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第76話
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森の中を進んでいく。
するとこの森の顔役みたいな感じになってるあのモフリンベアーたちを発見した。
女子校生探索者たちはモフリンベアーに突撃し、私はモフリンベアーに突撃された。
モフリンベアーに集られる私を見て女子高生たちが若干の嫉妬の炎を燃やしていたのは気のせいではないのだろう。
こっちとしてはあのツヤツヤの黒い鼻をグイグイと顔に押し付けられたり体に押し付けられたりするのには慣れないので彼女たちの方を相手をしてほしいのだが…。
そんな彼女たちに抱き枕みたいにされてる小型のモフリンベアーたちはされるがままだ。
私はそれを見習ってされるがままするか。
モフリンベアーに集られているとそこに野菜の精霊たちまでフヨフヨと飛んでくる。
実にカオスな光景だ。
そんな中アヤメが何気ない感じで口を開いた。
「ヒロキ君、そういえば言ってなかったけど今日はあのスケルトンたちが来る日だよ?」
「そうだっけ? 確かにそのくらいだったね~」
気のない返事をする私と違い探索者の彼女たちはかなり驚いたような感じで反応する。
「まさかあのスケルトン達がまたっ!?」
「とんでもない事じゃない、どうしてそんな平然としてるのよ!」
「…一河さんがどうにかするの? いえっ今はハルカさんがいないのに、それでもどうにか出来るんですか一河さん」
結構慌てているな。
いやそれもそうか、以前あのスケルトン軍団に全滅させられそうになったわけだし仕方がない。
しかし私はそこまで慌ててはいない、理由は簡単だ。
温泉ができてからしばらく経った現在まであのスケルトン軍団たちの襲撃ならもうすでに何度かあったのだ。
その全てを彼女たちや工藤さんたちに一切知られることなく撃退しているという訳なのだよ。
「まず落ち着いてほしい、あのスケルトンたちの襲撃だったら特に問題ないから」
「何故ですか?」
「まあそこは…実際に見に行ってみればわかるよ、行ってみる?」
私の提案に3人は渋い顔をしていたが頷いた。
そしてアヤメに案内されることをしばらく、我々はダンジョンの島の海に面してる部分へと森を抜ける。
そこは青い海が広がっていた、海は凪いでいて静かだ。
しかししばらくすると例の大きな魔法陣が海面にいくつも出現し、スケルトンたちを大量に乗せたスケルトンシップが十数隻出現した。
以前、彼女たちが本気でピンチになった時ほどの規模ではないがそれでも油断できない数だろう。
以前のトラウマを思い出すのかアズサと響が私に不安そうに視線を向けてくる。
「心配する必要はないから」
「そうは言っても……」
「今は高見先生も一河さんの仲間のハルカさんもいないのよ?」
「正直そこまでの戦力もいらないんだよ…」
「それはどういう事なんですか?」
私自身も最初の何度か不安だったんだ。
しかしハルカもアヤメも全く心配していなかった。
そして実際に何度かスケルトンたちとの戦闘を見てみた結果、本当に問題ないだろうという気持ちになったのだ。
ちなみに何が問題ないのかという話なのだが……。
「だって戦うのは私たちじゃないからさ」
「アタシたちは見てるだけでいいのよ!」
「………まさか」
さゆりの目が見開かれる。
どうやら彼女は理解したようだ。
そうっ今回、私たちと一緒についてきたもモフリンベアーと野菜の精霊たちが とても気合が入った様子である。
戦うのは彼らなのだ。
「ほっ本気ですか一河さん!?」
「本気だよ、元からダンジョンのモンスターはそのダンジョンを守るためにいるモンスターっていうのは間違いないからね。このダンジョンを攻撃しようっていう外敵が現れたら本来はこの子たちが戦うのが普通らしいんだ、ハルカのアヤメに言わせるとね」
「そんな」
「あんな危険なやつらと戦わせるっていうの?」
「もちろん私も最初は大丈夫かって心配したけど…まあとにかく実際に見てみればわかるさ」
「わかるさと言われても…」
さゆりの言葉にアズサも響も不安そうだ。
私もそうだった、私も通った道である。
しかし本当に見てみればわかるものなので見てみよう。
さっきからアヤメがずっと黙ったまま ニヤニヤしてる、それが全てを物語っているけどね。
まず最初に動いたのはモフリンベアーだった、大きいあいつも小さめのあの子たちもみんな両足だけで立って前足を海面のスケルトンシップに向ける。
「プオォーーーーー!」
「「「「「プオォーーーーー!」」」」」
次の瞬間もモフリンベアーたちの前足の前に緑色の魔法陣が出現、その魔法陣から爆風が放たれた。
「………え?」
アズサの目が点になった。
放たれた爆風によってスケルトンシップ艦隊の隊列は乱されお互いの船がぶつかり合う。
実際はそれだけではない。
現在、船に乗っているスケルトンたちは目には見えない風の刃に晒されていることだろう。
そうっ少し前まで私も気づかなかったことなのだが………強いんだよ。
このダンジョンの精霊だかモンスターだかはさ。
するとこの森の顔役みたいな感じになってるあのモフリンベアーたちを発見した。
女子校生探索者たちはモフリンベアーに突撃し、私はモフリンベアーに突撃された。
モフリンベアーに集られる私を見て女子高生たちが若干の嫉妬の炎を燃やしていたのは気のせいではないのだろう。
こっちとしてはあのツヤツヤの黒い鼻をグイグイと顔に押し付けられたり体に押し付けられたりするのには慣れないので彼女たちの方を相手をしてほしいのだが…。
そんな彼女たちに抱き枕みたいにされてる小型のモフリンベアーたちはされるがままだ。
私はそれを見習ってされるがままするか。
モフリンベアーに集られているとそこに野菜の精霊たちまでフヨフヨと飛んでくる。
実にカオスな光景だ。
そんな中アヤメが何気ない感じで口を開いた。
「ヒロキ君、そういえば言ってなかったけど今日はあのスケルトンたちが来る日だよ?」
「そうだっけ? 確かにそのくらいだったね~」
気のない返事をする私と違い探索者の彼女たちはかなり驚いたような感じで反応する。
「まさかあのスケルトン達がまたっ!?」
「とんでもない事じゃない、どうしてそんな平然としてるのよ!」
「…一河さんがどうにかするの? いえっ今はハルカさんがいないのに、それでもどうにか出来るんですか一河さん」
結構慌てているな。
いやそれもそうか、以前あのスケルトン軍団に全滅させられそうになったわけだし仕方がない。
しかし私はそこまで慌ててはいない、理由は簡単だ。
温泉ができてからしばらく経った現在まであのスケルトン軍団たちの襲撃ならもうすでに何度かあったのだ。
その全てを彼女たちや工藤さんたちに一切知られることなく撃退しているという訳なのだよ。
「まず落ち着いてほしい、あのスケルトンたちの襲撃だったら特に問題ないから」
「何故ですか?」
「まあそこは…実際に見に行ってみればわかるよ、行ってみる?」
私の提案に3人は渋い顔をしていたが頷いた。
そしてアヤメに案内されることをしばらく、我々はダンジョンの島の海に面してる部分へと森を抜ける。
そこは青い海が広がっていた、海は凪いでいて静かだ。
しかししばらくすると例の大きな魔法陣が海面にいくつも出現し、スケルトンたちを大量に乗せたスケルトンシップが十数隻出現した。
以前、彼女たちが本気でピンチになった時ほどの規模ではないがそれでも油断できない数だろう。
以前のトラウマを思い出すのかアズサと響が私に不安そうに視線を向けてくる。
「心配する必要はないから」
「そうは言っても……」
「今は高見先生も一河さんの仲間のハルカさんもいないのよ?」
「正直そこまでの戦力もいらないんだよ…」
「それはどういう事なんですか?」
私自身も最初の何度か不安だったんだ。
しかしハルカもアヤメも全く心配していなかった。
そして実際に何度かスケルトンたちとの戦闘を見てみた結果、本当に問題ないだろうという気持ちになったのだ。
ちなみに何が問題ないのかという話なのだが……。
「だって戦うのは私たちじゃないからさ」
「アタシたちは見てるだけでいいのよ!」
「………まさか」
さゆりの目が見開かれる。
どうやら彼女は理解したようだ。
そうっ今回、私たちと一緒についてきたもモフリンベアーと野菜の精霊たちが とても気合が入った様子である。
戦うのは彼らなのだ。
「ほっ本気ですか一河さん!?」
「本気だよ、元からダンジョンのモンスターはそのダンジョンを守るためにいるモンスターっていうのは間違いないからね。このダンジョンを攻撃しようっていう外敵が現れたら本来はこの子たちが戦うのが普通らしいんだ、ハルカのアヤメに言わせるとね」
「そんな」
「あんな危険なやつらと戦わせるっていうの?」
「もちろん私も最初は大丈夫かって心配したけど…まあとにかく実際に見てみればわかるさ」
「わかるさと言われても…」
さゆりの言葉にアズサも響も不安そうだ。
私もそうだった、私も通った道である。
しかし本当に見てみればわかるものなので見てみよう。
さっきからアヤメがずっと黙ったまま ニヤニヤしてる、それが全てを物語っているけどね。
まず最初に動いたのはモフリンベアーだった、大きいあいつも小さめのあの子たちもみんな両足だけで立って前足を海面のスケルトンシップに向ける。
「プオォーーーーー!」
「「「「「プオォーーーーー!」」」」」
次の瞬間もモフリンベアーたちの前足の前に緑色の魔法陣が出現、その魔法陣から爆風が放たれた。
「………え?」
アズサの目が点になった。
放たれた爆風によってスケルトンシップ艦隊の隊列は乱されお互いの船がぶつかり合う。
実際はそれだけではない。
現在、船に乗っているスケルトンたちは目には見えない風の刃に晒されていることだろう。
そうっ少し前まで私も気づかなかったことなのだが………強いんだよ。
このダンジョンの精霊だかモンスターだかはさ。
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