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1-6.全部忘れさせて

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 遼は緩く勃ちあがった自身を扱き、硬度を取り戻したところでゴムを付ける。寂し気に口を開けた王輝の後孔へ再度挿入した。締め付けはあるものの、さきほどよりはスムーズに入っていく。遼は王輝の背中に手を回し、王輝の上体を起こした。いわゆる対面座位になり、王輝と遼が向かい合う。王輝の自重で、遼のものがぐぐっと奥へ飲みこまれていき、王輝は中を暴かれる感覚に息を詰まらせた。
「……っは、奥…っあ…」
 遼は王輝の中の熱さに我慢しきれずに、腰を突き上げた。がくんと王輝の身体が揺れ、後ろに倒れそうになるのを遼は抱き止める。王輝は縋るように遼の首に腕を回し抱きついた。王輝の吐息が耳にかかって遼はくすぐったく感じた。遼がタン、タン、とリズムよく腰を突き上げると、王輝はそれに合わせて甘い声をもらす。
「あ、あっ…おく、…いいっ…」
 王輝の嬌声が耳元で響き、遼は興奮する。遼と王輝の腹の間で、王輝自身がふるふると揺れ、先走りを流した。
「今ヶ瀬、腰上げて」
 与えられる快楽に意識がぼんやりとしている王輝は、遼に言われるがまま、おずおずと自ら腰を上げる。遼のものが抜ける感覚に意識が集中して、王輝は身じろいだ。
「んっ…抜ける…」
「まだ大丈夫」
 よしよしと褒めるように遼は王輝の後頭部を撫でた。
 撫でられた王輝はひどく嬉しくなった。褒められることなんて、大人になってからは滅多にない。
 王輝がカリまで腰を引き上げたところで、遼は「腰おろして」と指示をする。王輝はふっと力が抜き、腰を下ろした。遼はタイミングを合わせて、下から突き上げる。
「……っ、…はっ…」
 いきなりの衝撃に王輝は一瞬息ができなくなる。頭のてっぺんからつま先まで、びりびりと快感が走り抜けた。王輝自身は勃ったままで、切なげに揺れていた。搾り取るように動く王輝の中に、遼はたまらなく気持ちよくなった。もっと、もっとと遼は欲望が湧きあがってくるのを止められない。
「もう一回」
 遼の低い声が王輝の耳朶をうつ。王輝は何も考えられなくて、息も絶え絶えに腰を上げた。勢いあまって遼自身が抜けてしまい、王輝は寂しさを感じる。王輝は顔をあげ、抜けてしまった遼のものを握り、後孔へと導いた。亀頭がうまく入らず、何度も淵を滑ってしまう。王輝は自分の今の姿を想像して、あまりのはしたなさに顔が熱くなった。
「ふっ…可愛い…」
 一生懸命に挿れようとする王輝の姿に、遼は思わず心の声がもれた。
 それを聞いた王輝は、心がきゅっと締め付けられるような感覚に陥る。以前遼に「好き」と言われ、満たされない隙間が埋まっていく感覚と似ていた。可愛いと評されるのは嫌なのに、どうしてだろうと、ふわふわとした思考の中で王輝は考えた。
 遼は王輝の後孔に、自らを宛がった。カリの部分は抵抗感があったが、竿の部分はすんなりと王輝に飲みこまれていく。性急に突き上げ、最奥へと亀頭を押しこんだ。
「あぁっ…はっ……」
 再びの衝撃に、王輝は必死に遼の身体にしがみついて悶えた。射精せずに後ろでの絶頂を何でも味わった王輝は、熱が身体の中で溜まっていき、もどかしさを感じた。王輝は無意識に、先走りを流す自身を遼の腹に擦りつけていた。遼の鍛えられた腹筋は固く、擦れると気持ちがよかった。
「気持ちいい?」
「うんっ…」
 頷きながら、一生懸命に腰を揺らす王輝に対して、遼はまた可愛いという感情が浮かぶ。ぬるぬるとした腹の感触に、遼はくすぐったさを感じて、笑うように息を吐いた。王輝の表情が見たくて、しがみついていた王輝を引き離し、自身の両肩に手を置かせた。
 体勢を変えたことを疑問に思った王輝だったが、自身への刺激が欲しくて、腰を揺らし続けた。王輝ははっはっと短く息をし、頬を赤く上気させている。目尻が下がって、気持ち良さそうに目を細めていた。快感でとろけるような表情をしている王輝を見て、遼自身はずくんと疼いた。
 中に入ったままの遼自身が大きくなったのを感じ、王輝はぴくっと身体を揺らした。またさきほどみたいに突き上げられることを期待して、早く欲しいと中を締めつけてしまう。
「佐季、俺、イきたいから…っ…お願い…」
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