20 / 113
第3章
#19 3日目
しおりを挟む
ジリリリリッ
昨日と同じようにアラームが鳴った。
「は~い、起きて~、朝ですよ~~」
今日はキイックの声が流れてきた。
「まあ、とりあえず昨日みたいに下に来てね~」
また集合するのか、砕は寝てるかな?
下を確認すると、やっぱり寝ていた。
「行くよー砕ー」
いくら起こしても起きないため、またみんなで下まで運んだ。
「今日はウコイックは忙しいから僕だけです~、ガッカリしないでね~」
別にウコイック目当てじゃないからいいんだけどね。
「まあ、今日は主にリハーサルをします~みんな頑張りましょうね~」
もう明日か、長かったけど、割と楽しかったなぁ。
ただ本番でミスしたら落とされる可能性があるんだよな、まだ気を引き締めないとだ。
「じゃ、みんな各々最終チェックとかして、リハーサル始めてね~」
僕はいつもの机に向かい、服の飾りをチェックしていた、ドレスのフリフリしてる部分や、ティアラに付いてる宝石の接着とか。
「お、頑張ってるねぇ」
蒼さんが話しかけてきた。
「蒼さんはやらないんですか?」
「とりあえず他の人がチェックして、まだ部品足りないのがあったりしたらそれ手伝おうかなって」
そうは言ってるが、もしチェックして全部揃っていたら仕事無しだ。
「蒼さんもチェックして下さいっ」
蒼さんの座っている目の前に服をどっさり置いた、出てくる庶民用のだ。
「うーん、とりあえず全部同じだからチェック完了っ、じゃ、そっちのチェック終わったら教えてね~」
蒼さんは席を離れ、ブラブラし始めた。
正直、サボる気持ちも分からなくもない、僕も最終チェックとは言ったものの全部完璧だ、なんせ丸二日もあったから。
「すみません遅れましたー」
南島さんと響子さんが一緒に机に向かって歩いてきた。
どうやら2人は同じチームらしい。
「演技班のチームのメンバーと話してたら遅くなりました、すみません」
「いえいえ、とりあえずここまでチェックし終えたんで、後は一緒に頑張りましょう」
僕は10分の1ぐらいはもうチェックを終わらせていた。
「そうね、頑張りましょう」
僕達はチェックを始めた。
少し時間が経ち
「あの、台本班に最終チェックしてきました」
緋彩ちゃんがいつの間にか僕の後ろにいた。
「うおお、あ、ありがとう…」
「台本班はもう完璧らしいので、後は私たち道具班と演技班だけだそうですよ」
「じゃあ頑張らないとだね」
僕達は再度、チェックを始めた
「ちょっと僕はウコイックのとこ行ってくるね~」
キイックが部屋を出た、まさか行方不明者のことについてとかだったりして。
「ふぅ、よーし、終わったわね」
響子さんがため息をつきながら呟いた。
「終わりましたね、皆さまお疲れ様でした」
南島さんがそう言うと。
ガチャっ
「おいてめぇら~、ちゃんとやってるか~?」
まさか…アオイック?
「キイックがさすがに甘すぎるってんでよぉ~、俺が呼ばれたんだ、サボってるやつとかいたらすぐ落とすからな~」
僕達はちゃんとやってるから安心…蒼さん…!
