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お膝抱っこ

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お膝抱っこって、皆様されたことあります?

太ももに座ってるから微妙に安定しないんですよね。

しかも、お腹のとこに腕を回されてるので圧迫感あるし...。

この姿勢嫌い。


「...殿下?何をしてらっしゃいますの?」

「ん?なんだい?」

「その手の動きはなにしてらっしゃるんですか?」

お腹に回ってる腕が、腰やお尻や胸の下を撫でてたりするんですよね。

セクハラです。

「ローゼに触れられるのが嬉しくってつい。」

嬉しそうに言わないでください。

「護衛の皆様、メイドの皆様、出番です。」

パンパンと手を鳴らして合図します。


「や...やめろ!ローゼを返せ!」

護衛の人達に殿下は抵抗出来ないように身動きを封じられて、メイドによって私の身柄は解放されました。

ふぅー、やっと自由の身です。

「あ、こんな時間なのですね。陛下、王妃様、そろそろおいとまさせて頂きますわ。」

「ああ、もうそんな時間か。気をつけて帰りなさい。」

「こっちは気にせずに帰ってね。また来てくれると嬉しいわ。今度一緒にお茶しましょ。」

「はい、是非。お待ちしておりますわ。では、ごきげんよう。」

「ローゼ!待ってくれ!」

殿下が喚いてますが、無視して私はそそくさと帰ることにしましょう。

帰って今日は酒盛りするのです!

私は今日頑張りましたからね!

二日酔いしないように量は気をつけて。

お酒は楽しくほどほどに!


と、わくわくしながら帰宅しようとしたら...。

捕まりました。

えぇ、第三王子様の婚約者様に...。

え?一緒に酒盛りしましょう?

おつまみも甘味も揃えた?

今日はパジャマパーティー?

行きます!!!!!


第三王子様の婚約者様は、薄紅色の髪と金色の目のアザリナ・デ・ロッティー侯爵令嬢です。

私よりも爵位が高いので、当時は何人かいる王太子妃候補だったのですが...
アラン第三王子様とアザリナ様はお互いに一目惚れと、同時に同志だと分かったみたいで...
初対面にもかかわらず、お互いに挨拶せずに勢い良く握手してました。

なので、王太子妃候補の座からは外れてます。

ええ、同志っていうのは、可愛がってる私のことらしいです。

楽しそうなので別に良いんですけどね。


さぁ、ロッティー家に行きますよ!

私の家には周りの護衛の方々が知らせてくれるので、バッチリです!
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