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攻防八日目

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朝が来ます。(多分朝だと思う)
私は目を覚まします。(見えないけど)
「ふわわ~ おはようございます。」
大きなあくびと共に"おはようございます"と言います。(聞こえないけど。)
ドタバタドタバタ 振動が伝わってきます。
今日もやってきましたね…変人さんたちは。
『我が愛娘よ!!どうしたんだ?!何があった?!』
『運命の人よ!どうしたんだい?君の可愛い顔が見れないな…』
『我が愛娘を口説くなんて100年早いぞ!いや、もっとか…』
『貴様、私を誰だと思っている…!』
何も聞こえませんがまた始まりましたね、喧嘩。
聞こえなくてもわかるってどういうことでしょうか。
無視しましょう。私はどうせ何も見えないし聞こえないんですから。今日は仕事も休みなので外に出なくてもいいですし。 
ふわわ~ 眠いです。とりあえず二度寝をしましょう。おやすみー☆

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「大変だ!とにかく私の家の専属医を連れてこよう。馬車のところまで戻ろう。我が愛娘よ。しばしの別れだが、泣くなよ。」
「いや、寝てんのになんで泣くんだよ!それに運命の人はお前なんかは微塵とも思っていない。それよりも、私の家の医者も連れてこよう。馬車に戻ろう。ごめんね。病気かもしれないのにそばにいてあげられなくて。」
「いや、お前もおんなじだろーが。」


突然だが、私の名前はマルス ガムハ。
隣国のガムハ公爵家の当主だ。私には昔愛する妻がいたのだがな、何故か逃げられてしまってな、16年11ヶ月の間、妻を探していたんだ。まあ…
やっと見つけた!って思った頃には妻はすでに死んでいたが。だが、妻は子供を生んでいたんだ!知った時は天にも上る気持ちだった。私は妻を溺愛していてね、(周囲は狂愛と呼んでいた。)誰の目にも止まらぬように家にずっといるように言っていたんだ。しばらくは妻も大人しくしていたのだが、16年11ヶ月前、突然行方をくらませたんだ。私が必死に血眼になって探したにも関わらず妻は一向に見つからなかった。
16年11ヶ月血眼で探してやっと見つけた我が愛娘だ!我が愛娘の願いなら何でも叶える。絶対に守り抜く。手に届くところに留めておくんだ。その為なら何だってやる。おっとそんなこと考えている場合じゃない。今は医者を呼ばなくては。我が愛娘まで死んでしまったら私はきっと壊れてしまう。



突然だけど、私はラティス レイモンドだ。
この国の第一王子にして王位継承権第一位だ。
私は男も女もどちらにも『興味』がわかない体質でね、王位継承権第一位ながら、跡取りの問題があって困っていたんだよ。無理矢理結婚するにせよ、なにせ『興味』がわかない、だからね。意味は察していただきたい。
そんな時、スラムの現状を調べようと視察に来た私に天使が舞い降りてきたんだ!
美しい白銀と白金の混ざったような美しい髪にすべてを見透かすような夕焼けのような赤ともオレンジとも紫とも呼べぬ美しい目、ぱっちりしていて愛嬌もあり、猫のように少しだけつり上がっているところから、大人っぽい感じも出ている。それに胸なんて………………今まで見たこともないサイズだ!大きすぎず小さすぎず、だけど男をそそらせる大きさ…!出るところがしっかり出ていながら、どこか控えめな感じの大きさが丁度いい!
それに私の名字を聞いても気にしない権力に対する無関心さや、僕の顔は、わりと自身があるんだが、それにも関心を寄せないところがなおいい。今まで金や権力、容姿に食いついた目のギラギラさせた女ばかり見てきたからな。それに一目惚れしたんだ。一瞬でわかった。胸が高鳴って鳴り止まない音。すごくうるさく感じてしまう。体中が熱くなって『興味』も持った。
絶対に手に入れてやる。愛しい人の為なら人殺しだって何だってやってやる。ゆうことを聞かないなら、悪い虫がつくなら閉じ込めて、一生私しか知らないように悪い虫がつかないように守る。絶対に…!
おっと、そんなことを考えている暇はない。
まずは医者を呼ばなければ。愛しい人が死んだら、私は生きていけない。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ぞわわ な、何でしょう。この悪寒は。
すごく嫌な予感…

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

更新すごーく遅くてすいません。今回は中身の詰まった話だと思っておりますので、お詫びにでも…!
これからもどうぞ、よろしくお願いしますね!
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