20 / 20
バーベキューに肉とマシュマロは必須です!
しおりを挟む
お姉ちゃんの誕生日が終わり数週間。
夏休みの時期、私は今……山の中にいます!
事の発端は数週間前。
お姉ちゃんの誕生日の次の日。
学校は夏休みに入り私は朝からアルバイトでファンタビアンカで楽しく仕事をしていた。
主に接客とレジで時間があれば店長からケーキ作りやお菓子作りの伝授をさせて貰ってる。
お店は私と店長の二人しかおらずだが、特に忙しいとかは無い。
とても落ち着いていてて安心して出来る。
そんな時、お店のドアのベルが鳴る。
「いらっしゃいませ」
来たのは精肉店一家だった。
「今日は何をお探しですか」
「ではオススメのケーキをホールで三つ」
「クッキーもあるな。十個買おう」
「シュークリームも食いたい」
流石男家族。食べる量がハンパない。この三人なら食べそう。
「かしこまりました。少々お待ちください」
「ほんと、よく食べるよね。胸焼けとか胃もたれしないの?」
「店長、ケーキは?」
「今焼き待ち中。僕も手伝うよ」
店長がホールケーキを箱に入れてくれてる間に私は箱にシュークリームを入れる。
「珍しいね。いつも来るのは息子二人だけだったのに。今日はこの子になんの用?」
「来週キャンプに行くからそれを伝えに来ただけだ。お母さんや長女にも伝えてある」
キャンプ。マシュマロ焼くイメージしかない。
「キャンプかいいね~。僕も……」「却下」
素早い返事に沈黙が流れる。
「はぁ、このラスクも追加で」
「あっはい。ありがとうございます」
長男の兄ちゃんはため息をついてラスクも買ってくれた。
「親父、一人増えた位良いじゃなか」
「駄目だ」
そういえば、ケーキ屋と精肉店は仲が悪いって小さい頃から聞いたけど本当なのかな。
だけど私はこの二人が話しているのは今日が初めてだ。
次男の兄ちゃんが言ってもダメなら……。
「おじちゃん。店長も連れてって。店長が入ればバームクーヘンもマシュマロサンドも作ってくれるって店長が言ってる」
「えっ? いやそこまでは」
「パンケーキも付けてくれるなら」
「良いだろ!」
店長抜きで話が進み店長が行くとこを許してくれた。だけどなんで急にキャンプを。
「ねぇ、何で急にキャンプ行くことになったの」
追加のラスクとクッキーを袋に入れながらおじちゃんに聞くと「キャンプ行ってみたい」とうちの母が言ったのででは行こうとなった。
一週間もあれば準備が出来ると思い一週間後にしたのもおじちゃんなりの配慮。
「他は誰呼んだの?」
「俺達とパン屋の店長さんと俺のおじいちゃんおばあちゃん」
ん?
「兄ちゃんのおじいちゃんおばあちゃん?」
「俺のおじいちゃんおばあちゃんだ」
え?
「息子の曾祖父でもある」
まじで~!
どんだけ長生きしてるの!
「二人は昔から山に暮らしていて夏休みや冬休みはよく遊びに行っていた」
「俺達もよく竹爺と竹婆の所に遊びに行っては鹿肉や猪肉をご馳走して貰った」
お兄ちゃんが思い出話しを語り懐かしそうにしていた。箱に詰めたホールケーキとシュークリームと袋に入れたクッキーとラスクを渡し会計をする。
ん? 竹爺、竹婆?
「あだ名みたいな感じだ。そこは気にしなくていい」
とおじちゃんに言われ会計をしてお店に戻った三人を見送って仕事に戻る。
店長は「何持ってこうかな~。マシュマロ持ってこ」と小学生のようにはしゃぎ出す始末。
私も定時で上がり家に帰って家族でハンバーグを食べる。
私はママに今日の出来事を話した。
「ケーキ屋の店長さんも来るのは向こうから聞いたわ。まさかキャンプが出来るなんて」
「しかもおじちゃんのおじいちゃんおばあちゃんの山とは」
「私達もそれには驚いた」
私達は沈黙しながら頷きおじちゃんの祖父祖母の贈り物のカタログを見ながらキャンプで何を持って行くか食材やら道具やら相談していた。明日はバイトも無く学校の補習等も無い。
だから明日は必要な道具と食材の調達を買いに三人で出かける為その日は十時に私達は早めに寝た。
そして翌日。
私達はショッピングモールに訪れていた。平日のおかげか人は混雑しておらず私達はゆっくりと落ち着いて買い物が出来る。
ママがメモを見ると私は覗き見しながら何を買うのか聞いた。
「私達は何買うの?」
「私達は野菜担当。お肉屋さんはお肉をパン屋さんは魚を買う担当になってるの」
「なるほど。キャンプならカレーとか焼きそばとか作りたいな~」
「良いね。カレールーと焼きそばの麺とソースも買っとこう」
次から次えとカゴにホイホイ入れて行くといつの間にかカゴが二つに増えて中身も山盛りになっていた。
車で来ているから帰りは大丈夫だがいくらなんでも買いすぎたなと私達三人は少し反省したが直ぐにその反省も無くなると思う。
食材を買って車に積んだら次は服屋に向かった。
汚れていい物、動きやすい服や靴等を選ぶ為、そしてその他必要な物はないかを買うために。
まずは服から。
「う~ん」
と言っても私は服のセンス所か服の機能性すらよく分からなかった。何をどこが良いのかさっぱりで私が選ぶ服は基本Tシャツかパーカー位。
そういう時はいつもお姉ちゃんに選んで貰っている。
「行くのは山だから半ズボンが良いわね。でも虫とか刺されたら大変だから下にレギンスでも履きましょう。上はTシャツでも良いけど他にも通気性良い服もあるから色々見てみましょう。山に行ったら泳げる川もあるっておじさん言ってたから水着も見てみましょう。もう前のは着れないし……」
お姉ちゃんは服の事となると少し暴走する。
服を一着見ると百着は持ってくる。
前は服だけでなくズボンや上着、冬服から下着まで全部お姉ちゃんが選んでくれた物だ。
ちなみに私だけでなくママも。
「お母さんはこっちの明るい色が似合うわ。黒色だと熱くなりやすいしこっちの色の方が一番似合う。その色だと帽子はこっちが良いけどこっちも捨て難い。軽い服を選ぶならゆったりしたTシャツにレギンスと上から半ズボンが良いかも。普通のジーパンも良いけど……」
「はい。次は水着見に行こう」
ママはお姉ちゃんの暴走を止めて水着屋に向かった。当然お姉ちゃんは此処でも暴走モードに入り十二十と水着を持って来ては私達を着せ替え人形のように着せ替えていく。流石に私は疲れてしまい私とママはお姉ちゃんが選んだ中で一着水着を選び会計をする。
そして今、フードコートで休憩中。
それぞれ自分達の好きな物を頼みお昼ご飯にする。
「いや~買った買った」
「久々だよ、こんなに買ったの」
「私も色々買えて楽しかったわ」
私達の周りには買い物袋でいっぱい囲まれていた。服に食材、水着にキャンプに使えそうな道具。過去最大の買い物だった。
「でもこれで大丈夫だよね」
「そうだね。備えあれば憂いなし」
お昼を済ませちょっとデザートを食べて甘い物を補給し車に荷物を積んで家に帰った。
流石に今回はちょっと疲れた私達は出前でピザを頼んで直ぐに寝た。
そして数日。
キャンプの日がやってきた。
今日のご飯はなんだろ。
夏休みの時期、私は今……山の中にいます!
事の発端は数週間前。
お姉ちゃんの誕生日の次の日。
学校は夏休みに入り私は朝からアルバイトでファンタビアンカで楽しく仕事をしていた。
主に接客とレジで時間があれば店長からケーキ作りやお菓子作りの伝授をさせて貰ってる。
お店は私と店長の二人しかおらずだが、特に忙しいとかは無い。
とても落ち着いていてて安心して出来る。
そんな時、お店のドアのベルが鳴る。
「いらっしゃいませ」
来たのは精肉店一家だった。
「今日は何をお探しですか」
「ではオススメのケーキをホールで三つ」
「クッキーもあるな。十個買おう」
「シュークリームも食いたい」
流石男家族。食べる量がハンパない。この三人なら食べそう。
「かしこまりました。少々お待ちください」
「ほんと、よく食べるよね。胸焼けとか胃もたれしないの?」
「店長、ケーキは?」
「今焼き待ち中。僕も手伝うよ」
店長がホールケーキを箱に入れてくれてる間に私は箱にシュークリームを入れる。
「珍しいね。いつも来るのは息子二人だけだったのに。今日はこの子になんの用?」
「来週キャンプに行くからそれを伝えに来ただけだ。お母さんや長女にも伝えてある」
キャンプ。マシュマロ焼くイメージしかない。
「キャンプかいいね~。僕も……」「却下」
素早い返事に沈黙が流れる。
「はぁ、このラスクも追加で」
「あっはい。ありがとうございます」
長男の兄ちゃんはため息をついてラスクも買ってくれた。
「親父、一人増えた位良いじゃなか」
「駄目だ」
そういえば、ケーキ屋と精肉店は仲が悪いって小さい頃から聞いたけど本当なのかな。
だけど私はこの二人が話しているのは今日が初めてだ。
次男の兄ちゃんが言ってもダメなら……。
「おじちゃん。店長も連れてって。店長が入ればバームクーヘンもマシュマロサンドも作ってくれるって店長が言ってる」
「えっ? いやそこまでは」
「パンケーキも付けてくれるなら」
「良いだろ!」
店長抜きで話が進み店長が行くとこを許してくれた。だけどなんで急にキャンプを。
「ねぇ、何で急にキャンプ行くことになったの」
追加のラスクとクッキーを袋に入れながらおじちゃんに聞くと「キャンプ行ってみたい」とうちの母が言ったのででは行こうとなった。
一週間もあれば準備が出来ると思い一週間後にしたのもおじちゃんなりの配慮。
「他は誰呼んだの?」
「俺達とパン屋の店長さんと俺のおじいちゃんおばあちゃん」
ん?
「兄ちゃんのおじいちゃんおばあちゃん?」
「俺のおじいちゃんおばあちゃんだ」
え?
「息子の曾祖父でもある」
まじで~!
どんだけ長生きしてるの!
「二人は昔から山に暮らしていて夏休みや冬休みはよく遊びに行っていた」
「俺達もよく竹爺と竹婆の所に遊びに行っては鹿肉や猪肉をご馳走して貰った」
お兄ちゃんが思い出話しを語り懐かしそうにしていた。箱に詰めたホールケーキとシュークリームと袋に入れたクッキーとラスクを渡し会計をする。
ん? 竹爺、竹婆?
「あだ名みたいな感じだ。そこは気にしなくていい」
とおじちゃんに言われ会計をしてお店に戻った三人を見送って仕事に戻る。
店長は「何持ってこうかな~。マシュマロ持ってこ」と小学生のようにはしゃぎ出す始末。
私も定時で上がり家に帰って家族でハンバーグを食べる。
私はママに今日の出来事を話した。
「ケーキ屋の店長さんも来るのは向こうから聞いたわ。まさかキャンプが出来るなんて」
「しかもおじちゃんのおじいちゃんおばあちゃんの山とは」
「私達もそれには驚いた」
私達は沈黙しながら頷きおじちゃんの祖父祖母の贈り物のカタログを見ながらキャンプで何を持って行くか食材やら道具やら相談していた。明日はバイトも無く学校の補習等も無い。
だから明日は必要な道具と食材の調達を買いに三人で出かける為その日は十時に私達は早めに寝た。
そして翌日。
私達はショッピングモールに訪れていた。平日のおかげか人は混雑しておらず私達はゆっくりと落ち着いて買い物が出来る。
ママがメモを見ると私は覗き見しながら何を買うのか聞いた。
「私達は何買うの?」
「私達は野菜担当。お肉屋さんはお肉をパン屋さんは魚を買う担当になってるの」
「なるほど。キャンプならカレーとか焼きそばとか作りたいな~」
「良いね。カレールーと焼きそばの麺とソースも買っとこう」
次から次えとカゴにホイホイ入れて行くといつの間にかカゴが二つに増えて中身も山盛りになっていた。
車で来ているから帰りは大丈夫だがいくらなんでも買いすぎたなと私達三人は少し反省したが直ぐにその反省も無くなると思う。
食材を買って車に積んだら次は服屋に向かった。
汚れていい物、動きやすい服や靴等を選ぶ為、そしてその他必要な物はないかを買うために。
まずは服から。
「う~ん」
と言っても私は服のセンス所か服の機能性すらよく分からなかった。何をどこが良いのかさっぱりで私が選ぶ服は基本Tシャツかパーカー位。
そういう時はいつもお姉ちゃんに選んで貰っている。
「行くのは山だから半ズボンが良いわね。でも虫とか刺されたら大変だから下にレギンスでも履きましょう。上はTシャツでも良いけど他にも通気性良い服もあるから色々見てみましょう。山に行ったら泳げる川もあるっておじさん言ってたから水着も見てみましょう。もう前のは着れないし……」
お姉ちゃんは服の事となると少し暴走する。
服を一着見ると百着は持ってくる。
前は服だけでなくズボンや上着、冬服から下着まで全部お姉ちゃんが選んでくれた物だ。
ちなみに私だけでなくママも。
「お母さんはこっちの明るい色が似合うわ。黒色だと熱くなりやすいしこっちの色の方が一番似合う。その色だと帽子はこっちが良いけどこっちも捨て難い。軽い服を選ぶならゆったりしたTシャツにレギンスと上から半ズボンが良いかも。普通のジーパンも良いけど……」
「はい。次は水着見に行こう」
ママはお姉ちゃんの暴走を止めて水着屋に向かった。当然お姉ちゃんは此処でも暴走モードに入り十二十と水着を持って来ては私達を着せ替え人形のように着せ替えていく。流石に私は疲れてしまい私とママはお姉ちゃんが選んだ中で一着水着を選び会計をする。
そして今、フードコートで休憩中。
それぞれ自分達の好きな物を頼みお昼ご飯にする。
「いや~買った買った」
「久々だよ、こんなに買ったの」
「私も色々買えて楽しかったわ」
私達の周りには買い物袋でいっぱい囲まれていた。服に食材、水着にキャンプに使えそうな道具。過去最大の買い物だった。
「でもこれで大丈夫だよね」
「そうだね。備えあれば憂いなし」
お昼を済ませちょっとデザートを食べて甘い物を補給し車に荷物を積んで家に帰った。
流石に今回はちょっと疲れた私達は出前でピザを頼んで直ぐに寝た。
そして数日。
キャンプの日がやってきた。
今日のご飯はなんだろ。
0
お気に入りに追加
0
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
【完結】亡き冷遇妃がのこしたもの〜王の後悔〜
なか
恋愛
「セレリナ妃が、自死されました」
静寂をかき消す、衛兵の報告。
瞬間、周囲の視線がたった一人に注がれる。
コリウス王国の国王––レオン・コリウス。
彼は正妃セレリナの死を告げる報告に、ただ一言呟く。
「構わん」……と。
周囲から突き刺さるような睨みを受けても、彼は気にしない。
これは……彼が望んだ結末であるからだ。
しかし彼は知らない。
この日を境にセレリナが残したものを知り、後悔に苛まれていくことを。
王妃セレリナ。
彼女に消えて欲しかったのは……
いったい誰か?
◇◇◇
序盤はシリアスです。
楽しんでいただけるとうれしいです。
王が気づいたのはあれから十年後
基本二度寝
恋愛
王太子は妃の肩を抱き、反対の手には息子の手を握る。
妃はまだ小さい娘を抱えて、夫に寄り添っていた。
仲睦まじいその王族家族の姿は、国民にも評判がよかった。
側室を取ることもなく、子に恵まれた王家。
王太子は妃を優しく見つめ、妃も王太子を愛しく見つめ返す。
王太子は今日、父から王の座を譲り受けた。
新たな国王の誕生だった。
寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい
白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。
私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。
「あの人、私が
最愛の側妃だけを愛する旦那様、あなたの愛は要りません
abang
恋愛
私の旦那様は七人の側妃を持つ、巷でも噂の好色王。
後宮はいつでも女の戦いが絶えない。
安心して眠ることもできない後宮に、他の妃の所にばかり通う皇帝である夫。
「どうして、この人を愛していたのかしら?」
ずっと静観していた皇后の心は冷めてしまいう。
それなのに皇帝は急に皇后に興味を向けて……!?
「あの人に興味はありません。勝手になさい!」
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる