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第五章 ブラック会社ダンジョン
第50話
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「悪いが謝罪をとかするつもりはないぜ、俺は探索者だからな。モンスターを始末するのも仕事のうちなんだよ」
光となって消滅する腰布ゴブリン。
その光は1個の魔石となって…いやっそれだけじゃない。
「……ドロップアイテムか」
魔石と一緒に光が生成したのは二足のブーツだった、中ボスクラスのドロップアイテムか。
本来ならすぐにスマホでどんなアイテムが検索したいところだが今はドロップアイテムやダンジョン探索以上に人命が優先だ。
低い可能性ではあるがな。
ブーツのドロップアイテムを袋に突っ込んで、すぐに探索を再開した。
そこから先は称号で底上げしたステータス補正が頼りの全力疾走でダンジョンの中を探索した、中ボスの間以降は通路しかなかった。
その先へと進むと嫌がらせかと思うくらいに、いくつもの道が分岐して小部屋への扉が並んでいた。
内装は変化なし、見せかけの外国の貴族風のお城とか屋敷とかみたいな仕様の豪華な感じだ、悪趣味だな。
まっそれはいい。
問題はやはり無駄に多い扉だな。
それらを一つ一つ開けて回り、生きてる人間はいないかと探し続けた。
当然、出現したばかりのダンジョンだからその部屋の中には無数のトラップがあった。
落とし穴だったり壁から矢が飛び出る、なんて生易しいトラップじゃない。
落とし穴かと思ったらその穴からは火柱があがったり、壁の穴から放たれた矢がこっちにホーミングしてきたり。
入った部屋に閉じ込められたかと思ったらその部屋の中で攻撃魔法が炸裂したりした。
まるで中ボスのやられっぷりを見てこのダンジョンのボスが完全にへっぴり腰になったから、自分のとこに来られる前に俺をどうにかしようとしてるような…。
そんな浅い性根が透けて見えるな。
あっ守咲凛って婦警から電話がきた。
「もしもし」
「もしもし、日影さんそちらの様子は」
あっ電話で話してたらトラップが発動した。
小部屋に入った瞬間その部屋が爆発する、俺はスマホとドロップアイテムが入った袋を庇った。
「ふうぅ、危うくまたスマホが駄目になるところだった……」
「日影さん!? 日影さん!? 先程の物凄い爆発音は一体なんですか!?」
「問題ありません、忙しいので切りますよ」
悪いが今は説明してる時間も勿体ないんだ。
スマホの通話を切り、俺は探索に集中する事にした。
このダンジョンのボスの意思もダンジョンの罠も 俺にとってはどうでもいい、何一つ『神殺し(偽)』の称号を持つ俺には効かないからだ。
とりあえず俺は袋の中に入れたドロップアイテムと魔石とスマホを守りながら人を探し続けた、全然モンスターはいないがここまで空間をいじくって広くしてるダンジョンはホントに目障りだな。
とにかく通路が無駄に長くて入り組んでる、そして時間稼ぎするための扉が無駄にあるのもムカつく、ちなみに小部屋は多いクセに宝箱とかそんなのは一つもない所もこれまたムカつく!
「どんだけ俺をダンジョンの奥に近づけたくないんだってんだよ……」
やっぱこのダンジョンの支配者ってのは……あのバカか?
正直言ってあまり考えたくはないがその可能性がどんどん高まってるのを感じる。
スマホに電話かかってきた、また守咲凛からか。
「もしもし、どうしました?」
「どうしましたって……あの状況で電話を切られた上にそちらから全く連絡もないので何かあったのかと思って連絡をしたんですよ!」
「それはどうも、こちらの方は残念ながらまだ1人も人間が見つかっていないんです。進捗状況があまり良くない、だから話す内容もなかったので連絡をしませんでした」
「あの爆発は……いえっ無事ならもういいです。確かに人命は優先されます、しかしその人命にはあなたも含まれているんです。あなたが無事に探索を続けているということだけでも定期的に報告してくれると助かります」
「分かりました、今後は気をつけるようにします」
少々お堅い印象を受けるがそれも誠実さ故なんだと思った、こういう愚直さってものを持ってる人間に俺は好感が持てる。
「とにかく、こちらの方は今のところ問題ありませんから……」
そう言いながら俺は次の扉を開けようとドアノブに手を伸ばす。
「そうですかそれではまた電話をお願いします」
ドアを開けた瞬間、部屋の向こうから凄まじい稲妻が俺を襲った。
雷速を見切った俺はすぐに袋とスマホ壁の向こうに放り投げた、これまた凄まじい爆音が響く、まっ今の俺のステータスならダメージはないのだが。
本当にぶっ壊れステータスって万能だよな~。
ちなみに服に関して言えば、実はもう大分やばいことになってる。上半身は完全に裸でアウトだし持ってきてたダンジョン産の装備とかとっくの昔に消し飛んでるぜ。
あの『灰玉の円盾』とかな。
なんかのバトル漫画みたくズボンだけは半ズボン状態でまだ残ってはいるけどな。
部屋を中を確認するが何もない、仕方がないので袋とスマホを拾いに向かった。
「もしもし!? また爆発してましたよね!? 一体何があったんですか!? 今の爆発音は…」
「大丈夫、大丈夫ですから、攻撃魔法系のトラップが発動しただけです。外れたので問題ありませんよ~~」
俺は適当な嘘を言った。
「攻撃魔法系のダンジョントラップ……そんなのかなり高難易度のダンジョンにしかないはず、まさかこのダンジョンは……」
俺はスマホの通話を切る、ついでに電源も切っとくか。
光となって消滅する腰布ゴブリン。
その光は1個の魔石となって…いやっそれだけじゃない。
「……ドロップアイテムか」
魔石と一緒に光が生成したのは二足のブーツだった、中ボスクラスのドロップアイテムか。
本来ならすぐにスマホでどんなアイテムが検索したいところだが今はドロップアイテムやダンジョン探索以上に人命が優先だ。
低い可能性ではあるがな。
ブーツのドロップアイテムを袋に突っ込んで、すぐに探索を再開した。
そこから先は称号で底上げしたステータス補正が頼りの全力疾走でダンジョンの中を探索した、中ボスの間以降は通路しかなかった。
その先へと進むと嫌がらせかと思うくらいに、いくつもの道が分岐して小部屋への扉が並んでいた。
内装は変化なし、見せかけの外国の貴族風のお城とか屋敷とかみたいな仕様の豪華な感じだ、悪趣味だな。
まっそれはいい。
問題はやはり無駄に多い扉だな。
それらを一つ一つ開けて回り、生きてる人間はいないかと探し続けた。
当然、出現したばかりのダンジョンだからその部屋の中には無数のトラップがあった。
落とし穴だったり壁から矢が飛び出る、なんて生易しいトラップじゃない。
落とし穴かと思ったらその穴からは火柱があがったり、壁の穴から放たれた矢がこっちにホーミングしてきたり。
入った部屋に閉じ込められたかと思ったらその部屋の中で攻撃魔法が炸裂したりした。
まるで中ボスのやられっぷりを見てこのダンジョンのボスが完全にへっぴり腰になったから、自分のとこに来られる前に俺をどうにかしようとしてるような…。
そんな浅い性根が透けて見えるな。
あっ守咲凛って婦警から電話がきた。
「もしもし」
「もしもし、日影さんそちらの様子は」
あっ電話で話してたらトラップが発動した。
小部屋に入った瞬間その部屋が爆発する、俺はスマホとドロップアイテムが入った袋を庇った。
「ふうぅ、危うくまたスマホが駄目になるところだった……」
「日影さん!? 日影さん!? 先程の物凄い爆発音は一体なんですか!?」
「問題ありません、忙しいので切りますよ」
悪いが今は説明してる時間も勿体ないんだ。
スマホの通話を切り、俺は探索に集中する事にした。
このダンジョンのボスの意思もダンジョンの罠も 俺にとってはどうでもいい、何一つ『神殺し(偽)』の称号を持つ俺には効かないからだ。
とりあえず俺は袋の中に入れたドロップアイテムと魔石とスマホを守りながら人を探し続けた、全然モンスターはいないがここまで空間をいじくって広くしてるダンジョンはホントに目障りだな。
とにかく通路が無駄に長くて入り組んでる、そして時間稼ぎするための扉が無駄にあるのもムカつく、ちなみに小部屋は多いクセに宝箱とかそんなのは一つもない所もこれまたムカつく!
「どんだけ俺をダンジョンの奥に近づけたくないんだってんだよ……」
やっぱこのダンジョンの支配者ってのは……あのバカか?
正直言ってあまり考えたくはないがその可能性がどんどん高まってるのを感じる。
スマホに電話かかってきた、また守咲凛からか。
「もしもし、どうしました?」
「どうしましたって……あの状況で電話を切られた上にそちらから全く連絡もないので何かあったのかと思って連絡をしたんですよ!」
「それはどうも、こちらの方は残念ながらまだ1人も人間が見つかっていないんです。進捗状況があまり良くない、だから話す内容もなかったので連絡をしませんでした」
「あの爆発は……いえっ無事ならもういいです。確かに人命は優先されます、しかしその人命にはあなたも含まれているんです。あなたが無事に探索を続けているということだけでも定期的に報告してくれると助かります」
「分かりました、今後は気をつけるようにします」
少々お堅い印象を受けるがそれも誠実さ故なんだと思った、こういう愚直さってものを持ってる人間に俺は好感が持てる。
「とにかく、こちらの方は今のところ問題ありませんから……」
そう言いながら俺は次の扉を開けようとドアノブに手を伸ばす。
「そうですかそれではまた電話をお願いします」
ドアを開けた瞬間、部屋の向こうから凄まじい稲妻が俺を襲った。
雷速を見切った俺はすぐに袋とスマホ壁の向こうに放り投げた、これまた凄まじい爆音が響く、まっ今の俺のステータスならダメージはないのだが。
本当にぶっ壊れステータスって万能だよな~。
ちなみに服に関して言えば、実はもう大分やばいことになってる。上半身は完全に裸でアウトだし持ってきてたダンジョン産の装備とかとっくの昔に消し飛んでるぜ。
あの『灰玉の円盾』とかな。
なんかのバトル漫画みたくズボンだけは半ズボン状態でまだ残ってはいるけどな。
部屋を中を確認するが何もない、仕方がないので袋とスマホを拾いに向かった。
「もしもし!? また爆発してましたよね!? 一体何があったんですか!? 今の爆発音は…」
「大丈夫、大丈夫ですから、攻撃魔法系のトラップが発動しただけです。外れたので問題ありませんよ~~」
俺は適当な嘘を言った。
「攻撃魔法系のダンジョントラップ……そんなのかなり高難易度のダンジョンにしかないはず、まさかこのダンジョンは……」
俺はスマホの通話を切る、ついでに電源も切っとくか。
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