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大垣城包囲
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「ん? 帰ってきたな」
大垣城を守る佐竹義重は、城に戻って来る佐竹義宣の軍勢を見つける。
その軍は兵糧の積まれた荷駄隊も引き連れており、目的を果たしていない事は明白であった。
「城門を開けよ!」
佐竹義重の指示で城門が開く。
そして、佐竹勢が入ってくる。
が、全軍は入らず、入った軍も城門付近で止まった。
「義宣! 何をしておる!? 何があったのだ!?」
不審に感じた佐竹義重は近付き、義宣に声をかける。
が、そこで義重はその義宣が、全くの別人だと気が付く。
自らの過ちに気がついた。
「……誰だ。何故義宣の具足を着ている……っ! 敵だ! 構えよ!」
「……もう遅い! 我こそは黒田長政! かかれ!」
すると、城内に入った佐竹勢改め黒田勢は、城門を破壊し始め、付近の敵兵を襲い始める。
更には城壁も破壊し始める。
「くっ! 引け! 引け!」
義重は自ら刀を振るい、兵を助けつつその場を退く。
佐竹義重が兵を可能な限り救い、皆が引いた所で、黒田勢も手を止める。
「長政様! 支度は整いました!」
「うむ! 又兵衛、ご苦労だった。引け!」
すると、黒田勢は突如として引き始める。
「な、なんだ? 何故兵を引いた……」
「殿! あ、あれを……」
すると、物見櫓の兵が口を開く。
そして、義重もすぐに物見櫓に戻り、見に行った。
「な……あれは……」
城外には無数の旗がひしめいており、その中には佐竹の物もあった。
そこには大量の米俵を土嚢のように積み、防塁として、付城として使い、城を包囲した。
豊臣方は見えるように大量の銃兵を配置していた。
「殿! 今すぐ出陣しましょう!」
「駄目だ……」
義重は敵陣を見ながら口を開く。
「ボロボロになった城壁から我らの動きは筒抜け。出陣しようとすれば敵に動きを悟られ、既に破壊された城門から出陣しようものなら待ち構えられている鉄砲で蜂の巣にされる……それに、義宣が向こうについた事でこちらの陣容も筒抜けだ……」
「佐竹殿! これは……」
すると、南部利直が姿を表す。
「息子に……そして黒田長政にしてやられた……」
「何だと……」
それを聞いた利直は外を見る。
そして、完全包囲されたその現状を見て、絶望する。
「やられた……佐竹殿! 何故義宣殿は……」
「……あやつは元から豊臣方に味方したいと言っていた……大垣城の将兵を信用しすぎたのが駄目だったか……」
義重と利直は、敵を見据える。
「何とか敵を突破し、早馬を飛ばしましょう。伊達殿の援軍に期待するしかありませぬ。佐竹殿。息子だとしても手加減はなりませぬぞ」
「そうですな……それしかない、か」
かくして、大垣城は徳川方の手に落ちたが、奥州連合軍の大部隊は大垣に釘付けにされることとなった。
大垣城を守る佐竹義重は、城に戻って来る佐竹義宣の軍勢を見つける。
その軍は兵糧の積まれた荷駄隊も引き連れており、目的を果たしていない事は明白であった。
「城門を開けよ!」
佐竹義重の指示で城門が開く。
そして、佐竹勢が入ってくる。
が、全軍は入らず、入った軍も城門付近で止まった。
「義宣! 何をしておる!? 何があったのだ!?」
不審に感じた佐竹義重は近付き、義宣に声をかける。
が、そこで義重はその義宣が、全くの別人だと気が付く。
自らの過ちに気がついた。
「……誰だ。何故義宣の具足を着ている……っ! 敵だ! 構えよ!」
「……もう遅い! 我こそは黒田長政! かかれ!」
すると、城内に入った佐竹勢改め黒田勢は、城門を破壊し始め、付近の敵兵を襲い始める。
更には城壁も破壊し始める。
「くっ! 引け! 引け!」
義重は自ら刀を振るい、兵を助けつつその場を退く。
佐竹義重が兵を可能な限り救い、皆が引いた所で、黒田勢も手を止める。
「長政様! 支度は整いました!」
「うむ! 又兵衛、ご苦労だった。引け!」
すると、黒田勢は突如として引き始める。
「な、なんだ? 何故兵を引いた……」
「殿! あ、あれを……」
すると、物見櫓の兵が口を開く。
そして、義重もすぐに物見櫓に戻り、見に行った。
「な……あれは……」
城外には無数の旗がひしめいており、その中には佐竹の物もあった。
そこには大量の米俵を土嚢のように積み、防塁として、付城として使い、城を包囲した。
豊臣方は見えるように大量の銃兵を配置していた。
「殿! 今すぐ出陣しましょう!」
「駄目だ……」
義重は敵陣を見ながら口を開く。
「ボロボロになった城壁から我らの動きは筒抜け。出陣しようとすれば敵に動きを悟られ、既に破壊された城門から出陣しようものなら待ち構えられている鉄砲で蜂の巣にされる……それに、義宣が向こうについた事でこちらの陣容も筒抜けだ……」
「佐竹殿! これは……」
すると、南部利直が姿を表す。
「息子に……そして黒田長政にしてやられた……」
「何だと……」
それを聞いた利直は外を見る。
そして、完全包囲されたその現状を見て、絶望する。
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「……あやつは元から豊臣方に味方したいと言っていた……大垣城の将兵を信用しすぎたのが駄目だったか……」
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「何とか敵を突破し、早馬を飛ばしましょう。伊達殿の援軍に期待するしかありませぬ。佐竹殿。息子だとしても手加減はなりませぬぞ」
「そうですな……それしかない、か」
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