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第十二章:留学
12-22忙しい時に限って
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「と、言う事でこの教室からも出し物を出す事となりました。それではクラス委員長、お願いします」
この教室の担任となるソルミナ教授はそう言ってクラス委員長を呼ぶ。
確かベルルティスさんていう名前の眼鏡が似合う美人さん。
ちなみに胸は大きい。
「それでは我がクラスの出し物を決めようと思います。何か希望はありますか?」
クラス委員長が黒板に希望のある出し物を書き始める。
女子たちは比較的協力的であれやこれやと進言する。
男児はこっちの世界でも同じく消極的。
めんどくさそうにしている。
「お姉ちゃん、何やりたい?」
「いや、私たちは『大魔導士杯』にも出なきゃだしソルミナ教授の研究発表の資料も作らなきゃよ? 出来れば他の事はやりたくないんだけどね」
「このクラスで出し物ねぇ~。適当にお茶でも濁しておけばいいんじゃない?」
ルラはお祭り騒ぎで浮かれているけど、やる事がいっぱいあればそっちだけで手いっぱいになってしまう。
ただでさえ最近は学園長の朝稽古が厳しいってのに……
「お茶? お茶と言えばお茶会なんか良いね?」
「あ~、それ良いかも。うちには美人揃いだから喫茶店とかどう?」
「いいわね、それならシフトで休みもいれらるもんね!!」
お、おや?
ヤリスがお茶濁すとか言ったら他の女子が反応をして話が加速する。
それと同時に黒板にも案がどんどん書かれて行っていつの間にやらうちのクラスの出し物は喫茶店で決まったようだけど……
「はいはい! せっかくここでも珍しいエルフの生徒がいるからそれっぽく『エルフの森の喫茶』が良いと思います!」
え、えーとぉ……
「そうよね、この学園ではエルフの人って少ないから目立つし、エルフと言えば美男美女のイメージが強いもんね。ソルミナ教授もいるし話題性は確実よね!」
「ソルミナ教授もちゃんと参加してくださいよ? これで学園にいるエルフの人のほとんどがうちで喫茶店やれますね!」
「よぉし、じゃあもの凄く可愛い衣装作ろう!」
は、話がどんどん進んでいく?
「お姉ちゃん、喫茶店だって! あたしたちも昔『赤竜亭』とか『鉄板亭』でウェイトレスしてたから余裕だね!」
「あ、え、えーとぉ……」
よ、余計な事をっ!
「へぇ~リルとルラって昔接客業してたんだ? エルフの村で?」
「い、いえ、その、イザンカ王国のレッドゲイルとドドスの街でちょっと……」
ヤリスが聞いてくるので無視するわけにもいかずそう答えると……
「すごい! 経験者がリルさんとルラさんだなんて!」
「これでうちの出し物は完璧ね!」
「お茶と、後お菓子なんかで良いかな??」
女子たちはそれを聞いて一気に盛り上がる。
確かに学園祭の喫茶店なんて経験があればなんとかできるだろうけど、この忙しい時に。
「それでは特別アドバイザーとしてリルさんとルラさんにコーディネートをお願いしましょう。皆さん宜しいですか?」
はーいぃ!
「え”っ!?」
ベルルティスさん、何勝手に話を進めているの?
私まだ何も同意してませんけど??
「お姉ちゃん、喫茶店頑張ろうね! そうだあのクレープとかパンケーキも出す?」
「なにそれ? なんかおいしそうな名前ね、ルラどう言ったモノなの??」
ルラがまた余計な事を!!
