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1章
エリンシアの戦い
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魔鬼二匹と戦うエリンシアとラインハルト。
ラインハルトが負傷している為かなりの苦戦を強いられていた。
「情けないですわ・・・」
エリンシアは小さな声でぽつりと呟いた。
なぜそんなことを言ったかというとラインハルトはエリンシアを庇い背中に大きな傷を負ってしまっていて普段よりかなり動きが悪くなっている。
それなのに、自分は未だラインハルトに守られているのだ。
エリンシアの攻撃である魔導銃は魔鬼へ大したダメージを与えられないでいた。
怯ませたり、人間相手であれば軽く殴った程度のダメージは与えられているようであったがそれでは大して意味がなかった。
なぜなら、魔鬼は恐怖というものがないのか魔導銃の一撃を喰らってもお構いなしに突っ込んでくる。
そして、武術を齧っているエリンシアとはいえ、ラインハルトの鎧をも貫いた魔鬼の爪を相手に接近戦をするのは危険極まりなかった。
その為、ラインハルトは背中から赤い液体を流しながらも前へ出て魔鬼二体を相手にしている。
魔鬼はラインハルトの攻撃を警戒しているのかエリンシアに対しては構わず突っ込んでくるくせにラインハルトに対しては一定の距離を置いていた。
本能で危険だと判断しているのだろう。
その事実にエリンシアは自分の不甲斐なさを感じることになる。
「情けないですわ・・・」
カモメが戻ってくれば治癒の魔法でラインハルトを治してもらえる。
その間をエリンシアとクオンで時間を稼げば問題なく魔鬼を倒せるだろう。
だが、ヘインズは言っていた、カモメ達が追って行った盗賊は今目の前にいる魔鬼より素体として優秀だと。
つまり、この二体より強い可能性がある。
確かに、カモメ達がその魔鬼に負けていないかという心配もある。
だけどもし彼女たちが戻ってきたのであればそれは今目の前にいる魔鬼よりも強い魔鬼を倒してきたという事だ。
あの二人なら倒せるんじゃないか?エリンシアはそう思う。
カモメもクオンも自分と同い年とは思えないほど強い。
だが、普通であれば今目の前にいる魔鬼より強い魔鬼となれば恐らく勝てないであろう。
それでもカモメ達なら勝ってしまうのではないか?そう思える何かをカモメ達は持っている気がするのだ・・・エリンシア自身それが何か説明は出来なかったが。
そして、エリンシアが初めて尊敬でき一緒にいたいと思える相手だった。
強く優しく、そしてそれを驕らない自分が目指した冒険者としての目標に見えたのだ。
自分が冒険者になったときは彼らのパーティに入れてもらおうと思うほどに。
でも、ここでラインハルトに守られたままカモメ達が帰ってきたとき私は自信をもって彼女たちのパーティに入れて欲しいと頼めるだろうか。
・・・頼めるわけがない。
彼女たちの仲間になりたいのであって重荷や足手まといなどごめんこうむるのだ。
「それなら、魔鬼の一匹でも倒しておかないといけませんわね・・・」
そう、これは唯の意地だ。
意味もないし、勝てるとは限らない、もしかしたらこの意地のせいで無駄死にするかもしれない。
それでも、やらなきゃならない・・・いや、やりたいのだ。
「ここで戦わなければ冒険者なんて名乗れませんわ!」
エリンシアは駆けた。
ラインハルトから見て左の魔鬼へ、元は兄貴と呼ばれていた体の大きい方である。
見ていた限り、こちらの魔鬼の方が強い。
だから、あえてその魔鬼を選んだ。
エリンシアはラインハルトの横を抜け、魔鬼へと飛び掛かった。
「エリンシア君!?」
ラインハルトの驚きの声が聞こえる。
「ラインハルトさん、右側の魔鬼は任せますわ!怪我をさせた張本人が言うのも烏滸がましいですが、魔鬼一匹相手なら行けますわよね!」
「なっ!?」
やめるんだエリンシア君とラインハルトが叫んでいるがやめるわけがない。
エリンシアは魔鬼に拳を振るう。
本来であれば拳は魔導銃が使えなくなった時の為の護身用の武術である。
