127 / 361
4章
撃破
しおりを挟む
「クァアアアアアア!!」
グリフォンが咆哮を上げる。
不思議なことに先ほどまでこの咆哮を聞いた途端、体が動かなくなったというのに、今はあの心の底から震えるような感情が出てこない。
気は身体だけじゃなく、心も護るということなのだろうか?
俺が怯んでいないことに気付いていないのか、グリフォンは真正面から風の槍を放つ。
「強気射」
風の槍に俺は即座に気を纏わせた矢を放つ。
矢は、一直線に突き進み、風の槍に的中すると風の槍と共に砕け散った。
すごい、気で強化した矢はたった一本でグリフォンの風の槍と相殺できるほどの威力になるのか。
グリフォンはその光景が予想外だったのか、驚き、その動きを鈍くする。
俺はその隙を逃さず、再び、気を纏った矢をグリフォンの足目掛けて放つ。
「クァアアア!?」
グリフォンが大きな悲鳴を上げると、その巨体を地面に倒れさせる。
「良い様だ」
我ながらヒドイ言いようである、普段なら絶対こんなこと言わないのだけれど、気を開放して気が強くなっているのか思ったことをそのまま言葉にしてしまう。だが、気が強くなってしまうという言葉の通りなのか正しく、今俺から吹き上がるこの気はとても強かった。
「強気射」
出来ることなら、リーナをあそこまで痛めつけたこの鳥を直接ぶん殴ってやりたいが、俺にはエリンシアさんのように武術の類はない。いくら体が強化されているとはいえ、グリフォン相手に素人の拳を振るっても逆に危険なだけだろう。
ということで、俺は斃れたグリフォンの眉間に向かって再び、矢を放った。
眉間に一撃を与えればグリフォンとて、倒れるだろう・・・だが、さすがにそう簡単にはいかないようだ。
グリフォンは風の槍を放ち、先ほどとは逆に俺の矢を相殺する。
風の槍と俺の矢がほぼ互角といういうのをグリフォンも先ほどの衝突で学んでいたのだ。
魔物の癖に頭のいいやつめ・・・。
そして、相殺するや否や、グリフォンは立ち上がり、こちらに向けて突進を始めた。
しかもただの突進ではない、恐らく風の魔法で体全体を纏わせているようだ。
「くっ」
俺は急いで、俺の後ろで倒れているリーナとヒスイを抱え上げ、グリフォンの突進を回避する。
そして、離れた場所に避難させると、グリフォンの攻撃に巻き込まない位置まで離れた。
「さあ、狩りを始めようか!」
俺は、恥ずかしげもなくそんなセリフを吐くと、矢を放ちグリフォンを牽制する。
気を纏った矢とはいえ、これだけではグリフォンに致命的な一撃を与えられない・・・。
いや、なんとか態勢を崩してその上、防がれないように眉間に当てることが出来れば致命打になるかもしれないが・・・先ほどの様子から言うとなかなかに厳しいだろう。
「なら、工夫をすればいい」
俺は開放された気を矢の周りに螺旋状に練り上げる。
そして、矢を放つ瞬間、練り上げた気を爆発させ矢を回転させる。もちろん、矢の強化も忘れずに。
すると、先ほどまでの矢よりさらに速い矢がグリフォンへと向かう。
グリフォンは矢のスピードに対処しきれず肩口を射貫かれた。
「クァアアアア!!!!!」
「ちっ、外したか・・・頭を狙ったんだけどな」
気で強化し、さらに高速の回転を付けた矢は思ったよりもコントロールが難しかった。
だが、それなら当たるまで何本も撃てばいい。
「さあ・・・クライマックスだ」
俺は一体どうしちゃたんだろう?・・・段々と性格が変わっていっているような?
