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本編

第116話 お疲れ様会 剣舞披露

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 セドリック様が催しの順番を決め私たちのもとへ戻ってきた。

「ごめん、最後になってしまった。みんな最後の方は避けたいという思いは同じで、結局くじ引きで最後を引いてしまった。すまない」

「いいではないですか、最終調整がギリギリまでできますよ」
 
 バイロンえらいぞ。そうそう、そんなに気にすることはない。みんなが口々に、最後まで練習できる、より良い演技ができるよと励ましていた。

「それでは、通しでまた練習しよう。そして時間になったら衣装に着替え、衣装など身だしなみの最終チェックをして演技をしよう」

 他のクラスや班は合唱が多かった。お兄さまのクラスは楽器による合奏だった。みんな一人一人が演奏が上手なため、プロの演奏か?と思うぐらい素晴らしい音楽を奏でていた。みんな聞き惚れていた。今まででダントツ、レベルの高い演目だった。

「やはり3年生はすごいな。聞き惚れてしまったよ。一人一人のレベルが高い」

「さぁ、俺たちも準備をしよう。今までで最高の演技をしようじゃないか」

「おう(はい)」

 衣装に着替え、おかしなところがないか、破れているところがないか、動きにくくないかなどチェックした。

 みんな緊張している。最終演技だ。この世界円陣を組むという行為がないらしいから、円陣を組ませてみんなの意識を一つにした。
 セドリック様からの最終の言葉。
 手を中心に出して、
「悔いのないように頑張ろう」
 "おー"
 周りがなんだ?という顔をしてAクラスを見た。
 "かっこいい""かわいい""きれい"などなど称賛されていた。

 さあ、舞台に並らび音楽が聞こえ、踊り始めた。
 剣舞は皆で合わせ、殺陣は緊迫した状況で剣を合わせ、時々、ハッやヤーなど一斉に声を出して、女性は優雅な舞なんとか踊り切った。観客、特に女性陣はキャーキャー言っていたわね。衣装を着るとより一層かっこいいですから。 

 先生がやってきて賞賛してくれた。
「お前たちすごいよ。よく頑張った。先生方や生徒たちみんな、すごい、かっこいい、きれいなど言葉を発していたよ。俺なんて、先生が指導したのですか?なんて言われ曖昧に答えておいたよ。Aクラスはすごいぞ。ははは」
 先生何にもやってないよね?

「アイリ、お前たちすごいな。これを練習していたのか?衣装もテオドール殿と作っていたのはこれか!よく考えたよ」
 久々のお兄さまの頭撫で撫で。

「ルルも綺麗だったよ」
 こちらも頭撫で撫でされて、ルーは真っ赤になって照れていた。かわいいじゃないの。お兄さまもやるわね。2人の関係も良好ね。

「1年A組の皆、お疲れ様。素晴らしかったよ」
 カイデール殿下に褒めていただいた。
 みんな緊張して直立していた。バイロンたち大丈夫か?

「考えたのが誰かはなんとなくわかるが、セドリック、班長として皆をまとめて素晴らしかった」

「はっ、ありがとうございます」

「ところで相談だが、今度、各国の王立学園の文化交流会が催される。3年が代表として出席するのだが、剣術大会、魔術大会などがある。そして、今日みたいに各国で催しを披露する。この剣舞を披露して良いかな?担任の先生同士で話は出ていると思う。君たちが踊った剣舞、かなり構成もよくできた素晴らしいものだった。それを我々3年が踊ってもいいだろうか?」

「カイデール殿下や3年生の皆さんが踊った方がかっこいいと思います。ぜひ、踊ってください。我々はそれを見てみたいです。我々とどう違うのか、検証したいです」

「プレッシャーがかかるな。君たちと同じように素晴らしい剣舞を舞うことができるようにがんばるよ。ありがとう」
 3年で剣舞を踊るなんて、私たち1年生より迫力があるのではないのかな。体が仕上がっている3年生。1年生はまだ貫禄がないのよ。ひよっこといえばひよっこよね。3年の剣舞楽しみ。

「それではみなさん、会食をしながら結果発表をします。それぞれのテーブルに座り食事を始めてください」

 Aクラス2班の席に座り、今までのキャンプの振り返りをした。

「楽しかったね。テント生活も快適だったよ。アイリさん、あのテント、君の家の商会で売っているのだよね。魔道具も。あのエアコン?というのが欲しいな。どこでも使えそうではないか?そういえば、バイロン、自転車というのはどんなものなんだ?
 セドリック様がエアコンと自転車?に興味津々。

「そ、それは」
 私の方を見るなー。もう、頷いて話するように促した。

「アイリ様の商会とうちの商会で同時販売するのです。うちは平民用です。貴族用は軽量化を図った素材です。平民用はザビに強い素材重視です。足でペダルを漕いで走るものです」

「バイロン、全く意味がわからないよ」
 見て、乗ってみないとわからないのよね。

「セドリックさん、興味があるなら、試乗会に招待するわよ。テッシーもくるわよ」
 セドリックにどうするか促してみた。

「アイリさん、ぜひ招待して欲しい。テオ叔父上もくるのか。会えるのが楽しみだ」

「俺も招待して欲しい」
 ジョージさんも興味津々。

「みんなうちにまた遊びに来ればいいわよ。無駄に大きい庭があるから、試乗会ができるのよ」

 バイロンもみんなと一緒に遊びたいかな。

「バイロンどうする?その日貴族だけの試乗会にする?平民用も乗ってもらって、違いをわかってもらうにはいいと思うのよ。バイロンもうちに来て、性能など説明すればいいのではないの?」

「ああ、そうだな。うん、平民用の自転車は貴族方の試乗会が終わったあとでもいいかな。俺もアイリ様の家に訪問するよ」
 興味がある人は我が家にくることになった。絶対お兄さまのご学友たちもくるだろう。

 そうこうしているうちに、結果発表だ。
 1年 
優勝A-2班
 2位A-1班
 3位B-2班
 私たちの班が優勝だ。2位は1班。

 評価は、全ての課題が1位ということ。最後の剣舞も素晴らしかった。仲間と協力する大切さ、自分の役割をしっかり把握し行動したことを評価するとのことだった。

「我々が優勝だ。やったな。みんなと同じ班になれて楽しかったし、良かった。今後もいろいろな行事がある。みんなで協力して、楽しく過ごしていこう。ありがとう」
 班長セドリック様が締め括った。

 そして、みんなを取りまとめ、がんばってくれたセドリック様をみんなで感謝し讃えた。

 本当に楽しかった。でも、やっと家に帰れる。シャワーだけでは物足りなかった。お風呂に入れるぞー。


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