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第30話
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「ほう、ダンジョン探索者になったのか。いやお前よぉ三十過ぎてやる仕事じゃねえだろあれ…」
「他の仕事も一応は探したんだけどなかなかこの歳の転職がきつくてさ…」
アラフィフとアラサーが自分たちの現状を話すとする。
これがまあ端から聞いてるとつまらない話になるのか私にしか聞こえない声量でブレスレットから何度かあくびが聞こえてきた。
さすがにダンジョンコアであるアヤメやハルカについて話すことはできないので、そのあくびは無視している。
「けどこれでも多少は成果も出てきたんですよ」
「そうなのか? それならいいんだが…」
「それでちょっと買いたいものがあるんだけどいいですか?」
「お前が車を買うのか、珍しいな。免許なんかあんのかよ」
「ペーパードライバーだけど免許くらいは取ってるって。ただ別に動く必要はないんですけどね…」
「………なんじゃそら?」
今日私がここに来たのはワゴン車を2台買う為だ。
無論そんなお高いやつとかじゃなくて荷物とかを問題なく詰めるタイプでぶっちゃけエンジンとかもいらないのである。
要は車と言うかその車体だけ欲しいのだ。
車中泊専用として以前テレビで動かないバスを改造して別荘の代わりにしてる人がいたがそれのワゴン車版って訳だ。
テント泊ばかりしてきたので少し飽きた。
今度は車中泊でもしてみようかと思って買いに来たのである……というのは半分冗談なのだがこの頃ガチであの安アパートを出てダンジョンの方に拠点を移そうかと考えている。
安い方とはいえアパートの家賃も馬鹿に出来ない、殆ど使わなくなった部屋の為にお金を出すのが少し嫌なのだ。
普通に考えると財政的に家とかは無理なのでコンテナハウスでも買ってしまえば良いのかも知れない、アヤメに協力をして貰えればどちらもダンジョンに運ぶ事が可能だろう。
しかしあのダンジョンの風景にコンテナハウスはちょっと微妙、そこで考えたのか車である。
まだ一度もないのだがダンジョンも青空が広がっているが天気が変わることもあるかもしれない。
雨が降った時にテントではさすがに心もとないのでコンテナハウスとテントの間をとって車中泊はできるワゴン車というわけだ。
二台もあれば私とハルカとアヤメの3人なら特に問題もないだろうし工藤さんやもし他にも雇う探索者を増やす場合にしてもワゴン車二台あればとりあえず雨宿りくらいはどうにかなると思う。
まあどのみちいつでもダンジョンから退避すれば問題ないのは変わらないけど…。
これはなんとなくのイメージでしかないのだが、青い水平線と白い砂浜そして少し離れたところに止めてある陽射しに照らされる車。
なんとなく絵になる気がする。
少なくともそこにコンテナハウスがあるよりかは絵になる気がするのだ。
だから私はここに来た。
「中古車で安くヤツでエンジンもいらないから、とりあえず綺麗な外見のワゴン車とかないの?」
「車屋に来て走らなくてもいい車を売ってくれってか? お前はたまに変わったことを言うな」
「ここって中古車の買取とかして売れる部品だけ取り出してたりもするじゃないか、だったらちょうど良さそうなやつとかあるかと思って…」
「まああるにはあるぞ、ちょっと見に行くか」
南のおっさんが案内してくれるらしい。
私はその後について行った。
店の奥にあるドアの向こうのガレージに通される、そこには数台の車が並んでいた。
それ以外も様々な機器だったり、車のパーツであろうものが色々と置いてある。
確かにアヤメに言うとおりこじんまりしてはいるが立派な車の工場である。
私はこういう場所とか好きだ。
仕事が始まると絶対に大きな音が出そうなので仕事してる最中はあまり行きたくないけど。
南のおっさんは私に二台のワゴン車を見せてくれた。
「どっちも少し型は古いし、中古車なのは間違いないが事故車とかじゃないから傷もないぞ。走らなくてもいいってんならさかなり安いぜ、何しろエンジンとかがないんだからな!」
見せてもらったのは二台のワゴン車、色は黒と白である。
どちらもスタンダードなあの箱っぽい感じのワゴン車だと聞いて人が想像する通りの外見のやつである。
こういうのが欲しかったんだ。
それは本音を言えば青い海と白い砂浜に赤い高級外車とかの方が理想だろう。
しかし我がダンジョンの財政を考えてもそこまでのものを私は求めるつもりはない。
多少の小金を稼いだとはいえ、あまり自由にお金を使うのもよろしくないからな。
後々のことも考えれば少しずつでも貯めておく必要があるし購入する車としてこれは悪くないと思う。
「この二台を買わせてもらいます」
「そうか分かった」
と言う訳で2台のワゴン車の車体だけを無事購入した。
そのまま持ち帰ると言ったら動かないのにどうやっても持ってくんだと南のおっさんが言うので目の前でアヤメのスキルで半透明のキューブにして手のひらの上に転がしたらめっちゃ驚いてた。