「おい、そこのてめぇ~、お前は何担当だぁ~」
「え、えーと、道具班です…」
「じゃあ何でそこに突っ立ってんだぁ~」
「トイレに行こうと…」
「トイレはそっちじゃねぇだろ~、お前本当はどうなんだぁ~、怒らないから言ってみろぉ~」
「……サボってました…」
「残念だなぁ~、またな~」
「今怒らないって…っ!」
蒼さんの足元に穴が空いた…
僕には何もすることが出来なかった、ただ、もう落とされそうと分かっている雰囲気が続いているのを黙って見て、結局蒼さんは落とされた。
悔しい、もっと僕が注意していれば、キイックだからって油断するなって言っておけば、変わったのかもしれない。
僕はやるせない気持ちでいっぱいだ。
「他にはサボってるやつはいねぇなぁ~?」
「じゃ、俺はあいつらのとこへ戻るぞぉ~、また来るかもしれねぇからサボるんじゃねえぞぉ~」
嫌な静けさだ、誰が何を発することも無く、時間だけが過ぎていく。
「おい、おい!聞いてんのか稗田っちぃ!」
「…え?」
僕はハッとした、静けさを不気味に感じた演技班が様子を見に来たらしく、少しだけ空気は良くなっていた。
「お前ずーっとぼーっとしててよぉ、何があったんだぁ?」
「え…と…」
まだ声が聞こえるだけで頭が全然回っていない。
「道具班の実質2人目の犠牲者よ…」
響子さんはそう言った。
僕は洋一さんは無事なことを知ってるから、その分耐性は付いてなかったようだ、ずっと放心状態だ。
「そうかぁ、声的にあの青いやつが来たんだろぉ?怖い声してるぜぇ、こっちの部屋まで響いてきたからなぁ」
砕は僕の背中を優しく摩ってくれた。
「どうだぁ、これで落ち着いてきたかぁ?」
「ちょっとは落ち着いてきた、ありがとう砕」
「ほんとアオイックの声は怖いわよね、日向も怯えちゃったの」
「うぅ…あうぅ……」
日向ちゃんは出会った頃のように櫻さんの後ろにくっ付いている。
怯えるとこうなっちゃうんだな。
「空気を無理に変えるのも難しいし…とりあえず!ゆっくりリハーサルしていきましょう!」
櫻さんはみんなに声をかけた、それぞれゆっくりではあるが準備を始めた。
昨日と同じようにアラームが鳴った。
「は~い、起きて~、朝ですよ~~」
今日はキイックの声が流れてきた。
「まあ、とりあえず昨日みたいに下に来てね~」
また集合するのか、砕は寝てるかな?
下を確認すると、やっぱり寝ていた。
「行くよー砕ー」
いくら起こしても起きないため、またみんなで下まで運んだ。
「今日はウコイックは忙しいから僕だけです~、ガッカリしないでね~」
別にウコイック目当てじゃないからいいんだけどね。
「まあ、今日は主にリハーサルをします~みんな頑張りましょうね~」
もう明日か、長かったけど、割と楽しかったなぁ。
ただ本番でミスしたら落とされる可能性があるんだよな、まだ気を引き締めないとだ。
「じゃ、みんな各々最終チェックとかして、リハーサル始めてね~」
僕はいつもの机に向かい、服の飾りをチェックしていた、ドレスのフリフリしてる部分や、ティアラに付いてる宝石の接着とか。
「お、頑張ってるねぇ」
蒼さんが話しかけてきた。
「蒼さんはやらないんですか?」
「とりあえず他の人がチェックして、まだ部品足りないのがあったりしたらそれ手伝おうかなって」
そうは言ってるが、もしチェックして全部揃っていたら仕事無しだ。
「蒼さんもチェックして下さいっ」
蒼さんの座っている目の前に服をどっさり置いた、出てくる庶民用のだ。
「うーん、とりあえず全部同じだからチェック完了っ、じゃ、そっちのチェック終わったら教えてね~」
蒼さんは席を離れ、ブラブラし始めた。
正直、サボる気持ちも分からなくもない、僕も最終チェックとは言ったものの全部完璧だ、なんせ丸二日もあったから。
「すみません遅れましたー」
南島さんと響子さんが一緒に机に向かって歩いてきた。
どうやら2人は同じチームらしい。
「演技班のチームのメンバーと話してたら遅くなりました、すみません」
「いえいえ、とりあえずここまでチェックし終えたんで、後は一緒に頑張りましょう」
僕は10分の1ぐらいはもうチェックを終わらせていた。
「そうね、頑張りましょう」
僕達はチェックを始めた。
少し時間が経ち
「あの、台本班に最終チェックしてきました」
緋彩ちゃんがいつの間にか僕の後ろにいた。
「うおお、あ、ありがとう…」
「台本班はもう完璧らしいので、後は私たち道具班と演技班だけだそうですよ」
「じゃあ頑張らないとだね」
僕達は再度、チェックを始めた
「ちょっと僕はウコイックのとこ行ってくるね~」
キイックが部屋を出た、まさか行方不明者のことについてとかだったりして。
「ふぅ、よーし、終わったわね」
響子さんがため息をつきながら呟いた。
「終わりましたね、皆さまお疲れ様でした」
南島さんがそう言うと。
ガチャっ
「おいてめぇら~、ちゃんとやってるか~?」
まさか…アオイック?