明らかに自分より強い相手に進んで使うものではない・・・が、遠距離から魔導銃を撃っているだけではこの魔鬼は倒せない。
なら、至近距離で当てていくまでだ、それもただ撃つだけでは駄目だ。
格闘技で相手の体制を崩しながら敵の急所や目など確実にダメージを与える場所に撃たなければ。
エリンシアの拳や蹴りが魔鬼の重心を崩す、そしてその隙に右目を撃ち抜いた。
「ギャギャ!!」
魔鬼が悲鳴を上げる。
だが、撃たれた右目を気にするのも少しの間だけ、すぐにエリンシアに向かって腕を振ってきた。
「あの爪をまともに喰らうわけにはいきません・・・わ!」
ギリギリのところでひらりと躱すエリンシア。
だが、かなり高級であろう服の袖が斬り裂かれた。
「お気に入りの服でしたのに!」
振りぬいた腕の懐へと入り込み掌底を魔鬼の腹部へと当てる。
体の構造は人間と同じなのか、一瞬、息を詰まらせる魔鬼。
その魔鬼の足を払い転ばせた。
エリンシアはその魔鬼向かって、魔導銃を浴びせた。
「これならどうすかですわ!」
顔面に何発も魔導銃を喰らった魔鬼であったが紫の血が流れて歯もいくつか欠けていたが、倒すには程遠いダメージであった。
「ギャギャ!」
魔鬼は飛び起き再びエリンシアへと腕を振るう。
「きゃっ!」
今度の攻撃は躱しきれず、左腕を引掻かれてしまう。
エリンシアの左の腕の白い綺麗な服を赤い血が染めていった。
「そう簡単にはいきませんわね」
「エリンシア君、もういいさがるんだ!!」
「お断りしますわ!」
「なっ!?」
心配をしてくれるラインハルトには申し訳ないがエリンシアは退く気がない。
いや、それどころかどんどんと今の状況が楽しくなっているのである。
ピンチになるほど高揚する特殊な人間がいるらしいが、もしかしたら自分はそのタイプなのかもしれない等と考えていた。
(ワタクシは冒険者に向いてますわね)
ポジティブここに極まれりである。
だが、不思議といい気分であった。
「とはいえ、これ以上長引かせるわけにはいきませんわね」
自分の腕から流れる血を見ながらそう長くは戦えないだろうと思った。
気力が十分でも血を流し過ぎれば動けなくなる。
少し引搔かれただけだと言うのにこれだけの傷になるのだからやはり魔鬼は侮れない。
「行きますわよ!」
エリンシアは再び魔鬼へと向かう。
魔鬼が腕を振るうが今度は避けずさらに踏み込んだ。
今度は左肩に魔鬼の爪が食い込むが気にしない。
先ほど私の魔導銃をくらいながらも意にかえさず向かってきたお返しだと言わんばかりに自分のダメージを気にせず突っ込んだ。
そして大きく開けた魔鬼の口に魔導銃を突っ込む。
「ワタクシの最大の技、お口の中で耐えられますかしら?」
そう言ってフルブラスターを全力でぶちかました。
内側からとんでいもない威力の技が暴れた魔鬼は無残にも粉々に吹き飛んだのであった。
「ワタクシの勝ちですわ!」
間近に撃ったフルバスターの余波で綺麗な服がボロボロになっていたがエリンシアは満足そうな顔で勝ち誇ったのである。
その光景を大人の二人が引きつった顔をして見ていたのであった。
「とんでもない子だな・・・」
ラインハルトは引きつった顔をエリンシアから魔鬼へと戻す。
もし自分が軽々と一方の魔鬼を倒してしまえばもう一方が逃げるかもしれない、その場合この傷では追いつけないだろう。
もしくはやけになったもう一匹がエリンシアへ向かう危険がある。
そう思い今までは攻撃に移れず、様子を見ながら戦っていた。だが今はその護るべき対象であったエリンシアがもう一匹の魔鬼を倒している。
ならば、自分は残った魔鬼を倒すだけである。
「怪我で満足に動けないが・・・問題はないな」
そう言うと一閃、光の軌跡が見えたかと思うと魔鬼の右腕がごっそりと斬られていた。
「ギャ・・・?」
魔鬼が何が起きたのか分からないと言う顔をしている。
そして、さらにもう一閃・・・次は左腕が無くなっていた。
「怪我をしているのでな・・・あまり動きたくないのだ・・・横着な倒し方で済まない」
そう言うとさらに3つの光の軌跡が魔鬼へ飛んだ。