まあ、今はそれどころではない。ちょっとカッコつけてしまうようになるだけで別人格が現れているというわけでもないのだ、それでグリフォンが倒せるなら問題ない。・・・多分。
「高速回転気矢!」
気を取り直して、再び回転を加えた矢をグリフォンに向けて放つ。
ちゃんと、新しく考えた技にも名前を付けて・・・ネーミングセンスは言わないで・・・。
俺は、グリフォンの右足を射貫く。
「クァアアアア!!」
グリフォンは回避することも出来ず、その一撃を受け、再び地面に倒れこんだ。
しかし、狙いが上手くいかない・・・またも頭を狙ったつもりだったのだが
「仕方ない、間近でぶっ放してやる」
そう言うと、俺はグリフォンに向かって走り出す。
グリフォンもその意図に気付いたのか風の槍を放ちこちらをけん制してくるが、その風の槍を俺は矢で撃ち落とし、その進撃を止めない。
「止めだ」
俺はグリフォンの頭上に飛び上がり、高速回転気矢を頭目掛けて放った。
距離が近いこともあり、今度はまっすぐ頭に向かって飛んでいく。
だが、グリフォンは危険を感じたのか身体全身を風の魔法で纏い、翼で頭をガードした。
俺の気とグリフォンの魔法がぶつかり合った衝撃で爆発を起こす。
「おっと」
俺はその風にあおられながらも難なく着地をした。
そして、爆発の煙が晴れると、中からボロボロの状態のグリフォンが姿を現したのだ。
俺の矢は途中で阻まれてしまったが、その時に起きた爆発でグリフォンは大ダメージを受けてしまったようだ。
「勝負はついたな」
俺は、止めを刺そうと、グリフォンに向けて弓を構える・・・が。
「クァアアア!・・・クァアアアアアアアアアアアアアアア!!!」
グリフォンが叫ぶと、巨大な魔力を体から吹き上がらせる。
何をするつもりだ!?
風の槍で俺に攻撃を?しかし、この状態なら避けられる、たとえ今までで一番の威力だったとしても躱してしまえば問題は無い。
「悪あがきか?」
余裕の表情でグリフォンを見やると、グリフォンは口元を吊り上げた。
まるでこちらを嘲笑うかのように・・・・あの笑い。
その笑いを見た瞬間俺は先ほどの事を思い出す、そう、奴があの笑いをした後何をしたのか。
俺は慌てて、全速力でリーナの元へと走り出した。
それと同時に、今まで一番の、恐らくすべての魔力を込めたのであろう風の槍がリーナとヒスイの方向へと放たれたのだ。・・・・・やっぱり。
「クソ鳥がああああ!!」
勝てないと悟ったグリフォンはリーナ達だけでも道連れにしようとしているのか・・・くそ、質が悪い!
だが、気のお陰で身体能力が上がっている俺は、難なくリーナ達の元に風の槍が届く前に駆け寄ることができた。そして・・・
「高速回転気矢!!」
今できる一番の威力の矢を風の槍に向けて放ったのだが、本当に全魔力を込めたのだろう、目の前に迫ってくる風の槍は俺の高速回転気矢を呑み込み、なおもこちらに向かってきた。
「くそっ!」
矢に纏わせた気ではあの風の槍・・・いや、あの大きさではもう槍とは呼べない。仮に風の大砲とでも呼ぼうか、風の大砲は俺の矢では止めることが出来なかった。
「ならっ!」
矢に纏わせた気で足りないのなら、俺の体の周りに開放されている気をすべて使って抑えてやる!
俺は風の大砲にその身を投げ込むと、自らの気を自分の周りで爆発させた。
「クア!?」
目標手前で大爆発を起こした自分の魔法に驚きの声を上げるグリフォン。
そして、その爆発の中から俺は姿を現した・・・生きている・・・が、すべての気を使いグリフォンの全ての魔力を込めた一撃を受け止めたが・・・そのおかげで、俺は全身をボロボロにし、もう一歩も動けないほどのダメージを受けていた。
「くそっ」
俺はその場に倒れると、自分の不甲斐なさに悪態をつく。
そして、グリフォンはまるで計算通りとでも言うように勝ち誇った顔をしていた。
恐らくグリフォンはリーナ達を狙えば、俺が避けずに体を張ってその攻撃を受け止めるだろうと予想していたのだろう、だからこそ、全魔力を込めた一撃をすでに倒れていたリーナ達に放ったのだ・・・悪知恵の働く鳥だ。
だけど・・・もう、指一本動かすことが出来ない・・・リーナ達も未だに気絶したままだった。
くそっ・・・あと少しなのに!
そして、のっそりと動き出したのはグリフォンであった、その身もボロボロにして魔力もすべて使い果たしているが、まだ、動けるのである。
ゆっくりと、一歩一歩、グリフォンがこちらに近づいてくる・・・そして。
俺の目の前までくると、グリフォンは動きを止めた・・・。
「え?」
「私を忘れてもらっては困るな?」
その声に、グリフォンの方を見るとグリフォンの頭に剣を刺し、ニヤリと笑うソフィーナさんの姿があった。グリフォンにかなりやばいやられ方をしたと思ったのだが、割と平気そうに倒れるグリフォンから飛び降りるソフィーナさん・・・さすがの打たれ強さだ。
「助かりました」
「いや、コハクこそ、凄まじい力だったな。気を習得したのか」
「ええ、なんとか・・・ただ、おかげで指一本動かせませんけど」
そう、先ほどの爆発のダメージももちろんあるのだが、気を使い切った為か、体が全く動かないのである体の感覚がなくなるほどのヒドイ筋肉痛になったときのようだった。
「だが、グリフォンを倒せたのはコハクのお陰だ礼を言う」
「いえ、皆が頑張ったからこその勝利です」
「ふっ、そうだな」
笑いあう俺とソフィーナさんの横でグリフォンが静かに魔石へと姿を変えるのだった。
グリフォンが咆哮を上げる。
不思議なことに先ほどまでこの咆哮を聞いた途端、体が動かなくなったというのに、今はあの心の底から震えるような感情が出てこない。
気は身体だけじゃなく、心も護るということなのだろうか?
俺が怯んでいないことに気付いていないのか、グリフォンは真正面から風の槍を放つ。
「強気射」
風の槍に俺は即座に気を纏わせた矢を放つ。
矢は、一直線に突き進み、風の槍に的中すると風の槍と共に砕け散った。
すごい、気で強化した矢はたった一本でグリフォンの風の槍と相殺できるほどの威力になるのか。
グリフォンはその光景が予想外だったのか、驚き、その動きを鈍くする。
俺はその隙を逃さず、再び、気を纏った矢をグリフォンの足目掛けて放つ。
「クァアアア!?」
グリフォンが大きな悲鳴を上げると、その巨体を地面に倒れさせる。
「良い様だ」
我ながらヒドイ言いようである、普段なら絶対こんなこと言わないのだけれど、気を開放して気が強くなっているのか思ったことをそのまま言葉にしてしまう。だが、気が強くなってしまうという言葉の通りなのか正しく、今俺から吹き上がるこの気はとても強かった。
「強気射」
出来ることなら、リーナをあそこまで痛めつけたこの鳥を直接ぶん殴ってやりたいが、俺にはエリンシアさんのように武術の類はない。いくら体が強化されているとはいえ、グリフォン相手に素人の拳を振るっても逆に危険なだけだろう。
ということで、俺は斃れたグリフォンの眉間に向かって再び、矢を放った。
眉間に一撃を与えればグリフォンとて、倒れるだろう・・・だが、さすがにそう簡単にはいかないようだ。
グリフォンは風の槍を放ち、先ほどとは逆に俺の矢を相殺する。
風の槍と俺の矢がほぼ互角といういうのをグリフォンも先ほどの衝突で学んでいたのだ。
魔物の癖に頭のいいやつめ・・・。
そして、相殺するや否や、グリフォンは立ち上がり、こちらに向けて突進を始めた。
しかもただの突進ではない、恐らく風の魔法で体全体を纏わせているようだ。
「くっ」
俺は急いで、俺の後ろで倒れているリーナとヒスイを抱え上げ、グリフォンの突進を回避する。
そして、離れた場所に避難させると、グリフォンの攻撃に巻き込まない位置まで離れた。
「さあ、狩りを始めようか!」
俺は、恥ずかしげもなくそんなセリフを吐くと、矢を放ちグリフォンを牽制する。
気を纏った矢とはいえ、これだけではグリフォンに致命的な一撃を与えられない・・・。
いや、なんとか態勢を崩してその上、防がれないように眉間に当てることが出来れば致命打になるかもしれないが・・・先ほどの様子から言うとなかなかに厳しいだろう。
「なら、工夫をすればいい」
俺は開放された気を矢の周りに螺旋状に練り上げる。
そして、矢を放つ瞬間、練り上げた気を爆発させ矢を回転させる。もちろん、矢の強化も忘れずに。
すると、先ほどまでの矢よりさらに速い矢がグリフォンへと向かう。
グリフォンは矢のスピードに対処しきれず肩口を射貫かれた。
「クァアアアア!!!!!」
「ちっ、外したか・・・頭を狙ったんだけどな」
気で強化し、さらに高速の回転を付けた矢は思ったよりもコントロールが難しかった。
だが、それなら当たるまで何本も撃てばいい。
「さあ・・・クライマックスだ」
俺は一体どうしちゃたんだろう?・・・段々と性格が変わっていっているような?
