいとは思わなかっただろう、だが、この騒動の中、わざわざお店の奥に通して、二人きりで話すなど異常である。
もちろん、僕らの企てを看破したからこそなのだろうが、それにしたってこの場所で話す意味は無い。
いや、計画を外で話して兵士たちにバレしまう可能性を考えるとこの場所は助かるのだが、それだけではない気がする。それこそ、使用人にこっそり会うだけでもいいのだから。
「お察しの通り、ワタクシからあなた方に頼みたいことがあるのですわ」
「頼み?」
「ええ、頼みと言うのはワタクシの夫の事ですの」
エリザベスさんの夫と言うと、エリンシアのお父さんの事だ。
「息子から聞いているかもしれませんが、息子を逃がすために我が夫アレクセイは兵士に捕らえられてしまいましたわ」
「では、頼みというのは旦那さんの救出ですか?」
兵士に捕らえられたという事は城にいるのだろうか、だとしたらカモメやエリンシア達が助け出してくれると思うけど・・・城事、破壊したりしないよね?・・・多分。
「いえ、救出ではありませんわ・・・」
「え?」
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