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第一章Hello日本デース

1-2(金)日本は混浴デース

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 リンダが我が家にホームステイする事となったのだが‥‥‥


 「これがダディさんで、これがマミーさんデース」


 そう言いながら荷物からオーストラリアのお土産を引っ張り出している。
 お父さんには「パース」って書かれたTシャツ、お母さんにはタペストリー?

 「あらぁ、わざわざお土産何て、リンダちゃんありがとうね」

 お母さんはそれを掲げながら結構楽しそうだ。

 「それとこれは由紀恵にデース!」

 そう言ってコアラの小さなキーホルダーを渡して来てくれる。
 それを見て私は思わず目を輝かす。

 「か、可愛い!」

 カバンに付けても良いかもしれない。
 ちょっとディフォルメ気味で頭が大きいけどそれがかわいらしい。

 「い、いいの?」

 「勿論デース。ああ、でも友也の無いデース。友也いるの聞いてませんデース」

 ちょっと申し訳なさそうにしているリンダ。
 そう言えばお兄ちゃんがいるって知らなかったようだった。

 「気にしなくていいよ。それにリンダさん着いたばかりで疲れてるでしょ?」

 「OH-、リンダで良いデース。皆さんもリンダでよろしくデース」

 無邪気にそう言うリンダはなんか可愛らしい。


 うっ、ちょっと嫉妬。


 お国柄かおおらかと言うかあっけらかんとしている感じがする。

 「さてと、それじゃあリンダちゃんの部屋に案内するかな。由紀恵も一緒に来てくれ」

 お父さんはそう言って席を立つのだった。


 * * *

 
 二階の一番奥の部屋が空いていたので使ってもらう事とした。

 ここはもともと空き部屋で特に家具もなく不要な物を少し置かれていた部屋。
 しかしリンダがホームステイすると言う事でベッドや机、椅子なんかをお父さんが量販店で購入してきていた。

 「女の子の必要な物は由紀恵の方が詳しいだろう? 後で不足の物はホームセンターに行くから買い足そう」

 そう言ってお父さんはリンダに部屋を案内した。

 「可愛らしい部屋デース」

 リンダはにこにこしながら部屋に入る。

 「じゃあ、リンダちゃん何かあったら由紀恵に言ってやってね。おじさんはリビングにいるからね。由紀恵、落ち着いたら買い出しに行こう」

 そう言ってお父さんは下へ行ってしまった。

 「え、えーと、リンダさん‥‥‥」

 「リンダで良いデース。それより由紀恵、この部屋畳無いデース?」

 「はい?」

 「日本部屋言ったら畳デース。押し入れに猫型ロボットいるデース」


 いや、どんなイメージを日本に持っているのよ!?


 「い、今の日本はみんなこんな感じよ? 私の部屋も畳じゃないし、お兄ちゃんの部屋もそうだよ?」

 「OH-、それは残念デース。そう言えばみんな着物着てないデース?」

 「いや、今の時代着物なんてめったに着ないから」

 それを聞くとリンダは不思議そうに私を見る。

 「では良いでは無いか言いながら友也に着物の帯引っ張られて由紀恵はくるくるしないデースか?」

 「一体どんなイメージ持ってるのよ!? しないわよ!!」


 いや、お兄ちゃんにならされてみたいけど、何考えているのよこの外人!?


 私は軽い頭痛を感じながらリンダに聞いてみる。 
  
 「えーと、他に必要な物って何かあるかな?」

 リンダはカバンを開きながら着替えや洗面道具、化粧品の類を並べていく。
 それと筆記用具やタブレッド、充電器なんかも引っ張り出して机の上に置いて行く。

 「あ、タオルやバスタオルは持ってくるね。後必要になりそうなものは‥‥‥」

 「大丈夫デース。あ、Wi-Fiありますかデース。パースのダディに連絡しますデース」

 そう言ってタブレットを掲げる。
 そう言うのはお兄ちゃんが詳しいからあたしはお兄ちゃんを呼んで来た。
 そしてしばらく設定とかして準備完了。
 リンダはさっそくメールを入れている様だ。

 「これで大丈夫デース、友也ありがとうデース」

 ちゅっ! 

 言いながらなんとお兄ちゃんの頬にキスする。


 「うわっ、リンダちゃん!?」

 「リンダっ! そう言うのダメって言ってるでしょうっ! 特にお兄ちゃんには禁止ぃっ!!」


 するときょとんとするリンダ。

 「感謝の気持ちデース。オーストラリアでは普通デース。由紀恵何で怒るデース?」

 「と、とにかくお兄ちゃんは私のなんだからダメぇっ!」

 「OH!? 由紀恵、友也と近親相姦デース! 禁断の愛デース!! もうしちゃったデースか? 私まだデース!!」


 おいこら、何言い出すのこの外人!!
 しかもさらっと自分の個人情報さらけ出しているし!!