魔鬼の体は首と体と足に斬り裂かれ絶命した。
「とんでもないですわね・・・」
今度はエリンシアが引きつった顔でラインハルトを見るのであった。
ラインハルトが負傷している為かなりの苦戦を強いられていた。
「情けないですわ・・・」
エリンシアは小さな声でぽつりと呟いた。
なぜそんなことを言ったかというとラインハルトはエリンシアを庇い背中に大きな傷を負ってしまっていて普段よりかなり動きが悪くなっている。
それなのに、自分は未だラインハルトに守られているのだ。
エリンシアの攻撃である魔導銃は魔鬼へ大したダメージを与えられないでいた。
怯ませたり、人間相手であれば軽く殴った程度のダメージは与えられているようであったがそれでは大して意味がなかった。
なぜなら、魔鬼は恐怖というものがないのか魔導銃の一撃を喰らってもお構いなしに突っ込んでくる。
そして、武術を齧っているエリンシアとはいえ、ラインハルトの鎧をも貫いた魔鬼の爪を相手に接近戦をするのは危険極まりなかった。
その為、ラインハルトは背中から赤い液体を流しながらも前へ出て魔鬼二体を相手にしている。
魔鬼はラインハルトの攻撃を警戒しているのかエリンシアに対しては構わず突っ込んでくるくせにラインハルトに対しては一定の距離を置いていた。
本能で危険だと判断しているのだろう。
その事実にエリンシアは自分の不甲斐なさを感じることになる。
「情けないですわ・・・」
カモメが戻ってくれば治癒の魔法でラインハルトを治してもらえる。
その間をエリンシアとクオンで時間を稼げば問題なく魔鬼を倒せるだろう。
だが、ヘインズは言っていた、カモメ達が追って行った盗賊は今目の前にいる魔鬼より素体として優秀だと。
つまり、この二体より強い可能性がある。
確かに、カモメ達がその魔鬼に負けていないかという心配もある。
だけどもし彼女たちが戻ってきたのであればそれは今目の前にいる魔鬼よりも強い魔鬼を倒してきたという事だ。
あの二人なら倒せるんじゃないか?エリンシアはそう思う。
カモメもクオンも自分と同い年とは思えないほど強い。
だが、普通であれば今目の前にいる魔鬼より強い魔鬼となれば恐らく勝てないであろう。
それでもカモメ達なら勝ってしまうのではないか?そう思える何かをカモメ達は持っている気がするのだ・・・エリンシア自身それが何か説明は出来なかったが。
そして、エリンシアが初めて尊敬でき一緒にいたいと思える相手だった。
強く優しく、そしてそれを驕らない自分が目指した冒険者としての目標に見えたのだ。
自分が冒険者になったときは彼らのパーティに入れてもらおうと思うほどに。
でも、ここでラインハルトに守られたままカモメ達が帰ってきたとき私は自信をもって彼女たちのパーティに入れて欲しいと頼めるだろうか。
・・・頼めるわけがない。
彼女たちの仲間になりたいのであって重荷や足手まといなどごめんこうむるのだ。
「それなら、魔鬼の一匹でも倒しておかないといけませんわね・・・」
そう、これは唯の意地だ。
意味もないし、勝てるとは限らない、もしかしたらこの意地のせいで無駄死にするかもしれない。
それでも、やらなきゃならない・・・いや、やりたいのだ。
「ここで戦わなければ冒険者なんて名乗れませんわ!」
エリンシアは駆けた。
ラインハルトから見て左の魔鬼へ、元は兄貴と呼ばれていた体の大きい方である。
見ていた限り、こちらの魔鬼の方が強い。
だから、あえてその魔鬼を選んだ。
エリンシアはラインハルトの横を抜け、魔鬼へと飛び掛かった。
「エリンシア君!?」
ラインハルトの驚きの声が聞こえる。
「ラインハルトさん、右側の魔鬼は任せますわ!怪我をさせた張本人が言うのも烏滸がましいですが、魔鬼一匹相手なら行けますわよね!」
「なっ!?」
やめるんだエリンシア君とラインハルトが叫んでいるがやめるわけがない。
エリンシアは魔鬼に拳を振るう。
本来であれば拳は魔導銃が使えなくなった時の為の護身用の武術である。
明らかに自分より強い相手に進んで使うものではない・・・が、遠距離から魔導銃を撃っているだけではこの魔鬼は倒せない。