しかしヤリスに聞かれたそれは勿論他の女子にも聞かれている。
私は恐る恐るクラス委員長のベルルティスさんを見ると眼鏡をキラーンと輝かせうっすらと笑っている。
「ふっふっふっふっふっ、クラスの収入は皆で分ける事が出来ましたよね? 今月はちょっと物入りなのでこれは臨時収入が見込めますね? リルさん、ルラさんお願いしますよ!!」
「あ…… は、はいぃ……」
この流れで、この雰囲気。
私にはそれを断れるほどのメンタルは無かったのだった。
* * * * *
その後あれやこれやとやり始めているうちに私もだんだん楽しくなってきてしまった。
「はい、そこっ! お辞儀は角度四十五度、お辞儀する時には軽く目を伏せる!!」
「赤竜亭」のレナさん仕込みの接客方法をみんなに教える。
「「「「「旦那様、お帰りなさいませ」」」」」
ウェイトレス姿の女子たちが一斉に声を合わせてお辞儀する。
「「「「「お嬢様、お帰りなさいませ」」」」」
ウェイター姿の男子の教育もぬかりない。
特にイケメンの男子には笑顔を絶やさず笑いかけるように指導もする。
「お姉ちゃん、レナさんみたい」
「はぁ~リルがこうも指導が厳しいとは思わなかったわよ」
経験者で給仕の仕方を教えているルラは私を見てそんな事を言っている。
ヤリスも王族でこう言う事はやった事が無いので最初は面白がっていたけど、やるからには徹底しないとダメだ。
めんどくさいとか何んとか言ってるけどここは宮廷じゃないのでどんどん指導する。
「ソルミナ教授、だめですよそんなぶっきらぼうな顔しちゃ! スマイル! スマイルですよ!!」
「ね、ねぇリル、私って手伝いは会計だけって話じゃ……」
「何言ってるんですか! 最後にお客さんから対価をもらう時に印象悪くしてどうするんです!? 男性相手ならおつり返す時にそっと手を握るくらいのサービスもしてくださいね!!」
駄目だ、これではまだまだお客様を満足させられない。
出す食べ物のもクレープは道具がないので断念したけど、他のパンケーキとか何かとかはドドスにいた時と同じようにみんなに教育している。
おかげで最近はお昼はパンケーキとかばかりだけど、まだまだ満足する味に届いていない。
「リルさん、これはどうすればいいんですか?」
「ベルルティスさんは眼鏡キャラですから、ちょっとクール系で行ってください。特に下げしむ視線に反応するお客様には口調も変えて辛辣に。お食事も美味しくなる呪文じゃなく、『さあ私が持って来てやったんだからありがたく食べなさい、この豚が!』くらい攻めてください」
ベルルティスさんは美人で眼鏡だからクール系がぴったりとはまっている。
そして私の指導にすぐに順応していい感じになって来た頃に数人の男子生徒が練習相手で悶えていた。
「ねぇねぇ、リルさんこの場合は?」
「そうですね、アリシスさんは自分より少し年上っぽいお客様には『お兄ちゃん』を付けてください。その時には上目遣いを忘れずに」
流石にうちのクラスは美人ぞろいと言われるだけの事はある。
これらの人材ならどんなお客様が来ても十分に対応できるキャラがいる。
いける、これならば全てのお客様を満足させられる!!
「ねえルラ、リルってこう言うの好きなの?」
「うーん、お仕事始めるとお姉ちゃんもの凄く真剣だったからねぇ~ 『赤竜亭』のレナさんも今のお姉ちゃん見たら安心してホール任せてくれるかな?」
休憩に入ったヤリスとルラが何か言ってるけど、クラスのみんなを完璧に仕上げる為に私は引き続き奮闘するのだった。
*******************************************
すみません、あれに感染してました。
続きにつきましてはしばらく不定期更新になりそうです。
体制整ったらまた毎日投稿に戻ります。
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この教室の担任となるソルミナ教授はそう言ってクラス委員長を呼ぶ。
確かベルルティスさんていう名前の眼鏡が似合う美人さん。
ちなみに胸は大きい。
「それでは我がクラスの出し物を決めようと思います。何か希望はありますか?」
クラス委員長が黒板に希望のある出し物を書き始める。
女子たちは比較的協力的であれやこれやと進言する。
男児はこっちの世界でも同じく消極的。
めんどくさそうにしている。
「お姉ちゃん、何やりたい?」
「いや、私たちは『大魔導士杯』にも出なきゃだしソルミナ教授の研究発表の資料も作らなきゃよ? 出来れば他の事はやりたくないんだけどね」
「このクラスで出し物ねぇ~。適当にお茶でも濁しておけばいいんじゃない?」
ルラはお祭り騒ぎで浮かれているけど、やる事がいっぱいあればそっちだけで手いっぱいになってしまう。
ただでさえ最近は学園長の朝稽古が厳しいってのに……
「お茶? お茶と言えばお茶会なんか良いね?」
「あ~、それ良いかも。うちには美人揃いだから喫茶店とかどう?」
「いいわね、それならシフトで休みもいれらるもんね!!」
お、おや?
ヤリスがお茶濁すとか言ったら他の女子が反応をして話が加速する。
それと同時に黒板にも案がどんどん書かれて行っていつの間にやらうちのクラスの出し物は喫茶店で決まったようだけど……
「はいはい! せっかくここでも珍しいエルフの生徒がいるからそれっぽく『エルフの森の喫茶』が良いと思います!」
え、えーとぉ……
「そうよね、この学園ではエルフの人って少ないから目立つし、エルフと言えば美男美女のイメージが強いもんね。ソルミナ教授もいるし話題性は確実よね!」
「ソルミナ教授もちゃんと参加してくださいよ? これで学園にいるエルフの人のほとんどがうちで喫茶店やれますね!」
「よぉし、じゃあもの凄く可愛い衣装作ろう!」
は、話がどんどん進んでいく?
「お姉ちゃん、喫茶店だって! あたしたちも昔『赤竜亭』とか『鉄板亭』でウェイトレスしてたから余裕だね!」
「あ、え、えーとぉ……」
よ、余計な事をっ!
「へぇ~リルとルラって昔接客業してたんだ? エルフの村で?」
「い、いえ、その、イザンカ王国のレッドゲイルとドドスの街でちょっと……」
ヤリスが聞いてくるので無視するわけにもいかずそう答えると……
「すごい! 経験者がリルさんとルラさんだなんて!」
「これでうちの出し物は完璧ね!」
「お茶と、後お菓子なんかで良いかな??」
女子たちはそれを聞いて一気に盛り上がる。
確かに学園祭の喫茶店なんて経験があればなんとかできるだろうけど、この忙しい時に。
「それでは特別アドバイザーとしてリルさんとルラさんにコーディネートをお願いしましょう。皆さん宜しいですか?」
はーいぃ!
「え”っ!?」
ベルルティスさん、何勝手に話を進めているの?
私まだ何も同意してませんけど??
「お姉ちゃん、喫茶店頑張ろうね! そうだあのクレープとかパンケーキも出す?」
「なにそれ? なんかおいしそうな名前ね、ルラどう言ったモノなの??」
ルラがまた余計な事を!!
しかしヤリスに聞かれたそれは勿論他の女子にも聞かれている。
私は恐る恐るクラス委員長のベルルティスさんを見ると眼鏡をキラーンと輝かせうっすらと笑っている。
「ふっふっふっふっふっ、クラスの収入は皆で分ける事が出来ましたよね? 今月はちょっと物入りなのでこれは臨時収入が見込めますね? リルさん、ルラさんお願いしますよ!!」
「あ…… は、はいぃ……」
この流れで、この雰囲気。
私にはそれを断れるほどのメンタルは無かったのだった。
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その後あれやこれやとやり始めているうちに私もだんだん楽しくなってきてしまった。
「はい、そこっ! お辞儀は角度四十五度、お辞儀する時には軽く目を伏せる!!」
「赤竜亭」のレナさん仕込みの接客方法をみんなに教える。
「「「「「旦那様、お帰りなさいませ」」」」」
ウェイトレス姿の女子たちが一斉に声を合わせてお辞儀する。
「「「「「お嬢様、お帰りなさいませ」」」」」
ウェイター姿の男子の教育もぬかりない。
特にイケメンの男子には笑顔を絶やさず笑いかけるように指導もする。
「お姉ちゃん、レナさんみたい」
「はぁ~リルがこうも指導が厳しいとは思わなかったわよ」
経験者で給仕の仕方を教えているルラは私を見てそんな事を言っている。
ヤリスも王族でこう言う事はやった事が無いので最初は面白がっていたけど、やるからには徹底しないとダメだ。
めんどくさいとか何んとか言ってるけどここは宮廷じゃないのでどんどん指導する。
「ソルミナ教授、だめですよそんなぶっきらぼうな顔しちゃ! スマイル! スマイルですよ!!」
「ね、ねぇリル、私って手伝いは会計だけって話じゃ……」
「何言ってるんですか! 最後にお客さんから対価をもらう時に印象悪くしてどうするんです!? 男性相手ならおつり返す時にそっと手を握るくらいのサービスもしてくださいね!!」
駄目だ、これではまだまだお客様を満足させられない。
出す食べ物のもクレープは道具がないので断念したけど、他のパンケーキとか何かとかはドドスにいた時と同じようにみんなに教育している。
おかげで最近はお昼はパンケーキとかばかりだけど、まだまだ満足する味に届いていない。
「リルさん、これはどうすればいいんですか?」
「ベルルティスさんは眼鏡キャラですから、ちょっとクール系で行ってください。特に下げしむ視線に反応するお客様には口調も変えて辛辣に。お食事も美味しくなる呪文じゃなく、『さあ私が持って来てやったんだからありがたく食べなさい、この豚が!』くらい攻めてください」
ベルルティスさんは美人で眼鏡だからクール系がぴったりとはまっている。
そして私の指導にすぐに順応していい感じになって来た頃に数人の男子生徒が練習相手で悶えていた。
「ねぇねぇ、リルさんこの場合は?」
「そうですね、アリシスさんは自分より少し年上っぽいお客様には『お兄ちゃん』を付けてください。その時には上目遣いを忘れずに」
流石にうちのクラスは美人ぞろいと言われるだけの事はある。
これらの人材ならどんなお客様が来ても十分に対応できるキャラがいる。
いける、これならば全てのお客様を満足させられる!!
「ねえルラ、リルってこう言うの好きなの?」
「うーん、お仕事始めるとお姉ちゃんもの凄く真剣だったからねぇ~ 『赤竜亭』のレナさんも今のお姉ちゃん見たら安心してホール任せてくれるかな?」
休憩に入ったヤリスとルラが何か言ってるけど、クラスのみんなを完璧に仕上げる為に私は引き続き奮闘するのだった。
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すみません、あれに感染してました。
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体制整ったらまた毎日投稿に戻ります。
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