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3章
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「きゃはは!そろそろ限界かなー?」
魔族の言う通り、私は魔族が鞭のように振るう触手の攻撃を幾度も受けボロボロになっていた。
確かにこのままだと、やられてしまう。
だけど、クオン達が異空間に捕らわれている以上、あの魔族を倒してしまうわけにはいかない。
一体、どうしたらいいの・・・?
いつもこういう時にアドバイスをくれるディータが今は居ない。
ディータ・・・。
「本当に終わりかなー」
そう言うと、魔族は再び大きく触手を振り上げ、私に向かって振り下ろそうとしてきた。
「どりゃあああ!」
「ふべっ!」
魔族が振り下ろそうとした瞬間、姿が消えていたソウルイーターが魔族の本体である帽子に飛び掛かる。
「私のカモメ何してるのよ!」
ソウルイーターは帽子にかかと落としを決めると、クルクルと回転しながら見事に床に着地した。
一体、どうなってるの・・・あれ?今の声・・・。
「カモメさん、大丈夫ですの!?」
「カモメ、無事かい!?」
いつの間にか出現したエリンシアとクオンが私の元に来てくれる。
「クオン、エリンシア・・・どうやってここに!?」
そう、彼らは異空間に閉じ込められていたはずだ。
「ディータさんに助けられましたの」
エリンシアはそう言いながら私に治療魔法を掛けてくれた。
ディータに助けられた?
ということは・・・。
「あれが・・・ディータなの?」
「うん、君の中にいた口の悪い女神だよ」
クオンが肯定してくれる。
ディータは床に着地をすると、小さな腕を組み、魔族を睨みつけていた。
「どういうことー?ソウルイーターちゃん?」
「はん!あの低級悪魔なら私が消滅させたわよ!」
「じゃあ、あなたはだれー?」
「教える必要がないわね、どうせあなたはすぐ消滅するのだから」
「きゃはは!私に勝てるつもりなのー?」
「当然ね・・・さあ、行きなさい根暗坊主!」
「大口叩いて自分で行かないの!?」
「あなた達を助けるのに空間魔法を使ったから私の魔力はまたスッカラカンなのよ!」
「まったく・・・」
やれやれとクオンは剣を抜き、魔族へと相対した。
エリンシアの治療魔法のお陰で大分、痛みが引いた私はソウルイーターの姿になったディータの方を見る。
「本当にディータなの?」
「ええ、心配かけてごめんなさい。だから、バトーネで叩かないでね?」
「あう・・・ごめん」
やっぱり、バトーネで叩き落とした時もディータだったのか・・・あの時からソウルイーターの様子はおかしかったもんね・・・あう。
「気にしないで、こんな姿なのだから仕方ないわ」
そう言ってディータは小さな体でぱちりとウインクする・・・かわいい。
そう言うディータにエリンシアは『なんでクオンさんにだけ優しくなんですの?』と言っていたがディータに『自然の摂理よ』と言われていた。
どういうこと?
「カモメさん、大丈夫ですの?」
「うん、エリンシアのお陰で問題ないよ」
「よかったですわ」
「なら、全員揃ったところであの魔族を滅ぼすわよ!」
「うん!」
「ですわね!」
立ち上がり、私たちは武器を構えると魔族の方に視線をやる。
視線の先ではクオンがすでに戦いを始めていた。
魔族の触手を躱しながら徐々に間合いを詰めていくクオン。
十分に間合いを詰め、懐に入ったクオンは剣を振り上げ、少女の体を斬り裂いた。
少女の体の方は本体ではないが、触手を操り厄介な存在である為、先に無力化しようということだろう。
「はああああああ!」
クオンは魔剣に光の魔法を込め、振り上げた剣を切り返し、そのまま少女の体に付きさした。
「エリンシア!」
「お任せくださいですわ!」
クオンの掛け声にエリンシアは魔弾を放つ。
「聖滅弾」
光の魔法の力を帯びた魔弾が魔族の本体である帽子を捕らえる。
だが、魔族はそれに気づき少女の体から離れることによって魔弾を回避した。
帽子の魔族が少女の体から離れると体は力なく床に倒れる。
それなら、私は・・・!
「闇の刃」
「ぎゃあああああ!」
私の闇の刃が帽子の魔族を斬り裂く。
魔族は力なく重力に任せ、床に落ちると動かなくなった。
「やった!」
「魔族という割には弱かったですわね」
「まあ、魔族にも強いのと弱いのがいるのかな」
私とエリンシアがハイタッチをしているとクオンが近づいてくる。
「とりあえず、これで一件落着かな・・・あれ?」
私がディータのいた方向を見ると、そこにはディータの姿はなかった。
何処に行ったんだろう?
「油断大敵だよー!!!」
私達がキョロキョロと周りを探していると倒したはずの帽子の魔族がボロボロに斬り裂かれた状態で起き上がり叫んだ。
しまった、あの状態でもまだ生きているのか!?
闇の刃は確実にあの帽子を斬り裂いたのにどうして!?
完全に油断していた私たちは魔族の攻撃を予想し、身構える・・・が、一向に攻撃はやってこなかった。
「どういうこと・・・なんでうごかないのー?」
帽子の魔族は体の方を見てそう言う。
恐らく、あちらで力なく倒れている体を使って何かやろうとしたのだろう・・・遠隔操作もできるのか。
私達はあの体が動いているのは魔族と一緒の時だけだと思い込んでいた。
いや、先ほど帽子が離れた瞬間、まるで糸の切れた人形のように倒れたからそう思ったのだ。
だが、あれは私たちにそう思わせる為の罠で、実は遠隔操作もすることができたようだ。
何の反応もない体の方を見ていると体がモソモソと動く。
反応が鈍かっただけだったのか!
私達はそう思い、身構えるが魔族の体が動いたわけではなくその体の下から黒いプリティーな物体が出てきた。
「ディータ?」
そう、姿の見当たらなかったディータである。
魔族の体の下で何をやっていたんだろう。
「ふふん、思った通りだったわ」
「なにがですの?」
「この魔族の体も魔法生物だったのよ」
魔族の体が魔法生物・・・そうか、本体が帽子の方である以上、あの体は別物。
そういえば、街で戦った時もスペアがあるみたいなことを言っていたしあれは作り物なのだろう。
でも、それが一体どうしたというのだろう?
「魔法生物・・・そうか、あのマンティコアと一緒ということは」
「魔力を奪ったわ・・・ご馳走様」
つまり、魔力を奪われた為、あの体は反応せず、魔族は攻撃を出来なかったわけだ。
「そ、そんな・・・」
魔族が狼狽える、それはそうだろう。
つまり、ディータは魔法生物に近づければそれを無力化できるということだ。
「よっと」
魔力を吸ったためかディータは風の魔法を使って宙に浮く。
そして、帽子の魔族の所へと移動した。
「ひっ」
「さて、よくもカモメを痛めつけてくれたわね・・・」
ディータがニタリと口端を吊り上げる。
「ご、ごごごごめんなさい!もう、魔女のおねーちゃんに手を出したりしないから・・・許してください」
わあ・・・魔族って命乞いするんだ。
魔族って絶対的恐怖ってイメージだったんだけど、今の状況を見ているとどちらかというとディータの方が怖い。
可愛い見た目なのに今はつぶらだった瞳がまるでチンピラのように吊り上がっている。
「ゆ」
「ゆ、ゆるしてくれるのー!?」
「る」
「ありがとうなのー」
「さ」
「約束は守るのー」
「な」
「・・・・え?」
「い」
「ぎゃああああああああああああああああああああああああああ!!!」
恐らく、光の魔法・・・かな?