なら、至近距離で当てていくまでだ、それもただ撃つだけでは駄目だ。
格闘技で相手の体制を崩しながら敵の急所や目など確実にダメージを与える場所に撃たなければ。
エリンシアの拳や蹴りが魔鬼の重心を崩す、そしてその隙に右目を撃ち抜いた。
「ギャギャ!!」
魔鬼が悲鳴を上げる。
だが、撃たれた右目を気にするのも少しの間だけ、すぐにエリンシアに向かって腕を振ってきた。
「あの爪をまともに喰らうわけにはいきません・・・わ!」
ギリギリのところでひらりと躱すエリンシア。
だが、かなり高級であろう服の袖が斬り裂かれた。
「お気に入りの服でしたのに!」
振りぬいた腕の懐へと入り込み掌底を魔鬼の腹部へと当てる。
体の構造は人間と同じなのか、一瞬、息を詰まらせる魔鬼。
その魔鬼の足を払い転ばせた。
エリンシアはその魔鬼向かって、魔導銃を浴びせた。
「これならどうすかですわ!」
顔面に何発も魔導銃を喰らった魔鬼であったが紫の血が流れて歯もいくつか欠けていたが、倒すには程遠いダメージであった。
「ギャギャ!」
魔鬼は飛び起き再びエリンシアへと腕を振るう。
「きゃっ!」
今度の攻撃は躱しきれず、左腕を引掻かれてしまう。
エリンシアの左の腕の白い綺麗な服を赤い血が染めていった。
「そう簡単にはいきませんわね」
「エリンシア君、もういいさがるんだ!!」
「お断りしますわ!」
「なっ!?」
心配をしてくれるラインハルトには申し訳ないがエリンシアは退く気がない。
いや、それどころかどんどんと今の状況が楽しくなっているのである。
ピンチになるほど高揚する特殊な人間がいるらしいが、もしかしたら自分はそのタイプなのかもしれない等と考えていた。
(ワタクシは冒険者に向いてますわね)
ポジティブここに極まれりである。
だが、不思議といい気分であった。
「とはいえ、これ以上長引かせるわけにはいきませんわね」
自分の腕から流れる血を見ながらそう長くは戦えないだろうと思った。
気力が十分でも血を流し過ぎれば動けなくなる。
少し引搔かれただけだと言うのにこれだけの傷になるのだからやはり魔鬼は侮れない。
「行きますわよ!」
エリンシアは再び魔鬼へと向かう。
魔鬼が腕を振るうが今度は避けずさらに踏み込んだ。
今度は左肩に魔鬼の爪が食い込むが気にしない。
先ほど私の魔導銃をくらいながらも意にかえさず向かってきたお返しだと言わんばかりに自分のダメージを気にせず突っ込んだ。
そして大きく開けた魔鬼の口に魔導銃を突っ込む。
「ワタクシの最大の技、お口の中で耐えられますかしら?」
そう言ってフルブラスターを全力でぶちかました。
内側からとんでいもない威力の技が暴れた魔鬼は無残にも粉々に吹き飛んだのであった。
「ワタクシの勝ちですわ!」
間近に撃ったフルバスターの余波で綺麗な服がボロボロになっていたがエリンシアは満足そうな顔で勝ち誇ったのである。
その光景を大人の二人が引きつった顔をして見ていたのであった。
「とんでもない子だな・・・」
ラインハルトは引きつった顔をエリンシアから魔鬼へと戻す。
もし自分が軽々と一方の魔鬼を倒してしまえばもう一方が逃げるかもしれない、その場合この傷では追いつけないだろう。
もしくはやけになったもう一匹がエリンシアへ向かう危険がある。
そう思い今までは攻撃に移れず、様子を見ながら戦っていた。だが今はその護るべき対象であったエリンシアがもう一匹の魔鬼を倒している。
ならば、自分は残った魔鬼を倒すだけである。
「怪我で満足に動けないが・・・問題はないな」
そう言うと一閃、光の軌跡が見えたかと思うと魔鬼の右腕がごっそりと斬られていた。
「ギャ・・・?」
魔鬼が何が起きたのか分からないと言う顔をしている。
そして、さらにもう一閃・・・次は左腕が無くなっていた。
「怪我をしているのでな・・・あまり動きたくないのだ・・・横着な倒し方で済まない」
そう言うとさらに3つの光の軌跡が魔鬼へ飛んだ。
魔鬼の体は首と体と足に斬り裂かれ絶命した。
「とんでもないですわね・・・」
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