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2.にかいめ
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「キヨ、まっ……ひっ、あああっ!」
ぎりぎりまで抜かれたキヨ自身が、ばちゅんと一気に奥に突き入れられる。麻琴の視界がチカチカと瞬き、全身を快感が駆け巡った。麻琴自身は勢いよく射精し、シーツに白濁を散らす。性器と中の両方で達した麻琴だが、余韻に浸る間も与えられず、キヨがリズムよく腰を叩きつけた。キヨの性器が出入りするたびに、結合部からぐちゅぐちゅと水音が鳴った。
「……っ…っ、…はっ…」
達した身体には強すぎる快感に、麻琴は為す術がなく、頬を涙が伝う。何度も突き入れられ、麻琴はうまく呼吸ができず、はくはくと口を開ける。声にならない喘ぎが熱い息と共に吐きだされ、飲みこめなかった唾液が顎を伝った。奥を突かれるたび、麻琴自身は精液をとろとろと吐き出す。欲しかった快感以上が与えられ、麻琴は怖さすら感じ、どうにか言葉を発する。
「キヨ、しか、……して、っ、…ない……」
「なに?」
キヨは麻琴の言葉に耳を傾けるため、腰の動きを止めた。麻琴は酸素を求め、大きく息をする。中に入ったままのキヨ自身の熱さを気にしながら、言葉を続けた。
「キヨとしか、セックスしてない」
「じゃあなんで?」
「……自分でやった、から……」
「え?」
「キヨとセックスしたの思い出して、後ろ使ってオナニーしたから!」
麻琴はずばりと言い切った。勢いよく言えば恥ずかしさは緩和されると思ったが、そんなわけはなく、麻琴は羞恥で顔や耳が赤くなる。背後でキヨの動く気配を察した麻琴は、びくりと身体を震わせた。
「麻琴」
キヨは麻琴の肩を掴み、上半身を捻るようにして、顔をあげさせた。不安気に揺れる麻琴の瞳に、キヨは自分の早とちりを反省する。
「さっきは酷くしてごめんね」
謝罪の気持ちを込めて、キヨは麻琴の額や頬にちゅ、ちゅ、とキスの雨を降らせる。麻琴はくすぐったそうに目を伏せた。その仕草の可愛らしさに、キヨはふっと柔らかく笑った。キヨのイラつきはすっかり消えていた。麻琴とのセックスだけでなく、麻琴のことが気に入っていることを自覚して、キヨは自分でも驚く。胸中に湧く嫉妬や独占欲が久しぶりで、これは重症かもしれないとキヨは思っていた。
突然優しくなったキヨに狼狽えながらも、麻琴は「別に、気にしてへんし」と答える。キヨが嫉妬したことが、麻琴にとっては少し嬉しかった。今までの恋愛経験では、麻琴はいつも嫉妬する側だったからだ。
「許してくれてありがとう」
「お礼なんて……ってか、なんで自分でかくしてんねん」
麻琴は挿入されたままのキヨ自身がぐぐっと大きくなったことに気づいた。
「だって、麻琴が俺のこと思い出してオナニーしてると思ったら、興奮しちゃって」
「へ、変態やん……」
「変態にちんこ突っ込まれて喘ぐ麻琴も変態じゃん」
キヨが楽し気に言い放ち、腰をゆらりとグラインドさせると、麻琴は小さく喘いだ。麻琴の表情に情欲が浮かぶ。もっとと欲しがるように、麻琴は中を無意識に締めつけた。その反応が可愛く、キヨは入れたまま、焦らすように腰を揺らした。
「ね、麻琴。俺のこと思い出して、ここ、使ってくれてたんでしょ?」
「……っあ、……」
麻琴はキヨから顔を背けようとしたが、キヨに顎を掴まれてしまう。キヨの視線に、麻琴は皮膚がひりついた。一度快感を覚えてしまった身体には、じれったさが苦しい。早く熱い性器で前立腺や奥を突いて欲しい。麻琴は懇願するようにキヨを見つめ返した。
「ふふっ、麻琴、可愛い。いっぱい気持ちよくしてあげる」
