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2章
闇の魔女の逃亡生活
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天には月が昇り、淡い光が暗い夜道を照らしている。
街道から外れた道とは呼べないほどデコボコしている地面を転ばないように気を付けながら私とクオンは走って移動していた。
私たちは別に障害物競走をしている訳ではない、追手から逃げているのだ。
追手というのは暗殺者だの闇の組織の人間だのという特別な人間ではない。
いや、ある意味特別ではあるのかもしれないが、その人たちは自分たちの生活の為、危ない仕事でも引き受けるいわゆる何でも屋である。
彼らは、ダンジョンを攻略したり、討伐依頼の魔物を倒したりと危険な仕事をすることもあれば。
街の掃除や猫などの迷子のペットを探したりする依頼を受けたりもする・・・そんな彼らはこう呼ばれている『冒険者』と。
私が一番あこがれる職業であり、私の将来の夢でもある。
いつかは私も冒険者としてダンジョンにもぐったりするワクワクドキドキする冒険をしたいものだ。
さて、ではなぜ、私はそのあこがれの職業である冒険者の人たちに追われているのか・・・それは簡単な事だ、私が賞金のかかったお尋ね者だからである。
私の名前は、カモメ=トゥエリア。
今は訳あって『闇の魔女』等と呼ばれている。
私が賞金を懸けられた理由は、王殺しと英雄殺しである・・・もちろん、両方とも冤罪である。
こんなかわいい女の子がそんな恐ろしいこと出来るわけがない。
私のかわいい顔を見たら絶対、そんな悪者だなんて思わないはずだ。
え・・・?じゃあ、なんで追われているのかって?きっと追ってきている冒険者は目が悪いんだよ!
それに、英雄と呼ばれていた人は私のお父さんである。
昔、お父さんが所属していたパーティが邪竜を倒し、国を救ったことで救国の英雄と呼ばれるようになった。
まあ、お父さんだけじゃなくそのパーティに所属していた5人の人間が全員そう呼ばれているのだけど。
さて、そんなことを考えている場合ではない・・・後ろを追ってきている冒険者は4人。
かなりの手練れであるようで私とクオンが全力で走っているというのに引き離すことが出来ないでいる。
いっそ空を飛んで逃げようかとも思ったけど周りに何もないこの場所で空を飛んだりすればいい的である。
なので、とにかく遮蔽物のある場所までは走って逃げるしかない。
『カモメ、前からも来たわよ』
私の中に響くこの声の主の名はディータと言う。
ディータは闇の女神と呼ばれる存在で、光の女神の姉になるらしい。
1000年前、異世界の魔王との戦いで体を失ってしまった彼女は再び戻ってくるであろう魔王に対抗する為、自分の闇の魔法を操れる人間が現れるのを異次元の世界で待っていた。
そして、その人間というのが私だったのである。
4年前、私が闇の魔女と呼ばれることになった事件の時、私に力を与えてくれた。
そして、この4年間、私は闇の魔法を必死に練習してきたのだ。
そう・・・お父さんが死んだ後の時から、もう4年も経っているのだ・・・。
「かなりの手練れだね・・・少々荒っぽくいくしかないかな?」
星空のように深い青の髪を風に靡かせながら言うこの青年はクオン=ドースティンだ。
彼は私の相棒で、4年前から行動を共にしている。
4年前よりかなり背が伸びて、私より頭一つ半くらい背が高い。
私も結構伸びたと思うのになぁ・・・そう思う私の身長は女性の平均値である。
なぜかこれを言うとクオンは暖かい目で私の事を見るが平均値と言ったら平均値なのだ!
決した小さいなんてことはない!ないったらない!
