リピートライフ

花畑 空間

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第3章

#19 3日目

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ジリリリリッ
昨日と同じようにアラームが鳴った。
「は~い、起きて~、朝ですよ~~」
今日はキイックの声が流れてきた。
「まあ、とりあえず昨日みたいに下に来てね~」
また集合するのか、砕は寝てるかな?
下を確認すると、やっぱり寝ていた。
「行くよー砕ー」
いくら起こしても起きないため、またみんなで下まで運んだ。
「今日はウコイックは忙しいから僕だけです~、ガッカリしないでね~」
別にウコイック目当てじゃないからいいんだけどね。
「まあ、今日は主にリハーサルをします~みんな頑張りましょうね~」
もう明日か、長かったけど、割と楽しかったなぁ。
ただ本番でミスしたら可能性があるんだよな、まだ気を引き締めないとだ。
「じゃ、みんな各々最終チェックとかして、リハーサル始めてね~」
僕はいつもの机に向かい、服の飾りをチェックしていた、ドレスのフリフリしてる部分や、ティアラに付いてる宝石の接着とか。
「お、頑張ってるねぇ」
蒼さんが話しかけてきた。
「蒼さんはやらないんですか?」
「とりあえず他の人がチェックして、まだ部品足りないのがあったりしたらそれ手伝おうかなって」
そうは言ってるが、もしチェックして全部揃っていたら仕事無しだ。
「蒼さんもチェックして下さいっ」
蒼さんの座っている目の前に服をどっさり置いた、出てくる庶民用のだ。
「うーん、とりあえず全部同じだからチェック完了っ、じゃ、そっちのチェック終わったら教えてね~」
蒼さんは席を離れ、ブラブラし始めた。
正直、サボる気持ちも分からなくもない、僕も最終チェックとは言ったものの全部完璧だ、なんせ丸二日もあったから。
「すみません遅れましたー」
南島さんと響子さんが一緒に机に向かって歩いてきた。
どうやら2人はらしい。
「演技班のチームのメンバーと話してたら遅くなりました、すみません」
「いえいえ、とりあえずここまでチェックし終えたんで、後は一緒に頑張りましょう」
僕は10分の1ぐらいはもうチェックを終わらせていた。
「そうね、頑張りましょう」
僕達はチェックを始めた。
少し時間が経ち
「あの、台本班に最終チェックしてきました」
緋彩ちゃんがいつの間にか僕の後ろにいた。
「うおお、あ、ありがとう…」
「台本班はもう完璧らしいので、後は私たち道具班と演技班だけだそうですよ」
「じゃあ頑張らないとだね」
僕達は再度、チェックを始めた
「ちょっと僕はウコイックのとこ行ってくるね~」
キイックが部屋を出た、まさかとかだったりして。
「ふぅ、よーし、終わったわね」
響子さんがため息をつきながら呟いた。
「終わりましたね、皆さまお疲れ様でした」
南島さんがそう言うと。
ガチャっ
「おいてめぇら~、ちゃんとやってるか~?」
まさか…
「キイックがさすがに甘すぎるってんでよぉ~、俺が呼ばれたんだ、サボってるやつとかいたらすぐ落とすからな~」
僕達はちゃんとやってるから安心……!
「おい、そこのてめぇ~、お前は何担当だぁ~」
「え、えーと、道具班です…」
「じゃあ何でそこに突っ立ってんだぁ~」
「トイレに行こうと…」
「トイレはそっちじゃねぇだろ~、お前本当はどうなんだぁ~、言ってみろぉ~」
「……サボってました…」
「残念だなぁ~、またな~」
「今怒らないって…っ!」
蒼さんの足元に穴が空いた…
僕には何もすることが出来なかった、ただ、もうと分かっている雰囲気が続いているのを黙って見て、結局蒼さんは落とされた。
悔しい、もっと僕が注意していれば、キイックだからって油断するなって言っておけば、のかもしれない。
僕はやるせない気持ちでいっぱいだ。
「他にはサボってるやつはいねぇなぁ~?」
「じゃ、俺はあいつらのとこへ戻るぞぉ~、また来るかもしれねぇからサボるんじゃねえぞぉ~」
嫌な静けさだ、誰が何を発することも無く、時間だけが過ぎていく。
「おい、おい!聞いてんのか稗田っちぃ!」
「…え?」
僕はハッとした、静けさを不気味に感じた演技班が様子を見に来たらしく、少しだけ空気は良くなっていた。
「お前ずーっとぼーっとしててよぉ、何があったんだぁ?」
「え…と…」
まだ声が聞こえるだけで頭が全然回っていない。
「道具班の実質2の犠牲者よ…」
響子さんはそう言った。
僕は洋一さんは無事なことを知ってるから、その分は付いてなかったようだ、ずっと放心状態だ。
「そうかぁ、声的にあのが来たんだろぉ?怖い声してるぜぇ、こっちの部屋まで響いてきたからなぁ」
砕は僕の背中を優しくさすってくれた。
「どうだぁ、これで落ち着いてきたかぁ?」
「ちょっとは落ち着いてきた、ありがとう砕」
「ほんとアオイックの声は怖いわよね、日向も怯えちゃったの」
「うぅ…あうぅ……」
日向ちゃんは出会った頃のように櫻さんの後ろにくっ付いている。
怯えるとこうなっちゃうんだな。
「空気を無理に変えるのも難しいし…とりあえず!ゆっくりリハーサルしていきましょう!」
櫻さんはみんなに声をかけた、それぞれゆっくりではあるが準備を始めた。
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