これが探索者になれたことの恩恵ですねっとちょっと格好つけたてしたり顔で言ったら「すげーなおい!」と南のおっさんに言われ若干鼻高になった私だ。
「他の仕事も一応は探したんだけどなかなかこの歳の転職がきつくてさ…」
アラフィフとアラサーが自分たちの現状を話すとする。
これがまあ端から聞いてるとつまらない話になるのか私にしか聞こえない声量でブレスレットから何度かあくびが聞こえてきた。
さすがにダンジョンコアであるアヤメやハルカについて話すことはできないので、そのあくびは無視している。
「けどこれでも多少は成果も出てきたんですよ」
「そうなのか? それならいいんだが…」
「それでちょっと買いたいものがあるんだけどいいですか?」
「お前が車を買うのか、珍しいな。免許なんかあんのかよ」
「ペーパードライバーだけど免許くらいは取ってるって。ただ別に動く必要はないんですけどね…」
「………なんじゃそら?」
今日私がここに来たのはワゴン車を2台買う為だ。
無論そんなお高いやつとかじゃなくて荷物とかを問題なく詰めるタイプでぶっちゃけエンジンとかもいらないのである。
要は車と言うかその車体だけ欲しいのだ。
車中泊専用として以前テレビで動かないバスを改造して別荘の代わりにしてる人がいたがそれのワゴン車版って訳だ。
テント泊ばかりしてきたので少し飽きた。
今度は車中泊でもしてみようかと思って買いに来たのである……というのは半分冗談なのだがこの頃ガチであの安アパートを出てダンジョンの方に拠点を移そうかと考えている。
安い方とはいえアパートの家賃も馬鹿に出来ない、殆ど使わなくなった部屋の為にお金を出すのが少し嫌なのだ。
普通に考えると財政的に家とかは無理なのでコンテナハウスでも買ってしまえば良いのかも知れない、アヤメに協力をして貰えればどちらもダンジョンに運ぶ事が可能だろう。
しかしあのダンジョンの風景にコンテナハウスはちょっと微妙、そこで考えたのか車である。
まだ一度もないのだがダンジョンも青空が広がっているが天気が変わることもあるかもしれない。
雨が降った時にテントではさすがに心もとないのでコンテナハウスとテントの間をとって車中泊はできるワゴン車というわけだ。
二台もあれば私とハルカとアヤメの3人なら特に問題もないだろうし工藤さんやもし他にも雇う探索者を増やす場合にしてもワゴン車二台あればとりあえず雨宿りくらいはどうにかなると思う。
まあどのみちいつでもダンジョンから退避すれば問題ないのは変わらないけど…。
これはなんとなくのイメージでしかないのだが、青い水平線と白い砂浜そして少し離れたところに止めてある陽射しに照らされる車。
なんとなく絵になる気がする。
少なくともそこにコンテナハウスがあるよりかは絵になる気がするのだ。
だから私はここに来た。
「中古車で安くヤツでエンジンもいらないから、とりあえず綺麗な外見のワゴン車とかないの?」
「車屋に来て走らなくてもいい車を売ってくれってか? お前はたまに変わったことを言うな」
「ここって中古車の買取とかして売れる部品だけ取り出してたりもするじゃないか、だったらちょうど良さそうなやつとかあるかと思って…」
「まああるにはあるぞ、ちょっと見に行くか」
南のおっさんが案内してくれるらしい。
私はその後について行った。
店の奥にあるドアの向こうのガレージに通される、そこには数台の車が並んでいた。
それ以外も様々な機器だったり、車のパーツであろうものが色々と置いてある。
確かにアヤメに言うとおりこじんまりしてはいるが立派な車の工場である。
私はこういう場所とか好きだ。
仕事が始まると絶対に大きな音が出そうなので仕事してる最中はあまり行きたくないけど。
南のおっさんは私に二台のワゴン車を見せてくれた。
「どっちも少し型は古いし、中古車なのは間違いないが事故車とかじゃないから傷もないぞ。走らなくてもいいってんならさかなり安いぜ、何しろエンジンとかがないんだからな!」
見せてもらったのは二台のワゴン車、色は黒と白である。
どちらもスタンダードなあの箱っぽい感じのワゴン車だと聞いて人が想像する通りの外見のやつである。
こういうのが欲しかったんだ。
それは本音を言えば青い海と白い砂浜に赤い高級外車とかの方が理想だろう。
しかし我がダンジョンの財政を考えてもそこまでのものを私は求めるつもりはない。
多少の小金を稼いだとはいえ、あまり自由にお金を使うのもよろしくないからな。
後々のことも考えれば少しずつでも貯めておく必要があるし購入する車としてこれは悪くないと思う。
「この二台を買わせてもらいます」
「そうか分かった」
と言う訳で2台のワゴン車の車体だけを無事購入した。
そのまま持ち帰ると言ったら動かないのにどうやっても持ってくんだと南のおっさんが言うので目の前でアヤメのスキルで半透明のキューブにして手のひらの上に転がしたらめっちゃ驚いてた。
これが探索者になれたことの恩恵ですねっとちょっと格好つけたてしたり顔で言ったら「すげーなおい!」と南のおっさんに言われ若干鼻高になった私だ。
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