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3章
軽薄な魔族
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ツァイン王国の西側にある、教会付近の通りにエルフの少年と少女、そして白い狼の使い魔が揃って歩いていた。
「お兄様、先ほどの爆発は・・・」
「わからない・・・けど、何かが起きているみたいだ」
「私の魔法で辺りを見てみますか?」
「ああ、それがいいかもしれない」
二人の名前はコハクとリーナ、以前、カモメ達に救われたエルフの少年と少女出会る。
リーナはユニーク魔法である遠見の魔法で遠く離れた場所でも見ることが出来る。
その魔法を使って、爆発のあった場所を探ってみようというのだが・・・。
「あぶない!」
「きゃっ!」
コハクはリーナに飛びつきながら勢いよくその場から押しのける。
そして、先ほどまでリーナがいた場所には黒い針のようなものが三本突き刺さっていた。
「グルルルル」
ホワイトファングのヒスイが自分の主人を襲った相手がいるであろう場所に向かって唸る。
その場所には通りを華やかにするためであろうか木が植えられている。
そして、その後ろに向かってヒスイは唸っているのだ。
「誰だ!」
コハクが弓を構えながらそちらを警戒した。
「あ~あ、外しちゃった上に見つかっちまったよ」
軽薄そうな声がすると、木の後ろから一人の鎧を纏った男が現れた。
「誰だって言われたら帝国の兵士かねぇ?」
「帝国の兵士・・・?それがなぜリーナを狙う!」
「別にそこの嬢ちゃんを狙ってるわけじゃないぜ?」
「どういう意味だ?」
「俺たちが狙ってるのはこの街の人間、全部さ」
楽しそうにそういう男に対して、リーナは恐怖を覚える。
この男はツァインの人間を狙ってきたと言うのだ。
「なぜ、そんなことをする!」
「さあね、王様に言われたからやるだけだしな、まあ、俺は人が殺せればなんでもいいけどね」
そう言うと、男は目の前から姿を消す。
いや、余りのスピードに姿を消したように見えたのだ。
男は一瞬にしてコハクの真横に移動していた。
「はい、一匹目」
「なっ!?」
男は手に持った黒い短剣のような形をした何かをコハク目掛けて振り下ろした。
「兄様!」
「ガウッ!!」
「おっと!」
コハクもリーナも男の動きについていけない中、ホワイトファングであるヒスイだけは男の動きを追えていたのだ。その為、男が悠々としゃべっている間に間合いを詰め、短剣が振り下ろされる前に攻撃を仕掛けた。
結果、男はヒスイの攻撃を避ける為、コハクに短剣を振り下ろす行為を中断するしかなかったのだ。
「そこのワンちゃん、やるねぇ」
最近はコハクたちの依頼に同行しているヒスイはかなり力を付けていて、冒険者の中でもかなり噂になっているのだ。
すごく強い賢いホワイトファングがいると・・・だが。
「きゃいん!」
「お兄さんもちょっと本気だしちゃおっかな」
今度はヒスイにすら捕らえることのできないスピードで間合いを詰めた男はヒスイの近くにくると思いっきりヒスイを蹴り飛ばすのだった。
「ヒスイ!」
「こいつ!」
蹴り飛ばされたヒスイの近くに近寄る、リーナ。
コハクは男に目掛けて弓を撃つのだが、男はそれを避けるでもなくそのまま受ける。
「なっ!?」
「悪いねぇ、そんな攻撃、お兄さんには効かねぇんだわ」
ニヤリと笑う男は右手に出現させた黒い短剣でコハクに斬りつける。
「ぐっ!」
「兄様!!」
右肩を斬り裂かれて、コハクは声を漏らす。
服の右肩が赤く染まった。
「ガウッ!!」
「おっと」
ヒスイは爪で攻撃を仕掛けるが、男には軽く躱されてしまう。
その光景を見て、リーナは疑問に思う。
(兄様の攻撃は躱さず受けたのに先ほどからヒスイの攻撃は躱すのはなぜ?)
そこまで考えて一つの事に思い当たる。
ホワイトファングという魔物は光の属性を持つ、魔物だ。
つまり、ヒスイの攻撃には光の属性が付与されている、あの男は光の属性攻撃に弱い?