 「何を馬鹿な事言ってるの!? き、近親相姦って、有る訳無いじゃない!!」

 真っ赤になって抗議する私。
 しかしリンダは首を傾げびっと指を立てて話し出す。

 「でも私アニメで見ましたデース、兄妹で禁断の愛するの日本よく有る事デース」

 「無いから、そんなアニメの様な事無いから! そりゃちょっとはあって欲しいけど、無いのよっ!」

 あたしの心の叫びをリンダは首をかしげながら残念そうに言う。

 「そうですか、残念デース」

 残念がるリンダだけど大丈夫かこいつ?
 あたしは更に不安になるのだった。


 * * * * * 


 「ごちそう様デース、まさか日本でパースで食べてたのと同じステーキ食べれる思わなかったデース」

 「初日だからいきなり和食は大変だろうからね。今日はリンダちゃんのお家から送られてきたお肉でステーキだよ。向こうでは本当に毎日こうなのかな?」

 「はい、そうデース」

 夕食はいきなり日本食では大変だろうと洋食にしていたらしい。
 でも本当に毎日ステーキなんだ。

 「でもお肉ばかりだと体にもお肉付くデース。最近の悩みデース。これ以上大きくなる大変デース」

 そう言って胸を持ち上げる。

 
 ちょっとマテ、もしかして毎日お肉食べているとそっちが大きくなるのか!?


 「リ、リンダもしかしてお肉付いたって‥‥‥」

 わなわなしながら私はリンダに聞く。

 「胸大きくなって大変デース」

 「お母さん! 毎晩ステーキお願い!!」

 私の切実なるお願いがみんなやや赤くなる中乾いた笑いで了解を得るのだった。


 * * *


 「明日はホームセンターに買い出しに行くからね、リンダ先にお風呂入っても良いよ?」

 「ワターシ先に友達にメール入れマース、後で入るデース」

 そう言ってとたとたと二階に上がっていく。
 
 「んじゃ、俺が先入っちゃうよ」

 そう言ってお兄ちゃんは立ち上がってお風呂へ向かう。

 私はお母さんの洗い物を手伝う。
 お父さんもお酒片手にテレビを見始めた。

 私はいつも通りなのでその時は気にもしなかった。


 * * *


 洗い物も終わり二階に行って着替えを取りに行こうとした時だった。

 「うわっ!?」


 ん?
 お風呂場からお兄ちゃんの声が聞こえる?


 なんとなく気になって脱衣所に行くと洗い物籠に大きなブラが‥‥‥


 「ちょ、ちょっとリンダちゃん!!」

 「まさかっ!?」


 お兄ちゃんの声にあたしは慌てて風呂場の扉を開けるとシャワー片手に固まっているお兄ちゃんと素っ裸のリンダがいた!?

 「流石に恥ずかしいデース。でも日本の伝統混浴は体験してみたかったデース、きゃぁーんデース!!」

 「何やってんのよ!? しないから、そんな風習普通の家じゃしないあからぁ!!」

 大きな白い胸をプルンと揺らして同じ年とは思えなナイスバディ―の体をさらけ出している。
 うらやましい体形に更にうらやましい事に肌の感じがとてもつややかできれい。
 女の私でさえ思わず息を呑んでしまうほど。

 はっ!?
 あたしは巨乳好きのお兄ちゃんを見る。

 固まったまま鼻血を出し始めた。
 そしてそのまま倒れる。

 「お、お兄ちゃんっ!!!?」

 「我が人生に一片の悔い無いかも‥‥‥」

 うわごとのようにそう言う。

 「OH-! それって長兄のセリフデース! 流石JAPAN! 本場は違うデース!!」

 「そんな事はいいから、とにかく早くバスタオル巻きなさい! 何時までそんな凶器さらけ出すのよ!!」

 私はリンダにバスタオルを投げつけながらお兄ちゃんに駆け寄る。
 そしてぎょっとする。


 み、見ちゃった、お、お兄ちゃんのあれを‥‥‥


 「だ、ダメぇっ! お兄ちゃんのえっちぃっ! 私たち兄妹なんだからねっ!」

 「ぶっ!」
 
 思わずお兄ちゃんの顔にバスタオルを投げ着けリンダを引っ張ってお風呂から逃げ出す。
 脱衣所のリンダの下着や服をひっつかんで一緒に二階のあたしの部屋まで急いで引っ張っていく。


 「はーはー、み、見ちゃった‥‥‥ お、大人だった‥‥‥」

 「由紀恵はいつも友也とお風呂しないデースか?」

 一応バスタオルを巻いているリンダは不思議そうにあたしを見ている。

 「有る訳無いじゃない! お、お兄ちゃんと一緒にお風呂何て小学生の時くらいよ!!」

 「やっぱり混浴しているデース」

 「子供の頃の話よ!!」

 「でも由紀恵の胸まだ子供デース?」


 「リンダぁっ!!」



 その後日本の風習についてさんざんリンダに教育的指導をする私だったのだ。
   
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