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第十話:聖女様はバージンを捨てたい

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 エマリアルはその後もバージンを捨てる為に奮闘していた。
 しかし彼女が起こす功績は国々から感謝され、世の中が良くなって行き聖女として彼女は神格化さえされ始めた。


「なんでですのおっ!? せっかく捕まえた好みの若い男の子に手を出しても私を拝むばかりで、意を決して肌まで露出してベッドにまで誘ったのに何もしてくれませんわぁっ!!」

「いや、エマリアル様が更に聖女様になってるからでしょうに。あまりにも恐れ多くて手なんか出せませんよ」

「うむ、流石は聖女様ではある。しかも未だひと所に落ち着かず諸国漫遊を続け世に希望の光を与え続けるとは!! 某、感無量でありますぞ!!」


 イージム大陸北方のここイザンカ王国は首都レッドゲイルでやっと好みの若い男の子を捕まえ、なんやかんやしてベッドインまで果たしたものの何もされず拝まれエマリアルは未だバージンのままだった。

 なのでまた新たな恋を探し旅を続ける。
 そして世の中がどんどん良くなってゆく。
 人々はますます聖女様に感謝し尊ぶ。
 それは勿論若い男の子にも浸透してゆくわけだが。


 故にバージンのままの聖女様の旅は終わらないのだった。



「私はバージンを捨てて理想の旦那様をゲットしたいのにですわぁっ!!!!」 




「聖女様はバージンを捨てたい」

―― 完 ――
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