彼の得意武器は剣でその腕前はすごいの一言だ。
4年前の子供の時ですら大人顔負けの剣技だったクオンだが、この4年で彼の剣技はさらに磨きをかけている。
そこらの冒険者では彼の足もとにも及ばないだろう。
「じゃあ、魔法で吹っ飛ばしちゃおう」
私は自分の周りに黒い魔力を漂わせる。
魔力と言うのは普通、薄い青色をしているのだが、私は闇の魔法を使えるようになった時に黒い魔力に変わってしまった。
別段普通の魔力と違いはない。ただ色が黒くなっただけである。
私は手の中で炎の魔法の中で一番威力の弱い魔法を作り出す。
それを、目の前に現れた冒険者に放った。
「爆発炎弾!」
炎の玉が目の前の冒険者の胸のあたりまで飛んでいき炸裂した。
「ぐほぉ!!」
奇怪な声を上げ、冒険者が爆発で黒焦げになる。
勿論、加減はしているので殺してはいない。
彼らは普通の冒険者であって悪い人間と言うわけでもないので殺してしまうと後味が悪い。
「さすが魔女・・・恐ろしい魔力だ」
後ろを走っている冒険者の一人がそう言った。
いやいや、かなり手加減しているからね!
『カモメ、左前方に林が見えて来たわ。そこで巻きなさい』
「オッケー、クオン、あそこの林に逃げるよ!」
「了解!」
私とクオンは走るスピードをさらに上げ林の中に突っ込んだ。
木の量が多く、これならば冒険者達をうまく巻けると判断したのだ。
「ちょっとぉ!これじゃあ逃げられちゃうわよぉ!」
「うるせえ!どうしようもねえだろうが!」
「ちくしょう!奴ら何処に行きやがったぁ!」
私とクオンは後ろの冒険者たちが見えなくなったのを確認すると背の高い木の上へと逃れた。
さすがにこの暗い林の中では木の上にいる私たちに気づきはしないようだ。
しばらく木の上で息を潜め、冒険者たちの気配が完全に遠くに行ったことを確認すると私は大きなため息を一つついた。
今みたいに冒険者や国の兵士などに追われるのはこの四年では珍しいことではない・・・いやむしろ日常茶飯事だ。
最初私たちは、グランルーン王国から出れば追手の類は無くなるだろうと予想していた。
だが、王殺しであり英雄殺しの魔女の噂は瞬く間に他の国にも広がったのだ。
私たちはグランルーンの隣国であるボードという国にいたのだが、自分たちの国にいないと判断したグランルーンはボードにまでやってきて私たちを探し始めた。
ボードの国の人間も他国の人間が自分の国に入ってくるのを嫌い、私たちを探す協力をし始めたのだ。
それから私たちの逃亡生活は始まった。
冒険者やボードの兵士、それにグランルーンの兵士から逃げる為、さらに隣の国へと逃げる。
だが、その国でも私たちの手配書が回っているらしく、国総出で私たちを探していた。その国は昔お父さんたちが救ったことのある国だったらしくお父さんを殺したと言われている私を血眼になって探していた。
・・・・・・・・・・・・・あそこは本当に怖かった・・・見つかったら絶対に殺されてたと思う・・・怖かった・・・。
とはいえ、お父さんの為にあそこまで必死になってくれている国の人たちを傷つけることなど出来るわけもなく、その国からは一目散で逃げ出した。
次に着いたのはベラリッサ法国であるここは、光の女神を崇める宗教国だ。
宗教国と言うとお堅い感じがするけど、ここの国の法王メリアンナ様は女神の化身と言われるほどやさしい人と言う噂だった。
もしかしたら、私たちの事を理解してくれて匿ってくれるんじゃないかと思ったのだが・・・その考えは甘かった。
国の玄関に着いた瞬間私たちは捕まった。
弁解の余地もなく一瞬で捕まって牢屋に放り込まれたのだ。
話も聞いてもらえず、しかもここまで色々な人間に追いかけられて心身ともに追い込まれていた私のストレスは爆発する。
