上 下
43 / 141
本編

第43話 農地視察

しおりを挟む
今度は農地を見に行きます。いったい塩害被害というのはどのように作物が被害に遭っているのだろうか。

「次は農地の方に行くのですね、お父さま」

「そうだよ。ただし、農地はどうしても塩害で作物が育ちにくい。どうすればいいのかわからないのだ」

「これから、わたしのスキル 分解で、畑の塩を除去しようと思います。ただ,これは私だけのスキルになってしまうので、先々のことを考えると、スキル分解を使わずに除塩する方法を研究していきたいです。

まず、塩害対策ではないのですが、土壌改良として、集めた貝殻を潰して撒いたり、森の腐葉土を撒いたりして、土魔法士に耕してもらうことを考えてます。

それから塩害対策に石灰を撒いて土壌改良すること。

綿花を育てるための土壌改良。
綿花は水捌けの良いところがいいので、川砂や軽石を混ぜて土壌開発して綿花を育てる。
綿花は塩を吸収してくれ、なおかつ、糸になる。綿にもなるよね。

ミカンは?有名なみかん畑は海に近く、山の方に段々畑で木が植えてあったような?

確か、塩害を事前に防ぐ方法として、輪作という仕組みが存在している。輪作という同じ土地に異なる作物を何年かのサイクルで育てる農法かあって、輪作によって、土壌内の栄養素が特定の栄養のみに偏ってしまうことを防ぎ、それが塩害予防に繋がるだったような?
そして、農地に休閑(休耕)年を設けることも、輪作障害を防ぐことに繋がり、休耕な時、レンゲソウをそこに植えるとよく、そのまま耕して、肥料になる。
というのが前世の知識です。これらを少しずつ少しずつ広げて、作物が増えていけばいいなと思ってます。ただ、うる覚えでごめんなさい」

「いや、それだけの知識があれば、アイリすごいぞ。今まで、全く手を出せずにいたのだ。アイリ、本当にお前って子は」
と言って抱きしめられた。
みんなの前で恥ずかしいよ。

「さあ、畑の近くを見に行こうか、アレクセイ、アイリ」

やはり作物が育たないのか。
「お父さま、広大ですね」

「あぁ、あっちには、食用の肉になる牛や豚を育てている。鶏は食用にもなるし、卵も生まれる。食用の肉になる豚や牛も育てている。牛からミルクも搾乳できる」

「動物を育てているのですね、お父さま」

「野菜が採れないからね、他のもので補っているんだよ」
お父さまも色々考えて、領地、領民を守っているのね。

「さあ、遅くなってしまったな、家に帰ろうか」

家に着き、お茶をし寛いだ。
海の石と白い石が何かを鑑定しようかな。

収納から取り出す前に、いらない布を敷いた。砂よけしないと、絨毯が砂だらけになる。掃除が大変になってしまう。

さて、これでも一部だか、かなりの量だなぁ。さてと、白い丸い石。
≪鑑定≫
~パール~
真珠と呼ばれる
海や川、湖で採れる二枚貝の中から採取できる宝石のことを指します。アサリでもできることがある
アコヤ貝が有名
アクセサリーにもなる
パールの石言葉は、「純粋無垢」・「純潔」・「富」・「健康」
家族の愛の象徴とも言われます

うん、いい鑑定だね。石言葉まで出るの。
もう一つも鑑定する

~八放サンゴ~、~イシサンゴ~
~軟質サンゴ~、~ヒドロサンゴ~
珊瑚サンゴと呼ばれるものには「宝石サンゴ」、「石サンゴ」、「軟質サンゴ」、「ヒドロサンゴ」など珊瑚自体が種類分けすることができ、宝石として取り扱われる珊瑚は「宝石サンゴ」と呼ばれるものだけになります。モモイロサンゴ、アカサンゴ、シロサンゴ、ベニサンゴなどがある。

