お兄ちゃんが私にぐいぐいエッチな事を迫って来て困るんですけど!?

第四話：私だって本当はお兄ちゃんなら……いいよ……

　年齢イコール彼女いない歴の伊勢大河いせたいがは偏った知識を持っていた。
　だから初めて告白するつもりの女の子をいきなりホテルに連れ込もうとしたり、キスを迫ったりと段階すらわかっていない。

　そんな兄をサポートする協力を約束してしまった私は今悩んでいた。


「お兄ちゃん、これ何よ……」

「いや、モノの本にはこう言った小道具は女性に喜ばれると書いてあったのでな」


　お兄ちゃんの部屋で作戦会議を開く為に来てみたけど、この兄はいきなりプレゼントを贈るのはどうかと言い出した。
　一体何を送るつもりか聞いてみたらすでに買ってあって、「女性なら好むはずだ、モノの本に書いてあった」と言い放つ。
　嫌な予感がしてそれを見せてもらうと案の定、レザー風の拘束具がそこにあった。


「こんなもんいきなり送られて来たらどんな女の子だって引くわぁーっ!!　どこで買ったこんな破廉恥なモノ!?」


「いや、某南アメリカのジャングルと同じ名前の通販でな。あそこ、なんでもあるから驚きだ、こんなのもあったぞ？」

　そう言って鞭と蝋燭、変な目元だけ隠すマスクも取り出す。


「それ、SとMの道具！　普通の人はそんなモノ欲しがらない!!」


「ちゃんと衣装もあるんだぞ」

　そう言って女性用のぴっちりとラインが出るレザー服まで取り出す。


「一体いくらお金使っているのよ!?　と言うか、それでどうしろと!!!?」

「いや、大人しい女の子には実は隠れた内面があり、そう言うのを引き出してあげると更に仲が良くなると」


「どんなモノの本よっ!!」


　駄目だこいつ……
　私が怒っているとお兄ちゃんはしばし考えてからとんでもない事を言う。

「本当かどうか琴吹ことぶきにこれを着てもらえば分かるだろう。こいつを着てみてくれ!!」

「はぁっ!?　なんで私が……」

　衣装一式を私に差し出しながらお兄ちゃんは自分に拘束具をつけ始める。

　
「なんでも、『どうぞこのブタをいじめてください女王様！』とか言うと女性は喜んでくれるとか書いてあった！」

「ほほうぅ、それって実はお兄ちゃんの願望じゃないの？　いいでしょう、やってあげようじゃないの!!」


　このバカ兄にこんなもの使ったらどうなるか教え込んでやる！
　私は急ぎ衣装一式を自分の部屋に持って行き着替えてからマスクをしてお兄ちゃんの部屋にやって来る。

「さあ、覚悟しなさいお兄ちゃ……　いえ、この豚ブタがっ!!」

　いや、思わずノリで着こんじゃったけど、この衣装肩は露出して胸の谷間が見事に見えて、切れ込みの深いハイレグ。
　ストッキングも網タイツで何故かロングブーツまであった。

　目元だけ隠すマスクをして鞭を持つと、なんか高揚感が増す。

　自分を拘束したお兄ちゃんを見るとなんか背筋がゾクゾクしてきた。
　私は思わず唇を舐めてから言う。


「もう止まらないわよ、お兄ちゃん……　いえ、この卑いやしい豚ブタがぁッ!!」


　そう言いながら私は鞭を振る。


　ぴっしゃぁーんッ!!



「いってぇっ！　ちょ、琴吹ことぶきこれマジ痛い！」

「おだまり、この豚ブタがぁッ!!」


　ぴっしゃーんっ!!


「うぎゃぁーっ!!」


　こうしてお兄ちゃんは私に調教……もとい、実戦でこのグッズの恐ろしさを身に染みて反省をするのだった。










　……これちょっとお兄ちゃんに使うと癖になりそう///////♡