(でも、通常の攻撃が全く効かず、光の属性の効く相手なんて・・・)
そんな存在いるのだろうか・・・ゴーストなどの精神体の魔物であれば当てはまるのだが、その場合は実体がない。先ほどの兄様の弓を身体で受けるという事は出来ないはずだ。
そこまで考えて、リーナは一つの存在に思い当たる、少し前に、カモメ達の仲間のディータの魂を奪った存在・・・。
「魔族・・・?」
「へえ、お嬢ちゃん物知りだねぇ」
リーナが口から溢すと、男は大正解と手を叩いて喜んだ。
「魔族だと・・・なんで魔族が帝国の兵なんかに!」
「あっはっは、、まあ、当然の疑問だよねぇ、でも悪いけど、そいつには答えられねぇや」
「なぜ!」
「俺も上には逆らえねぇのさ・・・それに、これから死んじまう嬢ちゃんたちには関係ないだろ?」
ニヤリと笑いながら目に狂気の色が見える。
その眼に、コハクとリーナは心の底から恐怖を覚えた。
魔族相手に駆け出しの冒険者である自分たちが勝てるわけもない。
その上、敵にダメージを与えるすべがヒスイの攻撃しかないとなると・・・自分たちは唯の足手まといでしかなかった。
「おーおー、顔に恐怖が出ちまってるぜ?そう言うのは隠さねぇとお兄さんみたいなやつは喜んじまうぞ?あっはっはっは!」
魔族の男は実に愉快そうに笑う。
あのスピードで動く敵から逃げるのは不可能である。
コハクはなんとかしてリーナだけでも逃がしたいと考えるが・・・。
「リーナ」
「嫌です。」
コハクがリーナの名前を呼ぶと即座に否定の言葉が返ってくる。
「私だけ逃げろというのでしょう?嫌です、兄様を置いて逃げたりしません、それに、あのスピードの敵から逃げられるとは思いません」
「ぐっ・・・」
リーナの言う通りである、今のコハクたちには目の前の敵から逃げるだけの実力もないのだ。
「まさに、絶体絶命だねぇ、お嬢ちゃんたち・・・けど、お兄さんはお仕事が忙しいからあんまりのんびりしてられないんだよねぇ・・・ごめんね」
軽い口調で言う、魔族の男。
だが、それが出来るだけの実力と残忍さを持ち合わせていることをコハクたちは理解していた。
コハクの表情には諦めの色が浮かぶ・・・。
「そーそー、人間あきらめが肝心ってね・・・じゃあ、さようならだ」
男が両手に黒い短剣を出現させると、またも、一瞬にしてコハクたちの近くに移動した。
「悪いんだけど、そうはさせないよ!!」
コハクたちにとっても効きなれた声、そして、諦めていた心に希望の光が刺す。
「闇の刃!!」
「なっ!ぐああああ!!!」
黒い刃が魔族に襲い掛かり、その身を切り刻んでいった。
「ちぃ!!」
両手に出現させていた、短剣でその黒い刃を打ち砕くが、すでにその身にはかなりのダメージを受けているのか、後ろに飛びのき息を荒くする魔族。
「なんなんだ?今の攻撃は・・・魔族のお兄さんにこんなにダメージを与えられる人間がいるのかい?」
「実際、与えられてるんだからいるんじゃないかな?」
「こりゃまた、小さいお嬢さんが登場だ・・・その髪・・・噂に聞く闇の魔女か・・・」
「小さくない!」
カモメが気にしていることを魔族にまで言われ、激怒する。
「カモメさん!」
コハクとリーナ、そしてヒスイもカモメの近くに寄ってきた。
「大丈夫だった?」
「はい、なんとか・・・」
「よかった、それじゃ、下がってて、そこの失礼な魔族をちゃっちゃと倒しちゃうから」
「やっぱり魔族なんですね・・・」
「うん、今このツァインには何人かの魔族が襲って来てるんだよ」
「そんな!」
「でも、大丈夫、クオン達もきっと戦ってくれてるから、何とかなるよ♪」
そう、私の仲間のみんなはこの事態をただ眺めているなんてことはしない。
きっとみんな、各々で対処しているはずだ。
「凄い自信だねぇ・・・魔女のお嬢ちゃん、不意打ちでダメージを与えたくらいで少し、調子に乗り過ぎじゃないかい?」
「そんなことないよ、アンタらみたいな不意打ちなんて汚い真似をしないと国を落とすことのできないやつらなんかに負けるわけないもん」
「おーおー、確かにそりゃ耳が痛いねぇ・・・なら、試してみるかい?」
「当然♪」
バトーネを抜き放ち、私は魔族と対峙した。
「お兄様、先ほどの爆発は・・・」
「わからない・・・けど、何かが起きているみたいだ」
「私の魔法で辺りを見てみますか?」
「ああ、それがいいかもしれない」
二人の名前はコハクとリーナ、以前、カモメ達に救われたエルフの少年と少女出会る。
リーナはユニーク魔法である遠見の魔法で遠く離れた場所でも見ることが出来る。
その魔法を使って、爆発のあった場所を探ってみようというのだが・・・。
「あぶない!」
「きゃっ!」
コハクはリーナに飛びつきながら勢いよくその場から押しのける。
そして、先ほどまでリーナがいた場所には黒い針のようなものが三本突き刺さっていた。
「グルルルル」
ホワイトファングのヒスイが自分の主人を襲った相手がいるであろう場所に向かって唸る。
その場所には通りを華やかにするためであろうか木が植えられている。
そして、その後ろに向かってヒスイは唸っているのだ。
「誰だ!」
コハクが弓を構えながらそちらを警戒した。
「あ~あ、外しちゃった上に見つかっちまったよ」
軽薄そうな声がすると、木の後ろから一人の鎧を纏った男が現れた。
「誰だって言われたら帝国の兵士かねぇ?」
「帝国の兵士・・・?それがなぜリーナを狙う!」
「別にそこの嬢ちゃんを狙ってるわけじゃないぜ?」
「どういう意味だ?」
「俺たちが狙ってるのはこの街の人間、全部さ」
楽しそうにそういう男に対して、リーナは恐怖を覚える。
この男はツァインの人間を狙ってきたと言うのだ。
「なぜ、そんなことをする!」
「さあね、王様に言われたからやるだけだしな、まあ、俺は人が殺せればなんでもいいけどね」
そう言うと、男は目の前から姿を消す。
いや、余りのスピードに姿を消したように見えたのだ。
男は一瞬にしてコハクの真横に移動していた。
「はい、一匹目」
「なっ!?」
男は手に持った黒い短剣のような形をした何かをコハク目掛けて振り下ろした。
「兄様!」
「ガウッ!!」
「おっと!」
コハクもリーナも男の動きについていけない中、ホワイトファングであるヒスイだけは男の動きを追えていたのだ。その為、男が悠々としゃべっている間に間合いを詰め、短剣が振り下ろされる前に攻撃を仕掛けた。
結果、男はヒスイの攻撃を避ける為、コハクに短剣を振り下ろす行為を中断するしかなかったのだ。
「そこのワンちゃん、やるねぇ」
最近はコハクたちの依頼に同行しているヒスイはかなり力を付けていて、冒険者の中でもかなり噂になっているのだ。
すごく強い賢いホワイトファングがいると・・・だが。
「きゃいん!」
「お兄さんもちょっと本気だしちゃおっかな」
今度はヒスイにすら捕らえることのできないスピードで間合いを詰めた男はヒスイの近くにくると思いっきりヒスイを蹴り飛ばすのだった。
「ヒスイ!」
「こいつ!」
蹴り飛ばされたヒスイの近くに近寄る、リーナ。
コハクは男に目掛けて弓を撃つのだが、男はそれを避けるでもなくそのまま受ける。
「なっ!?」
「悪いねぇ、そんな攻撃、お兄さんには効かねぇんだわ」
ニヤリと笑う男は右手に出現させた黒い短剣でコハクに斬りつける。
「ぐっ!」
「兄様!!」
右肩を斬り裂かれて、コハクは声を漏らす。
服の右肩が赤く染まった。
「ガウッ!!」
「おっと」
ヒスイは爪で攻撃を仕掛けるが、男には軽く躱されてしまう。
その光景を見て、リーナは疑問に思う。
(兄様の攻撃は躱さず受けたのに先ほどからヒスイの攻撃は躱すのはなぜ?)
そこまで考えて一つの事に思い当たる。
ホワイトファングという魔物は光の属性を持つ、魔物だ。
つまり、ヒスイの攻撃には光の属性が付与されている、あの男は光の属性攻撃に弱い?