まあ、今はそれどころではない。ちょっとカッコつけてしまうようになるだけで別人格が現れているというわけでもないのだ、それでグリフォンが倒せるなら問題ない。・・・多分。
「高速回転気矢!」
気を取り直して、再び回転を加えた矢をグリフォンに向けて放つ。
ちゃんと、新しく考えた技にも名前を付けて・・・ネーミングセンスは言わないで・・・。
俺は、グリフォンの右足を射貫く。
「クァアアアア!!」
グリフォンは回避することも出来ず、その一撃を受け、再び地面に倒れこんだ。
しかし、狙いが上手くいかない・・・またも頭を狙ったつもりだったのだが
「仕方ない、間近でぶっ放してやる」
そう言うと、俺はグリフォンに向かって走り出す。
グリフォンもその意図に気付いたのか風の槍を放ちこちらをけん制してくるが、その風の槍を俺は矢で撃ち落とし、その進撃を止めない。
「止めだ」
俺はグリフォンの頭上に飛び上がり、高速回転気矢を頭目掛けて放った。
距離が近いこともあり、今度はまっすぐ頭に向かって飛んでいく。
だが、グリフォンは危険を感じたのか身体全身を風の魔法で纏い、翼で頭をガードした。
俺の気とグリフォンの魔法がぶつかり合った衝撃で爆発を起こす。
「おっと」
俺はその風にあおられながらも難なく着地をした。
そして、爆発の煙が晴れると、中からボロボロの状態のグリフォンが姿を現したのだ。
俺の矢は途中で阻まれてしまったが、その時に起きた爆発でグリフォンは大ダメージを受けてしまったようだ。
「勝負はついたな」
俺は、止めを刺そうと、グリフォンに向けて弓を構える・・・が。
「クァアアア!・・・クァアアアアアアアアアアアアアアア!!!」
グリフォンが叫ぶと、巨大な魔力を体から吹き上がらせる。
何をするつもりだ!?
風の槍で俺に攻撃を?しかし、この状態なら避けられる、たとえ今までで一番の威力だったとしても躱してしまえば問題は無い。
「悪あがきか?」
余裕の表情でグリフォンを見やると、グリフォンは口元を吊り上げた。
まるでこちらを嘲笑うかのように・・・・あの笑い。
その笑いを見た瞬間俺は先ほどの事を思い出す、そう、奴があの笑いをした後何をしたのか。
俺は慌てて、全速力でリーナの元へと走り出した。
それと同時に、今まで一番の、恐らくすべての魔力を込めたのであろう風の槍がリーナとヒスイの方向へと放たれたのだ。・・・・・やっぱり。
「クソ鳥がああああ!!」
勝てないと悟ったグリフォンはリーナ達だけでも道連れにしようとしているのか・・・くそ、質が悪い!
だが、気のお陰で身体能力が上がっている俺は、難なくリーナ達の元に風の槍が届く前に駆け寄ることができた。そして・・・
「高速回転気矢!!」
今できる一番の威力の矢を風の槍に向けて放ったのだが、本当に全魔力を込めたのだろう、目の前に迫ってくる風の槍は俺の高速回転気矢を呑み込み、なおもこちらに向かってきた。
「くそっ!」
矢に纏わせた気ではあの風の槍・・・いや、あの大きさではもう槍とは呼べない。仮に風の大砲とでも呼ぼうか、風の大砲は俺の矢では止めることが出来なかった。
「ならっ!」
矢に纏わせた気で足りないのなら、俺の体の周りに開放されている気をすべて使って抑えてやる!