「キイックがさすがに甘すぎるってんでよぉ~、俺が呼ばれたんだ、サボってるやつとかいたらすぐ落とすからな~」
僕達はちゃんとやってるから安心…蒼さん…!
「おい、そこのてめぇ~、お前は何担当だぁ~」
「え、えーと、道具班です…」
「じゃあ何でそこに突っ立ってんだぁ~」
「トイレに行こうと…」
「トイレはそっちじゃねぇだろ~、お前本当はどうなんだぁ~、怒らないから言ってみろぉ~」
「……サボってました…」
「残念だなぁ~、またな~」
「今怒らないって…っ!」
蒼さんの足元に穴が空いた…
僕には何もすることが出来なかった、ただ、もう落とされそうと分かっている雰囲気が続いているのを黙って見て、結局蒼さんは落とされた。
悔しい、もっと僕が注意していれば、キイックだからって油断するなって言っておけば、変わったのかもしれない。
僕はやるせない気持ちでいっぱいだ。
「他にはサボってるやつはいねぇなぁ~?」
「じゃ、俺はあいつらのとこへ戻るぞぉ~、また来るかもしれねぇからサボるんじゃねえぞぉ~」
嫌な静けさだ、誰が何を発することも無く、時間だけが過ぎていく。
「おい、おい!聞いてんのか稗田っちぃ!」
「…え?」
僕はハッとした、静けさを不気味に感じた演技班が様子を見に来たらしく、少しだけ空気は良くなっていた。
「お前ずーっとぼーっとしててよぉ、何があったんだぁ?」
「え…と…」
まだ声が聞こえるだけで頭が全然回っていない。
「道具班の実質2人目の犠牲者よ…」
響子さんはそう言った。
僕は洋一さんは無事なことを知ってるから、その分耐性は付いてなかったようだ、ずっと放心状態だ。
「そうかぁ、声的にあの青いやつが来たんだろぉ?怖い声してるぜぇ、こっちの部屋まで響いてきたからなぁ」
砕は僕の背中を優しく摩ってくれた。
「どうだぁ、これで落ち着いてきたかぁ?」
「ちょっとは落ち着いてきた、ありがとう砕」
「ほんとアオイックの声は怖いわよね、日向も怯えちゃったの」
「うぅ…あうぅ……」
日向ちゃんは出会った頃のように櫻さんの後ろにくっ付いている。
怯えるとこうなっちゃうんだな。
「空気を無理に変えるのも難しいし…とりあえず!ゆっくりリハーサルしていきましょう!」
櫻さんはみんなに声をかけた、それぞれゆっくりではあるが準備を始めた。
0
お気に入りに追加
6
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
何かを喪失するAI話
月歌(ツキウタ)
ホラー
何かを喪失するAI話。AIが作ったので、喪失の意図は分かりませんw
☆月歌ってどんな人?こんな人↓↓☆
『嫌われ悪役令息は王子のベッドで前世を思い出す』が、アルファポリスの第9回BL小説大賞にて奨励賞を受賞(#^.^#)
その後、幸運な事に書籍化の話が進み、2023年3月13日に無事に刊行される運びとなりました。49歳で商業BL作家としてデビューさせていただく機会を得ました。
☆表紙絵、挿絵は全てAIイラスです
藁人間
spell breaker!