牢屋のある城ごと魔法で吹っ飛ばして逃げ出したのだ・・・そして、私の罪状は増えるのであった・・・しかも今回は冤罪ではない・・・あうち。
怒りが爆発して後先考えず、魔法をぶっ放してしまったのである・・・それも合成魔法をだ・・・。
お陰でものの見事に城は吹っ飛んだ。
まあ、法王様のいる城ではなく、ベラリッサの国境沿いにある小さな城ではあるのだが、ベラリッサの人間を怒らせるには十分だった・・・私はなりふり構わず逃げ出した。
ここまでくると、もう人のいないところに住むしかない。
魔の森と呼ばれる森に入り、私とクオンは小さな家を作ってそこで暮らしていた。
ご飯は、猪や熊、後は魚と果物を取っていたので困らなかった。
洗濯なんかも近くの川で出来たので問題はなかった。
ちょっと強い魔物が出てくるくらいで快適に暮らせる場所であった、強い魔物も魔法の練習や鍛錬の相手にはちょうど良かったのだ。その為、私はあの場所が気に入っていた。
冒険もできないような場所ではあるが平穏そのものだったのだ、このままクオンとここでのんびり暮らすのも悪くないなぁなんて思っていたのだが料理の時に出る煙や、夜の灯りで魔の森に入ってきた冒険者たちに見つかってしまったのだ。
そして見つかったが最後、次の日には兵士と冒険者の団体さんに家は壊され、私たちは泣く泣く逃げ出した。
そんなこんなで逃亡生活を続けること4年・・・とうとう私たちは大陸の最果てへとやってきた。
ここは最果ての国と呼ばれる場所で、大陸の端っこに位置する国だ。
グランルーンとは一番遠い国でもある。
グランルーンも地図で言えば端っこではあるのだが、なんといっても領土が大きいのだ。
それに比べるとこの国は領土の小さい国になっている。グランルーンと比べると10分の1くらいだろうか。
この国の名は最果ての国ツァイン。ここでも追いかけられると・・・もう海の向こうに逃げるしかなくなるのだ・・・。
うう・・・きっとここでも追いかけられるんだろうなぁ・・・。
私は重い足取りでツァインへと入国した。
もちろん、関所などは通っていない・・・不法入国だ・・・そうするしかないんだもん。
こうして、私はここツァインへとやってきた。
ここで、様々な出来事が待っているとは知らずに・・・。
私は、王様殺しに英雄殺し、そして城破壊の冤罪を晴らすことができるだろうか!
街道から外れた道とは呼べないほどデコボコしている地面を転ばないように気を付けながら私とクオンは走って移動していた。
私たちは別に障害物競走をしている訳ではない、追手から逃げているのだ。
追手というのは暗殺者だの闇の組織の人間だのという特別な人間ではない。
いや、ある意味特別ではあるのかもしれないが、その人たちは自分たちの生活の為、危ない仕事でも引き受けるいわゆる何でも屋である。
彼らは、ダンジョンを攻略したり、討伐依頼の魔物を倒したりと危険な仕事をすることもあれば。
街の掃除や猫などの迷子のペットを探したりする依頼を受けたりもする・・・そんな彼らはこう呼ばれている『冒険者』と。
私が一番あこがれる職業であり、私の将来の夢でもある。
いつかは私も冒険者としてダンジョンにもぐったりするワクワクドキドキする冒険をしたいものだ。
さて、ではなぜ、私はそのあこがれの職業である冒険者の人たちに追われているのか・・・それは簡単な事だ、私が賞金のかかったお尋ね者だからである。
私の名前は、カモメ=トゥエリア。
今は訳あって『闇の魔女』等と呼ばれている。
私が賞金を懸けられた理由は、王殺しと英雄殺しである・・・もちろん、両方とも冤罪である。
こんなかわいい女の子がそんな恐ろしいこと出来るわけがない。
私のかわいい顔を見たら絶対、そんな悪者だなんて思わないはずだ。
え・・・?じゃあ、なんで追われているのかって?きっと追ってきている冒険者は目が悪いんだよ!
それに、英雄と呼ばれていた人は私のお父さんである。
昔、お父さんが所属していたパーティが邪竜を倒し、国を救ったことで救国の英雄と呼ばれるようになった。
まあ、お父さんだけじゃなくそのパーティに所属していた5人の人間が全員そう呼ばれているのだけど。
さて、そんなことを考えている場合ではない・・・後ろを追ってきている冒険者は4人。
かなりの手練れであるようで私とクオンが全力で走っているというのに引き離すことが出来ないでいる。
いっそ空を飛んで逃げようかとも思ったけど周りに何もないこの場所で空を飛んだりすればいい的である。
なので、とにかく遮蔽物のある場所までは走って逃げるしかない。
『カモメ、前からも来たわよ』
私の中に響くこの声の主の名はディータと言う。
ディータは闇の女神と呼ばれる存在で、光の女神の姉になるらしい。
1000年前、異世界の魔王との戦いで体を失ってしまった彼女は再び戻ってくるであろう魔王に対抗する為、自分の闇の魔法を操れる人間が現れるのを異次元の世界で待っていた。
そして、その人間というのが私だったのである。
4年前、私が闇の魔女と呼ばれることになった事件の時、私に力を与えてくれた。
そして、この4年間、私は闇の魔法を必死に練習してきたのだ。
そう・・・お父さんが死んだ後の時から、もう4年も経っているのだ・・・。
「かなりの手練れだね・・・少々荒っぽくいくしかないかな?」
星空のように深い青の髪を風に靡かせながら言うこの青年はクオン=ドースティンだ。
彼は私の相棒で、4年前から行動を共にしている。
4年前よりかなり背が伸びて、私より頭一つ半くらい背が高い。
私も結構伸びたと思うのになぁ・・・そう思う私の身長は女性の平均値である。
なぜかこれを言うとクオンは暖かい目で私の事を見るが平均値と言ったら平均値なのだ!
決した小さいなんてことはない!ないったらない!
彼の得意武器は剣でその腕前はすごいの一言だ。
4年前の子供の時ですら大人顔負けの剣技だったクオンだが、この4年で彼の剣技はさらに磨きをかけている。
そこらの冒険者では彼の足もとにも及ばないだろう。
「じゃあ、魔法で吹っ飛ばしちゃおう」
私は自分の周りに黒い魔力を漂わせる。
魔力と言うのは普通、薄い青色をしているのだが、私は闇の魔法を使えるようになった時に黒い魔力に変わってしまった。
別段普通の魔力と違いはない。ただ色が黒くなっただけである。
私は手の中で炎の魔法の中で一番威力の弱い魔法を作り出す。
それを、目の前に現れた冒険者に放った。
「爆発炎弾!」
炎の玉が目の前の冒険者の胸のあたりまで飛んでいき炸裂した。
「ぐほぉ!!」
奇怪な声を上げ、冒険者が爆発で黒焦げになる。
勿論、加減はしているので殺してはいない。
彼らは普通の冒険者であって悪い人間と言うわけでもないので殺してしまうと後味が悪い。
「さすが魔女・・・恐ろしい魔力だ」
後ろを走っている冒険者の一人がそう言った。
いやいや、かなり手加減しているからね!
『カモメ、左前方に林が見えて来たわ。そこで巻きなさい』
「オッケー、クオン、あそこの林に逃げるよ!」
「了解!」
私とクオンは走るスピードをさらに上げ林の中に突っ込んだ。
木の量が多く、これならば冒険者達をうまく巻けると判断したのだ。
「ちょっとぉ!これじゃあ逃げられちゃうわよぉ!」
「うるせえ!どうしようもねえだろうが!」
「ちくしょう!奴ら何処に行きやがったぁ!」
私とクオンは後ろの冒険者たちが見えなくなったのを確認すると背の高い木の上へと逃れた。
さすがにこの暗い林の中では木の上にいる私たちに気づきはしないようだ。
しばらく木の上で息を潜め、冒険者たちの気配が完全に遠くに行ったことを確認すると私は大きなため息を一つついた。
今みたいに冒険者や国の兵士などに追われるのはこの四年では珍しいことではない・・・いやむしろ日常茶飯事だ。
最初私たちは、グランルーン王国から出れば追手の類は無くなるだろうと予想していた。
だが、王殺しであり英雄殺しの魔女の噂は瞬く間に他の国にも広がったのだ。
私たちはグランルーンの隣国であるボードという国にいたのだが、自分たちの国にいないと判断したグランルーンはボードにまでやってきて私たちを探し始めた。
ボードの国の人間も他国の人間が自分の国に入ってくるのを嫌い、私たちを探す協力をし始めたのだ。
それから私たちの逃亡生活は始まった。
冒険者やボードの兵士、それにグランルーンの兵士から逃げる為、さらに隣の国へと逃げる。
だが、その国でも私たちの手配書が回っているらしく、国総出で私たちを探していた。その国は昔お父さんたちが救ったことのある国だったらしくお父さんを殺したと言われている私を血眼になって探していた。
・・・・・・・・・・・・・あそこは本当に怖かった・・・見つかったら絶対に殺されてたと思う・・・怖かった・・・。
とはいえ、お父さんの為にあそこまで必死になってくれている国の人たちを傷つけることなど出来るわけもなく、その国からは一目散で逃げ出した。
次に着いたのはベラリッサ法国であるここは、光の女神を崇める宗教国だ。
宗教国と言うとお堅い感じがするけど、ここの国の法王メリアンナ様は女神の化身と言われるほどやさしい人と言う噂だった。
もしかしたら、私たちの事を理解してくれて匿ってくれるんじゃないかと思ったのだが・・・その考えは甘かった。
国の玄関に着いた瞬間私たちは捕まった。
弁解の余地もなく一瞬で捕まって牢屋に放り込まれたのだ。
話も聞いてもらえず、しかもここまで色々な人間に追いかけられて心身ともに追い込まれていた私のストレスは爆発する。
牢屋のある城ごと魔法で吹っ飛ばして逃げ出したのだ・・・そして、私の罪状は増えるのであった・・・しかも今回は冤罪ではない・・・あうち。
怒りが爆発して後先考えず、魔法をぶっ放してしまったのである・・・それも合成魔法をだ・・・。
お陰でものの見事に城は吹っ飛んだ。
まあ、法王様のいる城ではなく、ベラリッサの国境沿いにある小さな城ではあるのだが、ベラリッサの人間を怒らせるには十分だった・・・私はなりふり構わず逃げ出した。
ここまでくると、もう人のいないところに住むしかない。
魔の森と呼ばれる森に入り、私とクオンは小さな家を作ってそこで暮らしていた。
ご飯は、猪や熊、後は魚と果物を取っていたので困らなかった。
洗濯なんかも近くの川で出来たので問題はなかった。
ちょっと強い魔物が出てくるくらいで快適に暮らせる場所であった、強い魔物も魔法の練習や鍛錬の相手にはちょうど良かったのだ。その為、私はあの場所が気に入っていた。
冒険もできないような場所ではあるが平穏そのものだったのだ、このままクオンとここでのんびり暮らすのも悪くないなぁなんて思っていたのだが料理の時に出る煙や、夜の灯りで魔の森に入ってきた冒険者たちに見つかってしまったのだ。
そして見つかったが最後、次の日には兵士と冒険者の団体さんに家は壊され、私たちは泣く泣く逃げ出した。
そんなこんなで逃亡生活を続けること4年・・・とうとう私たちは大陸の最果てへとやってきた。
ここは最果ての国と呼ばれる場所で、大陸の端っこに位置する国だ。
グランルーンとは一番遠い国でもある。
グランルーンも地図で言えば端っこではあるのだが、なんといっても領土が大きいのだ。
それに比べるとこの国は領土の小さい国になっている。グランルーンと比べると10分の1くらいだろうか。
この国の名は最果ての国ツァイン。ここでも追いかけられると・・・もう海の向こうに逃げるしかなくなるのだ・・・。
うう・・・きっとここでも追いかけられるんだろうなぁ・・・。
私は重い足取りでツァインへと入国した。
もちろん、関所などは通っていない・・・不法入国だ・・・そうするしかないんだもん。
こうして、私はここツァインへとやってきた。
ここで、様々な出来事が待っているとは知らずに・・・。
私は、王様殺しに英雄殺し、そして城破壊の冤罪を晴らすことができるだろうか!
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