俺は風の大砲にその身を投げ込むと、自らの気を自分の周りで爆発させた。
「クア!?」
目標手前で大爆発を起こした自分の魔法に驚きの声を上げるグリフォン。
そして、その爆発の中から俺は姿を現した・・・生きている・・・が、すべての気を使いグリフォンの全ての魔力を込めた一撃を受け止めたが・・・そのおかげで、俺は全身をボロボロにし、もう一歩も動けないほどのダメージを受けていた。
「くそっ」
俺はその場に倒れると、自分の不甲斐なさに悪態をつく。
そして、グリフォンはまるで計算通りとでも言うように勝ち誇った顔をしていた。
恐らくグリフォンはリーナ達を狙えば、俺が避けずに体を張ってその攻撃を受け止めるだろうと予想していたのだろう、だからこそ、全魔力を込めた一撃をすでに倒れていたリーナ達に放ったのだ・・・悪知恵の働く鳥だ。
だけど・・・もう、指一本動かすことが出来ない・・・リーナ達も未だに気絶したままだった。
くそっ・・・あと少しなのに!
そして、のっそりと動き出したのはグリフォンであった、その身もボロボロにして魔力もすべて使い果たしているが、まだ、動けるのである。
ゆっくりと、一歩一歩、グリフォンがこちらに近づいてくる・・・そして。
俺の目の前までくると、グリフォンは動きを止めた・・・。
「え?」
「私を忘れてもらっては困るな?」
その声に、グリフォンの方を見るとグリフォンの頭に剣を刺し、ニヤリと笑うソフィーナさんの姿があった。グリフォンにかなりやばいやられ方をしたと思ったのだが、割と平気そうに倒れるグリフォンから飛び降りるソフィーナさん・・・さすがの打たれ強さだ。
「助かりました」
「いや、コハクこそ、凄まじい力だったな。気を習得したのか」
「ええ、なんとか・・・ただ、おかげで指一本動かせませんけど」
そう、先ほどの爆発のダメージももちろんあるのだが、気を使い切った為か、体が全く動かないのである体の感覚がなくなるほどのヒドイ筋肉痛になったときのようだった。
「だが、グリフォンを倒せたのはコハクのお陰だ礼を言う」
「いえ、皆が頑張ったからこその勝利です」
「ふっ、そうだな」
笑いあう俺とソフィーナさんの横でグリフォンが静かに魔石へと姿を変えるのだった。
0
お気に入りに追加
124
あなたにおすすめの小説
私はお母様の奴隷じゃありません。「出てけ」とおっしゃるなら、望み通り出ていきます【完結】
小平ニコ
ファンタジー
主人公レベッカは、幼いころから母親に冷たく当たられ、家庭内の雑務を全て押し付けられてきた。
他の姉妹たちとは明らかに違う、奴隷のような扱いを受けても、いつか母親が自分を愛してくれると信じ、出来得る限りの努力を続けてきたレベッカだったが、16歳の誕生日に突然、公爵の館に奉公に行けと命じられる。
それは『家を出て行け』と言われているのと同じであり、レベッカはショックを受ける。しかし、奉公先の人々は皆優しく、主であるハーヴィン公爵はとても美しい人で、レベッカは彼にとても気に入られる。
友達もでき、忙しいながらも幸せな毎日を送るレベッカ。そんなある日のこと、妹のキャリーがいきなり公爵の館を訪れた。……キャリーは、レベッカに支払われた給料を回収しに来たのだ。
レベッカは、金銭に対する執着などなかったが、あまりにも身勝手で悪辣なキャリーに怒り、彼女を追い返す。それをきっかけに、公爵家の人々も巻き込む形で、レベッカと実家の姉妹たちは争うことになる。
そして、姉妹たちがそれぞれ悪行の報いを受けた後。
レベッカはとうとう、母親と直接対峙するのだった……
私がいなくなった部屋を見て、あなた様はその心に何を思われるのでしょうね…?
新野乃花(大舟)
恋愛
貴族であるファーラ伯爵との婚約を結んでいたセイラ。しかし伯爵はセイラの事をほったらかしにして、幼馴染であるレリアの方にばかり愛情をかけていた。それは溺愛と呼んでもいいほどのもので、そんな行動の果てにファーラ伯爵は婚約破棄まで持ち出してしまう。しかしそれと時を同じくして、セイラはその姿を伯爵の前からこつぜんと消してしまう。弱気なセイラが自分に逆らう事など絶対に無いと思い上がっていた伯爵は、誰もいなくなってしまったセイラの部屋を見て…。
※カクヨム、小説家になろうにも投稿しています!
チート薬学で成り上がり! 伯爵家から放逐されたけど優しい子爵家の養子になりました!
芽狐
ファンタジー
⭐️チート薬学3巻発売中⭐️
ブラック企業勤めの37歳の高橋 渉(わたる)は、過労で倒れ会社をクビになる。
嫌なことを忘れようと、異世界のアニメを見ていて、ふと「異世界に行きたい」と口に出したことが、始まりで女神によって死にかけている体に転生させられる!
転生先は、スキルないも魔法も使えないアレクを家族は他人のように扱い、使用人すらも見下した態度で接する伯爵家だった。
新しく生まれ変わったアレク(渉)は、この最悪な現状をどう打破して幸せになっていくのか??
更新予定:なるべく毎日19時にアップします! アップされなければ、多忙とお考え下さい!
婚約者に犯されて身籠り、妹に陥れられて婚約破棄後に国外追放されました。“神人”であるお腹の子が復讐しますが、いいですね?
サイコちゃん
ファンタジー
公爵令嬢アリアは不義の子を身籠った事を切欠に、ヴント国を追放される。しかも、それが冤罪だったと判明した後も、加害者である第一王子イェールと妹ウィリアは不誠実な謝罪を繰り返し、果てはアリアを罵倒する。その行為が、ヴント国を破滅に導くとも知らずに――
※昨年、別アカウントにて削除した『お腹の子「後になってから謝っても遅いよ?」』を手直しして再投稿したものです。
婚約破棄と領地追放?分かりました、わたしがいなくなった後はせいぜい頑張ってくださいな
カド
ファンタジー
生活の基本から領地経営まで、ほぼ全てを魔石の力に頼ってる世界
魔石の浄化には三日三晩の時間が必要で、この領地ではそれを全部貴族令嬢の主人公が一人でこなしていた
「で、そのわたしを婚約破棄で領地追放なんですね?
それじゃ出ていくから、せいぜいこれからは魔石も頑張って作ってくださいね!」
小さい頃から搾取され続けてきた主人公は 追放=自由と気付く
塔から出た途端、暴走する力に悩まされながらも、幼い時にもらった助言を元に中央の大教会へと向かう
一方で愛玩され続けてきた妹は、今まで通り好きなだけ魔石を使用していくが……
◇◇◇
親による虐待、明確なきょうだい間での差別の描写があります
(『嫌なら読むな』ではなく、『辛い気持ちになりそうな方は無理せず、もし読んで下さる場合はお気をつけて……!』の意味です)
◇◇◇
ようやく一区切りへの目処がついてきました
拙いお話ですがお付き合いいただければ幸いです
残滓と呼ばれたウィザード、絶望の底で大覚醒! 僕を虐げてくれたみんなのおかげだよ(ニヤリ)
SHO
ファンタジー
15歳になり、女神からの神託の儀で魔法使い(ウィザード)のジョブを授かった少年ショーンは、幼馴染で剣闘士(ソードファイター)のジョブを授かったデライラと共に、冒険者になるべく街に出た。
しかし、着々と実績を上げていくデライラとは正反対に、ショーンはまともに魔法を発動する事すら出来ない。
相棒のデライラからは愛想を尽かされ、他の冒険者たちからも孤立していくショーンのたった一つの心の拠り所は、森で助けた黒ウサギのノワールだった。
そんなある日、ショーンに悲劇が襲い掛かる。しかしその悲劇が、彼の人生を一変させた。
無双あり、ザマァあり、復讐あり、もふもふありの大冒険、いざ開幕!
婚約破棄の後始末 ~息子よ、貴様何をしてくれってんだ!
タヌキ汁
ファンタジー
国一番の権勢を誇る公爵家の令嬢と政略結婚が決められていた王子。だが政略結婚を嫌がり、自分の好き相手と結婚する為に取り巻き達と共に、公爵令嬢に冤罪をかけ婚約破棄をしてしまう、それが国を揺るがすことになるとも思わずに。
これは馬鹿なことをやらかした息子を持つ父親達の嘆きの物語である。
無能なので辞めさせていただきます!
サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。
マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。
えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって?
残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、
無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって?
はいはいわかりました。
辞めますよ。
退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。
自分無能なんで、なんにもわかりませんから。
カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる