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第三章 雪山ダンジョンでの闘い
第84話
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「おいおいおいっ何だあの土煙は!?」
「ここにモンスターが向かってるんだよ」
田中たちもモンスターの接近に勘付く、まあ遠くから地鳴りのように響く足音を聞けば普通は気づくよな。
今宮たちも同様に足音する方向に視線を向ける。
雪山の方から接近するモンスターたちを確認するとそれはボアンゴだった。
但しその数はとてつもなく多い。
この前現れた『夜盗のビルゲーター』と同等かそれ以上の数がいるんじゃないかと思われる。
あの雪山ダンジョンにいるボアンゴを全て集めてもあんなにはいないんじゃないか?
一体どこからかき集めてきたんだか、本当にダンジョンというやつは意味がわからないな。
「なっなんだあの数は…」
「意味が分からん」
「さっさと逃げた方がよくないか?」
「早く逃げましょう先輩!」
元同僚たちはビビる。
一方の今宮たちはそこまで気にした様子はない、この辺りの反応の違いは十中八九『神殺し(偽)』の称号を持つ俺の能力を知っているか知らないかの差だろう。
どうことかミルティも似たような態度で特に問題ないですよねみたいな感じでいるのが不思議なもんだがな。
「田中、佐藤、落ち着けあのレベルのモンスターならどれだけ数がいても問題はない」
「そういうもんなのか?」
「そういうもんだ、お前らが怪我をするようなことはないから安心しろ」
俺の言葉に元同僚たちは安心したのか少し冷静になった。
「よし、そこまで言うんだったら日影もいることだし俺たちのスキルで生み出したこいつらの能力を試してみてもいいんじゃないか?」
「別に構わないぞ? 好きにするといいさ」
こいつらのクラフトスキルで生み出された鋼鉄のわんころの能力か、実際に目にしてみたいもんだな。
どのみちボアンゴの大群なんて俺のキングオーラブレードでみんなまとめて切り倒してしまえばいいからな。
もし本当に危険になったら全員ダンジョンの出口から出ればいい。
「まだモンスターがこっちに来るまでは時間があるからその間にクラフトスキルで好きなだけそのロボット犬をクラフトしろ」
「…わかった、やってやる俺たちのスキルだって戦えるって事を見せてやるぜ!」
「日影、ちょっと魔法陣に鉱石を運ぶの手伝ってくれ!」
「こっこっちもお願いします先輩!」
「……こっちも頼む日影」
やる気を出した元同僚たちに俺も力を貸すことにした。
現実問題ボアンゴの足なら数分くらいでこっちの方に来るだろうから少し急ぐ。
パパッと魔法陣に鉱石を放り込んでいく。
そして他の連中にも土煙の向こうにいるボワンゴたちの姿が確認できるくらいにまで近づいたところでこちらの準備も完了した。
「メタルドック軍団の完成だ!」
田中が声を張る。全部で二十体の鋼鉄のわんこたちが横一列に並んでいた。確かに結構な数だ。
これだけいればちょっとした戦力になると思わせる数だな。
背中の機関銃がちゃんと機能すれば結構な活躍とかをつい期待してしまう。
「先輩…あのロボット犬たちは本当に大丈夫なんですか? 私たちがピンチになったら助けてくださいね」
今宮のやつか余計な水を差す。
「まっボアンゴがいくら数が集まろうとどうということはないさ。それにあのロボット犬たちがどんな風に戦うのか見てみるのも悪くないだろ」
「歩さんの言う通りですね、ダンジョンのモンスター相手に立派に戦う戦力をクラフトできるなんて、そんなスキルがあればとんでもない話ですよ」
「スキル一つで一財産さん築くことも可能かもしれませんわね」
「あれってそんな大層なスキルなんですか? 宴会で出てくる隠し芸より多少マシってレベルのスキルにしか見えないんですけど」
今宮は他人の能力を見る目というものがないな、まあ実際に目にしてみればわかることだ。
「メタルドッグ軍団……突撃だーー!」
号令をかけるのは田中だ。
鋼鉄のわんころたちがボアンゴのに向かって突撃して行った。
「ここにモンスターが向かってるんだよ」
田中たちもモンスターの接近に勘付く、まあ遠くから地鳴りのように響く足音を聞けば普通は気づくよな。
今宮たちも同様に足音する方向に視線を向ける。
雪山の方から接近するモンスターたちを確認するとそれはボアンゴだった。
但しその数はとてつもなく多い。
この前現れた『夜盗のビルゲーター』と同等かそれ以上の数がいるんじゃないかと思われる。
あの雪山ダンジョンにいるボアンゴを全て集めてもあんなにはいないんじゃないか?
一体どこからかき集めてきたんだか、本当にダンジョンというやつは意味がわからないな。
「なっなんだあの数は…」
「意味が分からん」
「さっさと逃げた方がよくないか?」
「早く逃げましょう先輩!」
元同僚たちはビビる。
一方の今宮たちはそこまで気にした様子はない、この辺りの反応の違いは十中八九『神殺し(偽)』の称号を持つ俺の能力を知っているか知らないかの差だろう。
どうことかミルティも似たような態度で特に問題ないですよねみたいな感じでいるのが不思議なもんだがな。
「田中、佐藤、落ち着けあのレベルのモンスターならどれだけ数がいても問題はない」
「そういうもんなのか?」
「そういうもんだ、お前らが怪我をするようなことはないから安心しろ」
俺の言葉に元同僚たちは安心したのか少し冷静になった。
「よし、そこまで言うんだったら日影もいることだし俺たちのスキルで生み出したこいつらの能力を試してみてもいいんじゃないか?」
「別に構わないぞ? 好きにするといいさ」
こいつらのクラフトスキルで生み出された鋼鉄のわんころの能力か、実際に目にしてみたいもんだな。
どのみちボアンゴの大群なんて俺のキングオーラブレードでみんなまとめて切り倒してしまえばいいからな。
もし本当に危険になったら全員ダンジョンの出口から出ればいい。
「まだモンスターがこっちに来るまでは時間があるからその間にクラフトスキルで好きなだけそのロボット犬をクラフトしろ」
「…わかった、やってやる俺たちのスキルだって戦えるって事を見せてやるぜ!」
「日影、ちょっと魔法陣に鉱石を運ぶの手伝ってくれ!」
「こっこっちもお願いします先輩!」
「……こっちも頼む日影」
やる気を出した元同僚たちに俺も力を貸すことにした。
現実問題ボアンゴの足なら数分くらいでこっちの方に来るだろうから少し急ぐ。
パパッと魔法陣に鉱石を放り込んでいく。
そして他の連中にも土煙の向こうにいるボワンゴたちの姿が確認できるくらいにまで近づいたところでこちらの準備も完了した。
「メタルドック軍団の完成だ!」
田中が声を張る。全部で二十体の鋼鉄のわんこたちが横一列に並んでいた。確かに結構な数だ。
これだけいればちょっとした戦力になると思わせる数だな。
背中の機関銃がちゃんと機能すれば結構な活躍とかをつい期待してしまう。
「先輩…あのロボット犬たちは本当に大丈夫なんですか? 私たちがピンチになったら助けてくださいね」
今宮のやつか余計な水を差す。
「まっボアンゴがいくら数が集まろうとどうということはないさ。それにあのロボット犬たちがどんな風に戦うのか見てみるのも悪くないだろ」
「歩さんの言う通りですね、ダンジョンのモンスター相手に立派に戦う戦力をクラフトできるなんて、そんなスキルがあればとんでもない話ですよ」
「スキル一つで一財産さん築くことも可能かもしれませんわね」
「あれってそんな大層なスキルなんですか? 宴会で出てくる隠し芸より多少マシってレベルのスキルにしか見えないんですけど」
今宮は他人の能力を見る目というものがないな、まあ実際に目にしてみればわかることだ。
「メタルドッグ軍団……突撃だーー!」
号令をかけるのは田中だ。
鋼鉄のわんころたちがボアンゴのに向かって突撃して行った。
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