一度麻琴から性器を抜いたキヨは、麻琴を仰向けの体勢にさせた。麻琴の両足を広げさせ、寂し気に口を開けた後孔にキヨ自身を宛がう。ちゅぽちゅぽと先端を軽く出し入れすると、麻琴は「早く……」と切羽詰まった声で強請った。キヨも我慢の限界だった。先端をゆっくりとはめ込み、ぐっと腰を進める。ただいまと言わんばかりに、絡みついてくる麻琴の内壁にキヨは身震いした。
「っ、あ……入って……っ……」
後ろが満たされる感覚が嬉しくて、麻琴は甘い声を漏らす。先ほどまでの早急な行為とは真逆の優しさで、快感だけが身体に広がっていった。麻琴は浅い呼吸をしながら、キヨの質量のある性器を受け入れていく。麻琴の表情を伺いながら、キヨはゆっくりと腰を進め、亀頭が麻琴の奥に到達した。
「麻琴、動くよ」
キヨは麻琴が頷くのを確認して、腰を動かし始めた。ゆっくりと抜いて、優しく突き入れる。それを繰り返しながら、だんだんストロークを速くしていく。ぱちゅぱちゅと結合部から音が鳴り、ローションが後孔から垂れて、シーツにしみこんだ。
「麻琴の中、熱くて気持ちいい」
「あっ、俺も、きもちっ、いい……」
麻琴は蕩けた表情で、熱い息を吐く。麻琴自身は萎えることなく、しっかりと勃ちあがり、精液混じりの先走りを零していた。きちんと中で感じてくれていることに、キヨは嬉しくなる。キヨは逆手でシーツを掴んでいる麻琴の手を絡めとり、ぎゅっと握った。突然のキヨの行動に、麻琴は驚いたが、すぐに嬉しさが勝る。初めてのときよりも、先ほどよりも、丁寧にセックスされ、麻琴の身体も思考は熱くほどけていく。
「キヨ、っ、きもちい、あっ、もっとぉ」
「ここ?」
「うんっ、そこ、あっ、ああっ、いいっ」
キヨが麻琴の前立腺を何度も突くと、麻琴は背中を反らせて、身体を震わせた。曝け出された麻琴の喉仏に、キヨは優しく噛みつく。そしてそのまま首筋を伝って鎖骨へと舌を這わせる。突き出された胸の突起を舐めて、吸い上げると、麻琴の中はきゅっと締まった。
ぎりぎりまで抜かれたキヨ自身が、ばちゅんと一気に奥に突き入れられる。麻琴の視界がチカチカと瞬き、全身を快感が駆け巡った。麻琴自身は勢いよく射精し、シーツに白濁を散らす。性器と中の両方で達した麻琴だが、余韻に浸る間も与えられず、キヨがリズムよく腰を叩きつけた。キヨの性器が出入りするたびに、結合部からぐちゅぐちゅと水音が鳴った。
「……っ…っ、…はっ…」
達した身体には強すぎる快感に、麻琴は為す術がなく、頬を涙が伝う。何度も突き入れられ、麻琴はうまく呼吸ができず、はくはくと口を開ける。声にならない喘ぎが熱い息と共に吐きだされ、飲みこめなかった唾液が顎を伝った。奥を突かれるたび、麻琴自身は精液をとろとろと吐き出す。欲しかった快感以上が与えられ、麻琴は怖さすら感じ、どうにか言葉を発する。
「キヨ、しか、……して、っ、…ない……」
「なに?」
キヨは麻琴の言葉に耳を傾けるため、腰の動きを止めた。麻琴は酸素を求め、大きく息をする。中に入ったままのキヨ自身の熱さを気にしながら、言葉を続けた。
「キヨとしか、セックスしてない」
「じゃあなんで?」
「……自分でやった、から……」
「え?」
「キヨとセックスしたの思い出して、後ろ使ってオナニーしたから!」
麻琴はずばりと言い切った。勢いよく言えば恥ずかしさは緩和されると思ったが、そんなわけはなく、麻琴は羞恥で顔や耳が赤くなる。背後でキヨの動く気配を察した麻琴は、びくりと身体を震わせた。
「麻琴」
キヨは麻琴の肩を掴み、上半身を捻るようにして、顔をあげさせた。不安気に揺れる麻琴の瞳に、キヨは自分の早とちりを反省する。
「さっきは酷くしてごめんね」