ホラー
介護老人保健施設に入居しているわしにとって、レクリエーションの時間は苦痛でしかない。
レクをやりすごしていたとき、新人介護職員である靖川まなみがやってきて、マンツーマンでお話しましょうと持ちかけてきた。
そこでわしはかつての職業を鍵師であったことを明かし、現役のころの数奇なできごとを語る。
そのうち、わしは平衡感覚を失っていくのだった……。
※本作は『小説家になろう』様でも公開しております。
イナエの村人
栗菓子
ホラー
イナエの村人はいつも笑っている。 半ば白痴じみたその表情は、特定の人を恐れさせ、嫌悪する者もいたが
イナエの村人は眼中にない。彼らの時は、彼らの集団で止まっている。 恐怖も不安もない集団。
ある人は原初の楽園ともいった。
ある人は気持ちが悪いともいった。
イナエの村人はいつも笑っている。
【連作ホラー】伍横町幻想 —Until the day we meet again—
至堂文斗
ホラー
――その幻想から、逃れられるか。
降霊術。それは死者を呼び出す禁忌の術式。
歴史を遡れば幾つも逸話はあれど、現実に死者を呼ぶことが出来たかは定かでない。
だがあるとき、長い実験の果てに、一人の男がその術式を生み出した。
降霊術は決して公に出ることはなかったものの、書物として世に残り続けた。
伍横町。そこは古くから気の流れが集まる場所と言われている小さな町。
そして、全ての始まりの町。
男が生み出した術式は、この町で幾つもの悲劇をもたらしていく。
運命を狂わされた者たちは、生と死の狭間で幾つもの涙を零す。
これは、四つの悲劇。
【魂】を巡る物語の始まりを飾る、四つの幻想曲――。
【霧夏邸幻想 ―Primal prayer-】
「――霧夏邸って知ってる?」
事故により最愛の娘を喪い、 降霊術に狂った男が住んでいた邸宅。
霊に会ってみたいと、邸内に忍び込んだ少年少女たちを待ち受けるものとは。
【三神院幻想 ―Dawn comes to the girl―】
「どうか、目を覚ましてはくれないだろうか」
眠りについたままの少女のために、 少年はただ祈り続ける。
その呼び声に呼応するかのように、 少女は記憶の世界に覚醒する。
【流刻園幻想 ―Omnia fert aetas―】
「……だから、違っていたんだ。沢山のことが」
七不思議の噂で有名な流刻園。夕暮れ時、教室には二人の少年少女がいた。
少年は、一通の便箋で呼び出され、少女と別れて屋上へと向かう。それが、悲劇の始まりであるとも知らずに。
【伍横町幻想 ―Until the day we meet again―】
「……ようやく、時が来た」
伍横町で降霊術の実験を繰り返してきた仮面の男。 最愛の女性のため、彼は最後の計画を始動する。
その計画を食い止めるべく、悲劇に巻き込まれた少年少女たちは苛酷な戦いに挑む。
伍横町の命運は、子どもたちの手に委ねられた。
【連作ホラー】幻影回忌 ーTrilogy of GHOSTー
至堂文斗
ホラー
――其れは、人類の進化のため。
歴史の裏で暗躍する組織が、再び降霊術の物語を呼び覚ます。
魂魄の操作。悍ましき禁忌の実験は、崇高な目的の下に数多の犠牲を生み出し。
決して止まることなく、次なる生贄を求め続ける。
さあ、再び【魂魄】の物語を始めましょう。
たった一つの、望まれた終焉に向けて。
来場者の皆様、長らくお待たせいたしました。
これより幻影三部作、開幕いたします――。
【幻影綺館】
「ねえ、”まぼろしさん”って知ってる?」
鈴音町の外れに佇む、黒影館。そこに幽霊が出るという噂を聞きつけた鈴音学園ミステリ研究部の部長、安藤蘭は、メンバーを募り探検に向かおうと企画する。
その企画に巻き込まれる形で、彼女を含め七人が館に集まった。
疑いつつも、心のどこかで”まぼろしさん”の存在を願うメンバーに、悲劇は降りかからんとしていた――。
【幻影鏡界】
「――一角荘へ行ってみますか?」
黒影館で起きた凄惨な事件は、桜井令士や生き残った者たちに、大きな傷を残した。そしてレイジには、大切な目的も生まれた。
そんな事件より数週間後、束の間の平穏が終わりを告げる。鈴音学園の廊下にある掲示板に貼り出されていたポスター。
それは、かつてGHOSTによって悲劇がもたらされた因縁の地、鏡ヶ原への招待状だった。
【幻影回忌】
「私は、今度こそ創造主になってみせよう」
黒影館と鏡ヶ原、二つの場所で繰り広げられた凄惨な事件。
その黒幕である****は、恐ろしい計画を実行に移そうとしていた。
ゴーレム計画と名付けられたそれは、世界のルールをも蹂躙するものに相違なかった。
事件の生き残りである桜井令士と蒼木時雨は、***の父親に連れられ、***の過去を知らされる。
そして、悲劇の連鎖を断つために、最後の戦いに挑む決意を固めるのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる