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大きいわんこ
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咲き誇っていた華々しい花が突然萎れてしまったかのように...いや、この例えは違うわね。
元気よくはしゃいでいた犬が叱られてしょぼーんとしているぐらいの落ち込みようって言った方が、いまの状況に合っているわ。
でも、ルナディーク殿下は大きい犬ってよりも大きいわんこって言った方が合ってる気がする。
あ、大きいわんこが嫌々と無言で首を左右に振り始めた。
チラチラとこっちを見ては嫌々と首を振っている。
「ろーぜぇ...。」
...舌足らずなルナディーク殿下の発言ですが...後ろで「くぅ~ん...。」と犬の寂しそうな声が聞こえたのは気のせいかしら?
ルナディーク殿下の後ろに金色のふさふさした毛並みの大きいわんこが見える気がするわ...幻覚でしょうけど。
私は猫派だから、心動かされないわよ。
猫の気まぐれな感じと毛並みと持ち上げようとしてもふにゃふにゃで捉え所ない感じが好きなのよ。
猫の気まぐれは見習いたいぐらい自由で羨ましいわ。
でも、殿下が悪いのですよ?
確かに先触れを送って許可を得てから私の執務室にきてますが、他の王太子兼側近候補の方々とも別案件でそれぞれ協力して仕事しているのですよ?
仕事を通じて相性の良さや考え方等を、お互いに理解するためにやってるのです。
でも、殿下はまるで他の王太子兼側近候補達を牽制するかのごとく私の隣にずっといるのですもの。
そんなルナディーク殿下をみて、皆様苦笑いか困惑した表情をなさるのですよ?
酷いときは、1日のほとんどを私の執務室にいるのですもの...しかも大体私の隣にいて持ち込みでお仕事してますし。
公務はちゃんと終わらせているらしいですが...お邪魔なのですわ...。
そのせいかどうかはわかりませんが、王太子候補を辞めて側近候補に移る方が増えたそうです。
まぁ、既に王太子の側近に決定している方達は王太子が決まるまで私の執務に携わっておりますけどね。
王太子の側近なら、次期王妃として公務をしている私の状況を知っておいた方が良いですし、公務をする上で勉強にもなるでしょう。
大きいわんこ...いや、ルナディーク殿下は諦めたようだ。
よかったよかった。
「わかった。離れる。」
そういって少しだけ離れた。
その距離、約5㎝。
そんな殿下を見た私は落ち着く為に、目の前に用意されていたハーブティーを飲んだ。
今日はカモミールとレモンと蜂蜜入りのハーブティーね。
少し酸っぱいけれどスッキリして飲みやすいわ。
ふぅ...と息を吐く。
「ルナディーク殿下...。」
言いたいことは分かっているかしらと威圧を込めて言う。
ルナディーク殿下は私の声にビクッとした後、また少しだけ離れた。
その距離、約10cm。
合計約15cm。
思わずため息をついてしまった。
よっぽど離れたくないらしい。
「ルナディーク殿下...あと10cmはせめて離れて頂きたいわ。」
私の発言で渋々離れてくれた。
まぁ、とりあえずこれでいいでしょう。
なんか、不満そうな顔で訴えるような目で見てきていますが...もうダメですよ。
ちゃんと離れたままでいてくださいね。
「殿下、今後もこの距離を保てたらご褒美をあげますから、ちゃんと我慢してくださいましね。」
ご褒美と聞いて、嬉しそうにはしゃぐわんこ...ごほん。
本当にわんこにしか見えなくなってきたわ...危ない危ない。
気を付けないと。
でも...お手って言ったらしてくれるのかしら。
ちょっとうずうずするわね。
元気よくはしゃいでいた犬が叱られてしょぼーんとしているぐらいの落ち込みようって言った方が、いまの状況に合っているわ。
でも、ルナディーク殿下は大きい犬ってよりも大きいわんこって言った方が合ってる気がする。
あ、大きいわんこが嫌々と無言で首を左右に振り始めた。
チラチラとこっちを見ては嫌々と首を振っている。
「ろーぜぇ...。」
...舌足らずなルナディーク殿下の発言ですが...後ろで「くぅ~ん...。」と犬の寂しそうな声が聞こえたのは気のせいかしら?
ルナディーク殿下の後ろに金色のふさふさした毛並みの大きいわんこが見える気がするわ...幻覚でしょうけど。
私は猫派だから、心動かされないわよ。
猫の気まぐれな感じと毛並みと持ち上げようとしてもふにゃふにゃで捉え所ない感じが好きなのよ。
猫の気まぐれは見習いたいぐらい自由で羨ましいわ。
でも、殿下が悪いのですよ?
確かに先触れを送って許可を得てから私の執務室にきてますが、他の王太子兼側近候補の方々とも別案件でそれぞれ協力して仕事しているのですよ?
仕事を通じて相性の良さや考え方等を、お互いに理解するためにやってるのです。
でも、殿下はまるで他の王太子兼側近候補達を牽制するかのごとく私の隣にずっといるのですもの。
そんなルナディーク殿下をみて、皆様苦笑いか困惑した表情をなさるのですよ?
酷いときは、1日のほとんどを私の執務室にいるのですもの...しかも大体私の隣にいて持ち込みでお仕事してますし。
公務はちゃんと終わらせているらしいですが...お邪魔なのですわ...。
そのせいかどうかはわかりませんが、王太子候補を辞めて側近候補に移る方が増えたそうです。
まぁ、既に王太子の側近に決定している方達は王太子が決まるまで私の執務に携わっておりますけどね。
王太子の側近なら、次期王妃として公務をしている私の状況を知っておいた方が良いですし、公務をする上で勉強にもなるでしょう。
大きいわんこ...いや、ルナディーク殿下は諦めたようだ。
よかったよかった。
「わかった。離れる。」
そういって少しだけ離れた。
その距離、約5㎝。
そんな殿下を見た私は落ち着く為に、目の前に用意されていたハーブティーを飲んだ。
今日はカモミールとレモンと蜂蜜入りのハーブティーね。
少し酸っぱいけれどスッキリして飲みやすいわ。
ふぅ...と息を吐く。
「ルナディーク殿下...。」
言いたいことは分かっているかしらと威圧を込めて言う。
ルナディーク殿下は私の声にビクッとした後、また少しだけ離れた。
その距離、約10cm。
合計約15cm。
思わずため息をついてしまった。
よっぽど離れたくないらしい。
「ルナディーク殿下...あと10cmはせめて離れて頂きたいわ。」
私の発言で渋々離れてくれた。
まぁ、とりあえずこれでいいでしょう。
なんか、不満そうな顔で訴えるような目で見てきていますが...もうダメですよ。
ちゃんと離れたままでいてくださいね。
「殿下、今後もこの距離を保てたらご褒美をあげますから、ちゃんと我慢してくださいましね。」
ご褒美と聞いて、嬉しそうにはしゃぐわんこ...ごほん。
本当にわんこにしか見えなくなってきたわ...危ない危ない。
気を付けないと。
でも...お手って言ったらしてくれるのかしら。
ちょっとうずうずするわね。
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