上 下
2 / 20

おにぎりとタコさんウインナーと林檎

しおりを挟む
いつもの日常。
朝はいつも通りの道に行くと友達と待ち合わせをして学校に向かう。苦手な理科の授業と得意の国語の授業。移動があれば教科書と筆箱を持って友達と一緒に行く。変わりない日常。
唯一変わりがあるとすればそれはお昼。
私は毎日変わる母の作ったお弁当がとても好きで毎日これを楽しみにしている。
友達と席をくっつけ友達は私のお弁当を見つめる。お弁当用のカバンを開けて中を出すと小さなお弁当箱にタコさんウインナーと私の好きな林檎。それとは別にラップに包まれている大きなおにぎりが三つ入っていた。
至ってシンプルなお弁当である。
友達もお弁当を出して蓋を開けると彩り取りのおかずに白いご飯にたらこ味のふりかけが振ってあり、女の子らしいピンクでとても可愛らしく見える。私と友達は手を合わせてお弁当を食べ始める。おにぎりのラップを外し一口食べると、中から唐揚げと塩昆布が出てきた。唐揚げの旨みと塩昆布の塩っ辛さが相性抜群でおかずの存在を忘れ去られる程に美味しかった。
私が美味しそうに食べているのを友達が一部始終見ており「一口頂戴」と言われたが断固拒否。
私が作った物なら上げたが母が作った物は決してあげない。
一個目のおにぎりが食べ終わりタコさんウインナーを二個食べた後、続いて二個目のおにぎり。
これも同様にラップを剥がし口を大きく開けて一口。
中から出てきたのは海老マヨ。
海老マヨは私がおにぎりの中で一番好きな具。
出来れば最後に食べたいが一口齧ったものを後回しにしたくない。
私は自分の美意識に従い海老マヨのおにぎりを食べ進める。
プリプリとした大ぶりの海老にマヨネーズと塩胡椒が絡まりとても美味しい。海老マヨのおにぎりはいつの間にか無くなりまた食べたくなる。
タコさんウインナーの残りを全て食べて続いて三つ目の最後のおにぎり。
最後のおにぎりは何かな何かなとワクワクしながら私はラップを剥がす。
最後のおにぎりも大きく口を開けて一口食べ中を見てみると。
出てきた具はマグロの醤油漬けだった。
私の苦手なわさびは無く、醤油とマグロの旨味が口いっぱいになりとても贅沢なおにぎりだった。
私が海鮮系のおにぎりが好きなのは母はよく知っている。今日のお昼はとても贅沢でちょっと豪華のあるお弁当でした。
私は一口、また一口と美味しそうに食べると見ていた友達が「美味しそうに食べるね。お母さんのお弁当好きなの?」と聞かれ私は「めっちゃ大好き!」と答えた。
大好きな林檎を食べながら私は毎日想う。
母の作る料理が好きだ。
一緒に作るのも好き。
作った物を母や姉が美味しそうに食べてくれる事も好き。
私は母と姉のおかけで食べることがとても好きだ。
だから私は毎日のご飯を楽しみにしている。
林檎が食べ終わり、友達も食べ終わると私達はまた再び手を合わせる。
机と椅子を元の位置に戻し私は思う。
今日のご飯は何かな。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

【完結】亡き冷遇妃がのこしたもの〜王の後悔〜

なか
恋愛
「セレリナ妃が、自死されました」  静寂をかき消す、衛兵の報告。  瞬間、周囲の視線がたった一人に注がれる。  コリウス王国の国王––レオン・コリウス。  彼は正妃セレリナの死を告げる報告に、ただ一言呟く。 「構わん」……と。  周囲から突き刺さるような睨みを受けても、彼は気にしない。  これは……彼が望んだ結末であるからだ。  しかし彼は知らない。  この日を境にセレリナが残したものを知り、後悔に苛まれていくことを。  王妃セレリナ。  彼女に消えて欲しかったのは……  いったい誰か?    ◇◇◇  序盤はシリアスです。  楽しんでいただけるとうれしいです。    

[R18] 激しめエロつめあわせ♡

ねねこ
恋愛
短編のエロを色々と。 激しくて濃厚なの多め♡ 苦手な人はお気をつけくださいませ♡

JKがいつもしていること

フルーツパフェ
大衆娯楽
平凡な女子高生達の日常を描く日常の叙事詩。 挿絵から御察しの通り、それ以外、言いようがありません。

壁の薄いアパートで、隣の部屋から喘ぎ声がする

サドラ
恋愛
最近付き合い始めた彼女とアパートにいる主人公。しかし、隣の部屋からの喘ぎ声が壁が薄いせいで聞こえてくる。そのせいで欲情が刺激された両者はー

王が気づいたのはあれから十年後

基本二度寝
恋愛
王太子は妃の肩を抱き、反対の手には息子の手を握る。 妃はまだ小さい娘を抱えて、夫に寄り添っていた。 仲睦まじいその王族家族の姿は、国民にも評判がよかった。 側室を取ることもなく、子に恵まれた王家。 王太子は妃を優しく見つめ、妃も王太子を愛しく見つめ返す。 王太子は今日、父から王の座を譲り受けた。 新たな国王の誕生だった。

寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい

白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。 私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。 「あの人、私が

最愛の側妃だけを愛する旦那様、あなたの愛は要りません

abang
恋愛
私の旦那様は七人の側妃を持つ、巷でも噂の好色王。 後宮はいつでも女の戦いが絶えない。 安心して眠ることもできない後宮に、他の妃の所にばかり通う皇帝である夫。 「どうして、この人を愛していたのかしら?」 ずっと静観していた皇后の心は冷めてしまいう。 それなのに皇帝は急に皇后に興味を向けて……!? 「あの人に興味はありません。勝手になさい!」

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

処理中です...