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第四章 迫る魔の手
第91話
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「いやー 楽しみですね守咲さん」
「はい、ついに完成したんですね今宮さん、歩さん」
「…そうだな」
カナのやつに今宮と守咲の武器作成を頼んでしばらく経った。
その武器がようやく完成したという報告が俺のスマホに入ったので早速カナの店『探索者の魂』へと向けて歩いている。
2人がどんな武器を頼んだのか未だに教えられていない俺だ、そして俺たちは『探索者の魂』に到着し中に入る。
店の中は相変わらず客の姿が見えないがこの店は本当に潰れていないのが不思議だ、カウンターの方を見るとカナのやつがボケ~っとしていた。
「カナ、連絡をもらったから来たぞ」
「おっ来たわね日影、あの2人も連れて来たわね。それじゃあこっちに来なっ武器の方は店の奥に用意してるから」
「「わかりました」」
そして当然のように2人はカウンターの奥へ消えて何故か俺はその場にいるように言われた、本当に何故だ。
カナに尋ねると「まあお披露目会的なノリかね~」だそうだ。ダンジョンで使う武器にお披露目会ってなんだよ。
たまに女子のテンションが分からなくなる俺だ、いや基本的に女子のテンションの事なんて何も分かってはいないのだが…。
そしてカウンターの奥から高い声が聞こえる、多分だが喜んで興奮していると思われる声だ。
とてもよく響くなぁと思いつつ待つことしばらく3人とも戻ってきた。
むむっそれぞれ確かにダンジョンで使用するための武器を装備していた。
今宮のやつが持ってるのは小型のボウガンみたいな物だ。シーベルボアンゴの骨が使われたからなのか色合いは白を基調としている。
予想だがおそらく魔石をどこかにセットすることで自動的に魔力の矢を生成しそして発射するタイプのマジックボウガンだと見た。
以前、天海が魔石を弾丸の材料とする魔弾専用の拳銃を使っていた。
あれ程の連射性能はないが使い手の技量次第では曲線を描く魔法の矢を発射したりスキルを付与することでその攻撃力を一気に引き上げることができるタイプの武器だ。
「今宮、なかなか悪くない武器のチョイスをしたな。それはいい武器だ」
「当然ですよ、モンスターに攻撃とかされたら冗談じゃないですし、離れたところから確実に仕留める事ができるこの子を選びました」
武器チョイスの理由が現実的過ぎる、まあモンスターと戦うんだから身の安全を優先するのが当たり前なのは分かるが…。
守咲の方にも視線を向ける、守咲の方は……何だあれ。
なんか警官が持ってる警棒、あれを何倍にも長くしたような感じのやつだな、軽く一メートルは超えてる。あの棒の部分が長く若干太い。こっちはどことなく骨の風味が残ってるな。
それにしてもあんなので警察がぶっ叩いてきたら障害罪で逆に訴えたくなるレベルの警棒である。
「それは…なんて武器なんだ?」
「これはロッドの類に近いですね、ただ持ち手は私が持ちやすいように少し注文しました、これは─」
守咲曰く、今宮のやつが矢による攻撃、そして俺が刃物で攻撃するのならと自分は打撃で敵にダメージを与えられる武器をチョイスしたのだという。
確かにあれでぶっ叩かれると痛いとは思うがそれは人間を相手した時の話じゃないのか?
少なくともあれでボアンゴをぶっ叩いたからといってそんなにダメージを与えられるとも思えない。
そんなことを思っていると今宮がふふっと笑った。
「この子には歩さんのおかげで氷属性が付与されています、つまり叩いたところから凍傷になるんです! 皮膚を露出してるモンスターであればとても苦しいことになるはずですよ!」
戦闘面での守咲の意外なドSっぷりにびっくりだよ。
「て言うかお前ら俺がスキルで用意していた片手剣みたいなやつとかは一切使わないんだな」
「先輩みたいに無駄に頑丈でもないんですからあんなリーチの短い武器でモンスターとやるわけないじゃないですか、普通に死にますよあの戦い方」
「私も近接戦闘でもあれの倍くらいはリーチが欲しかったですね、敵が一撃で確実に倒せるから良かったですけどやはり身の危険は感じてました」
コイツら……タダで武器を用意してやったってのにそんなことを思ってやがったのか…。
なんてわがままで贅沢な奴らなんだ。
「気に入ってくれたみたいで良かったわ、そんで日影こっち請求書ね…」
2人のあんまりな言い分にただでさえ傷心中の俺にさらに心をエグるような数字が書かれた請求書を見せてくるカナ。
本当に女ってやつは怖いもんだ。
「よーし、せっかくだからこの武器を試しにどっかダンジョンに行きましょうよ先輩」
「そうですよ歩さん、このスーパー警棒を使ってダンジョンのモンスターを打ち倒してみたいです!」
「…スーパー警棒?」
「警棒のもの凄く凄いやつですから!」
アホなやり取りをしながらもどっかしらのダンジョンへと行きたいと抜かす2人。
俺は懐から金を出し請求書の支払いを一括で済ませてから2人の後を追った。
「はい、ついに完成したんですね今宮さん、歩さん」
「…そうだな」
カナのやつに今宮と守咲の武器作成を頼んでしばらく経った。
その武器がようやく完成したという報告が俺のスマホに入ったので早速カナの店『探索者の魂』へと向けて歩いている。
2人がどんな武器を頼んだのか未だに教えられていない俺だ、そして俺たちは『探索者の魂』に到着し中に入る。
店の中は相変わらず客の姿が見えないがこの店は本当に潰れていないのが不思議だ、カウンターの方を見るとカナのやつがボケ~っとしていた。
「カナ、連絡をもらったから来たぞ」
「おっ来たわね日影、あの2人も連れて来たわね。それじゃあこっちに来なっ武器の方は店の奥に用意してるから」
「「わかりました」」
そして当然のように2人はカウンターの奥へ消えて何故か俺はその場にいるように言われた、本当に何故だ。
カナに尋ねると「まあお披露目会的なノリかね~」だそうだ。ダンジョンで使う武器にお披露目会ってなんだよ。
たまに女子のテンションが分からなくなる俺だ、いや基本的に女子のテンションの事なんて何も分かってはいないのだが…。
そしてカウンターの奥から高い声が聞こえる、多分だが喜んで興奮していると思われる声だ。
とてもよく響くなぁと思いつつ待つことしばらく3人とも戻ってきた。
むむっそれぞれ確かにダンジョンで使用するための武器を装備していた。
今宮のやつが持ってるのは小型のボウガンみたいな物だ。シーベルボアンゴの骨が使われたからなのか色合いは白を基調としている。
予想だがおそらく魔石をどこかにセットすることで自動的に魔力の矢を生成しそして発射するタイプのマジックボウガンだと見た。
以前、天海が魔石を弾丸の材料とする魔弾専用の拳銃を使っていた。
あれ程の連射性能はないが使い手の技量次第では曲線を描く魔法の矢を発射したりスキルを付与することでその攻撃力を一気に引き上げることができるタイプの武器だ。
「今宮、なかなか悪くない武器のチョイスをしたな。それはいい武器だ」
「当然ですよ、モンスターに攻撃とかされたら冗談じゃないですし、離れたところから確実に仕留める事ができるこの子を選びました」
武器チョイスの理由が現実的過ぎる、まあモンスターと戦うんだから身の安全を優先するのが当たり前なのは分かるが…。
守咲の方にも視線を向ける、守咲の方は……何だあれ。
なんか警官が持ってる警棒、あれを何倍にも長くしたような感じのやつだな、軽く一メートルは超えてる。あの棒の部分が長く若干太い。こっちはどことなく骨の風味が残ってるな。
それにしてもあんなので警察がぶっ叩いてきたら障害罪で逆に訴えたくなるレベルの警棒である。
「それは…なんて武器なんだ?」
「これはロッドの類に近いですね、ただ持ち手は私が持ちやすいように少し注文しました、これは─」
守咲曰く、今宮のやつが矢による攻撃、そして俺が刃物で攻撃するのならと自分は打撃で敵にダメージを与えられる武器をチョイスしたのだという。
確かにあれでぶっ叩かれると痛いとは思うがそれは人間を相手した時の話じゃないのか?
少なくともあれでボアンゴをぶっ叩いたからといってそんなにダメージを与えられるとも思えない。
そんなことを思っていると今宮がふふっと笑った。
「この子には歩さんのおかげで氷属性が付与されています、つまり叩いたところから凍傷になるんです! 皮膚を露出してるモンスターであればとても苦しいことになるはずですよ!」
戦闘面での守咲の意外なドSっぷりにびっくりだよ。
「て言うかお前ら俺がスキルで用意していた片手剣みたいなやつとかは一切使わないんだな」
「先輩みたいに無駄に頑丈でもないんですからあんなリーチの短い武器でモンスターとやるわけないじゃないですか、普通に死にますよあの戦い方」
「私も近接戦闘でもあれの倍くらいはリーチが欲しかったですね、敵が一撃で確実に倒せるから良かったですけどやはり身の危険は感じてました」
コイツら……タダで武器を用意してやったってのにそんなことを思ってやがったのか…。
なんてわがままで贅沢な奴らなんだ。
「気に入ってくれたみたいで良かったわ、そんで日影こっち請求書ね…」
2人のあんまりな言い分にただでさえ傷心中の俺にさらに心をエグるような数字が書かれた請求書を見せてくるカナ。
本当に女ってやつは怖いもんだ。
「よーし、せっかくだからこの武器を試しにどっかダンジョンに行きましょうよ先輩」
「そうですよ歩さん、このスーパー警棒を使ってダンジョンのモンスターを打ち倒してみたいです!」
「…スーパー警棒?」
「警棒のもの凄く凄いやつですから!」
アホなやり取りをしながらもどっかしらのダンジョンへと行きたいと抜かす2人。
俺は懐から金を出し請求書の支払いを一括で済ませてから2人の後を追った。
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