10 / 50
始まりの物語。
光と影
しおりを挟む
「んっ……」
目が覚めたので、体を起こします。
おはようございます。
いったい、わたくしは、どれくらい寝ていたのでしょう?後でパパにお礼を言わなければなりませんね。
「起きられたのですか?お嬢様。」
「えぇ。よく眠れたわ。」
そうだ、わたくしは、エリナに言わなければならないことがあるんでした。
「エリナ、これからも、よろしくね?」
「!お嬢様、わかったんですね!
その言葉が欲しかったんですよ!
私、エリナは、お嬢様に、一生使えますぅ。
うっうっ」
号泣されてしまいました。
ど、どうしましょう?
それに、一生は…いや、嬉しいんですけれど、エリナにもそのうち、縁談が来るんじゃ…
でも、今は
「エリナ、ありがとうね。」
「はい、お嬢様!」
「ところで、わたくしは、どれくらい寝ていたのですか?」
「もうすぐ夕食になるくらいの時間ですよー 」
かなり寝ていたのですね。
不甲斐ないです。
まあ、8歳児だからしょうがないと考えましょう。
「では、食堂に行ったほうがいいのですか?」
「そうですね。では、行きましょうか。」
「えぇ。」
移動中、わたくしは、
今日もパパと食べられるのでしょうか?
お礼も言いたいですし。と考えていました。
なんとも幸せな考えだと想いました。
しかし、騎士団見学してて、思ったのですが、私に、騎士は無理ですね。
体力的にも、才能としても。
どんなに努力しても、騎士になるのは、難しそうです。努力も大事ですが、自分に合うものを探すことも必要です。
どうせなら、前の生での知識も役立てたいですし。
殿下や彼女にもう関わりたくないから、文官は避けたかったんですけど…
あっ、騎士も護衛とかで関わりますね。
どのみち関わらなきゃいけないんですか…
まあ、わたくしには、文官のほうが合っていそうですね。
王妃の公務なんかの経験もありますし。
だいたい、そこそこの地位にいかなければ、殿下や彼女に、関わることもありませんね。
でも、自分の身は自分で守りたいので、体は少し、鍛えておきましょう。
もちろん勉強もしますよ。
(お嬢様が百面相しています!珍しい…)
「あら、ついたようね。」
わたくしは、食堂に入りました。
食堂には、すでにパパがいました。
わたくしは、パパの隣に座ります。
心なしか、パパの周りにお花が咲いてみえるのは、気のせいでしょう。
(当たり前のように、ユリアが隣に座ってくれる日が来るなど!嬉しい…)
わたくしが、席につくと料理が運ばれてきます。食事をしながら、
「今日は、私を運んで下さり、ありがとうございます。」
と言いました。
(何なんだ!この大輪が咲いたような笑顔は…!)
あら?今度はさっきよりもはっきりパパの周りに花が咲いているように見えます。
不思議な錯覚ですね。
「パパ、お願いがあります。」
「なんだ?」
「お時間が空いているときでいいので、わたくしを、身が守れるくらいに鍛えてほしいのです。」
「なぜ?」
「わたくし、家をつごうかと考えたんです。
でも、わたくしは、騎士にはなれないと思うんですよね。
体力や才能という事情があって。
ですが、自分の身は、自分で守れるくらいにはなりたいのです。
家は、代々騎士の家系ですから、わたくしも、それに恥じないくらいにはなりたいのです。
騎士の代わりに、わたくしは、文官を目指そうかと考えています。」
「わかった。」
許可をいただきました。やった、です!
でも、少し悲しそうです。
(ユリアは、すごいな。
この年で、もう、自分の向き不向きを考えられるなんて。
でも、ユリアはいずれ、家を出る日が来ると考えると…いつか来るとわかっていてもやはり、悲しいな。)
パパが悲しむとするならば、家にずっといられない、ということでしょうね。
「パパ、そんなに落ち込まないでください。わたくしが、家を出ても、今生の別れじゃありませんし。
私も会いに行きます。
だからパパも会いに来てくださいね?」
…会えなかったら、わたくしも悲しいですし。
「あぁ。すまない。私が励まされてどうするんだろうな。
しかし、どうしてわかったんだ?口には出していないはずだが…」
あら?パパはわからないのでしょうか。
騎士になれない、といったところで、悲しそうな顔になったことを。
「顔に出ていましたから。」
「!!そうなのか。」
ふふ。面白いです。楽しいです。
わたくしは、パパとの会話を楽しみました。
こんな話がある。
皆さんは知っているだろうか?ユリア処刑の元凶の真相を。
彼女は、ユリアを陥れるために、殿下にこう言った。
もし、私が、悲しくなったら助けに来てくださいね、と。
その結果、彼女が「残念です。」といったことを、悲しんでると思い、殿下は、ユリアに怒った。
その彼女が…前回の生を思いだした。
ユリアが、パパと楽しく、食事をしている頃…
とあるスラムの一角にて
「なんて幸運なの?!またやり直せるなんて!」
そう叫んでいる黒髪黒目の女の子がいました。
彼女は、地球という異世界からの迷い人です。
どうやら、地球から、この世界にやってきた拍子に、自分が、時間をさかのぼったことを思い出したようです。
「前回は、あの悪女のせいで、あのバカ王子と国外追放されて、国外追放された先の国で、散々な目にあって、おまけに逆ギレした卑しい平民に刺し殺されたけど!今回はそうならないようにするわ!」
正確には、ユリアが二人の尻拭いをしていたことで、なんとか保っていた政治。
それなのにユリアを処刑してしまい、任せっきりだった政治をやらなくてはいけなくなった。
しかし、二人とも、ユリアに任せっきりだったため、(殿下はできるが、ユリアには遠く及ばない。しかも、どこの馬の骨ともわからない、彼女は、何もできなかったから、殿下の補佐をできない。)
公務が追いつかず、国民や家臣の信用を失って国外逃亡。
その果てに、逃亡先で、さんざんわがままを言って怒りを買い、
(平民は黙って言うことを聞いていろ!と言ってわがままを言っていた。)刺し殺された、だが。
「今度は、あの悪女は、生かしておいて、公務をさせましょう。」
「あぁ、でもめんどくさいな。
テレポートの能力持ち見つけるの。」
瞬間移動
彼女は、前回、テレポートの能力持ち(配達員)の力を借りて、王宮の前に降り立ったのだ。
「まあ、いいや。
時間がさかのぼったなら、あの悪女の断罪以外は、前と同じにしてれば同じようになるはずだしね。」
前の生とは違う生き方をしようとしているユリアと、
同じように生きようとしている彼女。
よりによってどうしてこの二人の時間がさかのぼったのか。
運命の歯車は今、動き出した。
目が覚めたので、体を起こします。
おはようございます。
いったい、わたくしは、どれくらい寝ていたのでしょう?後でパパにお礼を言わなければなりませんね。
「起きられたのですか?お嬢様。」
「えぇ。よく眠れたわ。」
そうだ、わたくしは、エリナに言わなければならないことがあるんでした。
「エリナ、これからも、よろしくね?」
「!お嬢様、わかったんですね!
その言葉が欲しかったんですよ!
私、エリナは、お嬢様に、一生使えますぅ。
うっうっ」
号泣されてしまいました。
ど、どうしましょう?
それに、一生は…いや、嬉しいんですけれど、エリナにもそのうち、縁談が来るんじゃ…
でも、今は
「エリナ、ありがとうね。」
「はい、お嬢様!」
「ところで、わたくしは、どれくらい寝ていたのですか?」
「もうすぐ夕食になるくらいの時間ですよー 」
かなり寝ていたのですね。
不甲斐ないです。
まあ、8歳児だからしょうがないと考えましょう。
「では、食堂に行ったほうがいいのですか?」
「そうですね。では、行きましょうか。」
「えぇ。」
移動中、わたくしは、
今日もパパと食べられるのでしょうか?
お礼も言いたいですし。と考えていました。
なんとも幸せな考えだと想いました。
しかし、騎士団見学してて、思ったのですが、私に、騎士は無理ですね。
体力的にも、才能としても。
どんなに努力しても、騎士になるのは、難しそうです。努力も大事ですが、自分に合うものを探すことも必要です。
どうせなら、前の生での知識も役立てたいですし。
殿下や彼女にもう関わりたくないから、文官は避けたかったんですけど…
あっ、騎士も護衛とかで関わりますね。
どのみち関わらなきゃいけないんですか…
まあ、わたくしには、文官のほうが合っていそうですね。
王妃の公務なんかの経験もありますし。
だいたい、そこそこの地位にいかなければ、殿下や彼女に、関わることもありませんね。
でも、自分の身は自分で守りたいので、体は少し、鍛えておきましょう。
もちろん勉強もしますよ。
(お嬢様が百面相しています!珍しい…)
「あら、ついたようね。」
わたくしは、食堂に入りました。
食堂には、すでにパパがいました。
わたくしは、パパの隣に座ります。
心なしか、パパの周りにお花が咲いてみえるのは、気のせいでしょう。
(当たり前のように、ユリアが隣に座ってくれる日が来るなど!嬉しい…)
わたくしが、席につくと料理が運ばれてきます。食事をしながら、
「今日は、私を運んで下さり、ありがとうございます。」
と言いました。
(何なんだ!この大輪が咲いたような笑顔は…!)
あら?今度はさっきよりもはっきりパパの周りに花が咲いているように見えます。
不思議な錯覚ですね。
「パパ、お願いがあります。」
「なんだ?」
「お時間が空いているときでいいので、わたくしを、身が守れるくらいに鍛えてほしいのです。」
「なぜ?」
「わたくし、家をつごうかと考えたんです。
でも、わたくしは、騎士にはなれないと思うんですよね。
体力や才能という事情があって。
ですが、自分の身は、自分で守れるくらいにはなりたいのです。
家は、代々騎士の家系ですから、わたくしも、それに恥じないくらいにはなりたいのです。
騎士の代わりに、わたくしは、文官を目指そうかと考えています。」
「わかった。」
許可をいただきました。やった、です!
でも、少し悲しそうです。
(ユリアは、すごいな。
この年で、もう、自分の向き不向きを考えられるなんて。
でも、ユリアはいずれ、家を出る日が来ると考えると…いつか来るとわかっていてもやはり、悲しいな。)
パパが悲しむとするならば、家にずっといられない、ということでしょうね。
「パパ、そんなに落ち込まないでください。わたくしが、家を出ても、今生の別れじゃありませんし。
私も会いに行きます。
だからパパも会いに来てくださいね?」
…会えなかったら、わたくしも悲しいですし。
「あぁ。すまない。私が励まされてどうするんだろうな。
しかし、どうしてわかったんだ?口には出していないはずだが…」
あら?パパはわからないのでしょうか。
騎士になれない、といったところで、悲しそうな顔になったことを。
「顔に出ていましたから。」
「!!そうなのか。」
ふふ。面白いです。楽しいです。
わたくしは、パパとの会話を楽しみました。
こんな話がある。
皆さんは知っているだろうか?ユリア処刑の元凶の真相を。
彼女は、ユリアを陥れるために、殿下にこう言った。
もし、私が、悲しくなったら助けに来てくださいね、と。
その結果、彼女が「残念です。」といったことを、悲しんでると思い、殿下は、ユリアに怒った。
その彼女が…前回の生を思いだした。
ユリアが、パパと楽しく、食事をしている頃…
とあるスラムの一角にて
「なんて幸運なの?!またやり直せるなんて!」
そう叫んでいる黒髪黒目の女の子がいました。
彼女は、地球という異世界からの迷い人です。
どうやら、地球から、この世界にやってきた拍子に、自分が、時間をさかのぼったことを思い出したようです。
「前回は、あの悪女のせいで、あのバカ王子と国外追放されて、国外追放された先の国で、散々な目にあって、おまけに逆ギレした卑しい平民に刺し殺されたけど!今回はそうならないようにするわ!」
正確には、ユリアが二人の尻拭いをしていたことで、なんとか保っていた政治。
それなのにユリアを処刑してしまい、任せっきりだった政治をやらなくてはいけなくなった。
しかし、二人とも、ユリアに任せっきりだったため、(殿下はできるが、ユリアには遠く及ばない。しかも、どこの馬の骨ともわからない、彼女は、何もできなかったから、殿下の補佐をできない。)
公務が追いつかず、国民や家臣の信用を失って国外逃亡。
その果てに、逃亡先で、さんざんわがままを言って怒りを買い、
(平民は黙って言うことを聞いていろ!と言ってわがままを言っていた。)刺し殺された、だが。
「今度は、あの悪女は、生かしておいて、公務をさせましょう。」
「あぁ、でもめんどくさいな。
テレポートの能力持ち見つけるの。」
瞬間移動
彼女は、前回、テレポートの能力持ち(配達員)の力を借りて、王宮の前に降り立ったのだ。
「まあ、いいや。
時間がさかのぼったなら、あの悪女の断罪以外は、前と同じにしてれば同じようになるはずだしね。」
前の生とは違う生き方をしようとしているユリアと、
同じように生きようとしている彼女。
よりによってどうしてこの二人の時間がさかのぼったのか。
運命の歯車は今、動き出した。
5
お気に入りに追加
2,627
あなたにおすすめの小説
壁の花令嬢の最高の結婚
晴 菜葉
恋愛
壁の花とは、舞踏会で誰にも声を掛けてもらえず壁に立っている適齢期の女性を示す。
社交デビューして五年、一向に声を掛けられないヴィンセント伯爵の実妹であるアメリアは、兄ハリー・レノワーズの悪友であるブランシェット子爵エデュアルト・パウエルの心ない言葉に傷ついていた。
ある日、アメリアに縁談話がくる。相手は三十歳上の財産家で、妻に暴力を働いてこれまでに三回離縁を繰り返していると噂の男だった。
アメリアは自棄になって家出を決行する。
行く当てもなく彷徨いていると、たまたま賭博場に行く途中のエデュアルトに出会した。
そんなとき、彼が暴漢に襲われてしまう。
助けたアメリアは、背中に消えない傷を負ってしまった。
乙女に一生の傷を背負わせてしまったエデュアルトは、心底反省しているようだ。
「俺が出来ることなら何だってする」
そこでアメリアは考える。
暴力を振るう亭主より、女にだらしない放蕩者の方がずっとマシ。
「では、私と契約結婚してください」
R18には※をしています。
よくある婚約破棄なので
おのまとぺ
恋愛
ディアモンテ公爵家の令嬢ララが婚約を破棄された。
その噂は風に乗ってすぐにルーベ王国中に広がった。なんといっても相手は美男子と名高いフィルガルド王子。若い二人の結婚の日を国民は今か今かと夢見ていたのだ。
言葉数の少ない公爵令嬢が友人からの慰めに対して放った一言は、社交界に小さな波紋を呼ぶ。「災難だったわね」と声を掛けたアネット嬢にララが返した言葉は短かった。
「よくある婚約破棄なので」
・すれ違う二人をめぐる短い話
・前編は各自の証言になります
・後編は◆→ララ、◇→フィルガルド
・全25話完結
漫画の寝取り竿役に転生して真面目に生きようとしたのに、なぜかエッチな巨乳ヒロインがぐいぐい攻めてくるんだけど?
みずがめ
恋愛
目が覚めたら読んだことのあるエロ漫画の最低寝取り野郎になっていた。
なんでよりによってこんな悪役に転生してしまったんだ。最初はそう落ち込んだが、よく考えれば若いチートボディを手に入れて学生時代をやり直せる。
身体の持ち主が悪人なら意識を乗っ取ったことに心を痛める必要はない。俺がヒロインを寝取りさえしなければ、主人公は精神崩壊することなくハッピーエンドを迎えるだろう。
一時の快楽に身を委ねて他人の人生を狂わせるだなんて、そんな責任を負いたくはない。ここが現実である以上、NTRする気にはなれなかった。メインヒロインとは適切な距離を保っていこう。俺自身がお天道様の下で青春を送るために、そう固く決意した。
……なのになぜ、俺はヒロインに誘惑されているんだ?
※他サイトでも掲載しています。
※表紙や作中イラストは、AIイラストレーターのおしつじさん(https://twitter.com/your_shitsuji)に外注契約を通して作成していただきました。おしつじさんのAIイラストはすべて商用利用が認められたものを使用しており、また「小説活動に関する利用許諾」を許可していただいています。
兄の恋人(♂)が淫乱ビッチすぎる
すりこぎ
BL
受験生の直志の悩みは、自室での勉強に集中できないこと。原因は、隣室から聞こえてくる兄とその交際相手(男)のセックスが気になって仕方ないからだ。今日も今日とて勉強そっちのけで、彼らをオカズにせっせと自慰に励んでいたのだが――
※過去にpixivに掲載した作品です。タイトル、本文は一部変更、修正しています。
どうせ結末は変わらないのだと開き直ってみましたら
風見ゆうみ
恋愛
「もう、無理です!」
伯爵令嬢である私、アンナ・ディストリーは屋根裏部屋で叫びました。
男の子がほしかったのに生まれたのが私だったという理由で家族から嫌われていた私は、密かに好きな人だった伯爵令息であるエイン様の元に嫁いだその日に、エイン様と実の姉のミルーナに殺されてしまいます。
それからはなぜか、殺されては子どもの頃に巻き戻るを繰り返し、今回で11回目の人生です。
何をやっても同じ結末なら抗うことはやめて、開き直って生きていきましょう。
そう考えた私は、姉の機嫌を損ねないように目立たずに生きていくことをやめ、学園生活を楽しむことに。
学期末のテストで1位になったことで、姉の怒りを買ってしまい、なんと婚約を解消させられることに!
これで死なずにすむのでは!?
ウキウキしていた私の前に元婚約者のエイン様が現れ――
あなたへの愛情なんてとっくに消え去っているんですが?
「こんな横取り女いるわけないじゃん」と笑っていた俺、転生先で横取り女の被害に遭ったけど、新しい婚約者が最高すぎた。
古森きり
恋愛
SNSで見かけるいわゆる『女性向けザマア』のマンガを見ながら「こんな典型的な横取り女いるわけないじゃん」と笑っていた俺、転生先で貧乏令嬢になったら典型的な横取り女の被害に遭う。
まあ、婚約者が前世と同じ性別なので無理~と思ってたから別にこのまま独身でいいや~と呑気に思っていた俺だが、新しい婚約者は心が男の俺も惚れちゃう超エリートイケメン。
ああ、俺……この人の子どもなら産みたい、かも。
ノベプラに読み直しナッシング書き溜め中。
小説家になろう、カクヨム、アルファポリス、ベリカフェ、魔法iらんどに掲載予定。
ほらやっぱり、結局貴方は彼女を好きになるんでしょう?
望月 或
恋愛
ベラトリクス侯爵家のセイフィーラと、ライオロック王国の第一王子であるユークリットは婚約者同士だ。二人は周りが羨むほどの相思相愛な仲で、通っている学園で日々仲睦まじく過ごしていた。
ある日、セイフィーラは落馬をし、その衝撃で《前世》の記憶を取り戻す。ここはゲームの中の世界で、自分は“悪役令嬢”だということを。
転入生のヒロインにユークリットが一目惚れをしてしまい、セイフィーラは二人の仲に嫉妬してヒロインを虐め、最後は『婚約破棄』をされ修道院に送られる運命であることを――
そのことをユークリットに告げると、「絶対にその彼女に目移りなんてしない。俺がこの世で愛しているのは君だけなんだ」と真剣に言ってくれたのだが……。
その日の朝礼後、ゲームの展開通り、ヒロインのリルカが転入してくる。
――そして、セイフィーラは見てしまった。
目を見開き、頬を紅潮させながらリルカを見つめているユークリットの顔を――
※作者独自の世界設定です。ゆるめなので、突っ込みは心の中でお手柔らかに願います……。
※たまに第三者視点が入ります。(タイトルに記載)
今、私は幸せなの。ほっといて
青葉めいこ
ファンタジー
王族特有の色彩を持たない無能な王子をサポートするために婚約した公爵令嬢の私。初対面から王子に悪態を吐かれていたので、いつか必ず婚約を破談にすると決意していた。
卒業式のパーティーで、ある告白(告発?)をし、望み通り婚約は破談となり修道女になった。
そんな私の元に、元婚約者やら弟やらが訪ねてくる。
「今、私は幸せなの。ほっといて」
小説家になろうにも投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる