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第四章 迫る魔の手

第94話

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 さらに一週間ほど日々が経過する、電話ではなくこの頃はスマホのでの簡単なメールのやり取りをするようになった。

 いやっ確かこれはメールじゃなくてSNSとか言うやつだったか、正直メール と何が違うのかようわからん。

 ただよく画像を載せているんだよなあいつら。
 倒してモンスターが光になっていく途中の画像とか手に入れた魔石の画像とかをやたらと送ってくるのだ。

 ミルティが写ってる写真もあったので本当に女子3人でダンジョンに行っているんだなということが伺えた。

 まさかダンジョン女子としてバズろうとしてるか?
 最近はキャンプ女子だったりサウナ女子だったりなんか色々となんたら女子って言うっていうワードが生まれてはひっそりと消えていってるよな。

 ただモンスターが出てくるダンジョンにまでその延長線上で行くのはどうだろうかとふと思うことがある。
 まあそれがこのダンジョン大飽和時代の日本なのだ。

 俺というちっぽけな個人がどうこう考えたところでなんとかなるような物でもないし世の中っていうのは結局なるようにしかならないよな。

「…う~ん、やっぱり今日も現れないか」

  俺は以前スライムが異常発生したあの不人気ダンジョンの一つ、古民家のダンジョンに来ていた。

 あれ以降は七光りスライムもキングスライムも現れることがない。
 ちなみに以前七光りスライムとやり合った時ダンジョン内部はめちゃくちゃになった。

 しかし俺が久しぶりに行ってみれば何事もなかったかのように以前の姿を取り戻していた、ここら辺もダンジョンの不思議なところだな。

 まああれだけでかい穴がボコボコ開いてたらさすがに何かしら話題になってしまうので元に戻ってくれて助かってはいるのけどな。

 話がそれた。
 俺は何とかあの七光りスライムとまた出会って今度こそ倒す事ができないかと考えている。

 あんなわけのわからないモンスターが たとえどれだけ低確率でもいきなり現れるようなダンジョンを放っておくわけにはいかないだろう。

 もしかしたら俺が消滅させた他のダンジョン同様にここも消えるかもしれないが、あまりにも危険なダンジョンはむしろ消えてくれた方が助かる。

 今宮たちが自分たちだけでダンジョン探索者をやって暇ができたのでこうやって俺はこの古民家の……言いにくいな、もうスライムダンジョンでいいか。
 七光りスライムを追って何度もこのスライムダンジョンに足を運んでいるのである。

 ただ現在のところ収穫はほとんどゼロ、以前はだいぶお世話になった雑魚スライムたちなら普通に俺の周りにモリモリといるんだがな。

 そしてポヨンポヨンと俺に近寄ってきて、そのまま俺に体当たりをして勝手に光となって消える。
 後には魔石を残していくだけである。

 無論その魔石の回収は忘れない、ちゃんと袋も持ってきたしな。
 その中に一個一個しっかり集める。

  にしても本日もこのダンジョンで七光りスライムとの遭遇はなしか、成果はずっしりと重くなった袋一つである。

 まあこれでもそれなりの収入にはなるのでよしとしよう。

 俺はスライムダンジョンを後にした。
 このダンジョンは古民家の内部がダンジョンになっている、ダンジョンを一歩出ると何の変哲もない古民家の入り口から出ることになるのだ。

 俺は探索者ギルドの方に魔石の換金にでも行こうかと考えながらダンジョンの外に出たタイミングにて。

「あらっこんなところにある不人気ダンジョンに探索者がいるなんて、珍しいこともあるのね…」

「………?」

 なにやら軽い調子の声をかけられた。
 その声のする方を見るとピンク色のストレートロングヘアーと金色の瞳というどっかで見たことのある色の組み合わせの髪と目の色をした女性が立っている。

 服装は赤と黒を基調とした和装を思わせる感じなのだが、下はフリルのついた短めのスカート、上の方も胸元が開いていたりとだいぶ動きやすさだとか派手さを重視したデザインをしている。

 そしてそれを着ている女性は全力で偉そうな感じをバンバン出してる印象を受ける女だ、腰には日本刀を差している。

 ミルティとはだいぶ受ける印象は違うが歳は近いと見た、果たしてあっちのピンクツインテールと関係がある相手なのか?

 しかし本当にミルティと関係があるのかは分からないのでとりあえずは素知らぬ振りをしておこうか。

「たまには人がいないダンジョンっていうのも悪くはないもんだがな」

「あらそうなの? まっアタシは別のダンジョンに用があってきたわけじゃないのよ」

「そうなのか、ならなんで─」

 俺が話をしてる途中で女は地面を蹴って一気にこちらに接近してきた。
 そして腰の刀を抜いて切りかかってきやがった。
 イカレてるな。
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