(でも、通常の攻撃が全く効かず、光の属性の効く相手なんて・・・)
そんな存在いるのだろうか・・・ゴーストなどの精神体の魔物であれば当てはまるのだが、その場合は実体がない。先ほどの兄様の弓を身体で受けるという事は出来ないはずだ。
そこまで考えて、リーナは一つの存在に思い当たる、少し前に、カモメ達の仲間のディータの魂を奪った存在・・・。
「魔族・・・?」
「へえ、お嬢ちゃん物知りだねぇ」
リーナが口から溢すと、男は大正解と手を叩いて喜んだ。
「魔族だと・・・なんで魔族が帝国の兵なんかに!」
「あっはっは、、まあ、当然の疑問だよねぇ、でも悪いけど、そいつには答えられねぇや」
「なぜ!」
「俺も上には逆らえねぇのさ・・・それに、これから死んじまう嬢ちゃんたちには関係ないだろ?」
ニヤリと笑いながら目に狂気の色が見える。
その眼に、コハクとリーナは心の底から恐怖を覚えた。
魔族相手に駆け出しの冒険者である自分たちが勝てるわけもない。
その上、敵にダメージを与えるすべがヒスイの攻撃しかないとなると・・・自分たちは唯の足手まといでしかなかった。
「おーおー、顔に恐怖が出ちまってるぜ?そう言うのは隠さねぇとお兄さんみたいなやつは喜んじまうぞ?あっはっはっは!」
魔族の男は実に愉快そうに笑う。
あのスピードで動く敵から逃げるのは不可能である。
コハクはなんとかしてリーナだけでも逃がしたいと考えるが・・・。
「リーナ」
「嫌です。」
コハクがリーナの名前を呼ぶと即座に否定の言葉が返ってくる。
「私だけ逃げろというのでしょう?嫌です、兄様を置いて逃げたりしません、それに、あのスピードの敵から逃げられるとは思いません」
「ぐっ・・・」
リーナの言う通りである、今のコハクたちには目の前の敵から逃げるだけの実力もないのだ。
「まさに、絶体絶命だねぇ、お嬢ちゃんたち・・・けど、お兄さんはお仕事が忙しいからあんまりのんびりしてられないんだよねぇ・・・ごめんね」
軽い口調で言う、魔族の男。
だが、それが出来るだけの実力と残忍さを持ち合わせていることをコハクたちは理解していた。
コハクの表情には諦めの色が浮かぶ・・・。
「そーそー、人間あきらめが肝心ってね・・・じゃあ、さようならだ」
男が両手に黒い短剣を出現させると、またも、一瞬にしてコハクたちの近くに移動した。
「悪いんだけど、そうはさせないよ!!」
コハクたちにとっても効きなれた声、そして、諦めていた心に希望の光が刺す。
「闇の刃!!」
「なっ!ぐああああ!!!」
黒い刃が魔族に襲い掛かり、その身を切り刻んでいった。
「ちぃ!!」
両手に出現させていた、短剣でその黒い刃を打ち砕くが、すでにその身にはかなりのダメージを受けているのか、後ろに飛びのき息を荒くする魔族。
「なんなんだ?今の攻撃は・・・魔族のお兄さんにこんなにダメージを与えられる人間がいるのかい?」
「実際、与えられてるんだからいるんじゃないかな?」
「こりゃまた、小さいお嬢さんが登場だ・・・その髪・・・噂に聞く闇の魔女か・・・」
「小さくない!」
カモメが気にしていることを魔族にまで言われ、激怒する。
「カモメさん!」
コハクとリーナ、そしてヒスイもカモメの近くに寄ってきた。
「大丈夫だった?」
「はい、なんとか・・・」
「よかった、それじゃ、下がってて、そこの失礼な魔族をちゃっちゃと倒しちゃうから」
「やっぱり魔族なんですね・・・」
「うん、今このツァインには何人かの魔族が襲って来てるんだよ」
「そんな!」
「でも、大丈夫、クオン達もきっと戦ってくれてるから、何とかなるよ♪」
そう、私の仲間のみんなはこの事態をただ眺めているなんてことはしない。
きっとみんな、各々で対処しているはずだ。
「凄い自信だねぇ・・・魔女のお嬢ちゃん、不意打ちでダメージを与えたくらいで少し、調子に乗り過ぎじゃないかい?」
「そんなことないよ、アンタらみたいな不意打ちなんて汚い真似をしないと国を落とすことのできないやつらなんかに負けるわけないもん」
「おーおー、確かにそりゃ耳が痛いねぇ・・・なら、試してみるかい?」
「当然♪」
バトーネを抜き放ち、私は魔族と対峙した。
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