イシサンゴは、石灰岩として、焼いて生石灰にできる

サンゴには海を浄化する働きや天然の防波堤としての役割があります

生活排水による水質の汚染をはじめ、開発による赤土の流出、埋め立て、ゴミの放棄、釣りによる被害など、サンゴを殺してしまいます。
人間は自然を壊します。
十分気をつけてください

はい、すいません。自然を壊すのは人間です。その通りです。

ふう、サンゴも色々な種類のサンゴがあるのね。知らなかったわ。このピンクと白のものが宝石サンゴか。あとはイシサンゴ、えっ、石灰にできる。畑に撒けるということだ。焼けばということだ。これは、ドリガン親方にドワーフの窯や炉をつくってもらおう。

サンゴがあるということは、山にも石灰石が堆積している可能性があるということだ。珊瑚礁もあるかもしれない。ただし、海の生態系を壊さない程度にしないといけない。美しい海を守らなくては。

夕食後、お父さまの執務室にお兄さまと訪れた。

「お父さま、これが今日ゴミとして埋められていたものです。まずこの貝にあった白い石は、やはりパールです。ジャポング皇国では真珠と言われているものです。
そしてこの海の石と呼ばれていたものはサンゴです。これは、海を浄化する働きをするので、むやみに採取してはいけないですが、このイシサンゴは、石灰石で、焼くと生石灰になり塩害の畑に撒くと塩を除去します。こちらは宝石サンゴです。アクセサリーになります」

「アイリ、なんだって。この海の石は、塩害の畑に撒けば、塩を除去できるのか?このピンクと白の石はアクセサリーになるのか?まさか。今まで、ゴミとしていたんだぞ。はぁ」
お父さま、ガックリと肩を落としていた。
 
「お父さま、ただ乱獲してしまうと海を汚してしまいます。制限をかけて、なおかつ契約魔法で黙秘させるなどしないといけません。あと、海に潜るための魔道具作ってください。海に潜りたいです」

「アイリ自身が、海に潜るというのはダメだが、アイリ、その石灰というのが、畑の塩害に役立つのか」
お兄さまに海に潜ることはダメだしされた。

「そうなのです、はじめ海の近くにある山なら、石灰岩、石灰石が蓄積されてあるかもと思っていたのです。でも、石灰石のもとは、暖かい海に生きるサンゴなのです。だから、サンゴがあれば石灰ができるのです。このイシサンゴや石灰岩などは高温で焼かないと、生石灰にならないので、ドリガン親方に言って、ドワーフで使用している炉を作っていただきたいです。あとは、石灰石や石英、ソーダ灰が山に蓄積されていればガラスや大理石ができます。これも高温で焼かないといけないので、やはりドワーフの使用している炉が欲しいです。そのガラスを使って、温室をつくり、野菜を栽培したいです」

「ふう、なるほど、石灰石、石灰岩か。このサンゴが石灰になるのか。そして塩害に効果があるということか。いままで、海のゴミと思っていたものが..、はぁ」
お父さまが老け込んだ気がする。

「それでは今まで埋めていたものを掘りおこすことから始めよう。まさか、塩害にこんな対策方法があったなんて知らなかったというか、誰も知らないだろう。アイリ、前世の知識はすごいな。本当に色々考えてくれてありがとう」
頭をなでなでしてくれたお兄さま。

「でも、アイリ、海に潜るのはダメだからな」
ごめんなさい、そもそもわたし、潜れません。

詳しいことはまた後日考えることにした。ことを急いてはいけない。

【今後すること】
ヤシの木を早く植える
ドリガン親方に炉を作れる人を紹介してもらう手紙を書く
埋めたものを掘り起こす
除塩する場所を決める
場所を特定後、どの野菜を育てるか輪作のための区分けする
森と山の散策

森の散策に行く話をお母さまにしたところ、今度はみんなでピクニックに行くことになった。お弁当を持ってのびのびするのだ。
小さい湖があるということなので、その辺りまでみんなで行こうとなった。

今度は森の散策だ。

しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

【完結】もう…我慢しなくても良いですよね?

アノマロカリス
ファンタジー
マーテルリア・フローレンス公爵令嬢は、幼い頃から自国の第一王子との婚約が決まっていて幼少の頃から厳しい教育を施されていた。 泣き言は許されず、笑みを浮かべる事も許されず、お茶会にすら参加させて貰えずに常に完璧な淑女を求められて教育をされて来た。 16歳の成人の義を過ぎてから王子との婚約発表の場で、事あろうことか王子は聖女に選ばれたという男爵令嬢を連れて来て私との婚約を破棄して、男爵令嬢と婚約する事を選んだ。 マーテルリアの幼少からの血の滲むような努力は、一瞬で崩壊してしまった。 あぁ、今迄の苦労は一体なんの為に… もう…我慢しなくても良いですよね? この物語は、「虐げられる生活を曽祖母の秘術でざまぁして差し上げますわ!」の続編です。 前作の登場人物達も多数登場する予定です。 マーテルリアのイラストを変更致しました。

静かなる魔王!!

友坂 悠
ファンタジー
〜魔王の娘は次期魔王? 能力チートの絶対魔王は平凡な冒険者として平和な世界でスローライフをおくりたい〜 パーティーのポーターとして働くシズカははしっこいのが取り柄な下級冒険者。 でも実は魔王の娘で次期魔王と目されていたのだけど、自分の中に流れる魔王の血を嫌って家出中だったのです。 力の無いふりをしながらパーティーが危機になった時だけこっそり助けたりしてました。 このまま平和なスローライフを送れるかなぁと思ってた矢先、父の魔王が寿命で消失。 後継者争いの果て地上の平和が脅かされるのを見過ごせなくなったシズカはなんとかしようと奮闘するのですが……。 実は最強の魔王シズカが繰り広げる最強最カワイイファンタジー!

前世で処刑された聖女、今は黒薬師と呼ばれています

矢野りと
恋愛
旧題:前世で処刑された聖女はひっそりと生きていくと決めました〜今世では黒き薬師と呼ばれています〜 ――『偽聖女を処刑しろっ!』 民衆がそう叫ぶなか、私の目の前で大切な人達の命が奪われていく。必死で神に祈ったけれど奇跡は起きなかった。……聖女ではない私は無力だった。 何がいけなかったのだろうか。ただ困っている人達を救いたい一心だっただけなのに……。 人々の歓声に包まれながら私は処刑された。 そして、私は前世の記憶を持ったまま、親の顔も知らない孤児として生まれ変わった。周囲から見れば恵まれているとは言い難いその境遇に私はほっとした。大切なものを持つことがなによりも怖かったから。 ――持たなければ、失うこともない。 だから森の奥深くでひっそりと暮らしていたのに、ある日二人の騎士が訪ねてきて……。 『黒き薬師と呼ばれている薬師はあなたでしょうか?』 基本はほのぼのですが、シリアスと切なさありのお話です。 ※この作品の設定は架空のものです。 ※一話目だけ残酷な描写がありますので苦手な方はご自衛くださいませ。 ※感想欄のネタバレ配慮はありません(._.)

ドン引きするくらいエッチなわたしに年下の彼ができました

中七七三
恋愛
わたしっておかしいの? 小さいころからエッチなことが大好きだった。 そして、小学校のときに起こしてしまった事件。 「アナタ! 女の子なのになにしてるの!」 その母親の言葉が大人になっても頭から離れない。 エッチじゃいけないの? でも、エッチは大好きなのに。 それでも…… わたしは、男の人と付き合えない―― だって、男の人がドン引きするぐらい エッチだったから。 嫌われるのが怖いから。

