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4.よんかいめ

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「麻琴、挿れるよ」
 キヨは再度性器を宛がう。熱い性器が後孔に触れ、麻琴は唾を飲みこんだ。ゆっくりと亀頭が中に入ってくる感覚に、麻琴は深呼吸を繰り返して、身体の力を抜く。久しぶりに受け入れるキヨの性器はやはり大きく、指とは比べものにならない。
「苦しい?大丈夫?」
「大丈夫、やから」
 麻琴ははふはふと息をしながら答える。キヨは麻琴を気遣いながら腰を進めた。解したとは言え、きゅうきゅうと肉壁にきつく締めつけられ、キヨは眉間に皺を寄せる。
「あっ……、っ……」
 腹の中の圧迫感が大きくなり、麻琴は縋るようにシーツを掴んだ。最初は苦しさがあったが、徐々に圧迫感が快感へと変換されていく。満たされていく内側に、麻琴の奥はどうしようもなく切なくなった。
 キヨは麻琴の表情が甘く溶けていくのを見逃さなかった。内壁はキヨ自身を奥へと誘うように蠢く。その動きに逆らわず、キヨは性器を奥へと突き入れる。キヨ自身の先端がとんっと麻琴の奥へと当たった。
「んっ、……あっ……」
 その瞬間、麻琴の視界はちかちかと光が飛び、絶頂を迎える。全身を走り抜ける快感に、麻琴は背中を反らせて悶えた。
「っ、…あれ、俺、っ……」
 はっはっと浅い呼吸を繰り返した麻琴は、自分が達したことが信じられず、絶頂の余韻に戸惑う。皮膚がちりりと熱く、思考は熱っぽく霞む。快感だけでなく、幸せすら感じるのは、キヨのことが好きだと自覚してしまったからだと麻琴は思った。好きな人とセックスしている現状に、麻琴は頭の中が沸騰するように熱くなった。一度引いた快感の余韻が、再び大きくなり、ゆるい絶頂が続く感覚に、麻琴は逃げたくなったが、後孔はみっちりとキヨ自身を咥えこんでいる。
「待って、っ、なんか、へん…」
「っ、麻琴、あんまり締めないで」
 断続的に締め上げる麻琴の内壁に、キヨは熱い息を吐く。腰を動かしたい欲望をどうにか抑え、麻琴の表情を伺う。麻琴の上気した頬と潤んだ瞳、汗ばんだ肌が艶やかで、キヨはごくりと喉を鳴らした。
「麻琴」
 キヨは優しく呼びかけ、混乱する麻琴の頬に手を添える。それすら刺激になり、麻琴は小さく喘いだ。
「大丈夫、ゆっくり呼吸して」
 麻琴はキヨの言う通りに、呼吸を繰り返す。麻琴の胸板が小さく上下し、徐々に表情が和らいでいく。同時に、熱く柔らかい肉壁が絡みつき、キヨ自身に馴染んでいく。キヨは頬を撫でていた手を頭に移動させ、よしよしと頭を撫でた。
「いい子だね」
 突然キヨに褒められ、麻琴は不思議そうにぱちぱちとまばたきした。
「俺のちんこの形覚えてて、おかえりって咥えてくれてる」
 キヨの言葉は下世話だが、麻琴は妙に嬉しくなった。それを表すように、表情はふにゃりと緩み、中はきゅうっと締まる。
「俺、いい子?」
「うん、いい子だから、今日はいっぱいセックスしようね」
 野獣のような熱いキヨの視線に見下ろされ、麻琴の瞳は期待で揺れる。いつものようにセックスするだけなのに、好きという感情が加わり、麻琴の鼓動はいつもよりドキドキと跳ねていた。それを悟られないように、麻琴は表情を取り繕うが、キヨが抽挿を始めると、そんな余裕はすぐになくなってしまう。
「っ、あっ、あ、んんっ」
「久しぶりの麻琴の中、すっごく気持ちいい」
「俺も、っあ、きもち、いいっ……」
 待ちわびたセックスに、二人はすぐに夢中になる。キヨは麻琴の膝裏に手を差し入れ、ぐっと持ち上げた。後孔が見える体勢が恥ずかしいのに、それすら麻琴の快感を増長させるものとなる。
「あっ、キヨ、いいっ、っあ、あ」
 キヨは腰の動きを速くする。皮膚同士がぱんぱんと当たり、ローションがぐちゅぐちゅと水音を奏でる。奥をごりごりと抉られるのも、前立腺を圧し潰されるのも、両方とも気持ちよく、麻琴は嬌声を上げた。
「あっ、んぁっ、いいっ、もっとほしっ、あっ」
「どこがいいの?」
「ぜんぶっ、おくも、ぜんりつ、せんもっ」
「ほんと可愛い」
 快感に蕩ける麻琴に、キヨは追い打ちをかけるように抽挿を繰り返す。麻琴自身は腰を打ちつけられるたびに揺れ、だらだらと先走りを流していた。
「あかん、もう、イくっ、っ、あっ」
「ね、麻琴、誰のちんこでイかされるの?」
 キヨは腰の動きは緩めず、綺麗に微笑みながら尋ねた。いつ見てもイケメンだと麻琴はぼんやりと思いながら答える。
「キヨのっ、あっ、キヨのちんこで、イくっ」
「うん、俺以外のちんこ咥えないでね」
「わかってる、からぁ、あっ、イく、っ、イくっ」
 ごちゅんと奥に突き入れられ、麻琴は後ろで達した。麻琴の足先が空を蹴り、びくびくと身体が震える。キヨは麻琴の足を降ろし、腰を掴んで抽挿を続ける。
「待って、ああっ、キヨ、あっ、あかんって」
「こっちも触ってあげる」
 キヨは完勃ちした麻琴自身を扱く。絶頂の余韻と後孔での快感、そして性器への刺激に、麻琴は頭が飛ぶように真っ白になる。飲みこめなかった唾液が、麻琴の口から垂れた。
「ひぁっ、きもちいっ、あっ、んぁっ、ああっ」
「イくから、受け止めて」
「あっ、イく、ああっ、あ、ん、あああっ」
 麻琴は一際甲高い声で喘ぎ、キヨの手に射精すると同時に、中イキする。麻琴の中に搾り取られる感覚に浸りながら、キヨはゴムの中に射精した。キヨは精液を出しきるように、ゆるゆると腰を動かす。




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