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4.よんかいめ

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 シャワールームから移動し、二人は大きなベッドに身体を沈めた。
 本当なら麻琴の身体の隅々まで愛撫して舐めて回して、前戯をしたいが、キヨはそんな余裕はなかった。
 キヨは麻琴を四つん這いにさせ、尻を上げさせる。双丘をかきわけると、ぴったりと閉じた麻琴の蕾が露わになる。ベッド脇の備えつけのローションを手に取り、温めながら、指や蕾を濡らす。そして、指一本を後孔に入れた。
「っ、……はっ……」
 麻琴は枕に顔を押しつけた。キヨの指が中に入ってくる感覚に、ぞくぞくする。長らく排泄にしか使っていなかった後孔は、指の受け入れを拒否するように中を固く締めた。それに気づいたキヨは、ローションを足しながら、指を出し入れする。
「麻琴、ここ使うの久しぶり?」
「キヨが使うなって、言ったんやん」
 麻琴は自慰はしたが、キヨとの約束通り後孔は使わなかった。後ろが疼いて仕方なかったが、我慢しきったのだった。
「今日はここいっぱい可愛がってあげるから」
 キヨは麻琴が言いつけに従ったことを意外と思いながらも、嬉しくて頬が緩んだ。指を二本に増やしたキヨは、円を描くように縁を広げ、狭い肉壁を押し返し、後孔を解していく。麻琴の前立腺をとんとんとノックし、指ではさみ、こりこりと刺激する。
「そこ、っ、あかん、んっ」
 久しぶりの前立腺での快感に、麻琴は嬌声をあげる。麻琴の身体は悦び、きゅっと後孔は締まり、腰が揺れた。前立腺への連続的な刺激に、麻琴はふるふると首を横に振った。
「あかんって、キヨ、あ、っ、あっ」
「イキそう?」
「あっ、イク、んっ、はぁっ、あ」
 麻琴は久しぶりの後ろでの絶頂に追いつめられ、枕に縋って、喘ぐことしかできなかった。開いた口からはよだれがこぼれ、枕を濡らす。
「あっ、そこ、あ、ああっ、イく、イくっ」
「イっていいよ」
「あぁっ、あ、ひぁっ、あああっ」
 キヨがぐりぐりと前立腺を指で圧し潰すと、麻琴はびくんと身体を跳ねさせ、後ろで達した。身体の力が抜け、麻琴はベッドへと横たわる。全身に広がる余韻に浸りながら、麻琴は荒い呼吸を続けた。
「麻琴、起きて。もうちょっと解さないと入らないから」
 キヨは麻琴を起こして座らせ、後ろから抱きつくような体勢を取る。麻琴の足を大きく広げさせたキヨは、濡れた後孔へと指を入れた。指の数を三本に増やし、ぐちゅぐちゅと掻きまわす。
「もうっ、挿れて、いいからぁ、っあ」
「まだ駄目。こんなに狭いと、俺の入らないよ」
 キヨは勃起した性器をわざと麻琴の尻に押し当てる。昂りの熱さに、麻琴は熱い息を吐く。キヨも早く入れたかったが、しばらく何も受け入れていない後孔はまだ狭い。
「こっちは?触ってた?」
 空いた方の手で、キヨは麻琴の乳首に触れる。キヨは乳首の周囲を優しく撫で、突起には触れずに、焦らすように肌に指を滑らせた。
「いやや、ちゃんと、触ってっ……」
「どうやって触るの?俺に教えてくれる?」
 耳元で言葉を吹き込まれ、麻琴はキヨが触れていないほうの乳首に手を伸ばす。麻琴は最近自慰のときは、性器だけでなく乳首を弄るのが癖になっていて、乳首はすっかり性感帯になっていた。
「こうやって、つまんで……」
 麻琴は吐息混じりで説明しながら、乳首を捏ねるように圧し潰し、優しく摘まむ。爪を立てると、背筋がぞくりとし、麻琴はその感覚が好きだった。弄られているうちに、麻琴の乳首は胸の上でつんっと主張する。麻琴自身は先走りを流し、寂し気に勃ちあがっていた。キヨも麻琴に倣い、同じように乳首を刺激した。もちろん後孔を解すのも忘れない。細長い指で奥を突き、前立腺を捏ねると、麻琴の声は跳ねた。キヨがいたずらに乳首を指でピンッと弾くと、麻琴の中はきゅうっと締まった。
「麻琴、こっち向いて」
 キヨは麻琴に振り向かせ、唇を食むようにキスをする。酸素を取り入れようと麻琴が唇を開いた隙に、キヨは舌を入れて、口内を味わう。
「んっ、んんぅ、っ、んっ」
 キヨに口内と乳首、後孔を刺激され、麻琴は快感に身を捩るが、キヨの腕の中から逃げられない。さらにキヨの性器が尻に押し当てられて、麻琴は腹の中が寂しくてたまらなくなる。麻琴は訴えるように、キヨを見つめることしかできなかった。その視線を受けて、キヨは我慢の限界を迎える。
 麻琴を解放して四つん這いにさせたキヨは、そそり立つ性器にゴムを被せた。濡れた後孔に性器を宛がうと、麻琴が「待って」と声を出す。キヨはふーふーと荒ぶる呼吸を落ち着けながら、麻琴の言葉を待つ。
「顔見てしたい、あかん?」
 頬を上気させた麻琴が、キヨの表情を伺う。極力負担をかけないようにとバックからのセックスを選んだキヨだが、可愛くおねだりされては拒否できるわけがない。キヨは答える代わりに、麻琴の体勢を仰向けにして、正常位で向かい合う。
「これでいい?」
 キヨはにっこりと麻琴に笑いかける。麻琴は自分から強請ったからとはいえ、キヨの顔を真正面から見つめると、気恥ずかしさが勝った。視線を伏せながら、麻琴は頷いた。


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