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最終章

#84やり直し

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「なあどうするんだぁ?」
全員が集まって話をしている。
「私は戻る、お姉ちゃんと一緒にここを出たい、助けたい」
日向ちゃんは戻る気だ。
「私は…」
響子さんは悩んでる様子。
「俺は戻る、京を1人にはさせれない」
ジョーさんも戻る気だ。
「私も戻る、美宏さんを助ける」
「ああ、そうだな、一緒に頑張ろう」
九野さんとジョーさんは目を合わせあった、櫻さんと戦った人のことだろうか。
「なあぁ、稗田っちはどうするんだぁ?」
「ちなみに砕はどうするの?」
「俺はジョーが戻るなら戻るぜぇ、一緒に京を助けてぇしなぁ」
「僕は…」
戻りたい気持ちもある、謎も多いし。
友達もいた、親父も映ってた、もうよく分からない。
「自分の好きなようにしろ、お前は頑張った、最後に見を投げ出そうとしてたしな、ここはできる人だけで頑張るから無理すんな」
ジョーさんは背中をボンっと叩いた。
「そうだぞぉ」
そんなことされたらさらに出づらくなる。
「僕も…助けたい…」
「そうかぁ、頑張るぞぉ」
「私も戻るわ」
「響子さんはどうして?」
「あ…いや…まあ…」
響子さんは照れていた。
「まあぁ、全員戻るってことかぁ」
「ねえウコイック、記憶ってどのくらい残るの?」
日向ちゃんがウコイックに言った。
「大体半分は絶対に残ってるが、これは約束してほしい、絶対に記憶があることは言わないこと」
「なんでだぁ?」
「一種の妨害行為になっちゃうからな、稗田の友人はギリギリ許した」
そういえば…
「どうしてあいつは警官の格好を?」
「これも説明しておくか、ここには1人を呼べる、呼ぶか呼ばないかは自由だ、そして呼ばれた人も断ることは出来る」
助っ人…ということはあいつは…
「呼ばれた人は参加する形を2つから選べる、1つは警官として君たちを見守る形だ、警官として見守るのを選んだら、靄があっただろ、その時に思い出す記憶をなんとなく指定できるんだ」
「それは僕があいつにお願いして…?」
「そうだ、忘れてると思うがな」
悪いことをした…あいつには…
「次に参加者として参加するパターン、参加する時は記憶は完全ランダムだ、他と同じように全部忘れてたり、結構覚えてたりな」
「じゃあお姉ちゃんって…?」
「そういうことだ、一緒に参加を選んだ、そして砕はだ」
「そうなのかぁ!?」
「わるい、そこを覚えてないんだが俺だったらお前を選んでるだろう、本当にすまない…」
「いいんだけどよぉ」

「最終確認だ、君たち全員戻るでいいんだな?」
「ああ…」
ジョーさんは拳を握りしめた。
「おうぅ、待ってろよぉ」
砕は上に向かって指を指した。
「頑張ります」
九野さんは真剣な表情で前を向いている。
「ええ」
響子さんは腕を組んだ。
「よし…」
日向ちゃんは小さく拳を握った。
「はい…あ、ウコイック、後でちょっといい?」
僕は最後に確認したいことがあった。
「ん?いいぞ、君たちは今開く壁の中にいろ」

「何事だ、どうしたんだ」
「聞きたいことがあるんだ」
「聞きたいこと?」
「創治朗って人のこと」
「ああ、お父さんの助手の人か」
「映像に映ってたんだ、それは僕のお父さ…親父だった」
「…苗字同じだからな、なんとなく分かっていた」
「それで、親父はどこ?」
「どこ?か…なあ、稗田のお父さんはどういう人だった」
「僕の親父は…いっつも僕たちにストレスで暴力を振ってきた」
「後は?」
「でも、たまに仕事で疲れたのか、凄い大人しい時がたまにあった」
「その時は暴力は?」
「振らなかった、でもずっとネガティブなことを言ってた、「俺はもう無理だ、」って同じことをね…」
「そうか…助手のあの人はそういう人だったのか」
「それで、親父はどこに…」
「お父さんのことを覚えてれば、きっと会える、さあ、行こう」

「怖いぜぇ」
「大丈夫だよ砕」
「入ったな、また会う時は俺は小さいかもしれないがな」
僕たちは人が入れる大きさの鉄の棺桶のような箱にそれぞれ入った。
「じゃあ君たち…またね~」
ウコイックの声とともにだんだんと視界が暗くなっていった。
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