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第46話
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「スケルトン共! この私が全て掃除してやるわ!」
私の周囲に集まる探索者一同から1人踊り出たのは竹刀を片手にダンジョンに来ていた女子高生の赤城響である。
いつもの女子高生の制服に腕には小手、足には脛当てをしていてそれ以外ほぼ防具なしという軽装スタイルの彼女は近接戦闘を挑んでいた。
スケルトンに突撃する彼女。
高見さんも止めないところを見るとあのまま行かせて問題ないってことなのか、私からすれば竹刀で凶器を持ったスケルトンをどうやってどう倒すんだろうかと思うのだが。
彼女は赤みがかった黒い瞳でスケルトンを見据えながら両手で竹刀を握った。
「くらいなさい!」
彼女が手にした竹刀を振るう。
いや竹刀じゃ……ない?
いつの間にさ彼女の手には竹刀ではなく日本刀が握られていた。
あれはどういうことなんだ、さっきからこちらはずっと海賊スケルトンシップへ弾丸を放ちながら彼女たちの戦いをチラ見ているので何が起きたのか一瞬わからなかった。
そこに工藤さんが説明を入れてくれる。
「響ちゃんの持つスキルの一つに自身が手にしている物を周囲の人間の視線から誤魔化すスキルがあるんですよ」
「視線を誤魔化す?」
「そうです、つまり彼女は最初から竹刀じゃなくてずっと日本刀と持っていたんですよ、本人曰く法律に引っかかるからスキルを使って隠してるそうですよ? ちなみに今までバレたことはないそうです」
嘘でしょ?
あの子ぱっと見は文武両道な優等生って感じなのに平然と銃刀法違反して生きてんのか、まあダンジョンで銃をぶっ放してる私は問題ないのかよう知らんのだけど。
しかし彼女は街中を歩く時も竹刀を持っていたはず、何と言うか今時の子は神経の太さも私が子供だった時とは別次元だな。
「もちろん人を化かすようなスキルだけが彼女を持ち味じゃないですよ、まあ見ていてください」
「焼き切ってあげる、『火焔刃《バーンブレイド》!』
赤城が日本刀を振るう。するとその日本刀の刃から炎が噴き出した、刀の斬撃を手にした武器だ防いだスケルトンだがその炎を防ぐ事は出来ない、炎に焼かれ絶叫する。
なかなかにエグい攻撃スキルの持ち主だ、炎に炙られたらたまらないのか前進していたスケルトンたちの足が止まる。
スケルトンたちに日本刀の刃先を向けた彼女は笑顔で言い放つ。
「三枚おろしにされたいやつと丸焼きにされたいやつから前に出てきなさい!」
そして動きを止めたスケルトンたちに何の躊躇もなく攻撃スキルを放つ者がいる。
紺野さゆりである。
「……『雷撃晶体《サンダークォーツ》』」
彼女がスキルを発動すると軽く人間の大人くらいはありそうな大きな黄色の結晶体が現れる。それが何やらバチバチと音を立て発光しだすとスケルトンたちに向かって雷撃を放った。
雷光が閃く、防ぐことも躱すこともできない雷速の攻撃スキルにスケルトンたちは消し飛ばれたり吹き飛ばされていく。
黄色い結晶体はゆっくりとしたスピードでスケルトンたちの方へと移動していき、スケルトンたちは手にした武器を投げつけたりだとか何とかしようとする。
だが黄色の結晶体の放つ雷がその全てを打ち落とし、武器を投げつけたスケルトンたちも粉々にしていった。
今度は私があ然とする番だった。
「…とんでもない攻撃スキルですね」
「今野さんの持つ攻撃スキルは私たちの中でも最強ですね…」
そう言って工藤さんは笑う、あの威力は笑い事じゃないよ。
本当にエゲつないスキルだ。
「私のスキルは一度発動すればあの結晶体が破壊されるか攻撃するエネルギーを失うまで自動で攻撃してくれます、その間はスケルトンたちがどれだけ現れてもこちらが数を押し切られることありえないと思います、その間にあの船を沈めてください一河さん」
「わっ分かりました……」
ちなみにだが彼女たちが頑張ってる間に新たに五隻ほどの船を沈めているのだけど。
「ハルカ、アヤメ、一気に行こう『黒鎖弾』!『黒刃弾』!」
彼女たちの攻撃スキルを頼りに海賊スケルトンシップ撃沈。
さらに進めていくが相変わらず魔法陣は消えない。
スケルトンもぞろぞろと出てが来るのだがあの5人なら問題なく戦えるということを理解したので船を破壊することに集中できる。
そしてしばらく戦闘が経過した、こちらが更に数隻の船を沈めて敵の船が数えると十五隻、ようやく当初の半分くらいになったかなというタイミングで事が起こった。
「ッ!? そんなまさか」
高見さんの声が聞こえる、彼女が見てる方を見てみると、なんと三つしかなかったはずの魔法陣が何十個にも増えている。
視界の端から端までズラリと魔法陣が並んでいる。
おいおいちょっと待ってくれよいくら何でも計算がおかしいだろ、そんなバカみたいな数の魔法陣を出してもどっからスケルトンが来るってんだ?
あの十五隻の船全部から来るって言うのか?
一瞬私ですら思考が停止して攻撃するのが止まってしまった。
そして嫌な予感というのはマジで的中するらしい、出現した大量の魔法陣からこれまで以上に大量のスケルトンたちが現れたのだ。
私の周囲に集まる探索者一同から1人踊り出たのは竹刀を片手にダンジョンに来ていた女子高生の赤城響である。
いつもの女子高生の制服に腕には小手、足には脛当てをしていてそれ以外ほぼ防具なしという軽装スタイルの彼女は近接戦闘を挑んでいた。
スケルトンに突撃する彼女。
高見さんも止めないところを見るとあのまま行かせて問題ないってことなのか、私からすれば竹刀で凶器を持ったスケルトンをどうやってどう倒すんだろうかと思うのだが。
彼女は赤みがかった黒い瞳でスケルトンを見据えながら両手で竹刀を握った。
「くらいなさい!」
彼女が手にした竹刀を振るう。
いや竹刀じゃ……ない?
いつの間にさ彼女の手には竹刀ではなく日本刀が握られていた。
あれはどういうことなんだ、さっきからこちらはずっと海賊スケルトンシップへ弾丸を放ちながら彼女たちの戦いをチラ見ているので何が起きたのか一瞬わからなかった。
そこに工藤さんが説明を入れてくれる。
「響ちゃんの持つスキルの一つに自身が手にしている物を周囲の人間の視線から誤魔化すスキルがあるんですよ」
「視線を誤魔化す?」
「そうです、つまり彼女は最初から竹刀じゃなくてずっと日本刀と持っていたんですよ、本人曰く法律に引っかかるからスキルを使って隠してるそうですよ? ちなみに今までバレたことはないそうです」
嘘でしょ?
あの子ぱっと見は文武両道な優等生って感じなのに平然と銃刀法違反して生きてんのか、まあダンジョンで銃をぶっ放してる私は問題ないのかよう知らんのだけど。
しかし彼女は街中を歩く時も竹刀を持っていたはず、何と言うか今時の子は神経の太さも私が子供だった時とは別次元だな。
「もちろん人を化かすようなスキルだけが彼女を持ち味じゃないですよ、まあ見ていてください」
「焼き切ってあげる、『火焔刃《バーンブレイド》!』
赤城が日本刀を振るう。するとその日本刀の刃から炎が噴き出した、刀の斬撃を手にした武器だ防いだスケルトンだがその炎を防ぐ事は出来ない、炎に焼かれ絶叫する。
なかなかにエグい攻撃スキルの持ち主だ、炎に炙られたらたまらないのか前進していたスケルトンたちの足が止まる。
スケルトンたちに日本刀の刃先を向けた彼女は笑顔で言い放つ。
「三枚おろしにされたいやつと丸焼きにされたいやつから前に出てきなさい!」
そして動きを止めたスケルトンたちに何の躊躇もなく攻撃スキルを放つ者がいる。
紺野さゆりである。
「……『雷撃晶体《サンダークォーツ》』」
彼女がスキルを発動すると軽く人間の大人くらいはありそうな大きな黄色の結晶体が現れる。それが何やらバチバチと音を立て発光しだすとスケルトンたちに向かって雷撃を放った。
雷光が閃く、防ぐことも躱すこともできない雷速の攻撃スキルにスケルトンたちは消し飛ばれたり吹き飛ばされていく。
黄色い結晶体はゆっくりとしたスピードでスケルトンたちの方へと移動していき、スケルトンたちは手にした武器を投げつけたりだとか何とかしようとする。
だが黄色の結晶体の放つ雷がその全てを打ち落とし、武器を投げつけたスケルトンたちも粉々にしていった。
今度は私があ然とする番だった。
「…とんでもない攻撃スキルですね」
「今野さんの持つ攻撃スキルは私たちの中でも最強ですね…」
そう言って工藤さんは笑う、あの威力は笑い事じゃないよ。
本当にエゲつないスキルだ。
「私のスキルは一度発動すればあの結晶体が破壊されるか攻撃するエネルギーを失うまで自動で攻撃してくれます、その間はスケルトンたちがどれだけ現れてもこちらが数を押し切られることありえないと思います、その間にあの船を沈めてください一河さん」
「わっ分かりました……」
ちなみにだが彼女たちが頑張ってる間に新たに五隻ほどの船を沈めているのだけど。
「ハルカ、アヤメ、一気に行こう『黒鎖弾』!『黒刃弾』!」
彼女たちの攻撃スキルを頼りに海賊スケルトンシップ撃沈。
さらに進めていくが相変わらず魔法陣は消えない。
スケルトンもぞろぞろと出てが来るのだがあの5人なら問題なく戦えるということを理解したので船を破壊することに集中できる。
そしてしばらく戦闘が経過した、こちらが更に数隻の船を沈めて敵の船が数えると十五隻、ようやく当初の半分くらいになったかなというタイミングで事が起こった。
「ッ!? そんなまさか」
高見さんの声が聞こえる、彼女が見てる方を見てみると、なんと三つしかなかったはずの魔法陣が何十個にも増えている。
視界の端から端までズラリと魔法陣が並んでいる。
おいおいちょっと待ってくれよいくら何でも計算がおかしいだろ、そんなバカみたいな数の魔法陣を出してもどっからスケルトンが来るってんだ?
あの十五隻の船全部から来るって言うのか?
一瞬私ですら思考が停止して攻撃するのが止まってしまった。
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