【R18】ひとりで異世界は寂しかったのでペット(男)を飼い始めました

桜 ちひろ
恋愛
最近流行りの異世界転生。まさか自分がそうなるなんて… 小説やアニメで見ていた転生後はある小説の世界に飛び込んで主人公を凌駕するほどのチート級の力があったり、特殊能力が!と思っていたが、小説やアニメでもみたことがない世界。そして仮に覚えていないだけでそういう世界だったとしても「モブ中のモブ」で間違いないだろう。 この世界ではさほど珍しくない「治癒魔法」が使えるだけで、特別な魔法や魔力はなかった。 そして小さな治療院で働く普通の女性だ。 ただ普通ではなかったのは「性欲」 前世もなかなか強すぎる性欲のせいで苦労したのに転生してまで同じことに悩まされることになるとは… その強すぎる性欲のせいでこちらの世界でも25歳という年齢にもかかわらず独身。彼氏なし。 こちらの世界では16歳〜20歳で結婚するのが普通なので婚活はかなり難航している。 もう諦めてペットに癒されながら独身でいることを決意した私はペットショップで小動物を飼うはずが、自分より大きな動物…「人間のオス」を飼うことになってしまった。 特に躾はせずに番犬代わりになればいいと思っていたが、この「人間のオス」が私の全てを満たしてくれる最高のペットだったのだ。

私は私で勝手に生きていきますから、どうぞご自由にお捨てになってください。

木山楽斗
恋愛
伯爵令嬢であるアルティリアは、婚約者からある日突然婚約破棄を告げられた。 彼はアルティリアが上から目線だと批判して、自らの妻として相応しくないと判断したのだ。 それに対して不満を述べたアルティリアだったが、婚約者の意思は固かった。こうして彼女は、理不尽に婚約を破棄されてしまったのである。 そのことに関して、アルティリアは実の父親から責められることになった。 公にはなっていないが、彼女は妾の子であり、家での扱いも悪かったのだ。 そのような環境で父親から責められたアルティリアの我慢は限界であった。伯爵家に必要ない。そう言われたアルティリアは父親に告げた。 「私は私で勝手に生きていきますから、どうぞご自由にお捨てになってください。私はそれで構いません」 こうしてアルティリアは、新たなる人生を送ることになった。 彼女は伯爵家のしがらみから解放されて、自由な人生を送ることになったのである。 同時に彼女を虐げていた者達は、その報いを受けることになった。彼らはアルティリアだけではなく様々な人から恨みを買っており、その立場というものは盤石なものではなかったのだ。

【R18】溺愛される公爵令嬢は鈍すぎて王子の腹黒に気づかない

かぐや
恋愛
公爵令嬢シャルロットは、まだデビューしていないにも関わらず社交界で噂になる程美しいと評判の娘であった。それは子供の頃からで、本人にはその自覚は全く無いうえ、純真過ぎて幾度も簡単に拐われかけていた。幼少期からの婚約者である幼なじみのマリウス王子を始め、周りの者が シャルロットを護る為いろいろと奮闘する。そんなお話になる予定です。溺愛系えろラブコメです。 女性が少なく子を増やす為、性に寛容で一妻多夫など婚姻の形は多様。女性大事の世界で、体も中身もかなり早熟の為13歳でも16.7歳くらいの感じで、主人公以外の女子がイケイケです。全くもってえっちでけしからん世界です。 設定ゆるいです。 出来るだけ深く考えず気軽〜に読んで頂けたら助かります。コメディなんです。 ちょいR18には※を付けます。 本番R18には☆つけます。 ※直接的な表現や、ちょこっとお下品な時もあります。あとガッツリ近親相姦や、複数プレイがあります。この世界では家族でも親以外は結婚も何でもありなのです。ツッコミ禁止でお願いします。 苦手な方はお戻りください。 基本、溺愛えろコメディなので主人公が辛い事はしません。

【R18】ファンタジー陵辱エロゲ世界にTS転生してしまった狐娘の冒険譚

みやび
ファンタジー
エロゲの世界に転生してしまった狐娘ちゃんが犯されたり犯されたりする話。

処理中です...