謝罪の気持ちを込めて、キヨは麻琴の額や頬にちゅ、ちゅ、とキスの雨を降らせる。麻琴はくすぐったそうに目を伏せた。その仕草の可愛らしさに、キヨはふっと柔らかく笑った。キヨのイラつきはすっかり消えていた。麻琴とのセックスだけでなく、麻琴のことが気に入っていることを自覚して、キヨは自分でも驚く。胸中に湧く嫉妬や独占欲が久しぶりで、これは重症かもしれないとキヨは思っていた。
突然優しくなったキヨに狼狽えながらも、麻琴は「別に、気にしてへんし」と答える。キヨが嫉妬したことが、麻琴にとっては少し嬉しかった。今までの恋愛経験では、麻琴はいつも嫉妬する側だったからだ。
「許してくれてありがとう」
「お礼なんて……ってか、なんで自分でかくしてんねん」
麻琴は挿入されたままのキヨ自身がぐぐっと大きくなったことに気づいた。
「だって、麻琴が俺のこと思い出してオナニーしてると思ったら、興奮しちゃって」
「へ、変態やん……」
「変態にちんこ突っ込まれて喘ぐ麻琴も変態じゃん」
キヨが楽し気に言い放ち、腰をゆらりとグラインドさせると、麻琴は小さく喘いだ。麻琴の表情に情欲が浮かぶ。もっとと欲しがるように、麻琴は中を無意識に締めつけた。その反応が可愛く、キヨは入れたまま、焦らすように腰を揺らした。
「ね、麻琴。俺のこと思い出して、ここ、使ってくれてたんでしょ?」
「……っあ、……」
麻琴はキヨから顔を背けようとしたが、キヨに顎を掴まれてしまう。キヨの視線に、麻琴は皮膚がひりついた。一度快感を覚えてしまった身体には、じれったさが苦しい。早く熱い性器で前立腺や奥を突いて欲しい。麻琴は懇願するようにキヨを見つめ返した。
「ふふっ、麻琴、可愛い。いっぱい気持ちよくしてあげる」
一度麻琴から性器を抜いたキヨは、麻琴を仰向けの体勢にさせた。麻琴の両足を広げさせ、寂し気に口を開けた後孔にキヨ自身を宛がう。ちゅぽちゅぽと先端を軽く出し入れすると、麻琴は「早く……」と切羽詰まった声で強請った。キヨも我慢の限界だった。先端をゆっくりとはめ込み、ぐっと腰を進める。ただいまと言わんばかりに、絡みついてくる麻琴の内壁にキヨは身震いした。
「っ、あ……入って……っ……」
後ろが満たされる感覚が嬉しくて、麻琴は甘い声を漏らす。先ほどまでの早急な行為とは真逆の優しさで、快感だけが身体に広がっていった。麻琴は浅い呼吸をしながら、キヨの質量のある性器を受け入れていく。麻琴の表情を伺いながら、キヨはゆっくりと腰を進め、亀頭が麻琴の奥に到達した。
「麻琴、動くよ」
キヨは麻琴が頷くのを確認して、腰を動かし始めた。ゆっくりと抜いて、優しく突き入れる。それを繰り返しながら、だんだんストロークを速くしていく。ぱちゅぱちゅと結合部から音が鳴り、ローションが後孔から垂れて、シーツにしみこんだ。
「麻琴の中、熱くて気持ちいい」
「あっ、俺も、きもちっ、いい……」
麻琴は蕩けた表情で、熱い息を吐く。麻琴自身は萎えることなく、しっかりと勃ちあがり、精液混じりの先走りを零していた。きちんと中で感じてくれていることに、キヨは嬉しくなる。キヨは逆手でシーツを掴んでいる麻琴の手を絡めとり、ぎゅっと握った。突然のキヨの行動に、麻琴は驚いたが、すぐに嬉しさが勝る。初めてのときよりも、先ほどよりも、丁寧にセックスされ、麻琴の身体も思考は熱くほどけていく。
「キヨ、っ、きもちい、あっ、もっとぉ」
「ここ?」
「うんっ、そこ、あっ、ああっ、いいっ」
キヨが麻琴の前立腺を何度も突くと、麻琴は背中を反らせて、身体を震わせた。曝け出された麻琴の喉仏に、キヨは優しく噛みつく。そしてそのまま首筋を伝って鎖骨へと舌を這わせる。突き出された胸の突起を舐めて、吸い上げると、麻琴の中はきゅっと締まった。
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