ディータの小さな拳が光るとその拳を帽子の魔族の上から殴りつけ、魔族ごと地面にクレーターを作った。
「いやー、やっぱり光の魔法はこれが一番好きね・・・スッキリするわ、レナに教えてもらって正解だったわね」
拳を強化する魔法らしくその上、魔族にもダメージを与えられる光の魔法だっためディータは闇の魔法以外だとこれがお気に入りだったらしい。
それにしてもえげつないよ・・・帽子の魔族、跡形もなくなってる・・・。
魔族が完全に滅びた証なのだろうか粉々になっていた帽子の魔族は塵となって消えた。
「ふべんっ!」
何か軽いものの落ちる音と共にディータが変な声を上げる。
「どうしたのディータ?」
「闇の魔法程じゃないとはいえ、それなりの魔法だったからかしらね・・・一発でまた魔力がスッカラカンだわ」
魔力切れで宙を浮く魔法が使えなくなって落ちたらしい。
ビックリさせないでよ・・・。
「ドジな女神らしいオチだね」
「なんですって・・・カモメがやられたと思って泣いてた根暗坊主に言われたくないわね」
「な、泣いてなんかいないだろう!」
「あら、私には泣いているように見えたわよ・・・ねえ、エリンシア」
「そこでワタクシに振るんですの・・・まあ、平常心ではありませんでしたわね」
「そなの?」
私がクオンの顔を覗くとクオンは顔を真っ赤にした・・・あはは、面白い。
「それよりディータさん、その体からカモメさんの中に戻りますの?」
「そうしたいのだけど、どうやら魂が定着しちゃったのかわからないけど、出れないのよ・・・。」
「ええ!?」
「しばらくはこのままね、まあ、魔力の方もうまくいけば増やせそうだし、戦力になれるかもしれないわ」
「マスコット女神爆誕だね」
「あんですって!?この根暗坊主、闇の魔法をくらわs」
バキィ!!!
ディータがクオンに突っかかろうとすると、ものすごい嫌な音がした。
あー、そう言えばここ、二階だったね・・・。
そして、さっき思いっきり床をディータが殴りつけてクレーターみたいにへこんでる・・・。
つまり・・・・・・。
「「「「床が抜けたあああああ!!!!」」」」
床だけでなく館ごと崩壊し、私たちは瓦礫の下敷きになるのだった。
ディータのばかああああああああ!!
何とか這い出した私たちは、なんかとんでもなく疲れた気がしてトボトボとツァインへ帰還するのだった。
魔族の言う通り、私は魔族が鞭のように振るう触手の攻撃を幾度も受けボロボロになっていた。
確かにこのままだと、やられてしまう。
だけど、クオン達が異空間に捕らわれている以上、あの魔族を倒してしまうわけにはいかない。
一体、どうしたらいいの・・・?
いつもこういう時にアドバイスをくれるディータが今は居ない。
ディータ・・・。
「本当に終わりかなー」
そう言うと、魔族は再び大きく触手を振り上げ、私に向かって振り下ろそうとしてきた。
「どりゃあああ!」
「ふべっ!」
魔族が振り下ろそうとした瞬間、姿が消えていたソウルイーターが魔族の本体である帽子に飛び掛かる。
「私のカモメ何してるのよ!」
ソウルイーターは帽子にかかと落としを決めると、クルクルと回転しながら見事に床に着地した。
一体、どうなってるの・・・あれ?今の声・・・。
「カモメさん、大丈夫ですの!?」
「カモメ、無事かい!?」
いつの間にか出現したエリンシアとクオンが私の元に来てくれる。
「クオン、エリンシア・・・どうやってここに!?」
そう、彼らは異空間に閉じ込められていたはずだ。
「ディータさんに助けられましたの」
エリンシアはそう言いながら私に治療魔法を掛けてくれた。
ディータに助けられた?
ということは・・・。
「あれが・・・ディータなの?」
「うん、君の中にいた口の悪い女神だよ」
クオンが肯定してくれる。
ディータは床に着地をすると、小さな腕を組み、魔族を睨みつけていた。
「どういうことー?ソウルイーターちゃん?」
「はん!あの低級悪魔なら私が消滅させたわよ!」
「じゃあ、あなたはだれー?」
「教える必要がないわね、どうせあなたはすぐ消滅するのだから」
「きゃはは!私に勝てるつもりなのー?」
「当然ね・・・さあ、行きなさい根暗坊主!」
「大口叩いて自分で行かないの!?」
「あなた達を助けるのに空間魔法を使ったから私の魔力はまたスッカラカンなのよ!」
「まったく・・・」
やれやれとクオンは剣を抜き、魔族へと相対した。
エリンシアの治療魔法のお陰で大分、痛みが引いた私はソウルイーターの姿になったディータの方を見る。
「本当にディータなの?」
「ええ、心配かけてごめんなさい。だから、バトーネで叩かないでね?」
「あう・・・ごめん」
やっぱり、バトーネで叩き落とした時もディータだったのか・・・あの時からソウルイーターの様子はおかしかったもんね・・・あう。
「気にしないで、こんな姿なのだから仕方ないわ」
そう言ってディータは小さな体でぱちりとウインクする・・・かわいい。
そう言うディータにエリンシアは『なんでクオンさんにだけ優しくなんですの?』と言っていたがディータに『自然の摂理よ』と言われていた。
どういうこと?
「カモメさん、大丈夫ですの?」
「うん、エリンシアのお陰で問題ないよ」
「よかったですわ」
「なら、全員揃ったところであの魔族を滅ぼすわよ!」
「うん!」
「ですわね!」
立ち上がり、私たちは武器を構えると魔族の方に視線をやる。
視線の先ではクオンがすでに戦いを始めていた。
魔族の触手を躱しながら徐々に間合いを詰めていくクオン。
十分に間合いを詰め、懐に入ったクオンは剣を振り上げ、少女の体を斬り裂いた。
少女の体の方は本体ではないが、触手を操り厄介な存在である為、先に無力化しようということだろう。
「はああああああ!」
クオンは魔剣に光の魔法を込め、振り上げた剣を切り返し、そのまま少女の体に付きさした。
「エリンシア!」
「お任せくださいですわ!」
クオンの掛け声にエリンシアは魔弾を放つ。
「聖滅弾」
光の魔法の力を帯びた魔弾が魔族の本体である帽子を捕らえる。
だが、魔族はそれに気づき少女の体から離れることによって魔弾を回避した。
帽子の魔族が少女の体から離れると体は力なく床に倒れる。
それなら、私は・・・!
「闇の刃」
「ぎゃあああああ!」
私の闇の刃が帽子の魔族を斬り裂く。
魔族は力なく重力に任せ、床に落ちると動かなくなった。
「やった!」
「魔族という割には弱かったですわね」
「まあ、魔族にも強いのと弱いのがいるのかな」
私とエリンシアがハイタッチをしているとクオンが近づいてくる。
「とりあえず、これで一件落着かな・・・あれ?」
私がディータのいた方向を見ると、そこにはディータの姿はなかった。
何処に行ったんだろう?
「油断大敵だよー!!!」
私達がキョロキョロと周りを探していると倒したはずの帽子の魔族がボロボロに斬り裂かれた状態で起き上がり叫んだ。
しまった、あの状態でもまだ生きているのか!?
闇の刃は確実にあの帽子を斬り裂いたのにどうして!?
完全に油断していた私たちは魔族の攻撃を予想し、身構える・・・が、一向に攻撃はやってこなかった。
「どういうこと・・・なんでうごかないのー?」
帽子の魔族は体の方を見てそう言う。
恐らく、あちらで力なく倒れている体を使って何かやろうとしたのだろう・・・遠隔操作もできるのか。
私達はあの体が動いているのは魔族と一緒の時だけだと思い込んでいた。
いや、先ほど帽子が離れた瞬間、まるで糸の切れた人形のように倒れたからそう思ったのだ。
だが、あれは私たちにそう思わせる為の罠で、実は遠隔操作もすることができたようだ。
何の反応もない体の方を見ていると体がモソモソと動く。
反応が鈍かっただけだったのか!
私達はそう思い、身構えるが魔族の体が動いたわけではなくその体の下から黒いプリティーな物体が出てきた。
「ディータ?」
そう、姿の見当たらなかったディータである。
魔族の体の下で何をやっていたんだろう。
「ふふん、思った通りだったわ」
「なにがですの?」
「この魔族の体も魔法生物だったのよ」
魔族の体が魔法生物・・・そうか、本体が帽子の方である以上、あの体は別物。
そういえば、街で戦った時もスペアがあるみたいなことを言っていたしあれは作り物なのだろう。
でも、それが一体どうしたというのだろう?
「魔法生物・・・そうか、あのマンティコアと一緒ということは」
「魔力を奪ったわ・・・ご馳走様」
つまり、魔力を奪われた為、あの体は反応せず、魔族は攻撃を出来なかったわけだ。
「そ、そんな・・・」
魔族が狼狽える、それはそうだろう。
つまり、ディータは魔法生物に近づければそれを無力化できるということだ。
「よっと」
魔力を吸ったためかディータは風の魔法を使って宙に浮く。
そして、帽子の魔族の所へと移動した。
「ひっ」
「さて、よくもカモメを痛めつけてくれたわね・・・」
ディータがニタリと口端を吊り上げる。
「ご、ごごごごめんなさい!もう、魔女のおねーちゃんに手を出したりしないから・・・許してください」
わあ・・・魔族って命乞いするんだ。
魔族って絶対的恐怖ってイメージだったんだけど、今の状況を見ているとどちらかというとディータの方が怖い。
可愛い見た目なのに今はつぶらだった瞳がまるでチンピラのように吊り上がっている。
「ゆ」
「ゆ、ゆるしてくれるのー!?」
「る」
「ありがとうなのー」
「さ」
「約束は守るのー」
「な」
「・・・・え?」
「い」
「ぎゃああああああああああああああああああああああああああ!!!」
恐らく、光の魔法・・・かな?
ディータの小さな拳が光るとその拳を帽子の魔族の上から殴りつけ、魔族ごと地面にクレーターを作った。
「いやー、やっぱり光の魔法はこれが一番好きね・・・スッキリするわ、レナに教えてもらって正解だったわね」
拳を強化する魔法らしくその上、魔族にもダメージを与えられる光の魔法だっためディータは闇の魔法以外だとこれがお気に入りだったらしい。
それにしてもえげつないよ・・・帽子の魔族、跡形もなくなってる・・・。
魔族が完全に滅びた証なのだろうか粉々になっていた帽子の魔族は塵となって消えた。
「ふべんっ!」
何か軽いものの落ちる音と共にディータが変な声を上げる。
「どうしたのディータ?」
「闇の魔法程じゃないとはいえ、それなりの魔法だったからかしらね・・・一発でまた魔力がスッカラカンだわ」
魔力切れで宙を浮く魔法が使えなくなって落ちたらしい。
ビックリさせないでよ・・・。
「ドジな女神らしいオチだね」
「なんですって・・・カモメがやられたと思って泣いてた根暗坊主に言われたくないわね」
「な、泣いてなんかいないだろう!」
「あら、私には泣いているように見えたわよ・・・ねえ、エリンシア」
「そこでワタクシに振るんですの・・・まあ、平常心ではありませんでしたわね」
「そなの?」
私がクオンの顔を覗くとクオンは顔を真っ赤にした・・・あはは、面白い。
「それよりディータさん、その体からカモメさんの中に戻りますの?」
「そうしたいのだけど、どうやら魂が定着しちゃったのかわからないけど、出れないのよ・・・。」
「ええ!?」
「しばらくはこのままね、まあ、魔力の方もうまくいけば増やせそうだし、戦力になれるかもしれないわ」
「マスコット女神爆誕だね」
「あんですって!?この根暗坊主、闇の魔法をくらわs」
バキィ!!!
ディータがクオンに突っかかろうとすると、ものすごい嫌な音がした。
あー、そう言えばここ、二階だったね・・・。
そして、さっき思いっきり床をディータが殴りつけてクレーターみたいにへこんでる・・・。
つまり・・・・・・。
「「「「床が抜けたあああああ!!!!」」」」
床だけでなく館ごと崩壊し、私たちは瓦礫の下敷きになるのだった。
ディータのばかああああああああ!!
何とか這い出した私たちは、なんかとんでもなく疲れた気がしてトボトボとツァインへ帰還するのだった。
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